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プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1061.  ウェディング・ハイ 《ネタバレ》 大賞受賞、全国制覇など偉業を成し遂げなくとも、人はいとも簡単に浮かれます。最も手頃で強制力と即効性があるのが飲酒。そして高い罹患率を誇りかつ重症なのが結婚・出産であります。人生のターニングポイントで発症しがちな流行り病と言えます。消える理性、変わる常識。「つける薬なし」の「浮かれ病」はコメディのモチーフとして格好です。この奇病にかかった人たちを憐れむでも蔑むでもなく、生暖かな気持ちで見守れるのは、みんなこの病の罹患経験者だからかもしれません。 脚本は今やドラマ畑でも大活躍の芸人バカリズム。バカリらしい人間観察眼は本作でも健在で、「あるある」から重箱の隅をつつく嫌らしい指摘まで、思わずニヤリとさせられる緻密な人物造形に感心しました。ブライダル業界への批判(ツッコミ)もチクリ。でもそんなマイナス面も含めて、滑稽で愛おしいのが人間という主張でしょう。 浮かれ病の異常さを際立たせるのが、健常者=沈着冷静なウエディングプランナーという構図でした。彼女が大いに困り、奮闘するのを応援するのが物語の中心線と考えます。しかし感情移入できません。私が「愛しさと切なさと心強さ」を知らぬ薄情者だからなのか、あるいは篠原涼子よりDAYO姐こと市井由理派だったからなのか。いいえ、中越も違う病を発症していたからです。お客様は神様病。正常な判断ができない点では浮かれ病と同じです。「NOと言わないウエディングプランナー」一見聞こえは良いですが、「絶対に手術を失敗しない外科医」や「警報が出ても祭りを中止しない主催者」に置き換えれば、ヤバさの本質が分かるというもの。無理難題に困りもせず見事に対応してしまうあたり「ハケンの品格」の大前春子のようでもありました。いずれにせよ、感情移入するに足る魅力が主人公には無かったという判断です。そういう意味では個の力で不足するキャラクターの魅力を補える俳優(バカリ組の中なら、安藤サクラや永野芽郁が該当)であれば、また違った印象になった可能性はあります。 オチについては、センスのある人ほど陥りやすい「逆に、あえての、王道の下ネタ」だと思いますが、完全にすべっていました。ちゃんと気の利いた面白いオチを付けられる人なので、ちゃんとしてください。猛省を促します。[インターネット(邦画)] 6点(2023-08-17 18:29:43)《改行有》

1062.  チャイルド・プレイ(2019) 《ネタバレ》 1988年制作のオリジナルは鑑賞済み。とはいえ随分昔のことですから詳細は忘れました。そこで本サイトの自身の投稿を見返したのですが、絶賛していて驚きました。そんなに面白かったかな?そんな印象ないのですが(苦笑)。で、今回のリメイクの感想ですが「そこそこ良く出来ていてリメイクの意義も感じるが・・・」であります。 以前別作品の感想で述べた気がしますが、そもそも傑作・名作をリメイクする必要などありません。これが大前提。ただし、古典SFを最新の映像技術を駆使して撮り直してみるという試みは理解できます。本作はこのパターンかと。さらに最新のテクノロジー「IOT」を活用することでチャッキーの殺人能力の爆上げにも成功しました。ただ、現代風にチャッキーを「最適化」したせいでオカルトホラーとしての「味わい」や「深み」は無くなってしまった気がします。でもこれは仕方のないこと。仕様が変われば特長も変わる。これもリメイクの意義と考えます。 チャッキーの風貌について。ツッコミたくなる衝動が沸き上がりますが、こんなデザイン無い話でもありません。日本だってキモカワイイとか、エロかっこいいとか、肯定する気になればどうとでもなります。ジャスティンなんちゃらとか、フワ何某とか、インフルエンサー様が「これアリなんじゃねえ」と言えば確実に流行る世の中なんでしょうし。これもまたホラーな気がしますが。 コメディやジュブナイルの風味を利かせ、全体印象は「IT」を彷彿とさせる出来栄え。これはこれで悪くありませんが、オリジナル超えは叶わなかったようです。[インターネット(吹替)] 6点(2023-08-13 19:24:03)《改行有》

1063.  ロバマン 《ネタバレ》 一体どうしたことでしょう。わりと観易い。まあまあ面白い。あの河崎実監督の映画なのに。『アウターマン』が会心のホームランとするなら、本作『ロバマン』はポテンヒットか内野安打くらいの満足度かと。それでも十分凄いこと。監督が進化・覚醒したのか、はたまた観ているこちらが洗脳・調教されたのか。よく分かりませんが、今までの「安っぽくてくだらない」から「しょーもないけどそこそこ面白い」にランクアップした気がしないでもありません。もちろん錯覚かもしれません。映画館で正規の料金を払う覚悟はまだ持てませんけども。修行が足らずすみません。「悪い奴らは少しやり過ぎなくらい懲らしめるべきなんだ」は蓋し名言ですが、政治家批判は筋悪なだけでなく単純に下手くそです。今となっては、な部分もありますし。AMラジオ的価値観だと文化放送・吉田照美さんとマッチアップするのがニッポン放送・鶴光さんなんですか?伊東タフマンは希少価値もありますし、ご利益ありそう。唐橋女史も含めてラジオ繋がりのキャスティング多し。ラジオリスナー向け(要するにオッサン向け)ですが、果たして商業映画として成立しているのか謎です。もっとも、マーケティングなんて気にしていたら、こんな攻めた映画はつくれませんか。吉田照美さんの佇まいは流石です。長年ラジオ畑で活躍してこられただけあって大変台詞が聞き取り易い。演技云々とはまた別の話ですが一流のエンターテナーだと思います。歌声も素敵でした。点数はもちろん68点でお願いします。[インターネット(邦画)] 6点(2023-05-07 21:51:01)

