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プロフィール
コメント数 210
性別 男性
ホームページ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8512182
年齢 49歳
自己紹介 映画は娯楽である。笑ったり泣いたり学んだり、空想という鑑賞時間を過ごす「芸術作品」である。実際に映画づくりを体験していない人間に、映画批評が出来るとは思えない。プロの批評家でもなく映画を作った経験も無いのだから、作品のシナリオや背景など、基本設定に理屈っぽくケチをつけるようなナンセンスな行為はなるべく止めにしたい。映画好きのハシクレとして、作家が作った作品を、素直に楽しみ、感動できる姿勢を何よりも大事にしたいと思う。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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81.  リバティーン 《ネタバレ》 奇人変人を演じさせたら、ジョニー・デップほど強烈にキャラクターを演じられる人間もそうは居ない。自由奔放に生きながら、彼の姿勢は単なる反権力ではなく、純粋な芸術探求への渇望であったのだろう。その渇望が満たされたとき、自分自身が救われる。それだけを信じて、梅毒に侵され権力の座を奪われても救いを求め苦しみ続けた彼は、別に国を嫌っていたわけでもなく、王政転覆を目論んでいたわけではない。・・・・・・「舞台でもセックスでも、芸術は、国の退廃の象徴ではなく、純粋に芸術のための芸術たるべき」芸術を愛し、芸術を育て、肉体的関係を持ち、そして滅んだ彼の姿勢からは、そんな意固地なわがままが見える気がした。[映画館(字幕)] 6点(2006-05-01 16:23:57)

82.  東京ゾンビ B級ギャグ映画と割り切って作ってある映画なのに、スイープやベイスなどの柔術専門用語に加え回転三角締めやデラヒーバなど、柔術技にはリアルにシッカリこだわっているのが可笑しい。カメラワークや筋書きなんてどうでもいいバカバカしさに徹したありえない映画に、最初は正直引いたがじきに慣れて楽しく観ることができた。凄惨なシーンに席を立っていたおばあさんも居たが、「キル・ビル」と違ってパロディに割り切って作ってあるため、そんな場面もギャグだと思えば我慢できた。柔術経験者から観ても、それなりにサマになっているのがますます可笑しい。はなくまゆうさくのシュールなマンガの世界を、クソ真面目に映画化したその姿勢が可笑しい。ギャグ映画なのに、クライマックスに愛という壮大なテーマをムリヤリ掲げてあるのが可笑しい。そして、この可笑しさを熱心に演じている浅野忠信と哀川翔の二人のプロ意識が可笑しい。こちらもバカになって鑑賞する価値のある、可笑しさづくしのB級映画だった。[映画館(邦画)] 6点(2006-03-20 01:48:03)

83.  ロード・オブ・ウォー 「我々は必要悪なんだ」捜査官を前に言い切る主人公の台詞が印象的だった。悪を悪と断罪するのは簡単だが、どの国だって外交も貿易も、所詮は自国の利益を第一にやっていることだろう。人道支援などという言葉で飾り立てるのも結構だが、そんな人道行為だって利益優先で行われている。戦争や売春がビジネスにしてはびこり、結果それが国の利益を生むこともまた現実なのだ。こんな現実から目を背けて平和を説く国や人々の、なんと薄っぺらなことだろう。そんな哀しい現実を踏まえて、その上に立つ平和や人道を考えなければならない。人間の性善説を真っ向から否定した、価値のある映画だ。‥‥‥銃弾が作られ、人の命を奪うまでを追ったオープニングは秀逸。ここまで本編のテーマを象徴し、かつ観る側をその世界に引きずり込む、ショッキングで魅力的な映像は初めてだった。[映画館(字幕)] 6点(2006-01-30 19:46:12)(良:1票)

