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プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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961.  50/50 フィフティ・フィフティ(2011) 《ネタバレ》 日本で“難病もの”と言えば、“最後は主人公が死んで悲しい泣けるお話”と相場が決まっています。一時期邦画で大流行しましたし、夏にTV局発のキャンペーンでアイドル主演のスペシャルドラマが製作されることでもお馴染みです。刺身に醤油、トンカツにソースと同じくらい定番の味付け。ですから本作の軽やかアッサリ風味の味付けは、単純に新鮮でした。泣かなくてもいい難病もの。これだけで技あり。観賞に値すると考えます。【風味=音楽】は軽くても、旨味はしっかり、コクもあるのが素晴らしいです。主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、今をときめく堺“半沢”雅人を彷彿とさせるアルカイクスマイルが印象的。あの頬笑みは、おそらく心の防波堤。ガン告知前から爪を噛んでいた点からも、主人公の不安定な内面が窺い知れます。今回の一大事は、そんな主人公を激しく揺さぶりました。露わになる心の隙間。欠けていたピースは何だったのか。それは親子の絆だった気がします。「愛している」それだけで繋がれるのは肉親だからこそ。息子に「初めまして」と挨拶していた父親に蘇る家族の記憶。胸が締め付けられました。お父さん役の俳優さん、MVPです。揺さぶられた事で人間関係も篩いに掛けられた模様。「難病の彼氏を支えるアタクシってステキ!」な勘違い女とキッパリ別れられたのは不幸中の幸いでしたが、何より彼がツイていたのは、親友が側に居てくれた事でしょう。デリカシーって何?それ美味しいの?な奴ですが、「50%のギャンブルなんて最高じゃん」と言い切り、彼女の浮気を躊躇なくチクれる(しかも本人の目の前で!)ガサツさに、主人公は随分と救われたと思います。本当の優しさを知っている男でした。セス・ローゲンには殊勲賞を差し上げましょう。カウンセラーと患者という関係から始まる恋物語は、「結婚したのか?オレ以外の奴と」でお馴染み某携帯恋愛ゲームと同じくらい激しくツッコミたい衝動に駆られますが、彼女の方に打算が感じられないので許すことにします(笑)。お幸せに![CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-03 18:58:15)(良:3票)

962.  アイアンマン2 《ネタバレ》 日本製ロボットアニメのデザインを思い起こしてみると、頭部は鎧兜を連想させるものが圧倒的に多いことに気づきます。日本人の感覚だと、どうしても額に飾りを付けたくなるのです。ですから初めてアイアンマンのフエイスデザインを見たときは、正直ピンときませんでした。何だコレ、カッコ悪いなあと。でも慣れてくると印象が変わります。洗練されたシンプルさがツボにはまります。改良が加えられていくアイアンマンスーツに、好奇心が刺激されまくり。本作では携帯スーツタイプのマーク5と、新型リアクターに強力な武器を搭載したマーク6が披露されていますが、どちらも目茶苦茶カッコイイです。某海外トイメーカーのフィギアをまたしても購入してしまいました。財布がマジでヤバいです。辛気臭い物語と戦闘シーンの少なさは前作と比較してマイナス要素ですが、スカーレット・ヨハンソの見事なアクション分加点してチャラということで。前作同様の8点を献上いたします。[DVD(字幕)] 8点(2013-09-30 19:28:53)(良:1票)

963.  ナイトピープル 《ネタバレ》 白昼堂々、街中で繰り広げられる銃撃戦。いや銃撃戦なんて上等なものじゃなく、チンピラ同士の鉄砲遊びでしょうか。日本が舞台のクライムサスペンスで、なお且つコメディ要素抜きで、コレをやられると正直キツイです。だって今、平成25年ですよ。完全に昭和のヤクザ映画か刑事ドラマのノリですもの。“拳銃の弾はなかなか当たらない”なんてリアリティよりも、“人目のある所で銃撃戦なんてしない”リアリティの方が大事じゃないかと。若村麻由美が猟銃を持ちだした時には笑ってしまいました。堅気ではない旨の説明はありましたが、完全にやる気(殺る気)満々じゃないですか。現代日本でガンアクションを撮りたいのなら、エンターテイメントに特化しないと茶番になってしまいます。ご一考を。伏線無し、後だしジャンケン方式の“実はこうだったんです”な筋書きに注文を付ける気はありませんが、「腋の下に拳を入れると、脈は止まるんだよ」なんて脱力モノの言い訳を得意気にされると、何だかなあと思っちゃいます。みんな、犯罪はちゃんとやろうよ。[DVD(邦画)] 4点(2013-09-27 18:46:06)

