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プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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961.  ミッション:インポッシブル 《ネタバレ》 『アンタッチャブル』に続いてのデ・パルマの名作リメイクです。彼は今回は脚本に参加していないみたいですが、『アンタッチャブル』以上に原作の再構築化が激しいですね。なんせあのフェルプスくんがまさかの黒幕・ラスボスとは、驚きました。TVではマーチン・ランドーが演じていたイーサン・ハントというキャラも本来は脇キャラだったことを考えると、まったく独自の世界感で撮られているわけです。デ・パルマも堂々とした監督ぶりで、彼もビッグ・バジェットの作品でもそつなく撮れる人なんだと見なおしたんですけどねえ、結局その後はご存知のような現状です。トム・クルーズが主演でプロデュースしたんですからそれなりの苦労をデ・パルマもしたんでしょうけど、たぶんこれがデ・パルマのキャリアで最大の大作だったということになりそうです。 そのトム・クルーズは逆に本作からは本格的に大作出演とプロデュース路線が軌道に乗ってきたというのも皮肉な感じです。あの怒涛のラスト10分でのアクションはもちろん合成ですけど、彼はきっとこれで危険に身をさらすと快感を感じる自分の本性に気づいて、ついには『ローグ・ネーション』の正気とは思えないアクションまでエスカレートしたんじゃないでしょうか。 CIA潜入のシークエンスは何度観ても「さすがデ・パルマ!」と唸らせられますし、テンポやキレもあって名作と呼んであげてもいいんじゃないかと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-07-23 20:09:48)

962.  サスペリアPART2 《ネタバレ》 『サスぺリア』の大ヒットにびっくりした東宝東和が、お蔵入りになっていた同じアルジェントの旧作を引っ張り出してきて無理矢理『PART2』に仕立てたという経緯はもうあまりにも有名。『サスぺリア』のようなオカルト要素は少なくて、伝統的なイタリアン・ジャーロをサイケデリック風味で再構築しましたって感じで、初めは未公開だったと言うのもまあしょうがなかったのかも。完全版は公開時にカットされたデヴィッド・ヘミングスと当時のアルジェントのかみさん(というか、アージアのお母ちゃん)ダリア・ニコルディとのラブコメ的なシークエンスを復活させてるみたいですけど、これはカットしたのは正解だったと思います(笑)。いちおうアルジェントはヒッチコックをイメージしたスリラーのつもりで撮ったみたいですけど、登場キャラが順番に消去されてゆくのだから、犯人は残ったあの人ってぼんやり観る主義の自分でもすぐ判るところはご愛敬。でも有名な機械仕掛けの人形がゴブリンのスコアに乗って迫ってくるシーンは、さすがにアルジェントの才気が迸っていましたね。その他にも随所に非凡なカットが散りばめられていて、まず映像ありきのビジュアル系映画と捉えた方がいいんじゃないでしょうか。あと犠牲者や犯人の死にざまのえぐいところは、『サスぺリア』なんて子供騙しと思えるほどです。この映画を観て勇気づけられて自作で真似した映画監督はうじゃうじゃいますしね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-21 22:35:47)

963.  動脈列島 《ネタバレ》 原作は当時話題になったそこそこのベストセラーだったと記憶しています。その原作を映画製作会社としてはほとんど死に体だった東宝が『新幹線大爆破』の二番煎じとしてチョイスして映像化したわけですが、観て判ったのは原作がやはりヘボだったのが失敗の原因だったということです。“不偏不党”“明るく楽しい”がモットーだった東宝がこんなコテコテの社会派映画を製作したと言うところに、当時の追いつめられていた邦画の状況が窺えます。 とにかく近藤正臣が演じる犯人の、いくら犯罪素人とは言ってもその杜撰さはちょっと酷い。大きく筆跡が判り易い字で脅迫状は書くし(おまけに指紋がベタベタ付いている)、国鉄総裁の自宅に堂々と談判しに現れるに至ってはもう笑うしかありませんでした。あまりに簡単に田宮二郎たち警察に見破られるので、これは何かの伏線で後半でどんでん返しがあるのかと思えばそれもなし。この映画のいちばん嫌なところは、 “正義のテロなら許されるんだ”と言いたげな、いかにも全共闘チックな浅薄極まりない視点です。そのために誰にも文句が付けようのない新幹線騒音公害をダシに使ってる様で、気分が悪くなりました。これなら動機が純粋にカネ目当てだった『新幹線大爆破』の健さんの方がまっとうに感じるぐらいです。ちょっとした悪戯でもすぐに止まる現在の新幹線を考えると、あんなに大々的に実行日まで予告しても新幹線を運行するというストーリーも、ちょっと理解不能です。だいいちその日は誰も新幹線を利用しないでしょう。まるで新幹線が一日止まれば日本の社会が崩壊するかのような妄想じみたプロットで、これはもう清水一行の原作小説じたいのレベルが低かったということに尽きるでしょう。 増村保造も70年代になってからはめっきり監督としての腕が落ちてきたなと実感させられる一篇でした。[DVD(邦画)] 4点(2016-07-16 23:45:10)

