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プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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921.  コラテラル 《ネタバレ》 考えてみてください。①殺し屋が流しのタクシー運転手を脅迫してハイヤーさせ取引先回りをする②巨大都市LAなのに、5人のターゲットのうちの1人を殺し屋と出逢う直前に乗せている。普通に撮ったらおバカ映画になること必定なプロットなんですが、マイケル・マンの様な腕の立つ監督と脚本家が手掛ければこういう一級品の娯楽映画になっちゃうものなんですね。 トム・クルーズが殺し屋と言うのはサプライズのつもりなんでしょうけど、彼は善人より悪人の方が似合ってると思うんですけどね。悪役を演じる方が愉しめる俳優が多いそうですが、トムもその口みたいですね。でもこれはマイケル・マンの映画にはついて回ることなんですが、少しはユーモアを交えた演出が欲しかったところです。それにしても良く喋る殺し屋でしたね、病院でジェイミー・フォックスに鞄を持ち逃げされて窮地に陥ったりしてけっこう脇が甘い感じもしましたが。でも最後の死にざまはさすがトム・クルーズという感じですね、リングサイドで真っ白に燃え尽きて死んでいった矢吹丈みたいでした。 最近のLAを舞台にした犯罪映画では、この映画もそうですが、悪玉が韓国系という設定が目立ちますね。まあこれがLA裏社会の現実なんでしょうが、大陸や半島系の犯罪組織が登場することが滅多にないヘタれな日本映画界とは対照的です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-04 20:43:56)

922.  メカニック(2011) 《ネタバレ》 たしか一年ぐらい前に観たはずなのに、内容が全然思い出せませんでした。そこで改めて観てみましたが、けっこうソリッドな撮り方でジェイソン・ステイサムの近作の中では上位にランクして良いでしょう。ジェイソン主演の映画って、彼がどの映画でもまったく役作りしないので、ほんとどれも同じみたいになって記憶から消えてしまうんですよね。 冒頭の殺しが彼の魅力を最大限に引き出している感じがします。あのクールな手際良さ、プールの殺しから河に飛び込んで曳き舟につかまって逃げ切るところまで一気に見せてくれます。さすが元ダイビング選手だけあって水中アクションはお手の物ですよね。 ベン・フォスターもいかにもキレやすそうな青っぽさが上手く表現していたと思います。でも完璧をモットーとするジェイソンが、いくら殺してしまった友の息子とはいえあんな未熟者を弟子にするかと思いますが、まあこれはオリジナル映画が有るんで仕方ないですね。 我が国にも世界に誇る『ゴルゴ13』というコンテンツがあるんですから、せめてこの映画ぐらいのレベルで映像化して欲しいものです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-30 21:44:28)

923.  SUSHI GIRL 《ネタバレ》 キワモノだと思ってましたが、“Diamonds Are Forever”が流れる実にカッコ良いオープニング・タイトルで「ひょっとして、これは」と期待が高まってしまいました。で、結論から申しますと、本作はちょっとした掘り出し物でした。 どっから観ても『レザボア・ドッグス』のパクりなんですけど、タランティーノ特有の時系列シャッフルとムダ話がない分進行がスピィーディーかつスマートなんです。ガラスの破片を詰めたソックスで顔面を滅多打ちにしたり歯をペンチで引っこ抜いたり、拷問のエグさは完全にタラを凌駕してます。まあ、あれしかないとは思いますけど、千葉真一の使い方もなかなか上手です。当然ながら出番のほとんどを全裸で身動きひとつしない“スシ・ガール”の女優も、なかなかのナイスバディで目の保養になりました。 でも見逃せないのは疑われて拷問される男で、これを演じるノア・ハサウェイは『ネバー・エンディング・ストーリー』でドラゴンに乗ってた少年役だった人なんですよ。タトゥーだらけのいかにも悪そうな中年になっていて、あの紅顔の美少年が、と嘆かずにはいられません。でももっと凄いのは拷問する側の悪漢にマーク・ハミルがいるんですが、こっちはもっと凄まじい変貌ぶりです。ロン毛のブロンドででっぷり肥えたその容姿は、フィリップ・シーモア・ホフマンかむかしのポール・ウィリアムスかと見間違えてしまいました(おまけにホモなんです)。 ルーク・スカイウォーカーがこんな姿になっちゃうなんて、私は悲しいです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-15 20:17:14)

