みんなのシネマレビュー |
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821. ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 「頭だけで語る、手足のない自分を見世物にしろ。さもなくば殺してくれ」やっと通じたモールス信号を医師たちは黙殺した。ジョニーは完璧な医療体制の下、無理やり生かされることとなった。ヒトとしての尊厳を根こそぎ奪われたまま。彼はこの後、発狂しなかっただろうか。戦争を含め、人間のエゴが集まって生んだ悲劇だった。あまりにも切なく、腹立たしいこの映画を2度観ることはできない。でも、制作者が自分たちに送ったと思うメッセージは、この先も心の隅に残しておきたい。9点(2004-06-24 01:09:55) 822. ルパン三世 カリオストロの城 個人的に宮崎絵のルパンは好きじゃないんですが、それを補ってあまりある魅力的な映画です。城に監禁されたお姫様をルパンが救出するという物語自体、興味をそそられる。活劇面でも全編に工夫を凝らしまくって、全く観ていて飽きない。伯爵の憎たらしいキャラも完璧。仲間たちと銭形警部にも見せ場を用意してくれているし、もうお腹いっぱい満足です。10点(2004-06-13 01:25:25) 823. フルメタル・ジャケット 前半の、ハートマン軍曹の罵倒の数々だけでも観る価値は十分だけど、この映画はそれだけではない。ある時は軍事訓練で、ある時はベトナムの消耗戦で、次第に狂気が高まり、人命を重んじるなどの人間性が失われていく様子には強いリアリティを感じる。10点(2004-06-13 01:01:22) 824. ファニーゲーム 後味が最悪という評価を知ってから観ました。まさに観客にそれを感じさせるために製作された作品と言えそうです。気の毒に強盗の犠牲となる3人家族は、それぞれ逃げ切るチャンスがありながら、みすみす逃してまた捕まってしまうところなど、分かっていても「畜生~、もうちょっとだったのに~」と画面に向かって毒づいてしまうのでした。犯人が観客に向かってウインクしたり、巻き戻ししたりするのは、ビックリしたけどいらなかったかも。その方がドキュメンタリーっぽく救いの無さが大きくなったと思う。それにしても、あのデブの奴はむかつくなあ~。ぼーっとした顔で残酷な行為も平気でする手合いが一番怖い。7点(2004-06-10 23:39:01)(良:1票) 825. ブレインデッド 開始時点では「どんな悲惨なホラー映画だろう」と思っていたのに、なんと成分は半分以上ギャグだった。なぜかカンフーの達人の神父が登場したあたりから、もう頬が笑うために緩みっぱなし。数十分にわたるミンチシーンは歴史に残していいんじゃないだろうか。そしてトドメはラストのヒーローとヒロインのキス。ここまでメチャクチャやって王道的な終わり方かよ!と画面につっこんだ。9点(2004-06-08 23:03:51) 826. パラサイト 《ネタバレ》 注目の若手俳優が多く出演しているらしいですが、それをほとんど知らない自分には、どこかでみたような単純すぎるホラーでしかありませんでした。親玉を倒したらそれまでの犠牲者がみんな元に戻るというあんまりなラストは、チープなB級ホラーを追求した結果なんでしょうか。暇つぶしには適した一本ですね。4点(2004-06-08 22:44:14) 827. 遊星からの物体X 人外の怪物が人を襲う映画は多いが、物体Xこそ最強でしょう。細胞の一片でも人間を乗っ取るんだから!乗っ取った後後、どうしたいのか一切語らないところも不気味!そして!インパクトにおいても、これを上回る気持ち悪さは経験していません。特に、ブレアの頭から脚がパキパキと伸びるシーンなど、もうクセになります。観ながらうわあとほくそえむ自分がいます。9点(2004-06-08 22:31:31) 828. ラヂオの時間 「ラジオドラマが、役者たちのわがままで、当初とは違う方向に・・・」というあらすじを見ただけで映画館へ走りました。期待通り2時間楽しめるジェットコースターコメディでした。熱海が舞台の愛憎劇からSFまでエスカレートする物語、自己主張の激しい声優たちの一挙一動に笑いまくりました。8点(2004-06-08 16:24:09) 829. ブレイブハート 《ネタバレ》 強大な敵に、自由を求めて立ち向かうウォレスの生き様に、なによりも心打たれる。 戦闘シーンも秀逸。剣や斧の一撃一撃に痛みを感じられた。 そして、信じていた盟友に裏切られ、苦しみの果てにウォレスが死んだ後に、その裏切った当人が使命に目覚めて、遺志を果たすラストにも大感動。仲間の一人が荒野の真ん中で剣を放り投げ、地面に突き立つと同時にスコットランド軍の突撃開始。これがまたカッコイイのだ。10点(2004-05-28 23:15:18)(良:1票) 《改行有》 830. フレディVSジェイソン 《ネタバレ》 元々別のシリーズの主役同士なので、戦っても決着が付かず、ああいうラストになるのは分かっていた。だから、冷めて見ていた部分はあるんだけど、現実世界の殺人鬼と夢の世界の殺人鬼の直接対決に持っていく過程の作り方は巧いと思った。既に言われているように、脚本家が両シリーズをしっかり研究してる。ジェイソンのママ登場なんて心憎い。決戦の舞台をクリスタルレイクにするところも。