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プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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861.  橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督) 《ネタバレ》 50年以上前に撮られた映画ですけど、いわば『フューリー』をドイツ側から描いたような内容です。1945年4月27日(ヒトラーが自殺する三日前、ドイツが無条件降伏する10日前)に戦闘に巻き込まれてほぼ全滅する7人の少年兵たちの悲劇ですが、観るたびに太平洋戦争が本土決戦の寸前で終わってほんと良かったなと感じます。 前半はかなりダレダレな出来のような気がします。いくら西部戦線とはいってもすでにドイツ本土に連合軍が攻め入っている時期にあんなのんびりした生活をしていたとは、ちょっと信じ難いところがあります。なんせ女学生たちがブルマ穿いて体育の授業ですからね(笑)。まあここにはストーリーテリング上の仕掛けがあると思います。同時期のドイツ東部ではソ連軍がベルリンに向けて突進中で、その民間人に対する残虐ぶりで住民たちはパニックになっています。その地方が舞台なら“郷土と家族を守るために必死に戦う少年たち”という英雄的なストーリーになりがちで、相手が米軍ということになると彼らの無駄死に感がより強調されることになるのでしょう(史実でもソ連軍に撃破されるよりは米英軍に投降することを選ぶ部隊が続出しています)。 後半の戦闘シーンになるといっきにシビアな展開になります。でもあのシャーマン戦車もどきだけは何とかしてほしかったですね、いちおう動くキャタピラはついていますが見え見えの張りぼて、おまけに車体の底には芯にしているトラックのタイヤがはっきり見えているんですから。と思えば、パンツァーファウストを撃ったら真後ろにいた民間人が噴射炎で黒焦げになったりして、妙に兵器考証に凝ったところもありました。 いかにもドイツ映画らしい不条理かつ虚無的なラストでしたが、少年兵に射殺されちゃう爆破係りの兵士は可哀想な感じもします。ちょっと口が悪いだけで、なんも悪いことしてないと思うんですけど…[DVD(字幕)] 7点(2016-08-14 20:12:03)

862.  カンニバル!THE MUSICAL 《ネタバレ》 『サウスパーク』の才人トレイ・パーカーがコロラド大学の学生時代の春休みに撮った映画処女作。出演者はほとんど素人の学生たちでトレイの父親も判事役で出演、つまり実の息子に死刑宣告するわけですけど、これがトレイよりも遥かに演技が上手くて笑わせてくれます。西部開拓時代に起こった人肉食事件を『オクラホマ!』をパロッたようなミュージカルにしちゃったもんですけど、もうその発想がバカバカしくて素晴らしい。安っぽい仕上がりながらもスプラッター描写もけっこう真剣に撮っています。映画祭に出品した後売り込んであのトロマに買ってもらったそうですが、並みのトロマ映画よりもこっちの方がはるかに出来が良いと思わせるところがまた憎いです。もちろん所詮はおバカ映画ですけど、個人的にはティム・バートンの『スウィーニー・トッド』よりはるかに面白いと感じた次第です。[DVD(字幕)] 7点(2016-08-05 23:28:47)

863.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 緒形拳が演じた榎津巌は、まさに日本映画史に残る魅力的というかふてぶてしい殺人犯。はっきり言ってなんでこの男が人殺しをするのかは観客にはさっぱり理解できませんが、緒形の演技があまりにも堂に入っているのでそんなことはすっかり忘れてしまいます。後半にある緒形と清川虹子の息詰まるようなやり取りはただ息を呑むばかりでした。そして倍賞美津子や野川由美子との絡みがまたドロッドロッとしていて今村昌平らしくて良かったです。 原作は佐木隆三の直木賞を受賞したベストセラーですけど、これは事実をもとにしたフィクションという形式で、時代設定は昭和38年ということになっています。そしてロケが多いので街並みが当然映されるわけですが、走っている車は普通に昭和50年代の風景です。まあこれは予算に限りがある中で映画を完成させるためにロケ映像をそのまま使っているだけで、今村昌平という人はあまり細部にこだわらないタイプの映画監督だったのかもしれません。ところが劇中で緒形と倍賞が映画館にいるシーンでは、ニュース映画ではケネディ暗殺を伝えているのは良いとしても次に上映されるのが昭和46年製作の『ヨーロッパの解放』なんです。これはひどいミスなのかとも思いましたが、あれだけ堂々とオープニング題字を見せられるとなんか変な感じがします。これも今村昌平の演出意図なんでしょうか、そうだとしても自分には全く理解不能ですけど…[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-02 22:59:06)