924.  謎の要人悠々逃亡! 《ネタバレ》 まず邦題が最高の優れもの!誰のお仕事かは存じませんが(水野晴郎ってことはまさかないでしょう)、これほど映画の内容を的確に伝える邦題は滅多にあるもんじゃないです。 ヒッチコックが脱走ものを撮ったらこんな感じになるんじゃないかと思える洒落っ気が楽しいところですが、これも主演にジェームズ・ロバートソン・ジャスティスを使ったのが勝因でしょう。この人『ナバロンの要塞』などの主に60年代の戦争映画で良く見かける髭面のいかにも英国紳士という風貌の俳優ですが、主役を演じている映画となると非常に珍しいです。劇中で空軍将校に化けようとすると「空軍の規則では髭はNG」と言われて海軍将校に変更するエピソードがありますが、これは一種の楽屋落ちでしょう。実際この人の髭を生やしていない顔は映画では観たことないですから、髭は完全に彼のトレードマークなんでしょうね。 この映画で実行される脱走は『アルゴ』の作戦とほとんど一緒です。まさかCIAの担当者が本作を観て考えついた計画ではないでしょうが、まさに“事実は映画よりも奇なり”ということですね。ラストの敵味方の戦後の再会も微笑ましいし、こういう登場人物が誰も死なない戦争映画というのもまた良いもんです。[DVD(字幕)] 7点(2014-10-12 20:45:18)

925.  ワーキング・ガール 《ネタバレ》 いやはや何とも、あのジョーン・キューザックの存在感というか厚化粧の凄さは強烈でございました。連獅子ヘアスタイルもさることながら毒々しいアイシャドウのメイク、もう荒事の歌舞伎役者そっくりです。メラニー・グリフィスもさんざん下着姿を披露したけど完全に喰われちゃった感がありました。 下積みキャリアウーマンの逆転サクセス・ストーリーといういかにも80年代らしさに溢れたテーマで、似た様なプロットの『赤ちゃんはトップレディーがお好き』(もっともこっちはエグゼクティブ・ウーマンがヒロインでしたが)に比べてみるとはるかに映画としての出来は上かなと思います。シガニー・ウィーバーが長を務める買収部門のフロアーが、良く見ると30人近くスタッフがいる様に見えるのに全員が女性というのはちょっと壮観でした、日本の証券会社では考えられないことですよ。そしてハリソン・フォード、この映画では三女優がオスカーにノミネートされたのに彼だけ無視され、まあそれも納得の平常運転の演技ですから。でも、ボタンをひとつも外さずにスルリとYシャツを脱ぐ妙技は、ワンシーンだけでしたけどなかなかレベルが高い技でした(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-07 21:45:27)

