みんなのシネマレビュー |
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81. 青いパパイヤの香り 《ネタバレ》 ベトナム映画史は、ダン・ニャット・ミンから始まる。 このサイトには登録されてないが、「十月になれば」が有名である。 小生は、この次に有名な「河の女」を観たことがあるが、 ベトナムの革命時のの埃っぽい町が印象的だった。 それから、数年して、アジア・ヌーベルヴァーグが起こり、 この映画が出てくる。 ベトナム映画史的には、次の波である。 この映画、金持ちで働く使用人の女の子の視点から見える 金持ち一家の様子である。 何より驚きなのが、失踪癖のある旦那が亡くなった後、この家は落ち込み、 次の奉公先で、いいとこの息子に見初められ、嫁に居座るというハッピーエンド(笑)? 観てて、ほっこりする佳作。[DVD(字幕)] 7点(2023-11-19 00:10:53)《改行有》 82. 太陽に灼かれて 《ネタバレ》 2023年の現在、問題大アリのロシアだが、 ロシア文化は嫌いじゃない。 ニキータミハルコフは、大好きな映画監督だ。 だが、本作で、ウクライナ侵攻を納得させるような文化の違いに気がついた。 スターリン政権下での諜報員と、かわいい女の子のやりとり。 (また、この子役が実にまぶしいくらいカワイイ) それ自体は、まぁ面白い素材ではあるかな、とは思うが、 西側ではありえない文化表現だ。 それは、こんな鈍感な女性も子どもも、普通、他の国だったら映画でも描かれない。 どんな女性や子供でも、つきあう大人の影に敏感である。 それがヨーロッパやアメリカの映画文化だ。人間への信頼に根ざしている。 ロシアの諜報員は、自分の影すらも消せるくらい訓練されているのか? 何か意味そのものが分からない存在だ。 ミハルコフの映画は好きだ。 これからも観るだろう。 だが、少し残念な気持ちになった本作である。 後記 (レビュワーさんの一人が言っているように、チェーホフの現代版のつもりで、こんな映画になったのかもしれない。 それほどのチェーホフ好きってことかも・・ミハルコフは大好きな作家だ。そう信じよう・・)[DVD(字幕)] 8点(2023-11-12 22:25:04)《改行有》 83. パッション(1982年/ジャン=リュック・ゴダール監督) 《ネタバレ》 映画への情熱が、なにより大事なんでしょうね。 大事な人より・・ 労働だからと言って、女性に過酷な撮影を強いる。 しかし、ゴダールの撮影現場でも女優は言いたいこと言うんだね。 ラースフォントリア―やフランソワオゾンの現場なんか、 女優の金切り声でいっぱいなんじゃないかな(笑)[ビデオ(字幕)] 7点(2023-11-09 19:59:46)《改行有》 84. ウンベルトD 《ネタバレ》 「自転車泥棒」デ・シーカ監督のネオリアリズム映画。 公務員勤め上げた老人の年金額の不足による、もの哀しい映画。 家賃滞納のなか、年金日までどうやって暮らすかという切なさが来る。 老人とペットといえば、アメリカの「ハリーとトント」を思い出す。 あちらは、元気にやっていたが、こちらは戦争前のイタリア。 ただでさえ、戦争に敗けたイタリアのモノぐるしい空気が手厳しい。 自分に身を置き換えて観てしまう。 現代に置き換えるなら、ケンローチの「ダニエル・ブレイク」だろうなぁ。 寒い。うぅ・・[DVD(字幕)] 8点(2023-11-07 22:03:14)《改行有》 85. 1秒先の彼女 《ネタバレ》 ワンテンポトロイ男性とワンテンポせっかちな女性のラブストーリー。 とても素敵な作品で、台湾好きになりそうです。 この話のミソは、ワンテンポトロイ男性が、神様のご褒美か、一日だけ得するという話。 逆にせっかちな女性は損するのですが・・ いやぁ男の素直な願望だよね。 時間が止まれば、好きな女性のとこに行きたいって・・ でも話はかなり捻ってて、よく出来てる。 (時間が止まるわけではないんだね、太陽はちゃんと動いているから(笑)) バスの運ちゃんと郵便局の窓口の女性のロマンスってのもいい。 地味だけど、大事な仕事だもんね。 素敵です。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-05 21:31:19)《改行有》 86. ビューティー・インサイド 《ネタバレ》 面白い! 一日経つと、記憶がなくなるとか、いうのは結構あるが、 ※「恋はデジャブ」とか・・ 一日経つと、別人になるというのはスゴイ。 それを真正面から、真面目に考えてみたとこが、韓国エンタメの力技。 ただ、やはり、というか、ロマンスな気分になるのは、イケメンの日だけ。 