964.  彼が二度愛したS 《ネタバレ》 ウルヴァリンの詐欺の手口は次のとおりと推測します。自らの身分を偽ってターゲットに接触。打ち解けた所でミスを装い携帯電話をすり替える。「セックスクラブ」は主人公に女を近づけるための擬装であり、彼の順法意識のハードルを取り払う仕掛けでもある。主人公の部屋に早い段階で忍び込んでいる事から、用意周到な計画と考えられます。ただし、主人公がSに熱を上げるかどうかは判らない。ある種の賭けでした。結構無理があります。それでも道理が引っ込んだのは、ひとえに主人公が純粋だったから。世間ズレしていないというか。来るか来ないかも分らないSからの連絡待ちで、他の女性のお誘いを断るなんて在り得ない。見所があるんだか馬鹿なんだか。ただ、背景が全て消えるような恋愛が出来るのはちょっと羨ましいと思いました。詐欺側のSが本気になってしまったのは完全な誤算。そんな純粋な女が、こんな悪巧みに乗っかるのかな?という気もしますけど、そこはそれ、男性向けの御伽噺ですから。終盤の「金より愛」の主張も嘘くさいですが、最もファンタジーなのはセックスクラブの女性会員のレベルの高さ。ハズレ無しって在り得ない。S以外にウルヴァリンの仕込のサクラが含まれている可能性はあるものの、彼の一匹狼的な手口を考えるとごく一部でしょう。地位も名誉もお金もあって、尚且つ美女揃いの女性会員たち。某有名占い師や「●▲ーの虎」に出てくる女社長なんかが会員だったら納得出来るのに。というか許せるのに。ただ、あの携帯電話があったとしても、チキンな自分が何を出来る訳でもなく…。あれ?なんか、目頭が熱いや…。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-26 18:54:57)

965.  ハンナ 《ネタバレ》 「心臓外しちゃったみたい」で拳銃ズドーン。その刹那、血を連想させる赤の背景に「HANNA」のタイトル。物語冒頭と末尾の2度繰り返されます。つまり獣も人間も、食糧も親の敵も、ハンナにとっては同じという意味。旅での交流を通じて、人間らしい心を手に入れたかに見えた主人公。果たして彼女の本質は、本当に何も変わっていないのでしょうか。枕を並べて少女と語った夜。約束の地グリムの家でマジシャンと交わした楽しい会話。それが無意味だったとは自分には思えません。養父と2人だけの生活では得られなかった何かを、旅を通じて少女は感じ取ったはずです。同じ台詞だとしても、同じ意味ではありません。いや、自分がそう思いたいだけなのかも。2つのシーン、彼女の表情に明確な違いは認められませんでした。言葉の裏に隠された彼女の思いとは一体何か。人の心を読むという作業は、実は自分の心をなぞる行為である事に気づかされます。ハンナという“人形”に、心を入れるのは観客自身なのだと思いました。観客を突き放した感覚が心地良い、スタイリッシュなサスペンス。でもお洒落だけが取り得ではない映画だったと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-09-26 18:51:26)(良:1票)