926.  沈黙の戦艦 《ネタバレ》 大して熱心に観てるわけじゃないですが、セガール映画の中から一本選ぶとしたらやはりこれだよね。“人類史上最強のコック”ケイシ―・ライバックはいまやセガールが演じるヒーローの代名詞みたいになってるし、「お前ちょっとやり過ぎだろ」と言いたくなるほどの最強ぶりです。セガールを語るときにつきまとうのは彼のハリウッドでの不思議なポジションなんですが、この映画でも実物の戦艦ミズーリでロケをするなんて並みのコネじゃ実現できるもんじゃありませんよ。今や戦艦という兵器が地球上に存在しなくなってしまった現在、こういう映画はもう撮れないというわけです。でも主砲の一門だけとは言っても、あんなに少人数で簡単に発砲出来るもんなんですかね、まして照準して命中させるなんてね。まあそこら辺は深く突っ込むのはヤボというもんでしょう。 乗っ取り側のトミー・リー・ジョーンズとゲイリー・ビューシィのキレっぷりというか怪演がまた盛り上げてくれます。とくにゲイリー・ビューシィの女装まで披露する狂いっぷり、ここまで変態な士官を登場させればミズーリを貸してくれた海軍もさすがにいい顔はしなかったでしょうね(笑)。 まあテンポも良いし、「TVで放映してたらついつい観ちゃう映画」ランキングがあったら上位入賞間違いなしでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-01 22:14:32)

927.  ガントレット 《ネタバレ》 もうこれは、脚本家の頭に「銃でガントレット(鞭打ち刑)をやる映画って面白くない?」という妄想が浮かび、それを無理矢理ポリス・ムーヴィーとしてシナリオ書いたら思いもよらず企画が通っちゃった、という舞台裏が透けて見える様です。ソンドラ・ロックの家やパトカーを腕ごなしにハチの巣にしてラストのガントレット祭りにまで持ってゆく呆れるほど強引なストーリー、イーストウッドが監督・主演じゃなければ単なるおバカ映画になるところでした。でも道路の両側からあんなに撃ちまくったら、たぶん三分の一の警官は流れ弾に当たって倒れると思いますがね。そしてイーストウッドたちを追いかける殺し屋たちの射撃の下手なこと、とくにヘリコプターのスナイパー、単発ライフルじゃなくってM-16みたいなアサルトライフルを普通使うでしょ、もうご都合主義なんだから! でもやっぱりこの映画が私は好きなんだよな。現代のセガールなんかの対極にある様な血を流し痛めつけられるイーストウッドの姿は彼の演じるヒーロー像の完成形と言えるでしょう。ゲップが出るほど銃弾が飛び交う映画なのに、イーストウッド自身は誰も銃で殺さないというのも彼のフィルモグラフィの中でも特異な一篇でもあります。[映画館(字幕)] 7点(2014-09-24 20:30:35)

928.  ローリング・サンダー(1977) 《ネタバレ》 ヴェトナム帰還兵ジャンルの映画は数あれど、ジョン・ランボーから見て極北に位置するのが本作のチャールズ・レーン少佐になるのでしょうか。その寡黙ぶりは高倉健を彷彿させますが、そういや脚本のポール・シュレイダーって『ザ・ヤクザ』も撮ってましたね。捕虜抑留中に妻を寝取られていたと判っても、妻そして間男にもなんの感情も示さない様な前半の彼ってほんと観てて痛ましい限りです。トミー・リー・ジョーンズも登場シーンではまったく無表情で芝居をしてたのが、ラストの大殺戮の場面では嬉々としてショットガンぶっ放してるのが堪らなく不気味でした。 余談ですがレーン少佐がかぎ爪付き義手になってしまう原因が映画ではイマイチ不明でしたが、実は襲撃されたときにディスポーザーに腕を突っ込まれた為で、そのシーンはグロすぎるということでカットされちゃったそうです。でもそのカットはないよな、と私は感じます。かぎ爪義手のウィリアム・ディヴェインは今や伝説的なキャラとなり、ショットガンに義手で装填している図柄のポスターはすっかりアイコンみたいになっているぐらいなんですから。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-16 23:01:58)