864.  ドム・ヘミングウェイ 《ネタバレ》 いきなりウルバリンみたいなモミアゲスタイルで上半身ハダカのジュード・ロウが、カメラに向かって自分のムスコ自慢を延々とシャウトしてます。カメラが少し引くとそこはどうも刑務所の中みたいで、実は下半身の方はというと… と、なかなかシャレた(?) オープニングでちょっと期待が高まります。ジュードのキャラは伝説の金庫破りであるドム・ヘミングウェイなる男で、ボスの罪を被って12年もムショ暮らししているという人です。そのドムが仮釈放もらってシャバに戻ってからの、ついてるんだかついてないんだか良く判らない日々がメインストーリーです。 この粗暴を絵にかいたようなドムというキャラを、とにかくジュードが好演してるんです。元から演技力には定評ありますが、こんなワイルドでアホなキャラでも余裕で演じちゃうんですから、もう堪りません。またスタイリッシュな感じのストーリーテリングも、これはガイ・リッチーの再来か、と感じさせてくれます。場面展開で使われるテロップもウェス・アンダーソン風でセンスがありますねえ。ドムの親友ディッキーが渋いながらも味わい深いキャラで、ハチャメチャなドムに振り回されながら「お前の墓は掘りたくない」なんてぼやきつつもドムの窮地を救ってくれます。 ボスの愛人にはカネを持ち逃げされ実の娘には徹底的に嫌われ、この映画のジュード・ロウには共感させる要素は皆無なんですけど、最後には愛おしくなってくるから不思議です。できたら続編も撮ってシリーズ化して欲しいぐらいです。私の中では“FOXサーチライトの映画に外れなし”なんですが、今回もジンクス通りでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-26 20:56:17)

865.  ジョン・カーペンターの要塞警察 《ネタバレ》 ベンべべ、ベンベン♪このベースを聞いてしまったら、もう“カーペンター・ワールドにようこそ”って感じでアドレナリンが噴き出します。良く『リオ・ブラボー』が引き合いに出されますけど、私にはそれプラスしてカーペンター版『ゾンビ』という感が強いです。でも良く考えると『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』はともかくとしてもロメロが『ゾンビ』を撮るより前なんですよ、本作は。カーペンターって人は、実はイメージされている以上に偉大な映画作家じゃないでしょうか。 それにしても、低予算は判りますけど脚本がけっこうヤバいですよ、この映画は。もうカーペンター親父は映画を撮るのに登場キャラに伏線を張ると言うことに全く無関心なんです。ちょっとマッチョな護送担当官や結核患者かというぐらい咳が止まらない囚人など、普通の監督ならこれを伏線として後半にある程度活躍させるものですが、もうあっさり序盤でフェイド・アウトですからね。娘を射殺されて錯乱状態になったのは判りますけど、その父親は警察署に逃げ込んでからはずっと毛布を被ったままでセリフもなし、観てる方もその存在さえ忘れてしまいました。襲ってくる連中も正体はイマイチ不明だし、何がしたくて警察署を襲撃してるのかも不明瞭な感じがします。けっこうカッコつけたセリフは良いんですけど、「なんで、ナポレオンという名前なんだ?」と聞かれて「後で教えてやる」と答える終盤のやり取り、けっきょくその答えは聞けず仕舞いで映画は終わってしまいます。ねえ、どうしてナポレオンなの?、もう気になって仕方ありません(笑)。 本作でいちばん残念なところは、ナポレオンというキャラが深掘りされてないことと、演じる俳優に全然迫力が無いことでしょう。これがご存知カート・ラッセルのスネーク・リプスケンに繋がるわけですけど、スネークはまた極端にコテコテのキャラなんです。この極端から極端にぶれるところがカーペンターらしいところでもあります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-01 22:53:15)