966.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス いやー『スター・トレック』愛されていますね。酷評は好きだからこそ。ファンの気持はよく分かります。各々の中で『スター・トレック』の定義がありますから。でも♪これも『スター・トレック』あれも『スター・トレック』たぶん『スター・トレック』きっと『スター・トレック』♪じゃないかと(松坂慶子・愛の水中花より引用でございます。年がバレますね)。自分は結構楽しめました。前作の感想でも触れましたが、優秀なコメディリリーフ、サイモン・ペッグが活躍したのが大きいと思います(『ミッション・イン・ポッシブル・ゴーストプロトコル』と同じ役回りですけど)。娯楽作品として幅が広がりました。彼の相棒、喋らない毒チンチラみたいな奴も存在感抜群。冷静沈着なバルカン人スポック副長の激情ぶりも微笑ましく、敵役も含めキャラクターは際立っていたと思います。それだけで許せてしまうのが、私にとっての『スター・トレック』なのです。SFというよりアクション映画の趣が強い本作ですが、たまにはこういうのもイイでしょう。スタートレックの魅力は、宇宙よりも広いのですから。[映画館(字幕)] 8点(2013-09-24 18:50:51)(良:1票)

967.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 怪獣出現からロボット兵器開発に至る一連の流れを、本編導入のプロローグとしてさらりと処理したのが上手いと思いました。何故なら人型巨大ロボットを開発する必然性など、どう考えても無いのですから。つく必要のない嘘はつかない方が上品というものです。ロボットのデザインがダサいのも、ロケットパンチが飛んでいかないのも仕方のない道理。“もしも巨大ロボ兵器を開発したら”というシミュレーション感覚が発想の基礎にあったと感じます。それも科学的検証に耐え得るものではなく、子供の想像や憧れを拠り所としているのが素晴らしいのです。某『空想科学○本』で実用性が一蹴されている頭部コックピットを採用し、操縦システムは『エヴァンゲリオン』や『六神合体ゴッドマーズ』と同じ精神感応式。しかも右脳と左脳でパイロットが役割分担までする拘りぶりです。この操縦方式は怪獣の脳へアクセスする技術にも使用されており、物語を構築する上で欠かせない要素となっていました。サイエンス・フィクション+ファンタジーの世界観。最低限のリアリティを担保していたところに、人型巨大ロボットの“浪漫”があったと考えます。味方ロボが次々と撃破され、主人公機も傷だらけになっていく終盤戦は、和製ロボットアニメ最終回定番の様式美と呼べるもの。そそられます。ただ残念なことに本作はアメリカ映画だったんです。『アルマゲドン』や『インディペンデンス・デイ』と寸分違わぬ結末にズッコケました。人類滅亡の危機を退けただけで大勝利なのに、それでは足りぬとまだ勝ちを重ねます。主役がハッピーじゃなきゃ、ハッピーエンドとは言えないんですね。何というか、“慎み”ってものがありません。『ザンボット3』の爪の垢(いやロボットだからエンジンオイルかな)でも煎じて飲ませてやりたいくらい(笑)。でも、これだけ楽しませてもらえたなら、文句を言う気も失せてしまいます。些細な粗など問題にもならないでしょう。やっている事は『トランスフォーマー』と同じでも、視認性の高さは格段に上。劇場観賞で大正解でした。悪い事はいいません。映画館に行かないと損ですよ。アムロやシャア少佐、綾波レイ、コンバトラーVの葵豹馬など、日本ロボットアニメ史を彩る豪華声優陣を起用した日本語吹き替え版もおすすめです。[映画館(吹替)] 9点(2013-09-21 18:39:15)(良:1票)