929.  くちづけ(1957) 《ネタバレ》 これが増村保造の初監督なんだけど、これがほんとに増村保造の撮った映画かと思うくらい瑞々しいタッチの作風なんですね。大人になりきれない子供といった感じの川口浩のキャラがまた良いんです。若いころの彼はセリフ回しに独特の歯切れの良さがあって、とくに増村作品でその傾向が顕著。これは増村監督の演出手腕の賜物と言えるかもしれません。川口浩が演じる大学生の、なんというか焦りに急かされている様な心情は良く判る気がします。野添ひとみも初々しくってイイなあ、じっとりしそうな役柄なんだけど、そこをあっけらかんとした明るさを前面に出して乗り切っています。そして、彼女が歌うちょっとレトロなんだけど情感たっぷりの主題歌がとても印象的なんです。 実は川口浩が川口松太郎の息子だと今回初めて知った次第ですが、母親の三益愛子まで共演していて“川口ファミリー劇場”みたいな様相です。川口浩は映画界で活躍したのはわずか五年余り、その後はご存知TV『川口探検隊』の人となってしまったのは有名ですが、個人的には同時代の裕次郎なんかより引かれます。演技力は川口の方が上だったんじゃないでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-28 21:34:48)(良:2票)

930.  グレイティスト 《ネタバレ》 長男を交通事故で亡くした両親のもとに、事故のときに同乗していた女の子がやって来て「わたし、彼の子を妊娠してます」と告白して同居を始める。旦那(ピアース・ブロスナン)はまだ良いとしても、奥さん(スーザン・サランドン)は息子の死を全然受け入れらえずドンドンおかしくなってゆく。この家庭崩壊の様子は『普通の人々』を思い出させてくれますが、スーザン・サランドンの狂気とまでは行かないけど明らかに普通じゃない状態は、さすがオスカー女優だけあって実にリアルです。しかし何と言ってもこの映画で存在感を示しているのはキャリー・マリガンで、この人こんなに良い女優だったのかと見直しました。なんか不思議ちゃんっぽいキャラながら実はしっかりした内面を持っている女の子なんです。これはこの映画の脚本がとても良く練られている賜物なのかもしれません。初めてのエッチで出来ちゃったけど、それまで三年間の高校生活でお互いを意識しながら会話をしたこともなかったなんて、日本のライトノベルにもありそうな話ですけどそれを大人が観ても胸キュンとさせる監督の手腕は大したものです。ブロスナンが数学の教授という設定も良くストーリーに活かされていて、息子の人生を生きた日数や時間そして秒で瞬時に表現するところなんか、数学頭の父親の愛情表現らしくて胸を突かれました。 ラストは誰もが予想する通りのハッピー・エンドで終わりますが、まあこれ以外の物語の幕引きはあり得ないんじゃないですかね。でも、スーザン・サランドンがこれから姑というのも、想像したらけっこう怖いものがありますね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-23 18:01:11)

931.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 脱獄ジャンルものは、どれだけ刑務所生活が悲惨かを観客に納得させ脱獄する囚人にいかに感情移入させるかが映画の出来を大きく左右するものです。その観点からは、もう一生シャバに戻れない終身犯は別としてもアメリカの刑務所生活は途上国なんかと比べると恵まれているように見えちゃうのが難点。そういう点ではこの映画のイーストウッドにも、飄々とし過ぎていて脱獄するぞという執念が感じられなかったのはちょっと残念です。その代わりに換気口に穴を穿つための努力を淡々と見せてくれる丁寧な描写はイイですね。看守を見張るために鏡を使うところなぞ『穴』でも使われた手口で、こういうところは万国共通なのかもしれません。ハラハラさせるところはちゃんとツボを抑えていて、ここら辺の手腕は老いたりと言えどもさすがドン・シーゲルです。音楽も最小限におさえたドキュメント・タッチの撮り方も渋いです。 アルカトラズ島の遠景が、日本の軍艦島みたいだったのが印象的でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-17 22:17:24)