866.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 これが噂の“ク~”ですか、まさにカルト、脱力系SF映画の金字塔ですな。もう設定といい展開と言い“ゆる~い”の一言、でも行きあたりばったりと見せかけて、けっこう緻密な監督の演出意図が隠されているみたいです(いや、やっぱり気のせいかな)。 ロケ地の砂漠風景はまさに『マッドマックス』の世界そのものと言った感じで、冒頭から出ずっぱりの宇宙人(いちおう)二人組の薄汚さも『マッドマックス』です。このキン・ザ・ザ星雲人たち、劇中ずっと“ク~”で押し通すのかと思ったらすぐにロシア語を喋りだすし、まあ監督もあまり細かいことには拘らない人みたいです。この映画は社会主義体制への批判的な風刺なんだそうですけど、正直あまりピンとこなかったですね。唯一それらしかったところは、地下の都市(?)で群衆が監視されながら労働らしきことをさせられているシーンぐらいです。まあこんだけ緩くて脱力感に溢れていたら、ソ連の検閲官も映画の裏読みをする気力も失せてしまったんじゃないでしょうか。これがスターリン時代なら風刺云々よりも「社会主義リアリズムに反した頽廃映画」という罪状で監督はシベリア送りでしょう、崩壊間近のこの頃のソ連ではすっかりタガが緩んでたのが窺えます。 こんなグダグダを二時間以上見せられたらふつう頭にきますけど、不思議と許せちゃう麻薬性のある一篇です。[DVD(字幕)] 7点(2016-06-18 01:07:37)

867.  超音ジェット機 《ネタバレ》 50年代はハリウッドでも “空軍御用達”映画が頻繁に製作されていた時期ですけど、さすがデヴィッド・リーン、その手の映画の中でもたぶん本作がいちばん出来が良いんじゃないでしょうか。記録上初めて“音速の壁”を破ったのはもちろん『ライト・スタッフ』でお馴染みのチャック・イェーガーですが、英国だってやればできるんだぞ、と国威発揚したかったみたいです(もっとも劇中での音速突破は世界初であるという描き方はしてません)。鬼のように音速突破を追求する社長を演じているのが名優ラルフ・リチャードソン、さすがに英国人らしい重厚なキャラです。 やはりこの映画の見どころは“スピットファイアのバレエ”で始まる実物機がふんだんに見せてくれる飛行シーンでしょう。とくに黎明期の英国ジェット戦闘機の飛行は、マニアには垂涎ものです。最初に出てくるスーパーマリン・アタッカー(スピットファイアをジェット化した機だけど、面影は皆無)なんて、ジェット機のくせに尾輪式という珍しい代物。ヴァンパイア機で夫婦で飛行なんて実に優美なシークエンスも有りますが、イギリスからカイロまで無給油で飛んでくなんて不可能でこれはご愛敬。そして超音速を目指す新鋭機“プロメテウス”、これは当時の英国空軍の最先端機であるスーパーマリン・スイフトを使っています。この機は実際には戦闘機としては使い物にならなかった大失敗作だったと言うのはきついジョークです(でも速度記録を作ったのは史実です)。とは言え、この機が飛翔する姿は躍動感にあふれていて、性能はともかくカッコいい飛行機だったのは確かです。 円谷英二はこの映画を見て「航空映画を撮りたい!」という強い願望を抱いたそうです。これは『空の大怪獣ラドン』の撮影で実現し、ラドンと自衛隊機の空中戦シーンには本作の影響が感じられるところが確かにあります。[DVD(字幕)] 7点(2016-06-16 23:30:42)

868.  プラーグの大学生(1913) 《ネタバレ》 本作は、世界初のドッペルゲンガー映画ということになるのでしょうか。金貨10万枚で自分の分身を悪魔に売り渡してしまった貧乏大学生の悲劇です。100年以上前のサイレント映画だと侮ってはいけません、技術的に暗いシーンが撮れなかった頃ですけど、ドイツ映画のお家芸になる表現主義の萌芽は確実に見て取れます。同じ俳優が同映像にふたりともきちんと撮られているのは今では誰も感心する様な事ではないですけど、当時の人はさぞや驚かされたことでしょうね。分身が勝手に行動し始めて主人公を苦しめるわけなんですが、悪魔や分身の目的がなんだか判らないと言うのもなんか不条理で気味が悪いです。難点と言うことになると、主人公のパウル・ヴェゲナーがあまりにごつくていかついところと、伯爵令嬢の容姿があまりに…なことでしょうね。セリフが無いサイレント時代ですから、見た目は大事ですよね(笑)。 このお話しは1930年代までほぼ10年ごとに三回も映像化されたそうで、その頃のドイツ人はドッペルゲンガーが大好きだったみたいです。逆に第二次大戦後はまったくリメイクされなくなったのはどうしてなんでしょうか。ワイマール共和国時代の不安定だったドイツ人の精神状態が反映されていたのかもしれません。[ビデオ(字幕)] 7点(2016-06-08 22:37:21)

