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821. 映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち 《ネタバレ》 プリキュア10周年。記念イヤーの恒例オールスターズの舞台は、息子を溺愛する過保護な母親バクが作り出した夢の世界でした。厳しい現実に揉まれて辛い思いをするよりも、甘い夢の中で幸せな時を過ごして欲しいという母の願いが作り出した甘美な檻。夢に閉じ籠るだけなら、親子だけの問題と言えなくもないですが、他人様の、しかも人間のお子さんまで巻き込んではプリキュアも黙っていられないでしょう。現実を生きる事の意味を優しく説教。子を母の呪縛から解き放ちます。まあ、いいんではないでしょうか。ただし、先輩プリキュアが誰ひとり社会人になっていない事に、そこはかとない違和感が。テーマがテーマだけに、不老のプリキュア戦士たちのファンタジー度合が際立ってしまいました。サザエさんのタラちゃんが将来の夢を語るような、やるせなさ。彼女たちも、ちゃんと成長させてあげなくては不憫な気がしました。『シフトが抜けられないんで、今回はパスで』『その日は子供の運動会ですわ』そんな理由で参戦できない仲間が出てきたりして…うわあ、なんかスゴイですね。オールスターズの最終回があるなら、是非こんなお話をお願いします(涙)。[映画館(邦画)] 6点(2014-03-24 17:59:27) 822. 実験室KR-13 《ネタバレ》 『es』と『CUBE』を足して面白味を差し引いた感じ。爽快感が低いのは、タネ明かしが加害者(科学者)サイドで行われたから。バッドエンドだとしても、被害者側から真相に辿り着いていたら多少はスッキリしたと思います。[DVD(字幕)] 4点(2014-03-21 22:09:14) 823. 陰陽師Ⅱ 《ネタバレ》 式神“蜜虫”役の今井絵里子。前作製作の2001年は、SPEED解散後ソロ活動2年目の年です。WIKIによると2000年には初舞台を経験しており、女優の道も模索していたのかもしれません。前作での目立った活躍はなし。台詞もほとんどなかったと記憶しています。ただニコニコしていただけの印象。蜜虫役が今井絵里子である必要性は何処にもありません。彼女目当ての観客動員も見込めないでしょうし。にもかかわらず、再度今井を起用した製作サイドを私は高く評価します。続編でキャストが変更になる事ほど、ガッカリするものは無いからです。それが本作唯一の賞賛ポイントというのも寂しい気がしますが。[地上波(邦画)] 4点(2014-03-18 18:29:42)(良:1票) 824. 陰陽師 自分専用のホームシアターで、ロッキングチェアーに揺られ、高級猫を撫でながら、ブランデーでも傾けて、こういう映画を楽しめるようになったら、本物の大人だと思います。[地上波(邦画)] 5点(2014-03-15 04:23:08) 825. ビジター(2012) 《ネタバレ》 DVDパッケージに踊る煽り文句は『すべてが覆る衝撃のラスト3分』。よくある“意外な結末”が売りのホラーサスペンスです。期待を裏切られる事の方が多い危険なジャンルですが、本作の出来はそう悪くありません。プロット自体は正直ですし、描写もフェア。真相を探るためのヒントも数多く出ています。種明かし直後の“そんなもの分かるわけねえよ”的な不快感はありません。勘のいい方、同じオチの映画を観た事がある人なら、早々に真相に気付けるのではないでしょうか。ちなみに私は素直に騙されました。根が素直なんですね(おたんちんとも言う笑)。特にガスマスクが単なる虚仮威しアイテムではなかった点に感心しました。ただし、観賞後の満足度は高くありません。その最大の要因は緊迫感に欠けた事。ガスマスク集団は確かに不気味でしたが、武器は持っていません。自宅を放棄して逃げるだけなら楽勝でした。しかも物語冒頭で主人公夫婦が死んでしまっています。最終的に主人公が命を落とすと判明しているのは、サスペンスとしては足枷でしょう。ちょっと真面目につくり過ぎたかな?という気がします。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-12 18:57:15) 826. 