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プロフィール
コメント数 1639
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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901.  さくら(2020) 《ネタバレ》 原作は未読。しかし、思ったよりもだいぶん辛い話ですね。。大枠の筋としては、とある辛い事件を受け止め切れずに失われかかった家族の絆を、ふとした出来事が繋ぎ留めて再生に向かう、というトコロ。その「事件」の辛さの度合と、ラストの「兆し」のささやかさの具合というものは、例えるなら個人的には『マンチェスター・バイ・ザ・シー』くらいな感じかなあと思えた(あっちの方がやや勘所の分かり易さというのがあるとも思うが、とりあえず今作、重ねてまあまあ辛い系統の映画ですよ、と)。 ただ、時として耐え切れないホドに悲しくて悔しくて取り返しが付かないのが正に人生だとも思うし、その人生の残酷さに対して必ずしも常に前向きな答えを出せるとは限らないのが正に人間だ、とも思う。本作における様々な状況に対し、葛藤し、時に絶望し、そして率直に正しいとも思えない様な「答え」を出していく登場人物たちには、観ていて中々に味わい深さ・面白さというものが感じられた。特に面白かったのが、小松菜奈演じる妹。ある種の「許されざる」自分の感情を制御できず、ある部分で次第に「狂って」ゆく彼女には、それでも一種の人間らしさや純粋さ、あるいは白痴美的な美しさというものが感じられて、結構観入ってしまった(そういった複雑なものを表現する演技も素晴らしかったと思う)。 あと印象に残ったのは、永瀬正敏演じる父親。ホントに殆ど喋らないんですけど(昭和な感じの寡黙なオヤジ、というヤツですね)、何とも言えない存在感が諸々の場面でみなぎっていて、これも面白い演技の仕事だなあ、と思いました。[映画館(邦画)] 6点(2020-11-14 00:44:08)(良:1票) 《改行有》

902.  荒野の用心棒 《ネタバレ》 これ色々と相当に展開が分かりにくいのよね(死体を墓場においた意図とか、女を逃がしたのがバレた理由とか、バクスター一味壊滅の経緯とか)。テンポがごく普通で割とテキパキ観れるのはレオーネ作品としては逆に異色。ただ決闘シーンはかなりジックリ撮っていてこっちはこっちで見応え抜群。アクションがまあまあ派手で好いのと、イーストウッドは今作時点で既にメチャ格好好くて、そこら辺が見所かと。[DVD(字幕)] 6点(2020-11-13 00:45:11)

903.  フェリーニの道化師<TVM> 《ネタバレ》 序盤や終盤は少し劇映画ぽいけど、中盤の感じ、あと全体的にも実質はドキュメンタリなのですね。その意味では、種々の道化の貴重な「芸」というものを味わえる点で、個人的にはかなり興味深く観ることが出来ました。雰囲気的にはチャップリンの喜劇に近いかな、と(これは、実はどっちが先か、と言われればけっこう難しい問題なのかも知れませんが)。オーラスの大騒ぎなんか特にそんな感じでしたが、色付きでしかも「映像の魔術師」の業ともなれば、かなり美術的にも面白い映像だったのは間違いありません。 音楽はニーノ・ロータなのですが、基本的にはポピュラーな既存の音楽で構成していましたかね。ただ、終盤にどー聴いても『ゴッドファーザー』な音楽が入ってたのはちょっとビックリしましたが(ゴッドファーザーの公開は1972年で、本作の2年あとですね)。[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-11 22:26:42)《改行有》

904.  アシク・ケリブ 《ネタバレ》 吟遊詩人アシク・ケリブの物語だが、話の内容は率直に大したもんでもない。中東・アラブ風の映像表現も、正直言って『ざくろの色』や『スラム砦の伝説』とかで観たものとさほど変わりなく、この監督の後続作品として斬新さを備えているとまでは言えない(私が監督作を続けて鑑賞しているから気になってるだけかも知れんケド)。 むしろ、主人公が吟遊詩人だけあって全編で騒々しいまでにかき鳴らされ続けるアラビアンな音楽の洪水が、監督の他作品のようにやはり我々を何か別の映像世界に連れて行ってくれる様にも思う(よーく聴いてると何故かシューベルトの『アヴェ・マリア』のメロディが混ざってたりするんだけど)。なので別世界体験するための映画としては、ある程度「使える」クオリティかとも思う。[映画館(字幕)] 6点(2020-11-01 06:25:29)《改行有》