869.  キングスマン 《ネタバレ》 いまもっともコメディ演技が光る英国俳優といえばコリン・ファースです、彼の計算されたポーカー・フェイスはヘタなコメディより絶対可笑しいと思います。監督があの人でR15のレーティングですからけっこう血なまぐさい画を見せられるかと思ったら、こりゃ『キック・アス』に較べれば可愛いもんじゃないでしょうか。冒頭の山荘での乱闘シークエンスがもっともスプラッター色が強いんですけど、あの人間縦割りは『斬る』や『子連れ狼』のパロディですし本家の方がはるかにグロいですよ。でも『威風堂々』の調べに乗せて繰り広げられる人頭花火大会にはやられました、思わず声を出して笑ってしまいました。“なるほどこういう手の人体破壊があったのか”と感心しましたが、これこそこの映画でマシュー・ボーンがやりたかったことかもしれません。実はわたくし、ラストでコリン・ファースがまた登場してくるものだとばかり思ってました。でもたぶん撮られるであろう続編にはちゃっかり復活したりしてね、でもそれじゃぁまるっきり『アウトレイジ・ビヨンド』ですね(笑)。 でもいちばんびっくりさせられたのは、あのスウェーデンいじりです。なんせ王女様がお尻見せてあんなことまでしちゃうんですからねえ。たしかに私らの世代には頭脳の片隅に「スウェーデンはフリーSEX(死語です)のエロい国」という潜在意識が刷り込まれていますが、マシュー・ボーンの頭の中も同じなのかな?[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-23 22:51:59)

870.  サスペリア(1977) 「決して一人では観ないでください!」、懐かしいですねこのフレーズは。ウィリアム・キャッスルも泣いて詫びを入れるぐらいの東宝東和のハッタリ宣伝のおかげで私らの世代にはこの映画はイメージがイマイチでしたが、あらためて観直してみるとなかなか味がありますよ。とくに自分はオープニングのわけのわからなさが好きですね。いきなり空港の自動ドアが開くところをゴブリンのおどろおどろしいサウンドつきで見せられれば、この次何が出てくるんだろうと誰だって慄いちゃいますよ。その後のタクシーのシークエンスは言うまでもなく有名ですが、窓に何かが映りこんでいるかどうかは別にしても、ヘンな運転手や土砂降りの中を少女が走っていくところなんか禍々しくて良いですね。ジェシカ・ハーパーも良く考えるとかなり大根役者ですが、絶叫はしないけど眼をひんむいて怯える表情は彼女ならではの技です。バーバラ・スティールをあげるまでもなく、イタリアン・ホラーには眼の大きい女優が合ってます。 ほんとストーリーはあってない様なもので、いかにも怪しげなキャラが意味もなく後から後から湧いて出てくるだけの映画だと切り捨ててしまうことも可能でしょう。でも“アルジェント・レッド”と称したくなる鮮やかな赤色の使い方には、ただただ感嘆するばかりです。そしてゴブリン・サウンドもね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-10 20:49:42)(良:1票)