84.  オリバー・ツイスト(2005) 《ネタバレ》 「大いなる遺産」や「クリスマス・キャロル」で有名な文豪チャールズ・ディケンズの作品の映画化。原作は未読だが、最後にはフェイギンやドジャーが恩赦されることを願っていたので、牢獄での告別シーンにはジンときた。哀れな心優しき悪党フェイギン、あの絞首台に吊るされる別れの時でも、正気を失ってしまった心の中で最後まで自分の子分を思いやっていた。‥‥‥身勝手な大人達の中でも純粋に生きる主人公オリバーにそれほど感情移入できず、むしろフェイギンに同情したのは、私の心が汚れてしまっているからだろうか。「生きるために、仕方がなくやったこと」フェイギンやドジャー達と同じように、この理屈に納得してしまっている自分に気付いてしまう。‥‥‥近代化が進んだロンドンの、町並みのリアルなことには心底驚いた。貧しい人々の不衛生な生活、あんなところには絶対住みたくない。文学作品を筋書きだけでなく、映像でも忠実に体現した良い映画だ。[映画館(字幕)] 6点(2006-01-30 19:33:11)

85.  ハリー・ポッターと炎のゴブレット 《ネタバレ》 おいおい仮にも教育機関で、しかもその教育の一環で生徒を殺してどうするんだよ、と、余りにデンジャラズな学校に野暮なツッコミを入れてみたり。回を重ねるごとに学校の危険度が増している気がするのは私だけだろうか?原作は未読なため、特に悪役の絡みがよく分からず、前作を観直してから行くべきだったとちょっと後悔した。今までに増して大迫力の演出には満足!他のふたつの学校は男女共学じゃないんだね。[映画館(字幕)] 6点(2005-11-25 13:11:02)

86.  ドミノ(2005) 《ネタバレ》 独特の陰影を強調した画像が、賞金稼ぎというアウトローな世界観にぴったりで、実に絵になった映画。一旦事実として物語を進行させてしまう回想シーンなどの作り方は斬新で凝っており、今回の作品は彼の撮る手法が、映画の演出たる演出になっていると思う。以前の「マイ・ボディーガード」の時には、やたらチカチカとした映像にウンザリしたものだが、今回は当初から回想シーンで進行する物語に、この台詞や映像を断片的に繰り返すフラッシュバックを思わせる手法が効果的に働いていて、すんなり受け入れられた。女優キーラのワイルドな化けっぷりは見事、言われなければ彼女とは分からなかったかもしれない。ノンフィクションを基にした映画というから驚き、「賞金稼ぎ」という商売が現代に実在することも知らなかった。決められたレールのような人生よりも、むしろセレブな世界をあれほど忌み嫌っていた彼女が最後に母親と理解し合えた理由、それだけがどうもしっくりこない。[映画館(字幕)] 6点(2005-10-24 22:26:14)

87.  亡国のイージス 寺尾聡、中井貴一、真田広之の演技力は流石だが。如月演じる勝地涼の台詞が、まだ少し棒読みに聞こえて違和感があった。アクションや演出は従来の日本映画に比べて中々のものがあったし、特に駆逐艦同士の近代戦は自衛隊の全面協力を得ただけあってリアルな凄みがあった。ベストセラーとなった原作を読んでいないが、伏線が十分描ききれてない気がする。副館長の息子が死んだ理由、その論文の内容、副館長が前妻と別れ、如月を捨てた理由など、もっと話を盛り上げられる要素を十分に描く時間が欲しかった。‥‥‥ただ、テーマは非常に重く、(今までタイトルの意味を知らなかったが)この「亡国のイージス」というタイトルは大変考えさせられる。守るべき郷土があってこその盾。盾となる力を持つなら、平和を守るに値する国が必要だ。盾の是非ばかりを論じる平和論が、いかに薄っぺらで偽善的なものであるか。副館長の反乱は、最終的には私怨によるものに思えたけれど、自衛隊の方々の心の疑問は理解できる気がする。[映画館(字幕)] 6点(2005-08-08 19:36:43)