964.  EVE/イヴ 《ネタバレ》 B級臭がプンプン、というか正真正銘のB級アクションです。ボーっと観る分にはさして問題はないでしょう、たぶん記憶にも残らないでしょうけど。いわば『ターミネーター』と『スピーシーズ/種の起源』を足して二で割った様な感じでしょうか。でも『スピーシーズ』よりは本作の方が早いので、パクリじゃなくていわばオリジンなんでしょう。ヒロインがあまりにごつい顔なのでなんじゃと思ったら、ヴァーホーベンの『4番目の男』のオランダ版シャロン・ストーンだった女優じゃないですか。『スピーシーズ』のナターシャ・ヘンストリッジぐらいとは言いませんけど、せめてもう少し美形を使ってほしかったな。 しかし最大の突っ込みどころは、サイボーグ兵士を開発している科学者が(しかも女性)、そのサイボーグを自分そっくりの外形にして記憶まで埋め込むなんてこと、ふつうはあり得ないでしょ、ってことに尽きます。[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-11 23:52:56)

965.  恋するリベラーチェ 《ネタバレ》 確かに、ホモという要素を抜いて観ればごくありふれた恋愛痴話に過ぎないのかもしれません。でもまったくその気が無い身としては、その“ホモ”の世界を覗き観れることにちょっと引かれてしまうんです。マイケル・ダグラスとマット・デイモンの接吻やベッド上でのアレなんて正直気持ち悪いだけですが、ハリウッドを代表する(たぶんノーマルな性癖だったはず)両名優のホモ演技は称賛に値するんじゃないでしょうか。ダグラスなんてハゲ姿までみせるんですからねえ。じっさいリベラーチェとマイケル・ダグラスはメイクの力とはいえそっくりです。そして『オーシャンズ13』以来ですけど、ソダーバーグはデイモンの顔をいじるのがほんと好きです。 あと今回で確信するに至ったのは、ソダーバーグという人はやはりゲイだということです。彼はクレジットに別名というかペンネームをよく使いますが、彼が編集でよく使う変名はMary Ann Bernardという女性名ですからねえ。まあハリウッドにはそういう性癖の人はうじゃうじゃいますし、別に気にする様な事でもないですけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-09 21:48:05)