968.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 「空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!いやスーパーマンだ!」のフレーズでお馴染み、アメリカンコミックが原作のヒーロー、スーパーマン。その正体は新聞記者クラーク・ケント。電話ボックスで早着替え。母星クリプトンと地球の重力の差異で超人化(していた気がする)。あとヒロインの名前がロイス・レイン(だったかな)…これが私の予備知識。このようなスーパーマン初心者にとっては、胸のマークがSUPERのイニシャルではなかった事でさえ新鮮な驚きでした。というかコレ『スーパーマン』のリメイクでは無かったんですね。オリジナルを換骨奪胎して作られた全く新しい『スーパーマン』だと理解しました。悩み葛藤し答えを見つけ出すアメリカンヒーロー定番のドラマに、フルCGで描かれる格闘アクション。要するに『スパイダーマン』や『X-メン』『アイアンマン』なんかと同じフォーマットです。となると、あとはキャラクターの魅力で差異を出すしかないと考えますが、全身タイツの赤マント男がカッコイイとは思えなくて少々困りました。古典レベルの原作を現代に蘇らせるなら、もっと大胆なアレンジを加えても良かったと思いますし、正体を隠したいなら何故マスクをしないの?とか、そのマントって必要?みたいな“古き良き時代なら問題にならなかったであろう”無粋なツッコミ対策に対する理論武装も見たかった気がします。今回一日で『パシフィック・リム』『スタートレック・イントゥダークネス』そして本作と話題のSF大作を固めて劇場観賞したのですが、映像技術はどれも行き着くところまで行き着いた感があります。技術の進歩は本当に凄まじい。でも良い映画の条件はそれだけにあらず。映画って奥が深いです。[映画館(字幕)] 7点(2013-09-18 19:13:02)(良:3票)

969.  ウルヴァリン:X-MEN ZERO 《ネタバレ》 スギちゃんより100倍ワイルドなヒュー・ジャックマン演ずる人気キャラクター、ウルヴァリンの誕生秘話。踊る筋肉、揺れるモミアゲ、今日も切れてるベアークローを存分に愛でられます。ミュータントの特殊能力は単純なものが多く、格闘アクションは見応えたっぷり。ファンは勿論ですが、一見さんでも問題ありません。むしろ本編『Xメン』シリーズより一般向けで観易いかと思います。ところで気になったのはウルヴァリンの肉体再生能力。合成超人の能力をみる限り、もしかして首くらい刎ねられても大丈夫なのでしょうか?驚異的な“新陳代謝”でウルヴァリンの不死身ぶりを説明するならまだしも、頭が胴体から離れても生きていらたらヴァンパイアと変わりません。ミュータントを人間と捉えることがXメンのアイデンティティ。自然の理から外れない匙加減が必要と感じました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-09-15 21:50:00)(笑:1票) (良:1票)

970.  レッド・ライト 《ネタバレ》 ≪ネタバレあります。未見の方はご注意ください。≫   マシスン博士は、トリック解明の鍵となるモノを『レッド・ライト』と表現しました。=不協和音、異質なもの。“全てを疑え”とキャプションされた本ミステリーのタイトルでもあります。本作の焦点は、物語全体を通したレッド・ライトを探る事にあったと考えます。しかしレッド・ライトが何だったのか、また事の真相が明かされても、驚きはありませんでした。というのも、ミステリーのタネ明かしよりも、主人公(トム・バックリー博士)の内面の方に興味があったからです。以下は提示されたヒントを基に自分なりに想像力を働かせた主人公の心情です……。バックリー博士がインチキ超能力者を憎むようになった経緯は、母親の死が原因とみてよいでしょう。エセ超能力者に病気の完治を告げられた結果、嘘を信じて医者にかからず亡くなってしまったと。シルバーへの異様な執着心から察するに、シルバーが母親の死に関与していた可能性も考えられます。しかし、主人公が自身の本物の超能力まで否定する必要があったのでしょうか。彼の強大な能力を見るにつけ、その力は幼少期から発現していたと想像できます。つまり彼の母親は本物の超能力を目の当たりにしてきたはずです。珠が実在する事を知っていたが故に、石を珠と見誤ったのだとすれば悲劇です。幼い子供が自身の能力を呪ったとしても不思議ではありません。傷心の彼にとって、新たな心の拠り所となったのがマシスン博士でした。“自身を否定する自分を肯定”してくれる存在。もう一人の母親とも言えます。直接にしろ間接にしろ、主人公は二度に渡りシルバーに母親を奪われたということです。彼の復讐は、珠を騙る石ころに本物の珠の存在を知らしめること。シルバーの価値観を崩壊させ、主人公はアイデンティティを取り戻したという結末でした。このドラマは深いと思います。それだけに、オチが目玉の謎解きミステリーとの扱いは勿体ない気がするのです。[DVD(吹替)] 6点(2013-09-12 21:07:56)