88.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 いかにもマイケルらしい映像は、エンターテインメントとしては大いに結構なので文句なしに楽しめたが、問題は展開。まず予告編でほぼ全てをネタバレさせるのはやめていただきたい。予告編も映画自体もネタバレが早すぎる。このレビューの「ネタバレ有チェック」を入れる前に、この映画を観る人はほぼ全てが概ねストーリーを事前に知ってしまったに違いない。自らが誰かのクローンだと知る、という筋書きを事前に知るだけで、この映画のクライマックスのほぼ8割は終わってしまったも同然だ。自分達の存在の意味を知るまで、もっと引っ張って盛り上がらせて欲しかった。あとはひたすら追っかけっこと仕返しのアクションが見せ場、この映画のテーマはアクションではなくサスペンスにした方が遥かに面白かったに違いない。記憶だけでエアバイクをバリバリ運転できるのも、仲間まで殺されておきながら自分の倫理観だけで突然裏切るあの傭兵も無理がある。下品な話をすれば性の知識が無いというなら当然避妊の知識も無いわけだ。‥‥‥‥無理を言えばキリがないのだが、テーマ性はリアルで深く、特に代理母が「処分」される場面では苦々しい気分になった。怪我をした時、近眼の目に不便を感じる時、これで身体の代替品があったらどんなにか便利だろうと思った時もある。「肉塊では意味が無い、年齢や生活や感情や経験がなければ全く同じ肉体は作れない」というような台詞があったが、その通りではないか。遺伝子が同じだって、人間は育ち方や生活の仕方次第でどうにでもなる。そう考えれば、合法にしろ非合法にしろ、遠くない未来にクローン人間は誕生するだろう。戦死んでも誰一人泣くことない兵隊、過労死しても問題ない労働力、売買されても問題にされない性の対象。‥‥‥死んで誰も悲しまない人間はゴマンと居るかもしれない。だけど、善人であれ悪人であれ、初めから存在すら認められない様な人間は生まれて欲しくない。[映画館(字幕)] 6点(2005-07-24 23:41:27)

89.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 特に熱烈なSWファンでもない私だが、それでも十分に楽しめる。主人公がダークサイドに堕ちた理由が余すところなく演出され、熱烈なファンの方々にとってはさぞかし感慨深い出来なのだろうと羨ましい。エピソード1,2を観ていたので気軽に見に行ったが、正義感溢れる若者であったアナキンが、愛する人を救いたいがために、分かっていながら暗黒面へと足を踏み入れていく姿が痛々しかった。ふと気が付いてみれば、初作から長い時を経た今でも、ダースベイダーのデザインが古さを感じさせないのがすごい。TVであっていたエピソード4を観たが、古さを感じさせないダースベイダーに対して、CGが無いせいか、やたら前時代的に見える一兵卒の人々がおかしかった。自分の価値観からこの点数をつけるが、もう一度、全作品をじっくり観たいと思わせる、価値ある一作であると思う。[映画館(字幕)] 6点(2005-07-05 18:43:51)(良:1票)

90.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 古びた納屋にアイヴィーが案内されるあたりから先が読めてしまった。怪物はもっと引っ張って恐い演出が欲しかったし、ネタバレやクライマックスがもっと引き延ばされても良いと思うが、視点も面白く全体に良く出来た映画だと思う。心に深い傷を負った人々が選んだ「ユートピア」。家や服を作る為の資材はどうすんだ、とか自給自足というにはあちこち突っ込みどころはあるが、極論として考えてみるには「有り」かもしれない。あまりに奇麗すぎるあの一見理想社会、しかし人間も社会も、暗い部分があってこそ明るい部分も美しいわけで。暗い部分部分は、人間の心からは絶対になくならないわけで。そのバランスの中で、誰もが暗い部分から逃げずにそれを見据えて、強く生きていかなければならないわけで。誰もが幸せな、濁りの1点もない美しい社会なんて幼稚な共産主義を体現すると、あの村のかわいそうなノアのように、どこかに歪みがでてきてしまうんじゃないかと思う。[ビデオ(字幕)] 6点(2005-05-27 12:10:06)

91.  ザ・インタープリター 《ネタバレ》 物語そのものにはド派手なエンディングもないのだが、伏線が凝っていてスリルがある。様々な伏線が全て種明かしにつながっている訳でもないが、暗殺の対象が悪名高い独裁者、通訳者の複雑な出身と背景、この二つの設定がサスペンスをグッと魅力的な物語にしている。何より主役のショーン・ペンとニコール・キッドマン、二人の絶妙な距離感の表現は素晴らしい。特に警護中、道路向かいの建物の窓越しに行われるやりとりがいい。安直なベッドインではなく、素晴らしい表情の演技で心に傷を持つ二人の微妙な距離感が変化していく様子を表現したふたりの名優には大拍手である。[映画館(字幕)] 6点(2005-05-22 02:59:36)