905.  ドリアン・グレイ(2009) 《ネタバレ》 原作とは(表面的な筋書きも、また本質の部分も)だいぶ異なる作品になってしまっていますが、それでも特に後半はかなり面白く観れたのですよね。ひとつ、主演のベン・バーンズが見栄えも演技もそこそこ以上に優れていた、というのは確実な要因だと思います。なので評価値としてはこう為らざるを得ない。為らざるを得ない、と言いたいのは、それでも随所に猛烈に突っ込みたくなる部分が散りばめられていたからだ、とゆーか。 まずはシビルのエピソードの薄さ。コレがあまりに呆気無さすぎて、彼女を失ったのをキッカケにドリアンの精神の均衡が崩れてゆく、という流れが全く繋がりません。そしてヘンリー卿ことコリン・ファース。彼は端的に「悪魔」でなければならない筈です。ファースは確かにニヒルでアイロニックではありますが、そういった悪徳だとか狂気だとかを滲ませるにはそもそも如何にも真っ当すぎますし、実際に後半ではごくフツーの善良な父親になってしまっています(彼に娘が居るというコト自体が、そもそもチャンチャラおかしいだろうと)。もう一点、ちょこちょこ挿入される若干ホラーでチープな怪奇演出は、これも個人的には受け入れ難い(そーいうトコロの「恐怖」を描くのが目的の作品では決してない筈だろうと)。 とは言え前述どおり、まあまあ面白かったのも事実。こーいうアレンジも可能性としてはアリ、と受け止めるしかないということなのかな…[DVD(字幕)] 6点(2020-10-30 00:31:03)《改行有》

906.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 一見イージーな回避方法が用意されている様に見えますが、前途は多難です。移した相手が殺されればまた戻ってきてしまうのですから、悟られずに移し、ルールを言い含め、そして何より相手にこの訳の分からない話を信じさせなければなりません。そこまで骨を折ったとしても、そいつの手際が悪かったり、割切りの出来ない善人だったりしたら(暫くはナントカなるかも知れませんが)いずれアウト、元の木阿弥です。中々に予後不良、かつ足掻く余地が残されているという意味でもタチの悪い恐るべき呪いですね。 基本的には本作はこの優れた設定そのものの怖さに頼ったホラーで、まず恐怖描写自体はどれも意外なホドに安上がりに見えます。また、じわじわと歩いて追い詰めてくる怪物を暗示させるかの様な不穏ながら非常に緩慢なテンポにしても、通常の分かり易いホラーに比べれば率直にやや玄人向けとゆーか。イマイチ盛り上がり所や展開面のアイデアを欠くよーにも思われるお話自体の出来も含めて、やや好みの割れそうな作品だと感じますし、私自身の好みからしても正直若干ストライクゾーン外れ気味ですね(もうちょっと「キレ」というものが欲しいですかね)。 ただ、統一感のある静かで陰湿で「真綿で首」な質感は、率直にこれも中々オツだな、とも思いました。特に音楽が素晴らしかったですね。作曲家は今作がお初の映画音楽、かつまだかなり若い人のよーで、今後も期待できるかも知れません。 もう一点だけ、全編通して登場人物の銃の扱い方がテキトーすぎませんか?平気で人の居る方に向けて撃ちまくるわ、中盤で庭でフツーに試射してるのとかも思わず危ねェッ!と声が出ましたよ。個人的にはそっちの方がよっぽど恐怖でしたわ。[インターネット(字幕)] 6点(2020-10-28 23:50:07)《改行有》

907.  ティファニーで朝食を 《ネタバレ》 主筋はかなり繊細ながら、洒脱な演出でオシャレに軽妙に語られるのはかなり心地良いしそこそこ面白いし。また、ホリーの奔放さの演出にも巧さが在るし、オードリーの絶対的な魅力とも相まって主人公の印象も悪くない様に仕上がっているし。 ただ、この映画には以下の2つの難がある。 ・オードリーに「配慮」し過ぎてホリーが娼婦だという点がボヤかされ過ぎて、描写が不自然であるだけでなく主人公のキャラに深みが出ていない ・ユニオシに代表される唐突で奇怪でセンス0なギャグが、全体の淡い雰囲気をただ損なっているだけな様に感じられる まあオードリー大好き人間の私としては、本作は天真爛漫さ炸裂なオードリーの出来だけで大満足な作品ではあるのだが(音楽も最高だし)。[DVD(字幕)] 6点(2020-10-24 02:38:19)《改行有》