見知らぬ乗客 《ネタバレ》 足下のみを映すカメラワーク、人影を使った不穏な空気の醸成、そしてクライマックスの高速回転木馬。随所にヒッチコック“らしさ”が感じられるサスペンスです。しかしながら、総合的な評価は「平凡~やや良」程度の印象。最大の要因は脚本上・設定上の粗が多さ。ツッコミどころが多すぎました。またロバート・ウォーカー演ずるブルーノ・アントニーが憎めないキャラクターだったため(見た目はまるで湯原昌幸!)、サスペンスの緊張感が薄かったような。アンソニー・ホプキンスとかロバート・デ・ニーロみたいな(すみません。この当時の役者さんを知らないので)“狂気”を感じさせる役者さんにアントニーを演じて欲しかった気がします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-09 18:59:52) 827. クソすばらしいこの世界 《ネタバレ》 保冷庫で吊るされている肉牛や、天日干しされている鯵の開きを見ても、別段可哀想だとは思いません。しかし、牛や鯵に我が身を置き換えてみたらどうでしょう。こんな残酷な光景もないはずです。“共感スイッチ”が切れている状態なら、どんな惨い事が起きていようとも、耐えられる(気にしない)のが人間。本作で展開された阿鼻叫喚の地獄絵図も、感情移入していないキャラクターの災難だから、受け流せるのだと考えます。日本人留学生たちが“嫌な奴”として描かれていた点には、こんな効果があったかと。自分とは関係ない、知らない誰かの悲惨な体験。ところが強制的に当事者にさせられた人物が一人いました。それが盗賊弟。イエローと見下し、女だからと蔑んでいた偏見の対象に、まさに自分が成り替わった悲劇。いかに自分が本人だと主張しても、実兄からは取り合ってもらえず、オヤジからは襲われる始末。自我の崩壊+屈辱のダブルパンチです。偏見という名のしっぺ返しが自分自身に戻ってくる、悪夢のお伽噺でありました。そしてふと気づくのです。盗賊弟の立場は、興味本位で他人の不幸を覗き見ていた私たち観客と何ら変わらないことに。お前たちも他人の不幸を喜んでみていただろうと。そのうちしっぺ返しを食らうぞと。これが監督のメッセージ。こちらの方が、残虐描写よりも余程悪趣味な気がします。ところで、人格入れ替わりのギミックについて。日本人にとっては大林宣彦監督の某偉大な前例がありますから、“男女2人が抱き合って坂を転がれば人格が入れ替わることがある”と素直に納得できますが(笑)、欧米の観客はどうなのでしょうか。結構クレイジーな設定だと思いますが。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-06 18:59:20) 828. 臨場 劇場版 《ネタバレ》 (TVシリーズ未鑑賞。一見者の感想です。)死者の声を根こそぎ拾うという主人公。彼は殺された精神鑑定医や弁護士の最期の声を拾い上げ、見事犯人を突き止めました。また、今まさにラストターゲットに手をかけようとしている犯人の、さらなる犯行を制止する事にも成功しました。ここが見せ場のクライマックス。なのに、主人公の言葉に胸を打つものが無かったような。死の恐怖から逃げるために、犯人は殺人に手を染めたと受け取れます。もし彼が病に侵されていなかったら、きっと事件は起こしていなかったでしょう。だから胸を張って生きろと。死んだ奥さんに恥ずかしくない生き方をしろと。理屈は通っています。でも、そんな模範解答みたいな説教、聞きたいですか?例えば、延命治療に迷いが無い医師。自身の判断に葛藤しない裁判官。彼らは正しいのかもしれません。でも簡単に出せる正しい答えになんて、興味はありません。そんな言葉にどんな価値があるというのでしょうか。それに最後、主人公は詐病の若者を殴り飛ばしました。勿論そんな事で問題など解決しません。あのビンタは、ただ自身の憂さを晴らしただけ。広義では、犯人と同じレベルと考えます。世の矛盾や無常を問うならば、主人公は手を挙げるべきではなかったと思います。歯を食いしばってでも。ビンタひとつで随分と軽薄な印象を与えていると感じました。ところで内野聖陽の役作りは、まるで『JIN』の坂本竜馬から陽気さを差し引いたみたい。あまり魅力的とは思えませんでした。若村真由美の演技は圧巻。こちらは流石です。[地上波(邦画)] 5点(2014-03-03 18:58:48)(良:1票) 829. ハングオーバー!!! 