そりゃ爺とか、デブとかでは、釣り合わないもんなぁ・・ ちょっと一歩退いて考えてみると、男女関係の、異性の窓口が実際に交際した異性で、 いずれは、すべての人が見守ってくれてる・・とかの寓話ともいえる。 ヒロインがとにかく美人で、こちらまでウキウキしちゃった♪ アマポ~ラ♪[DVD(字幕)] 7点(2023-11-04 23:10:57)《改行有》 87. 月の満ち欠け 《ネタバレ》 もう泣けて泣けて・・ 一言で言うと、この世は愛に包まれてる・・ 柴咲コウ、綺麗になったぁ!誰、この美人、って思ってたら・・ 話は、あだち充と藤子F不二雄を足したような話で・・ 泣けます![DVD(邦画)] 7点(2023-10-29 21:29:24)《改行有》 88. おはん 《ネタバレ》 大正時代の小さな町での話。 ブラタモリで、宇野千代の町が舞台になったので、鑑賞。 ああ、こんな町で、この物語が紡がれる土壌になったのかと、しみじみ・・ ただ、運命の橋での出会いが、美しい錦帯橋であれば、もっと良かった。 残念!9点![ビデオ(邦画)] 9点(2023-10-29 02:19:31)《改行有》 89. パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 コミュニケーション下手な男の一発逆転恋愛ドラマ。 面白いです。 恋愛成就の後、人間が変わって、 猛然とチンピラつぶしに立ち上がる流れがスゴイ! 愛は強いのだ![DVD(字幕)] 7点(2023-10-28 20:42:56)《改行有》 90. 神の道化師、フランチェスコ 《ネタバレ》 「無防備都市」の監督である。 実在の人物、聖フランチェスコと十数名の兄弟たちのエピソードが綴られる。 特にジネプロのエピソードがいずれも秀逸である。 自分的には、暗殺容疑で死刑寸前まで行き、謙虚さが指導者の胸をうち、放免された話が面白い。 1200年代のイタリアが舞台だ。日本の鎌倉時代に当たる。 着ている服が、その頃日本では麻の単衣だったが、西洋でも同じような素材のシャツを着ている。 ジネプロのエピソード中の指導者の鎧が興味深い。 マンガ「鋼の錬金術師」の弟みたいな、ごっつい鎧だ。 動き回れず、何のための鎧か、笑ってしまった。 どつかれてもどつかれても、飄々としている修道士の彼ら。 のどか、の一言に尽きる。[DVD(字幕)] 7点(2023-10-22 20:55:41)《改行有》 91. シャイロックの子供たち 《ネタバレ》 池井戸経済ドラマは、面白い。 今回は、耐震偽装がバレルか、バレないかのさ中、 書類が交わされるとこがクライマックス。 でも、観終わってみると、みんなダメだった・・残念! (上戸彩ちゃん以外、みんな) それだけ人生は過酷ってことか!? 厳しいっすね、ホント。[DVD(邦画)] 7点(2023-10-21 20:47:35)《改行有》 92. アメリカン・スリープオーバー 《ネタバレ》 何とも爽やかな青春学園もの。 って思ってたら、高校に上がる前のお泊りなんですね、これ。 高校に上がる前には、皆、キスを済ませていないとおかしいということでしょうか? うわ~、やっぱりアメリカはススンデマスネ。 お泊り中の3組の男女を追いかける話だが、 一番好きだったのは、双子女子に言い寄られるエピソード。 そりゃ、どっちが好きって双子に言われたら、分からんわ(笑)[DVD(字幕)] 7点(2023-10-13 23:15:32)《改行有》 93. ブルーに生まれついて 《ネタバレ》 トランぺッターが顏殴られて、吹けなくなるって「モ・ベターブルース」にもあったなぁ・・ それにしても哀しい映画。 以下は僕の考えなので、間違ってるかもしれないが、 魂の音楽は、弱者の絞り出す音楽は心に刺さる。 黒人という社会的弱者の奏でるジャズ界に、白人チェットベイカーが混ざる。 しかし、彼は社会的には白人ということで恵まれているが、自らの弱さを奏でて、 ジャズ界に足跡を残していたのだろうか? 彼の薬物依存は治らず、そういうことなのかもしれない。 あ~ん、この映画観終わって、買い物に行ったら、散財しちゃったよ~(汗) 悲しい音楽というより、自分が弱くなる音楽? 自己嫌悪に陥りそうな夜にいいかもしれない。[DVD(字幕)] 8点(2023-10-12 23:35:46)《改行有》 94. クルーレス 《ネタバレ》 なんと!この作品、原案がジェインオースティンなんですね。 ロストバージン系の映画なのですが、 (令和の女の子には信じられないかも、ですが、こんな時代もあったんですね) 日本ではバブル破裂前、アメリカでは同時多発テロ前の ハッピーな時代のアイドル映画です。 今となっては、懐かしいノリです。 