92.  キングダム・オブ・ヘブン 「トロイ」では情けない弟役だったが、オーランド・ブルーム演じるヒーロー再び!監督のお陰で「グラディエーター」のラッセル・クロウと比較されがちみたいだが、そこまで彼が役不足だとは思わない。一介の鍛冶屋だった青年が指名にかられて人々を救える器になるまでの筋書きを考えると、男臭く汗臭く勇猛果敢なイメージよりも、彼のようなサワヤカで純朴な印象のキャラの方がむしろ適していると思う。十字軍に身を投じるまでの過程はさすがに荒らく都合良すぎだとは思ったが、リドリー・スコットらしく人海戦術を投じた戦場の様子は大変リアルで驚いた。城郭に乗り込むためのあの櫓は、砂漠の彼方から引っ張って来るのか、それとも城を包囲した後に現地で組み立てるのか。‥‥‥「神の伝道師を崇めている。そして人々の幸せの為、道徳の為に宗教は存在する」どんな宗教でも同じ簡単な理屈なのに、それを受け入れられない宗教同士の戦争は理解が難しい。宗教に必要以上に縛られて無駄に血を流すより、人々の幸せのために現実を選ぶなんてことは、今も続く紛争地域の一部の人々にとっては到底受け入れられない考えなんだろう。‥‥‥戦の最中にロバに裸で乗せられてたあの元王様、彼は結局どうなったんだろう?[映画館(字幕)] 6点(2005-05-16 12:47:46)

93.  北の零年 《ネタバレ》 最初の船のシーンなど、端々に安っぽさがあるのは否めないが、物語は面白くスケールの大きい良い映画。それだけに、言葉や文化などはリアリズムが欲しかったのが惜しいところ。長く壮大な物語の中で、数々の魅せ場があるのだから、もっとドロくさく激しい演出がされていれば、更に感動できただろうと思う。年齢の部分はともかく、吉永小百合さんの役者っぷりはさすがベテラン。豊川悦司がとてもクールでカッコよかったし(どうせなら馬を逃がして華々しく散って欲しかった)、ラスト・サムライからダメサムライになってしまった渡辺謙こと小松原、どのツラ下げて帰ってきとんじゃ、腹かっさばいてお詫びせんかい!‥‥‥しかし当時の彼らからすれば、全て生きる為にしたことである。歴史の夜明けと共に激動の価値観や環境の中で、逞しく生きるしかなかった人、逃げるしかなかった人、子の為、生きる為に他の男に身を託すしかなかった人。各々の人生が肯定されており、未開の地北海道を舞台に実に大きなスケールで描かれた物語は素直に感情移入できた。薩摩長州を中心にドラマチックなイメージの強い幕末だが、その影には新しい価値観の中で苦しんだ彼らのような人々が沢山いたはずだ。まして環境も異なる北の地での苦労は、想像を絶するものがあっただろうと思う。人の手だけが頼りのあの時代、弱音を遺す事なく大自然との戦いに一生を捧げた人々には敬意を払いたい。6点(2005-01-23 14:26:32)