971.  悪の教典 《ネタバレ》 壮絶極まる大虐殺の最中、山田孝之が女子高生のパンツの匂いを嗅いで「これは○○のか」なんてフザけた台詞を吐く映画の是非について、真剣に語るだけ馬鹿らしいというもの。悔しいけれど、それが三池監督の流儀。大した危機回避能力です。褒める気はありませんが、素直に凄いと思います。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-09-12 18:27:32)(笑:1票) (良:1票)

972.  のぼうの城 《ネタバレ》 一言でいうなら、野村萬斎による野村萬斎のための映画。今この役を演じられるのは野村だけでしょう。狂言で培った技能を存分に活かして、オイシイ役どころを手堅く演じました。一方、配役で気になったのは山口智充です。おそらく注文通りの演技プランで、彼に非はありません。しかし、同じ外連味溢れる芝居でも2人のバックボーンの違いか、山口の方には違和感が。もう一人か二人俳優以外の芸達者を入れて、全体のバランスを取っても良かったかもしれません。一昔、いや二昔前なら、型通りの殺陣で許された合戦シーンも、今やCGを使って血飛沫を飛ばすのが当たり前。現代時代劇は迫力やリアリティと引き換えに、チャンバラの様式美を失ったように思います。ある程度は仕方がない時代の流れ。本作のように娯楽時代劇の場合、リアリティは無用の長物ですが、無視する訳にもいきません。足りない娯楽性を補う意味が芸人山口のオーバーアクトにあったと考えます。石田軍2万に相対する成田軍はわずか五百。戦うという事は、すなわち死んでくれという意味です。配下の武将は兎も角も、百姓にとっては迷惑な話。それなのに彼らは自ら進んで槍を取りました。仕様が無い殿様だと笑って許してくれました。如何に長親が領民から慕われていたかが分かります。絶対の勝ち戦で水攻めなどという下策を用いる敵大将には望めないもの。人望は武器です。死んでくれる部下の気持ちに報いるには、自らも命を捨てなければなりません。そう、田楽の目的は撃たれる事でした。水攻めで落ちた味方の士気を弔い合戦の名目で奮起させ、堤防作りに携わった農民に反旗を翻すことを促すのが狙い。決死の舞です。“でくのぼう”なんてとんでもない。立派に大将の器でした。果たして、莫大な犠牲と引き換えに彼らが手に入れたのは、後の世にまで語り継がれる名誉。命に代えてまで得る価値があったかどうかは判断が難しい問題。しかし、当人たちが納得している以上誰も口を挟めないでしょう。それにしても成田長親のリーダー像には胸を打たれました。愛されるのは、努力を伴う立派な才能です。ももクロの百田夏菜子も同じタイプのリーダー。いい仕事は、仲間の、働き手の、心を動かすことから始まります。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-09-09 18:30:39)(良:1票)