最後の反省会 《ネタバレ》 酔っぱらって記憶喪失。どんな馬鹿をやったかを解き明かすお楽しみがあってこその『ハング・オーバー』でしょ!と言いたいところですが、実はそんなに違和感はありません。問題解決のために右往左往する物語の本質は変わりません。2作目にして様式のマンネリ感は否めなかったので、本作でのシフトチェンジは正解だったと考えます。動物愛護団体なら卒倒しそうな首チョンパから、驚天動地の天使の歌声あたり、冒頭の笑いの爆発力はシリーズ最高レベル。そのあとの展開は尻すぼみでしたが、ラストではきっちり泥酔乱痴気騒ぎ跡を見せてくれましたし、1作目の赤ちゃんの成長した姿も見られて嬉しかったですし、独身男アランも片付いたということで、シリーズの締め括りとして相応しい内容でありました。ただ、個人的な好みを言わせてもらえば、チャウというキャラクターが好きになれません。悪意のあるトラブルメーカーとしか思えず、イマイチ楽しめませんでした。同じ問題児でも『ポリス・アカデミー』の暴走族みたいに可愛げがあると許せるのですが。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-02-27 19:27:07)(良:2票) 830. クロユリ団地 《ネタバレ》 “かきむしり”の秘密が解明された点のみ、わずかに感慨がありましたが、ミステリーとしての醍醐味はほぼゼロです。如何せん、伏線の張り方が丁寧過ぎました。この辺りのさじ加減は本当に微妙で、ヒントが少なければ、それはそれで批判されるワケですし難しいところです。個人的には黒沢清やデヴィッド・リンチくらい難問の方が好みですけども。さて、前田敦子について。彼女がヒロインを務めた映画は『もしドラ』『苦役列車』くらいしか鑑賞しておりませんが、本作も含めて実感したのは“前田敦子は主演女優向きではない”ということ。天下のAKB48の元絶対センターに対して失礼な見方かもしれませんが、AKBの基本コンセプト(クラスで○番目に可愛い子を集めた)と照らし合わせてみれば、さほど的外れな感想ではない気もします。たぶん、彼女に女優の素養はある気がします。単なるアイドル人気だけの女優ではなく、演技派として大成することも可能ではないかと。ただし、主演を張るのに必要な“華”は感じられません。意外と地味目のルックスも然ることながら、他人より前に出ようとするオーラが足りないような(これでAKBの看板を背負っていた事に驚きます)。沢尻エリカと真逆。ですから彼女がヒロインのTVドラマが歴史的な大敗を喫したのも仕方のない道理。そもそもヒロイン向きの女優ではないのですから。あとは彼女が(というより彼女の周りが)元AKBのセンターという肩書を外して女優業を本格化させた時が勝負かと。有能なバイプレイヤーになれる気がしますが、どんなものでしょうか。別に主演女優の方が脇役よりも偉いワケではないでしょう。密かに期待しています。(『Seventh Code』を鑑賞したら、また意見が180度変わるかもしれませんが……)[DVD(邦画)] 5点(2014-02-24 18:59:20) 831. ジョーカーゲーム 脱出(エスケープ) 《ネタバレ》 今回は、ジョーカーゲームの敗者7人による脱出ゲームとのこと。タイムリミットは2時間。監禁された部屋から脱出して、毒に犯された体に解毒剤を打つことが勝利条件。ただし、解毒剤の数は2つだけ。前回は形式上一人の敗者を決める戦いでしたが、今度は生き残れる人間の方が少ない通常のサバイバルゲームの様相です。最近流行りの『リアル脱出ゲーム』と考えていただければ間違いありません。こういうのが好きな人は、そこそこ楽しめるかと。一応クライマックスではババ抜きをしていますが、もはやオリジナルのジョーカーゲームとは別物との印象を受けました。ネームバリューの低い順に脱落していく様は、まるで芸能界の生き残りゲーム。あからさま過ぎて笑ってしまいました。鈴木裕乃のエビ中在校記念的映画です。[DVD(邦画)] 4点(2014-02-21 19:28:29) 832. カルト 《ネタバレ》 『ノロイ』『シロメ』以来の、白石晃士監督のモキュメンタリーホラー鑑賞。正直期待していませんでした(ノロイ5点、シロメ3点)。しかしコレがなかなかイケるのです。