966.  日本のいちばん長い日(2015) 《ネタバレ》 映画監督としての原田眞人という人を全く評価していない自分としては、この歴史的傑作のリメイクに彼だけは起用して欲しくなかったんですけど、製作委員会という腐った制度が罷り通る日本映画界ではこうなるのは必然だったんでしょうね。■これで役所は三船敏郎に次いで山本五十六と阿南惟幾の両方を演じた二人目の俳優という栄誉を得ました。でもねえ、三船敏郎とは貫禄が大違いで一緒に並べたらそれこそ三船に失礼というものです。役所は阿南よりも山本五十六の方が雰囲気としてはマッチしていた様な感じで、そこは三船とは逆ですね。その役所に合わせたのか、妙に気さくで軽い阿南像という新解釈(?)を見せられることになります。終戦クーデター未遂における阿南善玉説には昔から個人的には疑問に思ってましたが(クーデターが陸軍省の佐官級が主謀で、梅津美治郎が統率する参謀本部には全く動きが無かった)、岡本喜八版から五十年経ってもその流れは変わっていないみたいです。これは原作自体が竹下や井田といった阿南周辺の生き残りたちの証言を採用しているので止むを得ないんですけど、この謎はこれからも解き明かされることはないでしょう。■対する鈴木貫太郎は、忠義一筋の朴訥ではなくいろいろ寝技も使う策士として描かれているのは目新しいかなと思います。これは演じる山崎勉の演技パターンにもマッチしていて、これは良かったかと思います。本木雅弘の昭和天皇は確かに雰囲気は出てましたけど、喋りが全然君主らしくなくてダメですね。これは脚本書いた監督の責任ではありますが、おそらく彼には昭和天皇がどういう話し方をしていたのかということを思案する想像力が欠如してるんでしょうね。でもいちばん驚愕したのは「…と陛下は申された」という阿南陸相のセリフがあったことで、あまりの日本語に対する無知には呆れるばかりです。いくら監督がバカでも、セリフを言う役所や周りのスタッフが誰か気がつかなかったんですかね?■“群像劇なのか阿南惟幾に焦点を当てた物語なのか判りにくい”という批評も有りますが、私は監督はこの映画をオーソドックスに群像劇として撮りたかったけど失敗したんだと解釈してます。群像劇を撮るには高度な力量が必要で、この監督にはそれはムリだったということです。そこは岡本版と較べてみればよく判ります。そして歴史的に重要な人物も多々登場するので、せめて人名テロップぐらいは付けて欲しかったですね。横浜警備隊の佐々木の首相官邸襲撃なんて、ほとんどの人がこれはどういう人物で何でこうなるのかということが理解不能ですよ。■岡本喜八版は市井の人々の視線を交えながらも大日本帝国のいわば葬式をきっちり見せてくれましたが、このリメイクでは歴史のゴタゴタを背景にして阿南惟幾の葬式を描きたかったのかと思わざるを得ません。岡本版にあった終戦前夜の特攻出撃のような心を揺さぶられる様なシークエンスが、この映画には皆無です。その代わりに阿南の娘の結婚やらホームドラマ的な要素が盛り込まれています。阿南の息子がどういう状況で戦死したかなんて妻に語らせてエンドですけど、ほんとそんなことはどうでも宜しい。[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-07-06 21:25:08)(良:3票)

967.  ジョン・カーペンターの要塞警察 《ネタバレ》 ベンべべ、ベンベン♪このベースを聞いてしまったら、もう“カーペンター・ワールドにようこそ”って感じでアドレナリンが噴き出します。良く『リオ・ブラボー』が引き合いに出されますけど、私にはそれプラスしてカーペンター版『ゾンビ』という感が強いです。でも良く考えると『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』はともかくとしてもロメロが『ゾンビ』を撮るより前なんですよ、本作は。カーペンターって人は、実はイメージされている以上に偉大な映画作家じゃないでしょうか。 それにしても、低予算は判りますけど脚本がけっこうヤバいですよ、この映画は。もうカーペンター親父は映画を撮るのに登場キャラに伏線を張ると言うことに全く無関心なんです。ちょっとマッチョな護送担当官や結核患者かというぐらい咳が止まらない囚人など、普通の監督ならこれを伏線として後半にある程度活躍させるものですが、もうあっさり序盤でフェイド・アウトですからね。娘を射殺されて錯乱状態になったのは判りますけど、その父親は警察署に逃げ込んでからはずっと毛布を被ったままでセリフもなし、観てる方もその存在さえ忘れてしまいました。襲ってくる連中も正体はイマイチ不明だし、何がしたくて警察署を襲撃してるのかも不明瞭な感じがします。けっこうカッコつけたセリフは良いんですけど、「なんで、ナポレオンという名前なんだ?」と聞かれて「後で教えてやる」と答える終盤のやり取り、けっきょくその答えは聞けず仕舞いで映画は終わってしまいます。ねえ、どうしてナポレオンなの?、もう気になって仕方ありません(笑)。 本作でいちばん残念なところは、ナポレオンというキャラが深掘りされてないことと、演じる俳優に全然迫力が無いことでしょう。これがご存知カート・ラッセルのスネーク・リプスケンに繋がるわけですけど、スネークはまた極端にコテコテのキャラなんです。この極端から極端にぶれるところがカーペンターらしいところでもあります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-01 22:53:15)