871.  フライト 《ネタバレ》 航空パニックものと思ったらなんとアル中克服ものストーリーでした。主演がデンゼル・ワシントンだからそりゃ納得できる依存症演技です。そして“アル中演技はアカデミー賞ノミネートへの最短コース”というジンクスは今回も通用しました。たぶん実際にその気があるニコラス・ケイジがアル中演じるのはあまり演技っぽくない自然さがありますが、品行方正なイメージが強いデンゼルにここまでグダグダな中毒者を演じさせたことに意義があったということです。名優だけあって、彼も役選びの眼力も優れているのではないでしょうか。「依存症になることは、ウソにまみれた人生を送ることだ」と言う様なセリフがあったと思いますが、これは至言です。 実はわたくしCSで放送している『メーデー・航空機事故の真実と真相』のファンで良く観るのですが、そこから得た知識から考えてもこの脚本には事故の設定やその後の展開に関して首を傾げたくなるところが多々あります。まず、いくらアメリカ深部のローカル航空とは言っても、旅客便の機長が酒のい匂いをプンプンさせて操縦するなんてことはさすがにあり得ないでしょう。また愛人のCAも、デンゼルが登場前に酔っぱらってコカイン吸っても平然としているんですから、いくら乗客を救うために死んでしまってもなんか同情出来ません、これは飲酒運転の共犯みたいなもんです。見せ場の背面飛行についても、なぜこの体勢が急降下からの回復につながるのか理解できません。そして唖然とさせられたのはあのいろんな酒がぎっしり詰まった冷蔵庫で、あまりのご都合主義にシュールさすら感じてしまいました。この悪魔の様な冷蔵庫は、“神が与えた試練”ということなんでしょうか?[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-26 22:19:10)

872.  リベンジ・マッチ 《ネタバレ》 ロッキー・バルボアとジェイク・ラモッタが古希を迎えようかというジジイになってからリターンマッチ!これはもうファンにとっては夢(悪夢?)の対決でございます。この妄想ストーリーはおそらく以前からハリウッド業界人の中で画策されていたんじゃないかと思いますが、このタイミングで実現したのはいろいろ大人の事情があったのかもしれません。でも撮影時でスタローン67歳デ・ニーロ70歳ですから、これは年齢的にもギリギリのタイミングだったのかと思います。 ストーリーはもう予想通りの両俳優というかロッキー&ラモッタのセルフパロディが全開ですけど、散りばめられた小ネタが判っていても観て愉しいんです。また大げさな芝居を見せまくる両名優の間で、ちょこまかと二人を完全に喰ってしまうアラン・アーキンはさすがの快演でした。クライマックスの試合はもう“後期高齢者級”と呼ぶしかない壮絶な殴り合いでしたが、デ・ニーロがそれなりに体を作っているところはさすがです。でも冒頭でスタローンとデ・ニーロの過去戦を見せる映像があるんですけど、顔だけ超不自然なCGをくっつけていたのには爆笑でした。 そして忘れちゃいけないのがキム・ベイジンガー、この人撮影時でもう60歳なんですよ!とってもそんな歳には見えない若々しさですけど、まさかこの人現代のラクエル・ウェルチなのかな(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-28 22:26:35)

873.  第四の核 《ネタバレ》 原作はフレデリック・フォーサイスのポリティカル・ノヴェルです。原題は直訳すると『第四の議定書』という感じですね。冒頭で「米ソ間では核軍縮条約を締結したときに四つの議定書を交わしたが、四番目の議定書は未だに内容は秘密になっている」なんて意味深なテロップが流れます。実はこの議定書のことはその後のストーリーではまったく出てこないので結局なんのことやら判らずじまいなんですが、これは膨大な原作小説を端折ったせいなんでしょう。まあそのことは忘れてしまっても、この映画を観るのにはなんの支障も有りませんけどね。 かいつまんで言うと、英国の米軍基地で事故に見せかけて小型核爆弾を爆発させて英国をNATOから離脱させるという陰謀を強硬派のKGB議長が計画し、その任務のために潜入してきた凄腕エージェントと英国情報部MI5の闘いを描いています。いわば『ジャッカルの日』のリサイクル・ヴァージョンみたいなプロットなんですけど、サスペンスとしてはけっこう面白く撮れています。そのジャッカルとルベル警視に相当する役を演じるのがピアース・ブロスナンとマイケル・ケインというわけです。ブロスナンはまだジェームズ・ボンドに抜擢されるはるか前ですが、とにかくこのKGBエージェントが渋いというか不気味なんです。登場シーンでは1シーンを除いてまったく無表情で押し通し、自分の行動の目撃者はもちろんのこと、核爆弾製造の支援のためにソ連から派遣されてきた女スパイですら役目が終わると表情ひとつ変えずに殺してしまいます。対するマイケル・ケインは、かつての当たり役ハリー・パーマーを彷彿させるカッコよさです。こういう上司には反抗的だけど有能なキャラを演じたら彼はピカイチです。 ケインがブロスナンを追いつめてゆく過程や、土壇場で二人が邂逅し秒殺で勝負がつくところなんかは、『ジャッカルの日』とそっくりなんですが、原作の政治的な要素をばっさり捨ててエンタテイメントに仕立てたのでまあしょうがないというしかないですね。そこそこ面白かったというのが感想ですが、これが日本では未公開だったというのはちょっと不思議ですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-17 22:37:23)(良:1票)