嬉しい誤算でした。前述の作品との差異は“遊び心”の有無と考えます。しっかり者のあびる優(さすがF1レーサーの嫁さん候補!)、ゆうたろう激似の霊能者(胡散臭さ満点!)、そして極めつけは某週刊少年ジャンプの打ち切り漫画のような終わり方!どれも爆笑でした。じゃあホラーと見せかけて、実はコメディかといえば、さにあらず。ちゃんとホラーでした。適度な遊び心(コメディ要素)が恐怖を際立てるスパイスとして機能していたと思います。スイカに塩、アイスクリームに醤油みたいなもの。『トロール・ハンター』に近い感覚です。やはりモキュメンタリー+笑いは相性が良いのだと思います。白石監督、ぜひこの路線でのモキュメンタリーを続けてください。本作の続編が出たら劇場鑑賞します。ただし、2か所ばかり注文を。まずオチはちゃんと付けてください。「本当の戦いはこれからだ!」なんてマジで打ち切り漫画の最終回ですよ。白石先生の次回作にご期待くださいじゃないですよ。恐怖演出は瞬発力の勝負。今度はストーリーテラーとしての持久力も見せてください。あとタイトルがいけません。ネタバレしてます。謎解き放棄は勿体ないです。三文字カタカナ表題がお好みならば、今回は『アビル』で良かったと思います。[DVD(邦画)] 7点(2014-02-18 19:27:32)(良:1票) 833. 彼女はパートタイムトラベラー 《ネタバレ》 (ネタバレ厳禁です。)はじめにラブストーリーとしての感想を。特筆すべきは人物造形と考えます。これほどビジュアルが平凡な主人公の恋物語というのも、珍しいのではないかと。主人公のオードリー・プラザ。エキゾチックな顔立ちが魅力的ですが、美形ではありません。J・アルバのような美貌もC・ディアスのようなキュートさも、持ち合わせていません。キラキラは感ゼロ。暗い青春時代が色濃く投影されているキャラクターを、見事に演じてくれました。相手役のマーク・デュプラスは、普通のオッサン。同じくブ男系でもJ・ブラックなんかは華がありますよね。要するに2人とも、ラブストーリー向けの人選とは言えないワケです。でもその分、親近感があるというか。微笑ましいんです。銃の特訓とか、窃盗とか、恋愛成就の『吊り橋効果』もきちんと挿入。(きっと)処女と(たぶん)童貞の2人が惹かれあったのも納得できました。次にSFについての評価。本作で採用されているのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同じ、王道の同一次元タイムトラベル。パラレルワールド式よりもずっと面倒な設定だと個人的には思います。本編中、“タイムトラベル前なのに過去への干渉結果が現在に反映されている”シーンがあるのですが、これぞタイムトラベルものの醍醐味と言えましょう。さて、全く科学者には見えないケネスが、どうしてタイムマシンを完成させられたのでしょうか。“人は見た目で判断してはいけない”という教訓かもしれませんが、『30歳まで童貞だと魔法使いになれる』なんて都市伝説で説明した方が面白いかもしれません。なお、エンディングに異議あり。全てを描く必要は無かったと感じます。船が光り輝いた瞬間、ラストカットでOK。爽快感より余韻優先でお願いしたいです。最後に、もう一つのラブストーリーについて。ジェフもまた“郷愁”という名のタイムトラベラー。あの頃の彼女にもう一度会いたい。でも、あっけなく諦めてしまう彼に腹が立ちました。拗ねて、ヤケ酒くらって、泣く暇があるのなら、もう一度彼女にアタックしろと説教したくなりました。過ぎ去った時間は戻らない?いえいえ、取り戻せるでしょ。その気になれば何時だって。バツイチおばさんとのハッピーエンド。奇跡を目の当たりにした今の彼なら、信じられるはずです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-02-15 19:29:45)(良:1票) 834. 聖☆おにいさん 星野源、森山未來の声優起用が文字通りの神キャスト(笑)。あの空気感は本業声優さんではむしろ出せないのではないかと。某ジブリ映画など素人俳優声優に辟易とする事が多かったので、正直感心しました。あとスジャータが仏教用語だと初めて知りました。ひとつ賢くなれました。有難うございます。