968.  火線地帯 《ネタバレ》 脚本は石井輝男が書いていますけど監督はしてません。 “ライン・シリーズ”と言っても秘密売春組織がプロットになっていることと石井輝男が監督で三原葉子が出演していること以外に共通点はなく、そういう意味では純粋ないわゆる“ライン・シリーズ”とは言い難いところがあります。 ストーリーは100丁の拳銃の闇取引をめぐる陰謀に巻き込まれるチンピラ・コンビと謎の男天知茂を軸に展開します。今回の天知は軽妙なコメディ・ロールといった役柄で、この人はけっこう器用な役者だったんだなと感心します。ギャングのボスには何と田崎潤が起用されていて、その愛人はご存知三原葉子というわけです。彼女はいつものお約束の“X星人キャラ”、つまり悪の組織の一員だけど寝返って最後は命で償いをする、ってやつです。新東宝では悪の親玉には大友純(今回は敵対組織の親玉)の様ないかにもな俳優たちがキャスティングされるのが通例ですが、さすがに田崎潤だと風格がありますね。でも彼じゃあなんか立派すぎて見えてしまって、あまり悪辣な感じがしなかったですね。そうなんです、この映画については新東宝に独特な安っぽさや登場人物の奇妙さが消えていて、妙にふつうの映画っぽいんですよ。まあ同時期の日活の無国籍アクションに近いレベルまで倒産間際になってやっとたどり着いたかな、という感じですかね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-28 22:47:33)

969.  黒線地帯 新東宝のいわゆるライン・シリーズの中では、『黄線地帯』ほどのインパクトはないけどそれでもかなりテンポも良くて一般受けしただろうなと思います。考えてみると、三原葉子は天知茂と組むといい味が出るんですよね。これは石井輝男の脚本の功績であるのは間違いないです。この映画でも、天知茂が演じるトップ屋の軽妙で歯切れの啖呵は、聞いていて実に愉しいです。でも所々で急に天知の喋りが畏まった説明セリフになるところがあり、そこら辺は石井だけじゃなくて宮川一郎も脚本に参加していたからなのでしょうか。中盤にあるバーのシークエンスでは、言葉が喋れないホステスやモロにオカマと判るホステスが出てくるという不思議な空間で、いかにも石井輝男ワールドといった感じがして面白かったです。またカメラにもけっこう力が入っていて、新東宝にしては珍しく陰影のはっきりした画で登場人物のアップを撮っていて、石井輝男という人はけっこう画作りに拘った面も有ったんだなと再認識させられました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-26 22:11:00)

970.  コマンド戦略 《ネタバレ》 むかし良くTV放映されていたのでアレックス・ノースのメインテーマの旋律は頭に刻み込まれていますが、意外なことに未登録だったのでUPさせていただきました。 “悪魔の旅団”とドイツ軍から恐れられ(と言うのが定説ですけど、このニックネームは米軍がつけたものらしいです)戦後はグリーンベレーの創設の母体となった第一特殊任務部隊の活躍をネタにした戦争アクションです。内容的には史実とフィクションが半々と言うところですかね。この部隊は米軍とカナダ軍の合同部隊なんですが、米兵たちが軍刑務所から集めた犯罪者やあぶれ者で構成されていてまるで『特攻大作戦』みたいですけど、これはまるっきりウソです。対照的にカナダ軍兵士は品行方正で規律が厳しいことになってますが、これも見飽きたプロットです。この頃のハリウッドは、こういうゴロツキ部隊で戦争アクションを撮るのがひとつのパターンとなっていたみたいです。でも当時は元隊員がまだ健在だったはずで、彼らから抗議されたかもしれません。ちなみに『イングロリアル・バスターズ』のブラピはこの“悪魔の旅団”のショルダーバッジをつけていて、バスターズがドイツ兵の死体にカードを付けてゆくのも、嘘みたいな話ですけど“悪魔の旅団”が実際にやっていたことなんだそうです。 監督がアンドリュー・V・マクラグレンですから、前半はまるっきり西部劇みたいな感じです。ちゃんとお約束の酒場での大乱闘も用意されていまして、あまりのワン・パターンぶりにはもう苦笑いするしかありません。後半になってイタリアに舞台が移ってからはようやく大作戦争映画らしくなってきますが、偵察に行って戦車隊を含むドイツ軍を部隊ごと捕虜にしちゃうエピソードは、いくらなんでも話を盛り過ぎだろと突っ込みたくなります。クライマックスの断崖絶壁を登攀するところは撮影の苦労が偲ばれますが、肝心の戦闘シーンは見せかたが単調なので大掛かりなんだけど印象に残らないという残念なことになってしまいました。主演のウィリアム・ホールデンは可もなく不可もなくという演技ですけど、この役にはちょっと老け過ぎだったかなという感じでした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-23 23:16:09)