874.  ジプシーのとき 《ネタバレ》 エミール・クストリッツァにとっては『パパは、出張中!』と『アンダーグラウンド』の間で撮られた作品ですけど、本作以降に濃厚になってくるいわゆる“クストリッツァ印”が確立された映画です。まず動物、これについては七面鳥ということでまだ小粒です。クストリッツァ映画には欠かせない“宙づり”はなんと家が宙づりにされちゃいます。元祖宙づりは、対象が人間じゃなくてこんな大物だったんですね。そして忘れちゃいけないのがジプシーブラスと幻想シーンです。序盤にある川の中で繰り広げられるジプシーたちの祭りは凄く荘厳で心に響いてきます。ストーリーはひとりのジプシー青年の転落の軌跡という感じの物語となります。この俳優は『パパは出張中!』と『アンダーグラウンド』にも出演している当時のクストリッツァ映画の常連俳優ですけど、本作の10年後に29歳で亡くなってしまったそうです。 結婚式のシーンで始まり葬式で終わるというのはいかにもクストリッツァらしいストーリーテリングでしたが、長年観たかった作品でしたのでDVD化には感謝でございます。[DVD(字幕)] 7点(2016-03-08 20:57:50)

875.  シリアル・ラヴァー 《ネタバレ》 似た様なプロットの映画を観たことがある様な気がしたけど、これはこれでおフランスらしいぶっ飛びぶりが新鮮なブラックコメディです。とくに中盤、ヒロインの妹が仲間を引き連れて家に押し掛けてくるところからの超ハイテンションなバカ騒ぎは、かなり来てます。でもとにかく爆笑必至なのはあの“人間ジュークボックス”でして、冷静に考えると志村けんのコントみたいなんですが、そのバカバカしさは突き抜けています。なんせバックコーラスつきなんですから(笑) おバカ映画好きはツボが刺激されること必定な、愛すべき一品です。[ビデオ(字幕)] 7点(2016-02-28 23:16:05)

876.  スズメバチ 《ネタバレ》 上映時間の三分の一を過ぎてようやく本題が始まるというのはなんですけど、そこに至るまでの三勢力の動きの見せかたはなかなか凝っていたと思います。冒頭で強盗一味が口笛で吹く『荒野の七人』のメインテーマは、これから現代版西部劇を見せるぞ、という監督の意気込みだったのでしょう。でもこれはプロットからいって『要塞警察』のフランス版リメイクだったと結論づけるのが相応しいです。そう考えるとカーペンターの『要塞警察』よりもテンポは良いし、けっこう愉しめるんじゃないですかね。どうせ『要塞警察』なんだから襲ってくる敵は凶悪で雲霞のごとき大量の方が景気が良いわけですけど、それにしてもあのマフィア軍団の損害は凄まじいもので、これじゃ『ブラックホーク・ダウン』の民兵ですよ。 サミー・ナセリの不活躍ぶりには驚きましたが、その分元消防士のおっさんの剛腕ぶりはこの映画で唯一のカタルシスです。ラストシーンでこの人登場しなかったけど、やっぱ焼け死んじゃったんでしょうか?[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-20 23:46:05)

877.  グランド・ブダペスト・ホテル 造りこまれた画面と箱庭のようなセット、そしてまるで人形劇の様なストーリーテリングはいつも通りのウエス・アンダーソン節ですが、たぶん本作が彼の映画スタイルの完成形なんでしょうね。けっこう単純なストーリー展開と思いきやセリフや引用される詩は凝りまくっていて、もうテイストはヨーロッパ映画です。アンダーソン映画と言えば主演はビル・マーレイというのが今までの相場でしたが、こうやって観るとレイフ・ファインズも彼の独特の作風にはピッタリな役者ですねえ。 まあこの映画は細かいことは言わずに豪華出演俳優たちのアンサンブルを愉しむのが正解でしょう。ジェフ・ゴールドブラムやハーヴェイ・カイテルなんて観ている間は彼らとは全然気がつきませんでした。そして女優陣、間違いなくアンダーソンはハリウッドいちの鳥ガラ女優マニアだと確信いたしました(笑)[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-17 23:39:30)