932.  攻撃 《ネタバレ》 製作されてから60年近く経っているのですが、このジャック・パランスの死にざまを超える映像は未だにスクリーンに登場していないんじゃないでしょうか、まさに顔芸の極致です。大映のスタッフは、このコスタ中尉の死顔を参考にしてあの大魔神の表情を造形したのかもしれません(笑)。 これ観るたびに私は感じるんですけど、どうも最後のウッドラフ中尉の行動が物語から浮いている様な気がするんです。リー・マーヴィンが上手く立ち回って丸く収まるという終わり方の方が皮肉が効いていて良いと思うんですけどね。それじゃああまりに反軍的だということで、天の声がかかったのかもしれません。この映画が撮られたのは朝鮮戦争が終わったばっかりでベトナム戦争なんてまだ影も形もなかった頃ですから、これだけ軍隊内の恥部をさらしただけでも意義は十分にあったことは確かです。 そして私が好きなのはエディ・アルバートの卑劣漢ぶり、アルドリッチの映画に出てくる彼はいつもこんなキャラですけどね。アルドリッチ映画の華は卑劣漢キャラです(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-04 00:54:13)

933.  怪異談 生きてゐる小平次 《ネタバレ》 怪談映画を撮らせたら本邦一のマエストロだった中川信夫のこれが遺作です。ATGの1千万円映画のひとつとしてラインアップされていますが、新東宝で低予算プログラム・ピクチャーをさんざん撮ってきた彼にはある意味相応しい企画だったんじゃないでしょうか。なんせ原作戯曲が歌舞伎台本みたいなシンプルな構成なんで、この映画も登場人物は後にも先にもたった三人で済ますというカネもかからない素晴らしいアイデアだと思います。ちなみに達筆な字のタイトルは、なんと天知茂の直筆だそうです。 物語は旅役者一座の小平次・太九郎・おちかという三人の三角関係が軸となっています。この三人は幼なじみの間柄だけど太九郎とおちかは今は夫婦になってます。そこに小平次がおちかに「太九郎と別れて俺と夫婦になってくれ」と迫りますが、太九郎にしばしばDVで責められているのに「わたしは太九郎に体を捧げた身、どうして別れられりょうか」とおちかは応じません。そのくせ太九郎には三下り半を書け、つまり別れてくれと言ってみたりでさっぱり一貫性がないんです。実はこの映画、三人しか出てこないのに三人ともその言動が信用できないという構成になってます。おちかは妊娠し小平次に太九郎の子だと言いますが、これは真偽のほどは不明です。小平次も「俺はおちかさんの手も握ったことはない」と太九郎に言いますが、これも怪しい。このドラマツルギーが、後半の小平次は死んでいるのか生きているのかという不思議な状態に繋がっており、見事な作劇術だと思います。はじめは小平次が太九郎を殺すとばっかり思っていたら真逆の展開、というのもなかなか意表を衝いていて良かったと思います。 三人の重厚なセリフ劇なんですが、やはりこの中で光っているのが宮下順子ですよね。開き直ったマゾ女という風情のキャラなんですが、ちょっとヤバい色気を出しまくりでした。監督も自身のミューズだった若杉嘉津子を彼女に重ね合わせていたのかもしれません。 映画全体のトーンはいかにもATGという雰囲気でしたが、こういう作風の中川信夫をもっと観てみたかったと残念でなりません。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-31 21:44:53)

934.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 タイムトラベルものとなると異様に燃えちゃう自分ですが、この映画は実はタイムトラベル自体には大した意味を持たせていないと思います。もうどなたかが書かれていますけど、殺害ターゲットを過去に送るというのは意味がないですよね、死体だけ送れば済むことじゃないですか。好意的に解釈すると、その未来社会では国家権力が何らかの手段で人の生死を完全に把握する社会なのかもしれませんが、この映画では未来社会の描写がほとんどないのでそこまで肩を持つこともないですね。 未来から送られてくるのがブルース・ウィリスという時点で、もうこれは『12モンキーズ』だよねということはバレバレだし、そこに『ターミネーター』みたいな人探しをさせるとなると、なんかどこを観ても昔の映画のデジャヴ感がハンパなかったです。あのサトウキビ畑ですら『フィールド・オブ・ドリームス』やってると感じちゃうぐらいですから困ったものです。そしてそこにサイキック・チャイルドが出てくるとなると、これはブライアン・デ・パルマの…、もうキリがないので止めときます(笑)。 ラストのオチだけは、シンプルでしたが意外と観られないパターンでもあるので評価したいと思います。あと、あの子役の演技はけっこう怖かったですよね、この子これから大物になる予感がします。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-27 18:34:55)