908.  テキサス・チェーンソー 《ネタバレ》 大まかな内容に加え、所々で素晴らしく原作リスペクトな点があってちょっと嬉しいですね。例えば、全体に行き渡る薄汚い質感や、走って逃げまくるヒロイン(それを追い回す動けるデブことレザーフェイス)なんかには、かの名作を観たときの感動が見事に蘇りました。特に、やっぱレザーフェイス怖いですね。デカいし、おぞましいし、何より得物のチェーンソーの恐ろしさたるや(痛そうだし、音も耳障りだし)。結論的に、名作ホラーリメイクとしてはかなり良く出来ている線です。少なくとも同じマイケル・ベイ製作の『13金』や『エルム街の悪夢』のリメイクらしきものに比べれば、軽く二回りは上質です。 ただ、私は元ネタで最も優れていた点は、他の作品には無い何とも言えない「ホンモノ」感だったと思っています。その点、今作は良く出来てはいるのですが、その部分の再現、というレベルには至っていないかと(端的に割とフツーのスラッシャーにも感じられます)。汚穢に塗れた質感も前述どおり素晴らしく不快ですが、ほんの少しのやり過ぎ感(からのつくりもの臭さ)も覚えますし、何より、ソーヤー一家の狂気という部分がいかにも映画的な月並で、一種マイルドな感じにもなってしまっています。痛いことに、その原因は実はリー・アーメイにある様にも思われます。彼を(偽)保安官に設定したことで、狂気が少し薄れ、かつ「ビジネス」な感じに見えている気がする、というか(ただ、アーメイを使うならやっぱ軍人か警官で、とゆーのは重々分からんでもないですが)。[DVD(字幕)] 6点(2020-10-13 03:06:41)《改行有》

909.  ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 全体的にアクション(サメだの爆発だの水流だの)がかなり派手で、観ていて爽快だし結構まあまあ面白いのだが、肝心の科学的な部分がこれも全体的に相当にいい加減で、観ていて色々と引っ掛かりまくる。 ①サメの脳みそから液を吸い出して、その場で脳細胞に垂らしたら活性化しました!てトンデモすぎて科学実験とは言えんでしょ。 ②ヘリが墜落してスーパー大袈裟に大爆発しました!だからと言って、施設の水面下まであっちゃこっちゃ壊れだすというのは正直言っておかしくない?(そもそも水深もそんなにないんだから、そんなに高水圧な訳じゃないのだし) ③更にそもそも、あの施設は一体何なのですか。普通にどっかの湾内に施設をつくろうとせずに、沖合につくるメリットが何も感じられない。あんなの嵐が来たらそれこそ一発で沈むっしょ。 ④あと、結局この施設からの脱出(水面への上昇)が主目的となる話なのだが、施設の構造があまりちゃんと説明されないので、単純にイマイチ状況が掴みづらいのもまま惜しまれる。 ただ重ねて、パニック・アクションとしては十分に及第点である。かつては『ジョーズ』と本作以外のサメ映画には観る価値が無いとまで言われていたのだ。そう言わしめただけのクオリティは、今なお確かに在るであろう。[DVD(字幕)] 6点(2020-10-07 00:54:32)《改行有》

910.  キックボクサー リジェネレーション 《ネタバレ》 全っ然悪くはないですよ。少なくともリメイク元に比べれば、軽く30年分は確実に進歩してます。話は元ネタと全く同じですが、別にそれが悪い訳ではないでしょうし、肝心のアクションも分量がまず豊富、登場人物の格闘技的な動きの質も思ったより高度、かつ「スポーツ」的で、アクションとしてもスポーツとしても両面で「観れる」クオリティだと言えます。肩肘張らずに楽しめる格闘アクションとしては、十二分に使い道のある作品だと言えるでしょう。 ただし…その水準を更に超えてゆくような突き抜けて良い部分があったかと言われると、少し微妙かとも思います。何と言うか、総じて何もかもが75点くらいのまろやかなクオリティだ、という感じなのですよね。例えば主演男優なんかも、前述どおりアクションも体格もルックスも全てまったく悪くはないのですが、いざ点数を付けるなら結局どの要素も75点、というか。元ネタだと、これが抜群のイケメンで躰もバッキバキだったヴァン・ダムなのですから、そこは正直に少ーし見劣りがするな、と。 更にその意味で言うと、師匠役で登場するヴァン・ダム本人も動きのキレや筋肉は到底全盛期とは言えず、ちょっと期待からは外れ気味と言う感じでこれも残念です。このように、総じて平均的な本作で唯一平均点以上と言えるのは、ラスボスのバウティスタの存在感ですかね(やはりスッゴいガタイですね)。とは言え重ねて、決して中々悪くはない作品です。[インターネット(字幕)] 6点(2020-10-06 22:05:18)《改行有》