878.  頭上の敵機 《ネタバレ》 ㈱“アメリカ陸軍航空隊”産業は社業隆盛を狙って新たにヨーロッパ支社を開設しました。新規開拓のために爆撃営業部隊がフランスで飛び込み営業を開始しましたが、営業課長は部下からの信頼は厚いけど営業成績はイマイチでした。そこで本社は課長を更迭して営業企画の部長を代わりに送りこみました。彼は部下を再教育し自らも営業現場に同行して徐々に成果をあげるまでになりましたが、営業地域がドイツ第三帝国に拡大するとライバルのルフトヴァッフェ商事が自社の商圏を荒らされて堪るかと激しく商戦を挑んできました。 判り易く解説すると本作の内容はこういう感じです。大戦終結からわずか4年でこんなユニークな戦争映画が撮られていたとは驚かされます。最近のイラクやアフガニスタンを扱った安っぽいヒーロー礼賛のハリウッド映画なんか問題外で、現代でも全然色あせない切り口だと思います。ラストのたぶんシュバインフルト爆撃作戦をモデルにしたシークエンス以外に空戦シーンはありませんが、それでも終戦直後だけあって実物のB17爆撃機が多数出演しているところはさすがです。精神的ショックでお地蔵さんみたいになっちゃうグレゴリー・ペックの演技も強く印象に残りました。 実際のシュバインフルト爆撃では出撃機の七分の一が撃墜され、帰還できても廃機処分された数も入れると実に出撃機の三分の一が消えうせたという米軍史上空前の大損害だったそうです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-05 23:23:41)

879.  SF/ボディ・スナッチャー 《ネタバレ》 うっかりしていました。中坊時代の自分にとって最大のトラウマ画像だったあの人面犬がこの映画のものだったなんて、私はてっきり人面犬は『悪魔のワルツ』にだけ登場したアイコンだと思っていました。ジャクリーン・ビゼット大好き少年だったけど『悪魔のワルツ』だけは怖くて観れなかったんですが、まさかこの歳になって予想もしない映画でご対面するとは…不覚でした。それにしてもなんの脈絡もなく突然登場して一瞬にして消えていった人面犬、もう監督の頭の中が理解できません。 冒頭から終りまで不安定なカメラワークと不気味な音楽、効果音としても街中に響くパトカーのサイレンが引っ切り無しで、こりゃあSFというよりホラーですね。徹底的に低予算で押し通せるプロットなのに、舞台を大都市にしてドナルド・サザーランドに火事を起こさせて反撃させたり、オリジナルよりもスケールアップさせた感が強いですね。そう言えば、第一作の監督ドン・シーゲルがタクシー運転手役でカメオ出演してます。その分オリジナルが持っていたアメリカの共産主義恐怖症のメタファーは薄れている感じがしますが、この設定自体は時代を超えて通用する何かがあるんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-02 20:11:03)

880.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 トム・クルーズが乗る空中バイク(?)や球形ドローンなど、ガジェット好きには堪らない完成度でしたね。もちろんCG使ってますけどこれらのガジェットの飛翔感がまた良く出来ていて、スタッフにも飛行機操縦の経験者がいることがうかがえます。「前に観た映画の寄せ集め」みたいな意見ももっともだとは思いますけど、自分としては元ネタにされた映画よりもこっちの方が良く出来ていると感じました。映像もとっても綺麗でしたしね。でもトム・クルーズが主演のSF作品はなんか最近多いですし、トムが出てるだけでデジャブ感が溢れてきてしまうのもたしかなんですよね。 モーガン・フリーマンが登場してからはありきたりな抵抗モノになるかとテンション下がりましたが、その後も意外と捻った展開で何とか持ちこたえた感があります。でもラスト・シーンは余計というかアホとしか言いようがありませんでした。ということは、あの女は外見がトム・クルーズなら誰でもいいんかい!残りの1,000人のトムが押し寄せてきたら、どうするつもりじゃ(笑)[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-19 22:26:16)(笑:1票)

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