935.  フロム・ヘル 皆さんの評判は芳しくないけど、えーっそうですかね、自分はそんなに悪くないと思いますし、けっこう好きかも。時代ものでジョニー・デップが刑事で難事件に挑むってのは『スリーピー・ホロウ』と被りますが、この映画の監督というか脚本にティム・バートンみたいな才気と黒いユーモア感覚がないところが不評の元なんだろうなと思います。でも“エレファントマン”ジョン・メリックまで登場する造りこまれた19世紀末ロンドンの雰囲気とは好きですし、脇を固める味のある助演陣もいい仕事してると思います。原作があのアラン・ムーアですから、ウィリアム・ガル卿の卒中で不自由な肢体とかジャックが出した手紙の件とか、けっこう辻褄の合わないことも目立ちますけどね。 まあこの映画の一番の難点は、ファンには怒られるかもしれませんが、デップが19世紀の英国人にとても見えないところでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-21 22:07:22)

936.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 自殺願望に取り付かれた少年が主人公ということで本作はカルト的な評価が高いのですが、観てみれば判る通り中身は男が成人するときに体験する通過儀礼をシュールに描いています。将軍の伯父さんの話を聞いて興奮するシーンもありますが、ハロルドは自殺という自分の死に憧れているだけじゃなく、本当は他人を切り刻むことの方が興奮する実に危ない奴なんです。ここら辺はベトナム戦争にのめり込んでいた当時の米国の精神風土を反映させていることが良く判ります。そんなハロルドがナチス絶滅収容所の生き残りである(たぶん)モードとの交流で浄化されてゆくストーリーは、なんと美しいことでしょうか。アメリカン・ニューシネマに関わった映画作家は沢山いますが、やはりハル・アシュビ―がもっとも洗練されていたんじゃないでしょうか。彼の撮ったニューシネマは、どれもお約束通りの悲劇的な終わり方をするけど、同時に強い希望の光が射しているのが私は好きです。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-12 21:24:03)

937.  アダムス・ファミリー(1991) 昔東京12チャンネルで放映してたアニメ版が好きだったので、「うわ―懐かしい、キャラそっくりじゃん」と感心したのですが、確認してみるとアニメ版にもオリジナルにも似ていない、それぞれのキャラををデフォルメしたって感じなんですね。周りのキャラはともかくとしてアダムス親子4人については、特殊メイクで顔を造ったというより単にメイクを濃くしただけでこれだけイメージピッタリになりました、というところでしょう。もうキャスティングの妙というか、たまたま同時代にこの4人がいたところに映画の神様が微笑んでくれたって言う感じです。だってもうラウル・ジュリアは死んじゃったしクリティーナ・リッチは成熟しちゃったしアンジェリカ・ヒューストンは・・・、つまりこのメンツではもう続編は撮りたくても撮れないってわけです。 ホラー・コメディとしては良く出来ていると思いますが、特徴的なのはミュージカル要素が濃厚だったことでしょう。ラウル・ジュリアの『マムシカ』をはじめダンスシーンがゴス調の舞台に良くマッチしています。近年、『アダムス・ファミリー』はブロードウェイでミュージカルになって大評判なんだそうです。それを考えると、この映画なかなか先見の明があったわけですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-24 20:09:02)