[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-12 19:39:01) 835. ディヴァイド 《ネタバレ》 戦争勃発。地下シェルターに避難した人々。既視感のあるシチュエーションですが、なかなか上手い状況設定だと思いました。とりあえず、水と食料はそれなりにある模様。数週間、いや数か月は、持ち堪えられます。でもそれも救出の望みがあってこそ。助けが来なかったら。生き残ったのが、自分たちだけだったら。そんな不安を押し殺していたところ、まさかの襲撃。子供が拉致され、しかも出入り口直結で(ココ重要!)調査設備を設営。何やら実験までしている様子。もう謎だらけです。微かな希望は一転白紙状態となりました。外は地獄、さりとて内も地獄。さて、あなたならどうしますか?という問いかけです。“恐怖と謎が渦巻く外界”よりも“シェルター内で生き延びる事”を選択する人々。いや正確には決断したワケではありません。単に外界へのチャレンジを先延ばしにしていただけです。水も食糧も底をついたら、流石にシェルターからの脱出を試みるのでしょう。でも、それでは遅いのです。人間は家畜でもペットでもありません。希望ゼロの人間の精神は腐っていくのみ。壊れ方が実にリアルでした。おそらく現代日本にも、極めて近い状態に置かれている人が沢山いるはずです。時間の浪費は万死に値する愚行。戦慄しました。内なる地獄からの脱出チケットは防護服分限定1名様のみ。いち早く、それに気づいた者のみが脱出できた結末は納得です。サスペンスとしての出来は悪くありません。ただし、武装兵や少女を拉致して実験など、ミステリーの真相解明は完全放棄。これには参りました。ラストシーンに唖然としたのは、脱出者より、むしろ観客の方だったのではないかと。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-09 18:59:48) 836. グリーン・ホーネット セールスポイント不在が本作最大の問題点と考えます。アクション重視なのか、キャラクターで売りたいのか、ガジェットで惹きつけたいのか、ストーリーで魅せたいのか、謎です。例えば『キック・アス』みたいにヒットガールの魅力一点突破の映画の方が分かり易くて評価を高くつけやすいです。[地上波(邦画)] 5点(2014-02-07 18:56:01) 837. いつかギラギラする日 バブル崩壊の翌年1992年製作の本作。何処となくバブル景気の欠片が感じられるような。爆破シーンも火薬の量も豪勢に。カークラッシュも盛り沢山。それに豪華キャストの無駄遣いですか。今見返すと単純に『馬鹿映画』の一言で片付けられる気がしますが、当時はエンターテイメント大作と位置付けられたのではないでしょうか。エンターテイメント。実に便利な言葉です。[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-04 18:27:01) 838. ライフ・アクアティック 《ネタバレ》 彦摩呂が映画評論家なら、「豪華俳優陣の玉手箱や~。これは、好きな人にはタマラン味ですなあ~」と宣いそうな映画だと思いました。要するに、コメディとして微妙な出来だと。日本人には馴染の薄い笑いの体裁ですから。例えば、ドリフターズ、ひょうきん族、吉本新喜劇、ごっつええ感じ。私世代の日本人なら、これらが代表的な笑いの教科書でしょうか。あとオールナイトニッポンかな。ボケがあってツッコミがあり、フリがあってオチがあり、スカしあり、天丼あり、ナンセンスあり……。笑いのスタイルは刷り込まれています。学習済みのオモシロ信号なら、何時だって受信感度抜群です。バッチコイ。ところが未知の笑いはチューニングが大変です。巨人がルーキー投手を打てないのと同じ理屈。中盤まで球筋を観察するのに必死でした。ついにリズムを掴んだと確信した瞬間は、研修生が斬られる場面。爆笑でした。結論。とっつきは悪いが、コメディとして十分笑えるという評価です。演出面でのお気に入りは、船の断面描写。もう無条件でワクワクです。宮崎駿監督が撮りそうな画だと思いました。音楽は文句なく一級品でしょう。音楽が素敵な映画は、それだけで採点が甘くなってしまいます。しかし、それ以上に心を掴まれたのは、主人公ズィスーのパーソナリティでした。自分勝手な目立ちたがり屋で、家来を従える裸の王様。彼の根底にあったのは孤独感だと感じました。