911.  ウィッチクラフト 黒魔術の追跡者 《ネタバレ》 主人公たるセクシー肝っ玉母ちゃんが熟達の黒魔術師、という意味では、スリラーよりは確実にホラーに近いと言えるだろう。しかし、今作の恐怖とゆーのはより実際的(むしろ社会的)と言うか、超自然の力はごく善なるものに用いられ、逆に悪たる恐怖の源泉は実在してもおかしくない様な犯罪組織、ひいてはそれが蔓延る暗澹たる社会そのもの、と言うべきか。とにかく、こんな簡単に人身売買組織が女の子をそっくり纏めて誘拐できちゃって、警察含む公的機関も完全に取り込まれてて全く味方になってくれない、というトンデモない状況で、そこには率直に中々に高度な不快感を得られた(でも、いわゆる発展途上国って割とガチでこんなのが当たり前なのかもね…将来日本もこーなったらヤダなと)。 ただ、特にショック描写の諸々は(逆にある種のリアリティと陰湿な心地悪さは在るものの)かなり地味&マイルドで、それは肝心の黒魔術シーンも総じてそうだし(ラストとかも、目玉一個で娘の命が救えちゃうのはこの手のにしてはなんか随分とお得感がある)、他にも例えば人身売買とはゆーても女の子の暴行凌辱シーンがそのものズバリでテンコ盛り、とかいうコトでもない(それはそれで別にいんじゃね、とも思われるが、やや肩透かしなのもまた事実)。要は低予算ぎみ、という風に思っとけば間違い無いかもと(画面の質自体は意外とそこまでチープでもないのだけど)。 結論、普通のオカルトホラーではなく、ちょっと珍しい「社会派」ホラーとして観てみてはいかがでしょーか。個人的には、その意味では観る価値は十分あるよーにも思えますですね。[インターネット(字幕)] 6点(2020-09-28 23:30:06)《改行有》

912.  ストロベリーショートケイクス 《ネタバレ》 登場する4人の女性は、人生それなりに酸いも甘いも噛み分けて、社会にとりあえずの居場所を築くことにも一応は成功している人生の中級者。そして、気に入らない出来事が身に降りかかってきたりしつつも、日々をごく淡々と過ぎ越してゆくことが出来ている。 しかし、何かが足りないその心の隙間は徐々に着実に広がってゆき、いつしか限界を迎えてゆく。結局のトコロ、足りないそれは「愛」であり、もっと有り体に言えばオトコだ、と言ってる様にも感じられる。女の映画だから当たり前なのかも知れないが、何とも「女々しい」話だとも思うのですよね(ちょっとキツイ言い方かも知れないが)。 『三月のライオン』でも思ったが、無機質な都会の情景から詩情的な雰囲気を引き出す部分には監督の優れた手腕をまま感じ取れる。その雰囲気、あるいはまた随所に見られる一種の画的な美しさ、などというものも率直にわりかし心地良いとも思ったが、話の内容はやはりかなり「繊細」で、個人的にはあまり共感も出来なかった。もう一押し、ちとパンチの効いた何やらかが欲しい…という感じかも。[インターネット(邦画)] 6点(2020-09-23 00:10:29)《改行有》

913.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 これは、地味にキッツイ映画ですね。。モディリアーニが非業の死を遂げるのは織り込み済な訳ですが、その予想された結末に更に人間の底知れぬ悪意を被せてくるという。ただ、それは生前のモディリアーニを決して認めることのなかった(そしてその死後は掌を反して賞賛している)我々「世間」というものに対する、ある種の批判的なメタファーである様にも一瞬ふと思われたり。 とは言え、描かれるモディリアーニ本人は最初から社会人としては完全に破綻しており、その面の彼には中々共感するという所までは至らない様にも思います。感情移入できるのはやはり、ジャンヌとの恋愛事象の方でしょう。男も女もとにかく見映えが史上最高クラスに美しいことを含め、どちらかというと付録にあたる恋愛映画としての見応えの方が意外にも優れていた印象を受けます(だからこそあの残忍なラストには、個人的には少しばかり期待を外した感と、物語全体に対する幾ばくかのアンマッチ感を覚えたのですが)。 ただ、美しすぎるのもそれはそれで、というか、特にジェラール・フィリップをただ美しく撮りすぎですかね。演技はまだともかく、終盤の彼には結核で死ぬ寸前の廃人、尾羽打ち枯らした人生の落伍者というものの雰囲気を、少なくとも見た目からは感じ取ることが出来ません。単純なメイクアップ技術の問題ではあるのでしょうが、そこが少しばかり残念にも思われます。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-22 16:14:40)《改行有》