973.  闇金ウシジマくん 《ネタバレ》 『アウトレイジ』が全員悪人ならば、『ウシジマくん』は全員クズの世界。それでも、丑島は筋を通している分マシに思えるから不思議です。初回の融資は10万まで。金利は暴利でも隠し立てはなく、基本は契約通りの返済でOK。際限なく集る事はありません。闇金は地獄へ一直線の落とし穴。穴を掘る奴は勿論悪人ですが、落ちる側にも責任はあります。ましてや計画的に借金を踏み倒そうとする輩など、法的には容認されても、人間性は闇金以下でしょう。甘い謳い文句で客を垂らし込めるドラッグや銀玉遊びに比べれば、カウカウファイナンスは嘘が無い分、まだ良心的な商売に思えます。とはいえ、闇金業がクズである事に変わりは無く、感情移入は容易ではありません(そもそも丑島の鉄仮面は感情移入を拒絶しています)。そこでTVドラマ版では千秋(片瀬那奈)という原作漫画には存在しないオリジナルキャラクターが登場しました。彼女こそ観客の感情移入の受け皿。一般人の感覚の持ち主で、重苦しい空気を和らげるコメディリリーフも担いました。ですから千秋が仕事をしない本作では、TV版より娯楽性が削られている訳です。感覚的には、俯瞰で眺めるホラー映画、あるいはTV特番の『警察24時』。これはこれで楽しめますが、ヨゴレ役に大島優子をキャスティングしたところを見ると、原作のディープな世界に踏み込む覚悟は無い模様です(案の定、地上波TVレベルの表現止まりでした)。それならTV同様のアプローチで大衆映画として明確にアレンジする方が正解だった気がします。(以下余談)WOWOWでの観賞でしたが、最後に『命に代わる借金などありません云々』のテロップが。関係各位への配慮か、はたまた当局の指導か存じませんが、当たり前の事でも告知しないと叩かれる社会の風潮には閉口します。そのうち『ルパン3世』にも窃盗は犯罪ですのテロップが流れたりして。『風立ちぬ』の喫煙問題も馬鹿らしい。送り手に節度や配慮を求めるのは構いませんが、過ぎたるは及ばざるがごとしです。結局ツケを払わされるのは、他ならぬ観客自身です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-06 18:58:59)(良:1票)

974.  トールマン 《ネタバレ》 (ネタバレあります。ご注意ください。)「衝撃の結末」「意外な真相」この手の煽り文句はミステリー・サスペンスジャンルの常套句。しかしながら経験則では十中八九はハズレです。もはや期待値ゼロ。ところが本作は僅か1,2発に該当したようです。貴重な当たりサスペンスですので、存分に楽しむためにも予備知識なしで鑑賞することをお勧めします。 ≫≫≫≫≫ 横転したトラックから這い出た男の子。拉致犯人が抱き抱えようとした時、子は協力的に手を差し出したように見えました。ともすれば見逃してしまいそうな些細な描写。しかし小さな違和感は確かに心に突き刺さりました。棘はやがて疑惑の核となり、ついには大きな疑念となって物語の進む方向を見失わせました。たった一本の包丁から喚起されたのは、死体の山と血の海。イメージ映像さえ、全く無かったのに。ほんの小さな、でも丁寧な仕掛けが、迷宮の入り口となっている巧みな脚本でした。既定事実が覆り、善と悪が入れ替わる快感。それが一度ならず二度まで味わえるのです。こうも先入観と想像力を手玉に取られるとは、恐れ入りました。バッドエンドとも、ハッピーエンドとも取れる極めて不安定な着地点も素晴らしいです。何故主人公にジェシカ・ビールが選ばれたのかも納得です。惜しむらくは、二段のオチのうち一回目と二回目が間延びしてしまったこと。この間をコンパクトに纏められたなら、傑作になったこと間違いなしです。[DVD(字幕)] 8点(2013-09-03 18:27:45)

975.  カラスの親指 《ネタバレ》 香川照之でも、竹中直人でも、大杉漣でもなく、何故村上ショージだったのか。オチを見て納得しました。体躯に優れた阿部が主役に選ばれた理由も。役者が持つ世間一般のイメージや見た目の印象を利用したミスリードは的確でした。ただし、物語自体のインパクトはさほど大きくありません。伏線が少なく謎解きが唐突なので、驚きはすれど、感慨は薄いのです。また、彼の計画全体に不確定要素が多い点も高評価し難い要因かと。さて、冒頭に述べたように、キャスティングの意図は理解したつもりですが、それで村上の演技に対する違和感が消えるワケではありません。一人だけ別世界の演技レベル。しかし素人と決定的に違うのは、これを“味”と認識出来ること。ツッコミに類する台詞の座りの良さは流石ですし、敵アジトに乗り込んでの大芝居は、演技上手では逆に出せない緊張感を創出していたと思います。良くも悪くも、村上ショージが全てを持って行った映画だったと感じます。上映時間が2時間40分と知り評価アップ。時間が気にならなかったので楽しめたという事でしょう。今や時の人“あまちゃん”能年玲奈ちゃんもハツラツとした演技を披露してくれているところも見どころです。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-08-31 20:59:00)(良:1票)

