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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
61. あなただけ今晩は 名作「アパートの鍵貸します」と同じビリー・ワイルダー監督にジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの共演ということで期待。 コメディというにはリアリティがなさすぎてコントチック。 決して悪くはなかったものの、ハードルが上がりすぎたせいかそこまでのインパクトはなかった。 それでも、男のやせ我慢と誠意が醸し出すペーソスがあり、上質のテイストは感じられる。[DVD(字幕)] 6点(2013-05-20 18:53:25)《改行有》 62. シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 セリフがすべて歌になっているのが新鮮だった。 通常の演技からいきなり歌いだすミュージカルより、全部歌になっているほうがかえって違和感がない。 ただ、やっぱり単調になってしまう嫌いはある。 ジュヌヴィエーヴが子供を宿したにも関わらず他の男と結婚する説得力にも欠ける。 ミシェル・ルグランのテーマ曲は、別れのシーンにふさわしく切なくて美しい。 ラストの雪の中での再会と別れは、人生のすれ違いを実感させて余韻が残る。 風景、色彩などを含め、フランスらしいオシャレな感性が全編に流れている映画。 カトリーヌ・ドヌーブはてっきり本人の歌声だと思って聴いていたが、吹替えだったとは…[DVD(字幕)] 6点(2013-05-19 01:47:57)《改行有》 63. 日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 終戦の玉音放送が流れるまでの一日を史実に基づいて描いているので見ごたえがある。 クーデターの未遂がリアルに描かれ引き込まれる。 そこにいる誰もが国のことを思っての行動だが、判断を間違えるとこうした行き違いが生まれるのか。 軍部の暴走で戦争をまだ続けていれば、第三、第四の被爆地も出ただろうから、考えれば恐ろしくなる。 逆にいえば、広島、長崎が被爆する前に終戦できなかった指導部の責任も感じる。 国を守るとか国民の命を守るという概念がそもそも違ったのだろう。 刀で斬られた首の転がり方や血の噴き出し方がいかにも古臭いが、それもご愛嬌か。 モノクロの長い映画だが、まったく退屈せずに最後まで観ることができた。[DVD(邦画)] 8点(2013-05-15 01:14:40)《改行有》 64. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 キューブリック監督の風刺が強烈。 ブラックジョークがそこかしこに効いている。 馬鹿な男が次から次に出てきて全面核戦争へと進むさまが笑える。 人類滅亡を前にした緊急事態に小銭をめぐってのやりとりは爆笑もの。 ただ、笑ってばかりもいられず、現実化する可能性を考えると途轍もなく恐ろしい。 ピーター・セラーズの1人3役は気づかなかった。 どの人物もキャラが立っていて存在感がある。 古いモノクロ作品なのに色あせないのは、さすがキューブリックというところか。[DVD(字幕)] 8点(2013-03-28 01:31:42)《改行有》 65. 椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 椿三十郎のキャラがよく、かっこいい。 椿の合図で敵を騙すのもシャレている。 敵方の捕虜のとぼけた味は、コミカルで楽しい。 リアルタイムで観ていたら、もっと衝撃的だったかもしれない。 でも、今だと娯楽性のある映画は他にもいっぱいあるので、ありがたみは減っているか。 ラストは、西部劇の早撃ちガンマンの決闘のようでシビれる。 血の噴き出し方が変だったのは、ご愛嬌か。 誰でも楽しめる作品だと思うが、深みは感じなかった。 期待があまりにも大きすぎたようだ。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-25 00:15:43)《改行有》 66. アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 ビリー・ワイルダー監督の代表作。 非常に完成度の高い作品で、隙がない。 特に、脚本が秀逸で、伏線がうまく張られている。 説明はなくても、心の動きがはっきりと伝わる描き方がうまい。 例えば、バドが昇進で与えられた会社の個室にフランを招きいれたシーン。 部長の正体を元愛人から教えられた直後で、フランはショックを受けている。 そんなことも知らないバドは、フランに部長からもらったクリスマスカードを見せる。 部長と親しいことを誇示したいバドの意図が見えるが、フランには部長が家族と楽しげに写っているのがつらいだけ。 昇進で浮かれるバドは、役職にふさわしくするために買った帽子が似合うかどうか尋ねる。 その時、フランが貸してあげた割れた手鏡は、部長の情事の後にバドの部屋にあった忘れ物。 これで、バドは部長の情事の相手がフランだと気づき、浮かれ気分から一気にどん底に――。 この何気ない短いやりとりの間に、二人の隠された感情の動きやすれ違いをはっきりと表現している。 わからない人はわからなくていいという芸術家ぶった姿勢ではなく、さりげなくきちんと伝えるプロの業がいい。 鍵、帽子、手鏡、シャンパンなど小道具の使い方が絶妙だし、セリフはウィットに富んでいる。 登場人物のキャラクターもいい。 なんといっても、シャーリー・マクレーンがとびきりチャーミング。 余談だが、後に『アウト・オン・ア・リム』でベストセラー作家になったのは驚いた。 容貌がすっかり普通のおばさんになっていたのが寂しかったけど…。 