938.  アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 アドレナリンを噴出し続けていないと毒がまわって死んじゃうというプロット、シンプルですけどなかなか良いアイデアです。主人公のジェイソン・ステイサム演じる殺し屋、とてもインモラルで凶暴な奴なんだけどなんか憎めないんですよね。お尻丸出しの患者着姿で走り回るところなんか、女性ファンとその種の趣味をお持ちの男性ファンには堪らないでしょう。下ネタとグロ描写が満載のおバカ映画なんだけど、これが思いがけなく面白いんだから困ってしまいます。今はやりの手ぶれカメラ映像の多用ですけど、編集が巧みなのでほとんど苦にはなりません。“Everybody's Talkin”を白バイを乗っ取って突っ走るシーンでバックに流すなんて、この監督なかなか良いセンスしてると思いました。 そして問題のラスト・シーンですけど、ジェイソン・ステイサムが一瞬とはいえ死んだ(ように見える)シーンとは、おそらく彼のフィルモグラフィの中で初めてなんじゃないでしょうか。なんせ不死身のジェイソンですからね(笑)。しかしこんな終わり方してるくせに続編を撮っちゃうんだから、『アウトレイジ・ビヨンド』の北野武も裸足で逃げ出す厚かましさです(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-16 00:43:11)

939.  巨人と玩具 《ネタバレ》 主人公たちの会社が必死になって売っているのが、自動車でも半導体でもなくキャラメルだと言うのが今の眼で見るととても奇異に感じることでしょう。1950年代とはいえ大手製菓メーカーが単品販売のわけがなく、これは高度なカリカチュアだと思った方が良いのでは。とは言え何とかして子供たちにキャラメルを買わせようとする涙ぐましいまでの景品商法を見ていると、“ヴァレンタイン・デーにチョコレートを送りましょう”なんて言うのは誰が考えついたか知りませんが天才的な販促キャンペーンですよね。 増村保造らしいモダニズムに溢れた映像で、21世紀の私たちからは判りにくいところですが、街並みや風俗は5年から10年は先取りした雰囲気になっています。日本初のグラビア・ガールが実際に登場したのはこの映画の10年あとだったそうですから。 強烈な印象を残すのは高松英郎の宣伝課長で、彼がまくしたてる宣伝理論は的を射ているけど恐ろしいまでの大衆蔑視に満ちていて、高松英郎の姿がナチスの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッべルスとオーヴァーラップしてしまうほどです。どの登場人物にも感情移入出来ない様な撮り方は上手いなと思いますが、安易なストーリー・テリングに走った部分も観られ、とくに川口浩の親友がいつの間にか野添ひとみのマネージャーになっているなんてちょっとクサ過ぎました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-06-01 17:10:36)

940.  ルル・オン・ザ・ブリッジ 《ネタバレ》 『スモーク』で有名なポール・オースターなのでハート・ウォーミングな作品かと思って観たら、胡蝶の夢をモチーフにした切ないファンタジーでした。 冒頭のトイレの壁に貼ってある写真を見ればオチはだいたい見当がつきます。不思議な石をもらってからミラ・ソルヴィーノの運命が激変するのですが、その石のおかげでウィレム・デファーの一味が登場し訳が判らない展開になるのです。このデファーの存在はどうもオースターの小説NY三部作から引っ張ってきた感じがしますが、ハーヴェイ・カイテルの人生を全てを知っているところなんかからしてカイテルのダーク・ハーフの様な存在なんでしょう。 でもあのラストは切なかったですよね。ミラが知らないところでチャンスが消えていったのだけど、カイテルはまさに「君のために僕は死んだ」わけですから。私ももし途中でサイレンを止めた救急車に出会ったら、立ち止まって十字を切ることにします。 それにしてもこの映画のミラ・ソルヴィーノは魅力的でした。彼女がハーバード卒の才媛で北京語がペラペラ、おまけにあのポール・ソルヴィノの娘とはとても信じられませんね(笑)。[ビデオ(字幕)] 7点(2014-05-11 01:00:07)

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