976.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 前作でブライアンに殺された売春組織の一族郎党による“復讐戦”。同じく前作では誘拐され痛い目を見た娘にとっての“雪辱戦”。邦題『リベンジ』に偽りなし。前作が4日間のタイムリミットだったのに対し、本作は一刻の猶予も許されぬ時間との戦いです。捕まったが最後、何時殺されてもおかしくありません。カーチェイス・銃撃戦・マーシャルアーツと全方位アクションが小気味よく展開され、今回もリーアム・ニーソンが無敵の強さと驚異的な洞察力を見せつけます。敵役の親父が実に憎たらしいこと。「お前(ブライアン)が殺した者にも肉親がいるのだ」なんて、素敵なブーメランをかます狂人ぶり。決着の付け方も納得でした。温情を理解出来ない者に容赦は要りません。カタルシスは十分です。ただし、些か緊張感に欠けたかもしれません。その発端は、主人公が拘束されたシークエンスにあったと考えます。拘束具が、手錠でも鎖でもなく、結束バンドとは。敵が三流チンピラである証です。当然?難なく脱出してしまい脱力。せっかく娘を呼び寄せた価値が目減りしてしまいました。街中で手榴弾を投げまくり、列車に突っ込む無免許運転車。随分と大味な。娘が運転免許試験で合格する和やかなエピローグまで容易に予想出来てしまいました。つまり、シュワちゃん主演のアクション映画と同じ系統ということ。ですから、前作と同じシリアスサスペンスを期待すると落胆するかもしれません。なお、このフォーマットは魅力的ですが、続編は期待薄でしょう(ブライアンも口にしたように、復讐の連鎖はもう懲り懲りです)。よってパッケージだけ利用してスピンオフ扱いでコメディなんて如何でしょうか。題して『96時間・お父さんは心配症』脚本は岡田あーみん先生に依頼してください。[レーザーディスク(吹替)] 7点(2013-08-28 18:57:38)

977.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 これはいけません。楽しくありません。前作はコメディと見紛うばかりの(というか本気でコメディだと自分は思っていますが)ハイテンション・極道エンタメ映画でありましたが、本作は常識的なヤクザ抗争映画。“画面全体からビンビン伝わってきた大物・実力派俳優のノリノリ感”も半減してしまっています。良かったのは、小日向と松重がチンピラの取り調べをするシーンくらい(真っ当に面白い“刑事と容疑者”コントでしたね)。やはり圧倒的な「バカヤロー」「コノヤロー」不足が原因と考えます。やっぱり全員が四六時中悪態をついてこその『アウトレイジ』ですよ。イヤミの「ザンス」、コロ助の「ナリ」よろしく、全ての台詞の語尾に「バカヤロー」を付けてもいいくらい。ラストもスッキリさせ過ぎでした。ヤクザの自己中っぷりや理不尽さを表現するなら、憎まれっ子は世に憚らなきゃ。監督もこの出来では満足していないのでは?是非早期のセルフリメイクを希望します。タイトルは『アウトレイジ・びよーんど』で。勿論メインゲストの大物組長役は『ゆーとぴあ』のお二人でお願いします。[DVD(邦画)] 6点(2013-08-25 21:03:52)(良:3票)