971.  ふたりの女(1989) 《ネタバレ》 観始めて、なんかヘンな感じがしたんです。この映画でソフィア・ローレンがオスカー主演女優賞をゲットしてるんですが、50年以上前にしてはやけに老けてるよな、って思ったんです。そして物語が進んできたところでまさに驚愕、ジャン・ポール・ベルモンドが出てくるはずなのに全然違う俳優がその役を演じているんです。何と本作は89年にリメイクされたTV映画なんでした、そりゃローレンがおばさんにしか見えないはずです、それにしてもカラーである時点で気付けよ、まったく(笑)。 実はオリジナルは子供のころにTV放映されたのを観てすっごいトラウマになるくらいの衝撃を受けたんです。戦火のイタリアで田舎に疎開した母娘がドイツ軍からは逃げおおせて逞しく生きてゆくけど、やっと連合軍に解放されたと思ったらアルジェリア兵にふたりともレイプされてしまう、というかなり悲惨なお話しでした。このリメイク版はストーリーはだいたい同じですが、レイプされた母娘がローマに帰りつき、戦後は幸せになるというハッピーエンドになっていて、ここは記憶では旧作とは決定的に違っているはずです。ストーリーテリングもいかにもTV映画らしい緩さで、名匠ヴィットリオ・デ・シーカが監督だったオリジナルの足元にも及ばない凡作です。 こうなると、オリジナルの『ふたりの女』を何とか再見してみたいものです。でも生きてるうちにその機会はめぐってくるでしょうか…[ビデオ(字幕)] 4点(2016-06-22 00:20:55)

972.  アフター・アワーズ 『最後の誘惑』の製作が頓挫してスコセッシがへこんでいた時期に撮っただけあって、たしかにやさぐれ感が感じられます。それでもカメラワークやストーリーテリングにはいろいろ実験的な取り組みもあり、研究熱心なスコセッシらしさが感じられます。『キング・オブ・コメディ』がほとんどホラーだったので、本作では不条理でコメディを撮りたかったみたいですね。この頃のスコセッシにはまだコメディ映画では硬さがみられるんですけど、グリフィン・ダン以外の登場キャラたちはさすが“頭のおかしなキャラを撮らせたらスコセッシ”の定評通りでございました。ラストのオチも、これはスコセッシのアイデアではなかったそうですけど、けっこう愉しめました。 そう言えば、グリフィン・ダンがこの映画のだいぶ後で監督した短編を観たことがあるんですが、そのタッチは本作とそっくりでした。[DVD(字幕)] 5点(2016-06-19 23:24:43)

973.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 これが噂の“ク~”ですか、まさにカルト、脱力系SF映画の金字塔ですな。もう設定といい展開と言い“ゆる~い”の一言、でも行きあたりばったりと見せかけて、けっこう緻密な監督の演出意図が隠されているみたいです(いや、やっぱり気のせいかな)。 ロケ地の砂漠風景はまさに『マッドマックス』の世界そのものと言った感じで、冒頭から出ずっぱりの宇宙人(いちおう)二人組の薄汚さも『マッドマックス』です。このキン・ザ・ザ星雲人たち、劇中ずっと“ク~”で押し通すのかと思ったらすぐにロシア語を喋りだすし、まあ監督もあまり細かいことには拘らない人みたいです。この映画は社会主義体制への批判的な風刺なんだそうですけど、正直あまりピンとこなかったですね。唯一それらしかったところは、地下の都市(?)で群衆が監視されながら労働らしきことをさせられているシーンぐらいです。まあこんだけ緩くて脱力感に溢れていたら、ソ連の検閲官も映画の裏読みをする気力も失せてしまったんじゃないでしょうか。これがスターリン時代なら風刺云々よりも「社会主義リアリズムに反した頽廃映画」という罪状で監督はシベリア送りでしょう、崩壊間近のこの頃のソ連ではすっかりタガが緩んでたのが窺えます。 こんなグダグダを二時間以上見せられたらふつう頭にきますけど、不思議と許せちゃう麻薬性のある一篇です。[DVD(字幕)] 7点(2016-06-18 01:07:37)