令和の「ブックスマート」と比べると、時代の変化が分かります。[DVD(字幕)] 7点(2023-10-11 22:10:15)《改行有》 95. ケイコ 目を澄ませて 《ネタバレ》 ボクシング映画というより、女性映画ですね。 女性の生態がとてもよく描けてると思います。 ゆきのさんの表情がとてもリアルで、ドキュメンタリーのような自然体で、 彼女は今泉監督の時からもそうなんですけど、 なにか、ホントに画面を通して、お付き合いしている女性みたいに感じられる女優だと思います。 表情がとても生もので、僕らはあ然としてしまいます。 三宅監督は「プレイバック」でもそうでしたけど、 人間の距離感がとても現実と同じで、ホントに人と会ってきたような感じのする映画を撮る監督だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2023-10-10 00:23:47)《改行有》 96. 少女ムシェット 《ネタバレ》 「バルタザール」の姉妹編とも言われる、この作品。 とにかく容赦ない。 病弱な母と、アル中の父と、まだオムツの弟。 ムシェットは、学校で仲間外れになりながらも、健気に家の世話をする。 しかし、彼女が女の子であるということが、興味津々な大人の関心をひき、 悲劇は起きる。 どの国も世間は冷たい。 ムシェットの笑顔は、あの遊園地のゴーカードのみだった。 「バルタザール」同様、なんとも心に刺さる。 NHKなどのテレビのコメントよりも、心に刺さる。 簡単には言えぬ世の中を、言い得ている。[DVD(字幕)] 8点(2023-10-08 00:32:33)《改行有》 97. クリード 過去の逆襲 《ネタバレ》 自分が楽しみなシリーズ物は、イギリスの007とアメリカのロッキー・クリードシリーズ。 お国柄が出てて、楽しい。 でもスタローンは今回、もう出てない。 お話は、かつてのロッキーみたいな悪友が相手。 ムショでは敵なしだったという彼は、ウォルターヒルの「デッドロック」を思い出す。 堅気の世界でのチャンピオンがムショでボクシングで叩きのめされるというもの。←面白いです♪ さて本作だが、観終わった後、違和感が残る。 結局、今の時代は、ロッキーのような負け犬伝説はあり得ないのかもしれないなぁと・・ そこを深堀りしないのが、「今」を生きるアメリカらしいといえば、そうなのだが・・ デイムにも、彼女がいて、その辺を描いてたら良かったのかも・・[DVD(字幕)] 7点(2023-10-03 22:05:30)《改行有》 98. ゴーストタウンの決斗 《ネタバレ》 ゴーストタウンというと、枯草の塊がコロコロ転がってる印象がありますが、 俯瞰で町を見ると、小さな集会所みたいな場所ですね。 スタージェス監督の初めの頃の西部劇。 視点が、妻を人質にした悪仲間たちから動かないので、 落ち着いた鑑賞ができる。 そして、ラストは、主役級の二人の決斗。 納得の安定感。 スタージェス西部劇、いいね♪[DVD(字幕)] 7点(2023-09-29 22:54:31)《改行有》 99. わたしを離さないで 《ネタバレ》 カズオイシグロ自ら製作を兼ねた映画。 原爆の長崎出身なのか、科学者の暴走の産物に対する目が鋭い。 クローン技術の非人間性を訴えている。 映画は、感情豊かなクローンたちの子ども時代から捉える。 クローンなのに、小さい頃から母性を兼ね備えている キャシーは、聖母マリアのよう。 彼らは、恋もするし、芸術を生み出す喜びも知っている。 しかし、ラストは彼らにどんどん厳しくなっていく。 そして、キャシーにこう言わせる。 「生も分からず、みんな「完成」(死去)する」 科学者のクローンたちへの想像力の欠如が悲しい・・[DVD(字幕)] 9点(2023-09-24 21:22:15)《改行有》 100. 緋牡丹博徒 花札勝負 《ネタバレ》 いやぁ面白い。 コアなファンのいそうな、このシリーズ。 うかつなことは言えないが、本作に限って言えば、 なんだ、この話の山盛りは!! この脚本家は、今後の自分の作品のこと考えずに、手持ちのネタを 全部、振り絞ってんじゃないか!?ってくらいの、サービス満点の重厚なお話。 ラスト、花札でケリをつけて欲しかった。 が、博打で負けても、仕返しする連中だから、結局、こんな風にラストはなってしまうのか・・ 惜しい!! もし花札でケリをつけたラストなら、「男はつらいよ」の「夕焼け小焼け」みたいに、 シリーズ映画が邦画史上の傑作の一本になりえただろう、うむ。[DVD(邦画)] 8点(2023-09-20 23:16:45)《改行有》
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