978.  あなたへ 《ネタバレ》 最愛の妻からのラストメッセージ。それは絵手紙にしたためられた僅か5文字の言葉。「さようなら」たった一言を伝えるために、妻は夫に旅をさせました。環境を変えること、体を動かすことで見えてくるものがあるということ。「あなたは、あなたの時間を生きて」過去の思い出に囚われることなく、新しい人生を歩んで欲しいという妻の願いは夫に届いた様子。篭の中の鳥、いや刑務所に餌づけされた雀は、大空に飛び立つ決意をしたようです。ただ薬が効きすぎたのか、刑務官の職まで手放してしまいました。退職後も請われて仕事が出来るなど誇らしいこと。ニセ教師や南原の例を見ても分かるように、居場所があるのは幸せな事です。新しい生き方を模索する気持ちは尊重したいですが、今まで積み重ねてきたものも大切にして欲しいと感じました。根なし草の放浪とならぬ事を祈るばかりです……。齢八十の大スター・高倉健を主演に迎え、豪華キャストでお送りする和製ロードムービー。健さんは流石に若々しいものの、それでも80歳のおじいちゃんには変わりありません。本作のテーマを扱う上で主人公の年齢は重要なファクターとなりますので、明らかにミスキャストでしょう。吉永小百合もそうですが、主役しか許されぬ役者人生というのも虚しい気がします。年齢相応の適役でこそ、役者は一番輝けるのでは。イベントは発生してもアクシデントは皆無であること、移動距離と期間及び移動手段のバランス上、ロードムービーとしては極めてコンパクトで平凡な印象です。大仰なBGMに頼るのも限度があります。ロマンには欠けては、ロードムービーの醍醐味半減と言わざるをえません。[地上波(邦画)] 5点(2013-08-22 18:49:46)(良:3票)

979.  HOME 愛しの座敷わらし 《ネタバレ》 水谷は懸命にお得意先に頭を下げましたが、上司にキレて台無し。安田は自治会の仕事を引き受け、息子君や娘ちゃんは積極的に仲間に溶け込もうとしましたが、これくらいは誰でもやっている事。屋敷の前住人と違い、大らかに座敷童子を受け入れた点は水谷ファミリーの手柄と言えますが、棚ボタ感は否めません。言わば宝くじで当てた幸せ。努力がツキや奇跡を呼び込んだ成功ならば、ご都合主義でも受け入れられますが、宝くじ当選者の体験談を聞かされても感慨はありません。家に憑くはずの座敷童子が水谷家族と一緒に引っ越した結末は興醒めですが、幸福が水谷ファミリーの力で勝ち取ったものでない以上、この結末しか無かったとも言えます。豊かな自然と雰囲気たっぷりの古民家等ロケーションは抜群で癒し効果はありそうです。ファンタジーとして“緩く”楽しむ分には悪くありませんが、感動を望むのは厳しいと感じました。 [地上波(邦画)] 5点(2013-08-16 18:27:22)(良:1票) 《改行有》

980.  ファイナル・ジャッジメント 《ネタバレ》 危機感や恐怖心を煽って入信を勧誘する手法は、古今東西を問わずどの宗教でも行っている常套手段。危機は具体的に、恐怖は切実である方がより効果的です。そういう意味では、尖閣問題で外交緊張が高まる折、中国(劇中ではオウラン)による日本侵攻というタイムリーな設定を用いたセンスは正しいと感じます(ただ、武力衝突も無しに、ある日突然併合されるという設定にリアリティは感じませんが…)。さて本作の目的は、ラストに行われた主人公の演説(説法)に集約されていました。この主張を際立たせる為に100分近くが費やされたと言ってもいいでしょう。然るに、肝心の演説が全く心を打ちません。既存の宗教を全て容認すると語る一方、主人公が説く“神”による価値観の統一を強要するのは明らかな矛盾です。オウランが日本併合時に行ったダブルスタンダードな施策と何ら変わりありません(おそらくこの不条理を製作者が理解していないのが一番怖い)。演説ひとつで問題解決という点も説得力を欠きますし、その後の次第を字幕で説明という手抜きも酷いと感じました。この完成度では、もはやプロパガンダとは言えない気がします。最後にどうしても触れておきたい宍戸錠について。ほぼ役作りを放棄したとも思える大根ぶりは、晩年の丹波哲郎を彷彿とさせる異次元の味わい。こちらの方が余程神懸かっているような。(以下余談)レンタルDVDでの鑑賞でしたが、正直言って下手なAVより借りるのに勇気が要りました。長女からのリクエスト『うちの3姉妹』と次女のリクエスト『プリキュアオールスターズ』に挟んでカモフラージュしてレジに出しましたが、お姉さんの表情がいつもより怪訝そうだったのは…気のせいでしょうね。[DVD(邦画)] 3点(2013-08-13 22:37:41)

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