974.  超音ジェット機 《ネタバレ》 50年代はハリウッドでも “空軍御用達”映画が頻繁に製作されていた時期ですけど、さすがデヴィッド・リーン、その手の映画の中でもたぶん本作がいちばん出来が良いんじゃないでしょうか。記録上初めて“音速の壁”を破ったのはもちろん『ライト・スタッフ』でお馴染みのチャック・イェーガーですが、英国だってやればできるんだぞ、と国威発揚したかったみたいです(もっとも劇中での音速突破は世界初であるという描き方はしてません)。鬼のように音速突破を追求する社長を演じているのが名優ラルフ・リチャードソン、さすがに英国人らしい重厚なキャラです。 やはりこの映画の見どころは“スピットファイアのバレエ”で始まる実物機がふんだんに見せてくれる飛行シーンでしょう。とくに黎明期の英国ジェット戦闘機の飛行は、マニアには垂涎ものです。最初に出てくるスーパーマリン・アタッカー(スピットファイアをジェット化した機だけど、面影は皆無)なんて、ジェット機のくせに尾輪式という珍しい代物。ヴァンパイア機で夫婦で飛行なんて実に優美なシークエンスも有りますが、イギリスからカイロまで無給油で飛んでくなんて不可能でこれはご愛敬。そして超音速を目指す新鋭機“プロメテウス”、これは当時の英国空軍の最先端機であるスーパーマリン・スイフトを使っています。この機は実際には戦闘機としては使い物にならなかった大失敗作だったと言うのはきついジョークです(でも速度記録を作ったのは史実です)。とは言え、この機が飛翔する姿は躍動感にあふれていて、性能はともかくカッコいい飛行機だったのは確かです。 円谷英二はこの映画を見て「航空映画を撮りたい!」という強い願望を抱いたそうです。これは『空の大怪獣ラドン』の撮影で実現し、ラドンと自衛隊機の空中戦シーンには本作の影響が感じられるところが確かにあります。[DVD(字幕)] 7点(2016-06-16 23:30:42)

975.  戦後猟奇犯罪史 《ネタバレ》 かつて『テレビ三面記事ウィークエンダー』というその俗悪さで歴史に残っているバラエティ番組がありましたが、本作はまさに『ウィークエンダーThe Movie』と呼べる代物です。『ウィークエンダー』という番組は、簡単に言うと直近におこった事件を再現フィルムを交えてリポーターたちが面白可笑しく解説するという構成で、『新聞によりますと…』という冒頭の小早川正昭のナレーションが印象的でした。まだ『容疑者』とか『被告』なんて肩書がなく逮捕されればその瞬間からNHKニュースですら呼び捨てになる時代ですから、その事件レポートの俗悪さは今の若い人が観たら腰を抜かすほど強烈です。その俗悪リポーター(中には今では大臣経験のある現職女性議員にまで成り上がった人もいます)の中でも群を抜いて下品だったのが泉ピン子でした。 本作はこの『ウィークエンダー』の爆発的な人気に目をつけた東映・岡田社長の「これを映画にしろ!」のツルの一声で撮られることになったそうです。東映一の残酷職人である牧口雄二ですけど、泉ピン子を引っ張ってきてTV同様にリポーターをやらせろという社長命令には、さすがに最後まで抵抗したそうです。とりあげられている事件は①西口彰事件(『復讐するは我にあり』のモデルになった事件)②克美しげる事件③大久保清連続殺人事件、の三つです。再現ドラマと言っても犯行に至るまでの愛欲シーンの方に力が入っていて、ほとんどソフトポルノです。実はここにも監督に対する無茶ぶりの跡があり、②はなんと撮影2日前に発覚した事件が無理矢理おしこまれ徹夜で脚本が書かれたそうです。この事情は、劇中でも泉ピン子に突然電話がかかって来て「また大事件発生だ!」という小芝居をやってから②のレポートが始まるというセルフ・パロディ(観てる方には何のことやら判りませんけど)になっていて、笑わせてくれます。①や③は映画やTVドラマ化されていますけど、②の事件の映像化はいまだに本作だけという貴重(?)な価値があります。それにしてもまだ裁判も始まってないうちにこんな映画にしちゃうなんて、いくら人を殺めたとはいえ克美しげるも可哀想です。なぜか三つの事件のうち③だけで尺の三分の二を占めているのですが、川谷拓三の大久保清の怪演が強烈なのでいいんじゃないでしょうか。でもいくら死刑が執行された後とは言っても、大久保清が連続殺人を犯すまでの過程をコメディ仕立てで見せるとは、ちょっと酷過ぎです。 しかしこれが東大出の社長が慶應卒の監督に撮らせた映画だと思うと、なんか情けなくなります…[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-06-13 21:08:11)(良:1票)