914.  ミッドウェイ(2019) 《ネタバレ》 比較的史実に忠実に、かつその中で創作の人間ドラマの描写に注力すると言うよりは、真珠湾攻撃~ミッドウェイ海戦の実際の軍事的展開を描いてゆくことの方に重きを置いた作品だと感じる。その観点からまず一つ残念なのが、そうであるにも関わらず、率直にイマイチ個々の歴史的事実・イベントの意味とか影響とかが伝わって&繋がってこないことである。ミッドウェイ海戦に至る戦況も大雑把にしか描写されないし、一番肝心だと思われる南雲中将の判断と時間的な「偶然」だとかも、知ってりゃ分かるが知らなきゃ多分伝わってない様にも思われる。あと、ドーリットル空襲を描くのも端的には間違い無く正解だと思うが、一方でそれが日本軍司令部の作戦判断にどう影響したのかがあんまりハッキリとは描かれない、というのでは、正直何がしたくて該当シーンを挿入したのか意味が分からないといって過言でもないであろう。 また、前述どおり人間ドラマには重きを置いていないのでその面の見応えはいかにも薄っぺらいし、CG全開な戦闘シーンも量はともかく質は今日びの映画じゃそこそこ(と言うか若干チープ寄りかも)というレベルでかつバリエーションも少ないし(急降下爆撃で空母沈めるのを4回も観なきゃならんという)、CGがつくりものっぽいから戦場のリアリティや迫力・凄みも希薄で、総じて、昨今の出来の良いリアル戦争映画と比べると、色々と極度に淡泊、という印象を受ける。 ひとつだけ褒めたいトコロとしては、淡泊に、かつ日米どちらにもあまり熱く肩入れせずに描くことで、戦争の勝負ごととしてのカタルシスは感じられないものの、それ故に逆に「勝利者などいない戦争の悲哀」というものは仄かにも確かに感じられた(終盤、若干そっち方面に演出を寄せていましたよね)。まあその部分にしても、泣ける!というホドでもない薄味、だとも言えるのだけど。[映画館(字幕)] 6点(2020-09-19 02:03:03)《改行有》

915.  NICE 2 MEET U 《ネタバレ》 何から何まで全くもって「普通の恋愛」な映画なのは確かだが(にしてもフツーすぎる程にありきたりだけど)、それでも爽快さとゆーものは結構素晴らしかったと感じる。いちおう、男女間の民族的・文化的差異を乗り越えてゆくという面を持ち合わせており、その意味では少しだけポリコレの波に乗っている作品だと言えるかも知れないが、その「男女の差」というものは実はごく普遍的なものでもあり(要するに、恋愛に対しやや保守的な男と、少しだけ奔放な女、という)、その面でも特殊な要素を備える恋愛を描いているというよりは、やはり普通のありふれた恋愛を描いた映画だと言ってよいだろう。 普通の、という意味で、美男美女すぎない主演二人にせよ、臨場感を重視した撮り方にせよ、より視聴者目線で身近な質感を引き出す種々の演出も非常に効果的であった。結果的に極めて広範に感情移入しやすい物語になっており、ありふれてはいるが自分ごとの様に引き込まれて観てゆけた、と言える。[インターネット(字幕)] 6点(2020-09-16 00:01:40)(良:1票) 《改行有》