主人公のジャック・レモンもいい味を出している。 身も蓋もなく言ってしまえば、冴えない男とバカな女のお話なのだが、だんだん引き込まれていく。 そして、女を思う男の純粋さに、カッコよく見えてきてしまう。 笑えて、切なくて、心温まる、お手本のような映画。 モノクロ映画でラブストーリーの古典としては、『ローマの休日』と肩を並べるかも。[ビデオ(字幕)] 10点(2012-12-23 01:05:24)《改行有》 67. 大脱走 《ネタバレ》 これぞエンターテイメント。 ドイツの収容所から脱走するという極めてシンプルな話だが、楽しい。 捕まったマックイーンが、壁にボール投げしているラストが印象的。 挫折で終わらせない演出が明るさを添える。[ビデオ(吹替)] 8点(2012-12-21 21:35:34)《改行有》 68. 天国と地獄 まさに映画のお手本。 お手本を参考にして作られた映画やドラマがたくさんある。 そのせいで、かなり損をしているような…。 後発映画を観てから、オリジナルを観ることのほうが多いから。[ビデオ(邦画)] 7点(2012-12-19 20:08:30)《改行有》 69. 2001年宇宙の旅 映像の迫力には圧倒されるが、ストーリーが難解すぎる。 まるで、ピカソの絵。 初見では、「進化」「神秘の力」「人間を超えた存在」「壮大で荘厳な世界」というようなイメージは感じた。 でもそれは、点として認識するだけで、線として理論的に整理することができなかった。 解説やキューブリック自身の言葉を知り、そのあと観直して、ようやくそのイメージは一つの線になって有機的につながった。 映画というより、音楽や絵画に近いようなアート。 ストーリーが理解できないと気持ち悪い向きには、こういう芸術的、感覚的作品はきつい。 ただ、場面場面の映像は、インパクトがあるので心に残る。 1968年にこの映画を作ったというのは驚異的。 でも、自分が求めている映画ではなかった。 何度か観直すことが前提で作られたような作品は、性に合わない。[DVD(字幕)] 4点(2012-12-19 20:05:42)《改行有》 70. 猿の惑星 《ネタバレ》 ラストが見事。 ラストだけでなく、そこに至るまでも、よく練られたストーリーで引き込まれる。 粗を探せば、猿が英語をしゃべるのをさほど妙だと思わなかった乗組員は、やっぱりおかしい。 でも、そんなウソや矛盾が気にならないくらい、作品世界に持っていかれる。 そうなると、作り手の勝ちだ。 試合が終わってから冷静な分析をされても、勝敗はひっくり返らない。 そんな良い意味での開き直りのようなものも感じる。[地上波(邦画)] 8点(2012-12-19 20:02:16)(良:1票) 《改行有》 71. ロミオとジュリエット(1968) シェークスピアの世界を壊していない。 デカプリオ演じる現代版より、こちらがオススメ。 ただ、やっぱり原作はもともと舞台用の戯曲なので、舞台のほうが向いている。 オリビア・ハッセーがとにかくキレイ。[ビデオ(吹替)] 6点(2012-12-18 22:38:12)《改行有》 72. 荒野の七人 子供の頃に初めてテレビで観たときは、ワクワクした。 悪人どもに立ち向かう七人が、めちゃくちゃカッコよかった。 「やっぱり洋画が面白い!」 あの頃は、黒澤明のほうが先だなんて全然知らずに、そう思ってたっけ。 『七人の侍』を観て、改めて最近見直してみたが、比較ができてなかなか興味深い。 こちらのほうが話に深みはないが、ハリウッド仕立てらしくシンプルでエンターテイメント寄り。 『七人の侍』の重厚なイメージとは違い、風景や音楽も含めて明るいトーンを帯びてとっつきやすい。 陰鬱なシーンは省かれてユーモラスなシーンが増えている。 七人が揃う過程があまりにも簡単でありえない気はするが、その分子供でも楽しめる内容となっている。 ブロンソンと子供たちの交流が良かった。 それにしても、勢ぞろいしたスターたちがカッコよすぎる。 すっかり忘れている部分もあったが、大人になっても十分面白かった。[DVD(吹替)] 9点(2012-12-10 00:24:58)《改行有》 73. 死霊の盆踊り どういうつもりで作ったのかを問い詰めたくなるような映画。 完全に舐め切っている。 デタラメすぎて、ある意味貴重な作品ともいえる。[インターネット(字幕)] 0点(2012-12-06 17:57:08)《改行有》 74. 明日に向って撃て! 《ネタバレ》 ジョージ・ロイ・ヒル監督によるアメリカンニューシネマの最高傑作。 ブッチ(ロバート・レッドフォード)とサンダース(ロバート・レッドフォード)の強盗コンビが、たまらなくカッコイイ。 この2人と絡むエッタ(キャサリン・ロス)もたまらなくキレイ。 主題曲「雨に濡れても」とともに、自転車で戯れるシーンが癒される。 緊迫した場面にも、思わず噴き出してしまうようなコミカルなシーンがいい。 追っ手に追い詰められて、崖から谷川に飛び降りるシーンで、サンダースが「俺は泳げないんだ」とブッチに告白するところ。 ボリビアの銀行で、ブッチが強盗のセリフを忘れて、カンニングペーパーを取り出しもたもたするところ。 そして、ラストの包囲された警官隊に、飛び出していくストップモーション。 蜂の巣にされる場面を描かなかったのが、この作品にふさわしい。 何度も観たので、セリフまで覚えてしまうくらいだが、やっぱり面白い。 かっこよくて、笑えて、切ない映画。 エンターテイメントの要素がいっぱい詰まっている。 本作と同じヒル監督、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードで描く『スティング』も負けず劣らぬ傑作。[地上波(吹替)] 10点(2012-12-04 16:56:40)(良:1票) 《改行有》
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