一人ぼっちで海の中に潜っているような。降って湧いた息子に肩入れしたのも、寂しさゆえのこと。それにしても、まさかあんな別れが待っていようとは。運命とは無慈悲なものです。でもズィスーは遂に手に入れました。いや既に手に入れていたのです。どうしても欲しかった家族を。孤独極まれる深海で、そっと寄り添ってくれる仲間は、紛れもなくファミリー。富や名声よりも、ずっと価値があるはずです。エピローグも素晴らしい。お揃いの赤い帽子と制服で、今日も冒険を始めよう。一人ぼっちじゃないライフ・アクアティック。息子ネッドの魂と共に。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-31 18:57:46) 839. 映画 怪物くん 《ネタバレ》 4歳の娘にせがまれ地上波TV放送版を2日間で3回(!)観ました。実は今4回目(!!)を観ています。本当につまらなければ却下するところですが、なかなかどうして、そんなに悪くないのです。コメディとして結構笑えました。上川隆也の話を聞かずにモメ出す一行。北村一輝のノリツッコミ。教科書通りの笑いは和みます。必要以上にBGMを使用しない演出も上品でした。イチイチブーメランになっている大野や川島の会話劇は楽しく、キーワード“わがまま”も上手く脚本に取り込めていたと思います。意味不明な設定も散見されますが、粗は概ね子供向け映画の範疇内。『アンパンマン』に付き合わされて、ナンセンス設定の耐性はだいぶ付いたみたいです(笑)。ドラゴンもCGを使わず現物を作成したところが、イイ味になっていたと思います。さて、キャスティングについての注文。TVドラマのときから気になっていたのですが、チェ・ホンマンの違和感が半端無いです。確かにアニメ(マンガ)版のキャラを忠実に再現していますが、台詞が無いだけにむしろ役者の技量が試される役かと。素人では厳しいです。宇梶剛士、高島兄弟、阿部寛、照英、阿藤快、佐藤二郎、宅間伸、ピエール瀧。ハマリそうな俳優さんは沢山います。何ならジャン・レノでもいいです。ドラえもんをやるくらいですから、フランケンだって引き受けるでしょう。其処にいるだけで雰囲気を作れる役者さんにフランケンをお願いして欲しいと思いました。[地上波(邦画)] 6点(2014-01-28 18:58:38) 840. ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 地球外生命体(イカモグラみたいな奴)の人への寄生場面を早々に披露してしまったのは勿体無いと感じました。本作最大のセールスポイントとなるSFXであり、かつ物語の肝となる設定。最終ターゲットへの寄生シーンまで具体的な描写は温存しても良かったと思います(あれやこれやと観客の想像力を利用する意味でも)。また、エンディングのサプライズは、描き方に少々問題あり。余計なオブラートです。あれではアイツと彼が同族ではない印象を与えかねません。彼の中身もまたイカモグラである事は、物語の余韻を左右する重要ポイントと考えます。グロテスクな描写を避けたいのなら、単純にカットで問題ありません。不満点は以上の2点。それ以外の設定・描写は見事に自分のツボにハマりました。スーパーカーとロックを嗜好する宇宙人(?)なんて遊び心の効いた設定は、まさに大好物。カントリーミュージックのレコードプレイヤーを投げ捨てる姿に大笑いしました。またアイツは女性のボディ(おっぱい)に興味を持っていましたが、性的な意味を持たせなかったのも大正解。企画ものAV紛いの下品な描写は要りませんし、結末の価値も保たれました。それにしても『ゼイリブ』、『トレマーズ』、『ドクター・モローの島』とか、B級カテゴライズながら本当に面白く、且つ大衆性も備えた映画を数多くローテーション放送していた日曜洋画劇場って凄い番組だったなあと改めて感じました。吹き替えの出来も神懸かり的。当時は淀川さんも作品選出に携わっていたのでしょうか。若干、懐かしさ込みの採点ですが、映画ってそういうものだと思うので。[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-01-25 19:58:36)(良:2票)
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