976.  死霊の盆踊り まあ環境ビデオだと思えば耐えられないことはない、と自分を納得させるしかないんです…[ビデオ(字幕)] 1点(2016-06-11 22:38:23)

977.  プラーグの大学生(1913) 《ネタバレ》 本作は、世界初のドッペルゲンガー映画ということになるのでしょうか。金貨10万枚で自分の分身を悪魔に売り渡してしまった貧乏大学生の悲劇です。100年以上前のサイレント映画だと侮ってはいけません、技術的に暗いシーンが撮れなかった頃ですけど、ドイツ映画のお家芸になる表現主義の萌芽は確実に見て取れます。同じ俳優が同映像にふたりともきちんと撮られているのは今では誰も感心する様な事ではないですけど、当時の人はさぞや驚かされたことでしょうね。分身が勝手に行動し始めて主人公を苦しめるわけなんですが、悪魔や分身の目的がなんだか判らないと言うのもなんか不条理で気味が悪いです。難点と言うことになると、主人公のパウル・ヴェゲナーがあまりにごつくていかついところと、伯爵令嬢の容姿があまりに…なことでしょうね。セリフが無いサイレント時代ですから、見た目は大事ですよね(笑)。 このお話しは1930年代までほぼ10年ごとに三回も映像化されたそうで、その頃のドイツ人はドッペルゲンガーが大好きだったみたいです。逆に第二次大戦後はまったくリメイクされなくなったのはどうしてなんでしょうか。ワイマール共和国時代の不安定だったドイツ人の精神状態が反映されていたのかもしれません。[ビデオ(字幕)] 7点(2016-06-08 22:37:21)

978.  愛のさざなみ 《ネタバレ》 『愛のさざなみ』、そういや昔そんな映画があったな、という記憶も有ります。でもネットで検索すると、出てくるのは島倉千代子の同名の歌ばかり。まさに忘れられた映画という感じですかね。で、実際に観てみますと、大したお話しではないうえに陳腐で観念的としか表現できない映画でした。 『明日に向かって撃て!』の翌年に撮られた作品ですから、キャサリン・ロスの魅力は満喫できます。相手役のジェイソン・ロバーズには、この人がキャサリン・ロスとラブ・ストーリーなんてあり得る?、という懸念は当然有りました。ロバーズはちょっと有名なホラー映画専門の俳優というキャラでしたが、けっこう味がある演技かなという感じです。でもなんでこの男がホラー俳優じゃなきゃいけないのかという必然性はまるでないのですけどね(笑)。でも、とにかく脚本が酷い。前半のロスとロバーズの質問に質問で返す会話の連続の陳腐さには閉口させられましたし、突然のFBIの登場や森の中での若者たちのレイプまがいの騒ぎなど、何が言いたかったのかさっぱり判りません。またキャサリン・ロスがなんで弁護士の旦那と離婚したがっているのかも、浮世離れした観念的なセリフでは観る方に全然伝わってきませんよ。劇中いかにも70年代と言う感じの歌を流して『ジョアンナ』風の映画に仕上げたかったみたいですけど、肝心の曲が陳腐なのでこれまた失敗。 恋愛ものアメリカン・ニューシネマは駄作だらけという法則がどうもあるみたいです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-06-06 23:10:07)