94.  たそがれ清兵衛 この映画にノーベル賞なんかを掛けて、騒いだ現代の日本人は、この主人公に何を思ったのだろう。質素堅実な暮らし振りか、清く貧しく美しくの精神か、能ある鷹はツメを隠す謙虚さか。まして小さな幸せに生きるなどと思うのは傲慢この上ない。この映画に象徴されているのは、日本人の古い考え方かもしれないが、人の幸せのあり方だと思う。「子供の成長を見るのは、草木の成長を見るのにも似て、なかなか楽しいものです」そう語った清兵衛は貧しくはあったが、彼の生活は最初から最後まで決して不幸で退屈ではない。周囲に哀れに思われようが見下されようが、自分なりの生活、自分なりの幸せを強くしっかりと心に築いている。「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものも こころなりけり」という辞世の句があるが、豊かな生活や感じる幸せの大小には基準などなく、要は本人の心の持ち方次第なんだなということを思った。発展途上の貧しい国の現地人を日本に招き、近代文明の豊かさを見せつけて彼らが驚く様を描いた某TVなんかがある。きっと幸せであろう貧しい国の彼らを、ふと気の毒に思ってしまう自分の偽善が嫌になる。 当時の家屋や貧しい武士の暮らし振りなどの再現が恐ろしく緻密。帰宅した清兵衛が足袋を脱ぐ、その足袋のオンボロ具合など細部に渡ってそのまま博物館行きとなってもいいようなセッティングぶりには感心した。あと、回想として終始語り続けるナレーションは興醒めに思う。6点(2005-01-19 13:11:38)

95.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー 《ネタバレ》 友を助けに行ったら脱走した当人に助けられ、ロケット見つけたと思ったらいきなり発射直前、爆発直前にすぐ近くに脱出艇、あまりに都合のいい単純な展開の数々、スターウォーズや宮崎映画を彷佛とさせる場面も多く、凝った物語は勿論無い映画。だが大変斬新な映像に、それらの薄ささえ計算されて作られたのではと思ってしまう。単純な内容だからこそ、このレトロチックな映像も活きているのだろう。まるで昔の夕方5時くらいからあってた特撮ヒーロー戦隊番組みたいに、観ているうちになんだか懐かしい気持ちになってくる。特撮ものに縁が深い日本人は、特に親近感を覚えるのではないだろうか。鉄人28号が実写でハリウッド映画化するそうだが、ぜひこんなフォーカス映像で作ってほしい。写真の知識が無いのだが、このテの画像の名称を、どなたかご存じないだろうか?この映画は、内容が薄いからこそ斬新でいい。だが、2番せんじのパクリ作品は作られて欲しくない。これきりにしてほしい。6点(2004-11-28 02:54:06)

96.  ハムナプトラ2/黄金のピラミッド ちょっと安いCG効果に走り過ぎる感は否めなかったが、前作よりも良い意味でスケールアップしていたので、心から楽しめた。こんなB級っぽさなら大歓迎、アクションあり、(既婚者だけど)ロマンスあり、何でも欲張ってしまったお腹一杯の映画で安心して楽しめる。愛する人の為なら化け物だって倒せる主人公、元はお嬢様のハズなのにサイを両手に奮戦するヒロイン、ちょっとマヌケだけど憎めないお兄さん。何より出てくる女性陣の美貌には大満足である。それにしても、イムホテップの見捨てられたあの最後。イヴリンの愛があれで引き立つとは言え、あまりにもかわいそすぎだ‥‥‥。6点(2004-10-20 01:08:04)

97.  真珠の耳飾りの少女 「心まで描くの?」絵を描いていく過程で、フェルメールとグリートが互いに持っている官能的な想像が、開いた唇からクライマックスの真珠の耳飾りに至るまで極めて的確に描かれている。エロスの表現を近頃流行りの安っぽいセックスシーンではなく、その「匂い」で、直接描くよりもよほど官能的に感じさせてゆくのが凄い。フェルメールがグリートに抱いていたのは単なる肉欲ではなく、それに限りなく近い「画家としての清純な美しさの探求」であった。「汚らわしい」「なぜ、私じゃないの」という妻の絶叫。彼女にとっては、夫に他の女と肉体的な関係を持たれるよりも、遥かに屈辱的な思いだったに違いない。画家としての夫に一番評価されるべき部分の矛先が、自分ではなく雇い人に向いたのは、自分の女性としての、妻としての存在意義を踏みにじられたものと同じだからだ。モデルになるという体験を通して、かつて純朴で清純なだけの少女であったグリートは、ひとりの強い大人の女性として物語を終える。キャンバスに描かれた彼女の姿は、少女から大人の女性へと変化を遂げた、儚い一瞬の姿だ。物語の最後、屋敷を後にした彼女は、もうあの作品の中の「真珠の耳飾りの少女」ではなくなっている。また映像も構図も大変美しい。当時の画家達を虜にし狂わせたラピスラズリの青を中心に、シーンの一つひとつが本物の油彩のようだ。多くの謎の残る画家と、今も人々を惹き付けてやまぬ一枚の絵。そしてその絵の裏に描かれ、絵を観た誰もが感じるであろうミステリアスな官能美。これに見事に描き、この絵を知る観る側の期待に応えきった作品だ。6点(2004-09-13 00:55:26)(良:3票)