5点(2004-05-25 12:34:03) 831. 死霊のえじき ロメロのゾンビも3作目とあって、作りに余裕さえ感じます。今度のテーマは死肉を喰らうゾンビと共存できるか。結果は無理だったようです(博士になついたバブも死体を餌にもらっている)が、しかしゾンビの敬礼シーンは他のゾンビ映画ではあり得んなと感心しました。そして、おなじみのゾンビに襲われるギリギリのラインでの攻防は緊張感が抜群。結局防衛線を破られ、追ってくる死体の集団の隙間を縫って逃げる展開は堪らんです。一度体験してみたい。8点(2004-05-23 04:37:24) 832. CUBE IQ 原題はCUBEとは縁もゆかりもないので、「CUBEの名を汚しやがって」と怒られるのは気の毒。ということを差し引いてもかなりつまらない。理系いじめられっこが、憎い奴らを閉じ込めて楽しむというストーリーは脚本家が鼻くそほじりながら考えた程度の安易さだし。もうちょっと復讐を果たしている本人にも想像できないハプニングがあればよかったのに。3点(2004-05-23 03:54:09)(笑:1票) 833. オーシャン・オブ・ファイヤー 《ネタバレ》 ストーリーの方は、レースの勝敗が焦点だと思っていたので、中断に次ぐ中断で愛憎劇が延々描かれるのには違和感があった。そして主人公があの傷だらけの愛馬で優勝しちゃうのも納得いかなかった。しかし、砂漠に海に草原に。雄大な映像は素晴らしく、観ていて気持ちよかった。ただ、個人的にこの映画を劇場で観た後、彼女に振られたので二度と観る気にはならないでしょう。5点(2004-05-23 03:19:00)(良:1票) 834. 悪い奴ほどよく眠る 《ネタバレ》 復讐を狙う若きヒーローに、何も知らない新婚の奥さんがおり、その父親は狙う標的。この図式が示された時点で、情に流されあの悲惨な最期を遂げることは予想されたわけですが、分かっていても観てしまう役者たちの濃い演技が魅力的です。西が捕まる場面が描かれず、小道具と加藤武の台詞だけで暗示されるのは巧いと思いました。7点(2004-05-23 03:09:10) 835. 地獄の門 ルチオ映画得意の残酷描写だけを編集してみたいんですが、その中でも内臓ゲロゲロ吐き出しと蛆虫の旋風シーンは間違いなくトップクラスですね。ストーリーは破綻しまくり、あの自殺した神父は何だったのかとか考えるだけ時間の無駄。エグいシーンのみ楽しんでネタにするのが良いのだと思います。 4点(2004-05-23 02:31:12)《改行有》 836. 地獄の警備員 徹頭徹尾さっぱり意味の分からない映画だった。あの警備員がなぜ人を殺すのか理解できないから当然だけど(終盤理由を話してたのかもしれないが、あまりにもボソボソ喋るので聞き取れなかった。見返すのも苦痛なのでやめた)。黒澤清の映画に筋の通ったストーリーを求めるのが間違いなんだろう。CURE以外は観終わったあと時間の無駄と感じたものばかり。2点(2004-05-21 22:10:19) 837. そして誰もいなくなった(1974) なぜこんなエンディングなのかなあ。原作を傑作たらしめた最大の要素が「最後に誰もいなくなる」ことだと思っているので、映画版は、この改変で駄作に貶められたと感じます。さらに言うなら、この有名な原作を元にした映画はいつも最後が改変されている(サファリ殺人事件とか)。何がそうさせるのか?3点(2004-05-16 04:29:57) 838. ぼくらの七日間戦争(1988) 戦車といい、花火大会といい、今見るとまさしく「ありえね~!」な映画の代表作。本来は2点くらいですが、公開当時は確かに共感していたことと、TMNのテーマソングがマッチしていたのでこの点数。4点(2004-05-16 04:09:57) 839. バトルランナー 原作小説と展開が全く違うことに関して、とやかく言うつもりはないんですが、本当に2時間観て終わったらすぐ忘れるような大味な映画であることは確実。シュワはいつものような無敵男でないし、ハンター側も頭が悪いので怖く見えない。そして最大の問題はラストシーン。観客を煽っていた司会者をやっつけてシュワが一転ヒーローになるんですけど、本当にそれでいいのかと。観客にとっては狩られる側が逆転勝ちしたというハプニングが痛快なだけであり、殺人ゲームを娯楽として楽しんでいた心根はなんら変わらない。今は称えられてる主人公も飽きられたら、あっさり悪者に戻されるんじゃないですかと。 4点(2004-05-12 23:08:06)《改行有》 840. ファンシイダンス 世間的に知られていない世界の内幕を描く、ハウツーものなんだけど、そのジャンルに収まりきらない高品質のコメディーと思う。なんたって物語のテンポが軽快、人物の何気ないセリフが表情がいちいち笑いのツボを刺激してくれる。個人的に何度も見てしまう名シーンは、お寺に神社のお守り、修行中に彼女に駆け落ちされた男、テレビのインタビューで「アヌスです」、中庭でヘッドスライディング、取り戻したヘッドホンから「追いかけて雪国~」など数え切れないが、最大のヒットは竹中直人にマドンナがフライドチキンを贈る場面。坊主に肉をプレゼントする心理状態を想像するだけでご飯3杯はいけます。ホントに楽しいです。9点(2004-05-12 00:09:30)
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