916.  ここは退屈迎えに来て 《ネタバレ》 雑多な登場人物に加え、描かれる時間軸も多様に切り替わる、が総じて、この映画は10代後半から30歳直前の人生で最も輝かしい時期を様々に生きる若者たちを描き出した作品だと言えるだろうし、そして最も重要な点は、これも総じて彼らがその人生のゴールデンタイムをイマイチ輝かしく謳歌できていなかった様に見える、ということにも思える。 加えて、登場人物には割と受動的で人生に「無為」とも見えかねない熱量の低い人も多く、その意味でも全編通してあまりテンションは高くなってゆかない。群像劇というよりは青春風景のパッチワークというか、物語性も決して明確とは言い難い。繊細な見所を擁する文芸映画、と言う方が確かに実態に近いだろうし、作中の何かしらに引っ掛かることが無いと、そのまま退屈な作品に終わってしまう恐れも大いに在ると言えるだろう。 でも、振り返って人生で一番愛おしいのは、やはりその「やり残し」ではないか、とも感じる。ひたすらに「意味」を積み重ねる人生も、充実してはいるのだろうが少しばかり疲れるだろうと思うし、例えその意味が明白でなくても、人生には絶対に「無意味」な時間はないのだろうとも個人的には考えている。少なくとも私は本作からは、決して悪からぬノスタルジイを汲み取ることが出来た。 人生、人目も憚らずただ泣きながら大声で歌いたくなる時もありますよね。でも、それが許されるのはギリ20代までではなかろうか。30過ぎてもそんなことやってたら、それはもうちょっと変な人だ、とも。[インターネット(邦画)] 6点(2020-09-15 21:17:42)《改行有》

917.  ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ 《ネタバレ》 なかなか波乱万丈な人生であるのは確か(一部、内容の信憑性には議論があるようだが)。ただ、ひとつの仰天な「事実」の暴露と、姉妹のアンビヴァレントな関係性(これも言っちゃあ結構ありがちなモノではあるが)を除けば、ドラマの要素としての質はどれもごく平凡なレベルに留まるし、お話としては全体としてもそこまで深く感動したとも言い難い(あくまで個人的には)。 演技面はそこそこだったか。ワトソン、グリフィスは共に流石の手堅さ。ワトソンは病気になって以降は凄みが出てましたね(逆に、前半からのチェロ演奏のシーンは率直に全く弾いてる様には見えないチンケな出来だったが)。グリフィスは種々の「物言わぬ」シーンが良かったですね(よく見ると意外に美人ですしね)。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-13 01:48:01)《改行有》

918.  厳重に監視された列車 《ネタバレ》 下世話な内容だが描写は非常に間接的なので、あまり品の悪くない上質なコメディに仕上がっている。ただ、中々に薄い味付けなので人を選ぶとは言えるかも(個人的には結構笑えたケド)。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-06 12:04:09)

919.  屋敷女 《ネタバレ》 一部では有名な作品だが、同時期の『マーターズ』に比べれば完成度という点では二回りは劣るか。前段部分がモッタリしたテンポなのはまだともかく、メインのスプラッタ展開に入ってもスピード感を欠いてだいぶモタモタしているし、かなり不自然でザ・突っ込みドコロな場面も多い(母親を殺しちゃうシーンなんかはもうコントですか?て感じだし)。そもそも話にも内容という程のものは無く、あくまで尖鋭的なスプラッタ描写にのみ観る価値があるジャンル映画、というレベルに留まると言って過言でないだろう。 しかし、その肝心要なスプラッタ描写に関しては、その痛さと血みどろ具合が文句無しに最高峰(正に血の河)。個人的にはとにかく、妊婦の腹にハサミ突き立てるというのが私ですらも観てられないという衝撃度で(当方、アンレイテッド版を鑑賞しております)、これまた常人の思い付きとは思えないレベルで酷いったら無い。今作、DVDジャケットには「妊婦の方は鑑賞をご遠慮ください」と注意書きがあるが、さも当たり前な配慮である(万が一「事故」でもあったらどーするのか、という)。 もうひとつ、ベアトリス・ダルはそんなに分かり易く危険人物な演技を色々こなしてるというワケでもないのに、実にデンジャラスなオーラを醸し出していてこの点もグッド。そもそも本人がかなりアウトロー系の人物なよーで、その意味では本質的に適役だった、というコトかも知れない(このジャンルでそれって、それはそれでどーなの?とも思うケド)。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-06 01:54:58)《改行有》

920.  ともしび(2017) 《ネタバレ》 説明的描写が極端に少ない部類だが、平穏な日常が崩れてゆくサマと、何とか平穏に過ごそうとしながらも次第に心境が変化していく様子はまま伝わるし、ランプリングの演技自体もまずまず悪くないと思う(なんか今作、妙に体張ってる感じ)。しかし、宣伝文句に謳われてるよーに「生きなおす決意」をしたのかどうかまでは正直言ってよく分からない(=それを伝えたかったのだとしたら、演出は失敗・不足している様にも思う)。せめてラストくらいは、もう少し示唆的に表現して欲しかった。あと、鏡面やピンボケを利用したかなり凝っていて中々に面白い画づくりがとにかく終始続くのも、印象に残る。[映画館(字幕)] 6点(2020-08-24 22:37:55)

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