979.   《ネタバレ》 このスタッフとキャストを見てください。ショーン・コネリー以下バリバリの英国くせ者俳優を揃えた純粋な英国映画なんですけど、なぜか監督は若き日のシドニー・ルメットなんです。これは米国人が監督するとしたらジョゼフ・ロージーなんかがやりそうな題材だと思います、しかし傑作『未知への飛行』を撮った直後だけあってルメットの演出手腕は冴えわたっています。まったく劇中で音楽を使わないのは『未知への飛行』と共通していますし、とくに後半になってからの対話劇的な展開とその緊張感は『未知への飛行』ほどじゃないにしてもかなり来てます。 第二次大戦中の北アフリカが舞台設定ですけど、きほんこの映画は戦争映画じゃなくて刑務所ものです。英国陸軍刑務所という特異な舞台がなかなか興味深いです。受刑者たちは民間とは違って懲役囚として作業するわけではなく、昼間はただひたすら体操したり行進したりとふつうの訓練と変わらない感じもします。きっとこれは、出所後はまた兵隊として再利用するからでしょうね。でもこの刑務所には人工の丘(というか砂丘みたいなものです)があって、懲罰として延々と丘の登り降りをやらされます。所内は古参の特務曹長が仕切っていて、将校である所長は街の娼家に入り浸りでたまにやってくるだけ。さすが民主国家の軍刑務所だけあって、日ごろ凄まじい虐待をしていても受刑者が死亡すれば大問題になるみたいで、そこは同時期の日本やドイツそしてソ連とはえらい違いです。もとは舞台劇の映像化らしいんですが、この受刑者たちや看守と所長の描かれ方は良く考えると階級社会である大英帝国のカリカチュアになっているような気がします。 演技陣ではやはり特筆すべきは特務曹長のハリー・アンドリュースです。受刑者たちが暴動を起こしかけたときに彼らをヒートダウンさせる特務曹長の気合いの入った演説は、憎たらしいキャラでは有るけど観る者を納得させる迫力に満ちていました。コネリーも007全盛期にこんな地味な映画に出演するとは、やはりこの人はただ者じゃ有りません。他の同房の受刑者たちもそれぞれキャラ分けがきっちりしており、中でもやはりくせ者ロイ・キニアが目立ってましたね。まっ平らな砂漠の中の刑務所ですが、クレーン撮影を縦横に駆使して見せるカメラは熟練の技を感じさせられましたし、人物のアップ映像の多用も明暗がくっきりしているので効果的です。 後味の悪い結末でしたが、さすがシドニー・ルメット、と言っておきたい佳作です。[DVD(字幕)] 8点(2016-06-04 02:20:30)

980.  龍三と七人の子分たち 《ネタバレ》 どうも最近の北野武の映画は“やらされ感”が滲み出ていて、なんか観ていてしんどいんです。無理矢理『アウトレイジ・ビヨンド』を撮らされた腹いせなのか、徹底的にヤクザを茶化した映画にして「俺はもうヤクザ映画なんか撮らないよ」と宣言している様な感じです。どうせ後期高齢者ものをネタにするなら、イーストウッドの『スペース・カウボーイ』の様な開き直った爽やかさが欲しかったです。ギャグにしても、『みんな~やってるか!』ぐらいのバカバカしさに徹してくれたらいいのに、と思うけどいくらたけしでもあんな突き抜けた映画はもう撮れないでしょうね。 けっこう近藤正臣も頑張っていたけど、やはり藤竜也のはっちゃけぶりが観ていて愉しかったですね。たけしのヤクザものになると必ず出てくる定番の“指ネタ”もくだらなさとしつこさでは歴代最高だったかもしれません。そして中尾彬、『アウトレイジ・ビヨンド』に続いて殺されキャラでしたが、今回は死体になってからも大活躍(?)ということで、おいしいところを持って行ってしまいました。 そう言えば最近は北野映画にたけし軍団の面々が全然出てきませんが、どうしちゃったんでしょうか?[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-05-31 16:18:15)(良:2票)

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