98.  スパイダーマン2 《ネタバレ》 ストーリーとしては断然1作目より面白い。いい加減語り尽くされていることでは在るが、完全無欠の無敵のヒーローではなく、普通の人間同様悩んだり苦しんだりするヒーローらしからぬヒーローの姿が、身近に感じられ素直に共感できる。ただアクションと映像で魅せるだけの作品とは違い、むしろヒューマンドラマとして仕上がっているのがとても良い。不調で蜘蛛の糸が出なくなってしまうのには驚いた。原因を突き止め具体的な対策を講じねば、いつ落下するものか分かったものではない。恋人にも親友にも正体がバレてしまい、なおかつ恋人の理解まで得られた時点で、このシリーズのクライマックスはほぼ終わっているのではないか。むしろ続編によって尻窄みになってほしくはなく、個人的には最高潮にある今回の作品で完結しても良さそうな気がする。相手の蜘蛛男という特異体質を知っても、気持ち悪いと思うどころか一向に気にしないMJの深い愛と、列車さえ止めてしまう主人公の大胸筋に拍手。6点(2004-07-27 00:34:39)

99.  トロイ(2004) 《ネタバレ》 史実として有名なトロイの木馬の逸話の映画化、ことごとくリアルな映像に圧倒される。両軍隊の大激突の迫力は言わずもがな、賛美すべきは内面まで完璧に役作りしたブラッド・ピット演じるアキレスの勇姿。アキレス腱以外は不死身と言われた伝説の英雄、映画を観る前はお伽噺のとおり槍をもはね返す強靭な肉体の持ち主を想像していたが、完璧なまでに強かった筈の彼が非常に人間臭く描かれており、それがかえってリアルに見えて面白かった。身体を張って演じた一騎討ちも、中途半端に描かれたCGアクションなんかより、遥かに迫力があり手に汗握る。もともとの元凶であるパリス、兄や国を犠牲にして、我が身が招いた災難そっちのけで最後まで生き残っているのが納得できなかったけど…。6点(2004-05-18 03:25:45)

100.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 《ネタバレ》 楽しみにしていた最後の章、3時間半はクタクタになった。長さと映像だけに気を取られないように変に客観的に観ようとしていたが、あまりの緻密さに映画の世界に引き込まれてしまい、正直もう「降参」である。どんな小手先の批評を並べ連ねても、やはりこれだけの異世界を徹底的に再現したことは賞賛に値する。‥‥‥時間の長さと映像美に思考が奪われてしまうが、物語としても決して悪くないと思う。ファンタジーの結末は、決まってハッピーエンドであって、それでいて少しの未練、寂しさ、心残りがなければならない。この映画の終わりはその王道をいっており、ありきたりではあっても見事な結末を迎えた。ファンタジーたるこの映画の「壮大な異世界観の表現」は、単に映像だけに頼っていない。長い長い物語の中、それぞれの登場人物たちのドラマによって、この異世界観は成り立っているのだ。圧倒的な敵軍めがけて、ちいさな脇役のメリーとピピンが真っ先に雄叫びをあげて突撃する。アラゴルンやサムの苦悩、単なる一人の主人公の独り舞台ではなく、壮大な物語を描いた3部作の要所で、それぞれの役割を担った登場人物達がそれぞれに活躍を遂げている。これがこの映画の長さや美しい映像を中身のあるものにしている。ここまでの時間と熱意をかけて、壮大で緻密なファンタジーを描ききったこの映画の制作者全ての人に、心から拍手を送りたいと思う。6点(2004-02-14 00:59:24)

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