1064.  クローゼット(2020) 《ネタバレ》 『リング』や『呪怨』等ジャパニーズホラーの経験則から「霊は場所に憑くもの」(いわゆる地縛霊)との先入観があったため、てっきり主人公が越してきた家のクローゼットに何か因縁があるものと思っていたら、これが的外れ。基本的には悪霊のターゲット(虐待されている子ども)の波長に合わせて霊界の扉が開く仕組みであり、多分どこの家のクローゼットでも霊界の入口となり得たのでしょう。どこでもドアならぬどこでも霊界クローゼット。斬新な、そして結構恐い設定です。霊媒師は御札や蝋燭、人形といったクラシカルなアイテムに『ゴーストバスターズ』チックな現代科学をミックスさせて悪霊に立ち向かいます。個人的には好きなテイスト。クライマックスは悪霊に連れ去られた我が子の救出劇。父は命を賭して霊界に赴きます。言わずもがなここが最大の見せ場であり、テーマ(親の愛)を掘り下げる格好の舞台であった訳ですが、特段ひねりもなくあっさり処理されました。やや拍子抜け。同じ主題を有する『仄暗い水の底から』と比べると踏み込みが浅く、残念ながら見劣りします。ただ全体的には綺麗に纏まっており観易い映画ではありました。それが必ずしも褒め言葉にはならないのがホラージャンルの面白いところですが。[インターネット(吹替)] 6点(2023-04-27 00:28:46)

1065.  アオラレ 《ネタバレ》 端的に言うならスピルバーグの『激突』+『スマホを落としただけなのに』なサスペンス。恐いというより胸糞悪くて参りました。 主人公の性格や行動は褒められたものではありませんが、因果応報というにはあまりにも罪と罰の重さが釣り合っていませんでした。犯人を倒せたからハッピーエンドでは決してなく、特大の貧乏くじを引かされたことに変わりはありません。結果的には犯人の思惑通りに一生物の心の傷(後悔と自責の念)を負った訳ですから。これは萎えます。私ならちょっと立ち直れないかも。本当に、真剣に、危機管理は重要だと思い知らされました。『君子危うきに近寄らず』『スマホは命の次に大事。ロックは必須。いつ何時も手放さないこと』この2点は常に目に付くように手の甲にタトゥーすることに決めました(嘘)。[インターネット(吹替)] 6点(2023-04-25 00:16:04)《改行有》

1066.  レリック -遺物- 《ネタバレ》 観終えて暫し「なんじゃこりゃ」。まるで意味不明でしたが、侵食をイメージさせる意味深なエンドクレジットを眺めながら推理(というより妄想)したことを書き留めます。参考程度にお読み頂ければ幸いです。 まず間違いなく最大のヒントはタイトル。レリック=遺物って何?って話ですが、人工遺物や自然遺物など、数ある使い方のうち『残存生物』が一番しっくりきました。いわゆる『生きている化石』シーラカンスなども遺物のうちだそうで。婆さんの黒い中身はそういう類のモノかと。今は絶滅した古代の生物。さて、彼らは何処から来たのでしょうか。あるいは生まれた時からずっと身体の中で眠っていたのかも。前者だとすれば、ウイルス又は寄生虫が疑われます。後者であれば、婆さんは見た目は人であっても人でない別の生き物ということになります。加齢と供に発現、いや変態するのかもしれません。芋虫が蛹に、そして蝶になるように。いずれにしても、発症と同時に認知機能に異常がでるようです。空間が歪み、まるで迷路に迷い込んだ状態になった孫や黒い痣が出来た娘も、いずれ婆さんと同じ道を辿ると思われます。死んだ爺さんもそうでした。この一族はいずれ別にの生き物に変わる運命にあるのでしょう。恐ろしい話。何が恐ろしいって自分が自分でなくなること。でも考えてみたら認知症で自我を喪失するのと何ら変わらないという気もしますが。 本作はオカルトやホラーではなく寓話と捉えるのが適切と考えます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-17 23:27:50)《改行有》

1067.  ゲーム・オブ・デス(2017) 《ネタバレ》 ※はじめに注意!こちらは2010年制作の同名映画ではありません。スプラッタージュマンジがこちらです。再度ご確認くださいませ。 『N人殺すまで終わりません』な殺人ボードゲーム。代数はたぶんランダムで今回は24でした。つまり24人を殺さない限りプレイヤーは生き残れないルール。無理ゲーかつ糞ゲーここに極まれり。ゲームクリアはほぼ望めません。ゲームバランス(設定)が滅茶苦茶なのです。一番の害悪は時間制限が極めて短いこと。おそらくインターバルは15分から20分程度。もし時間の猶予があれば、血の契約を破棄する方法を探すことも出来ますし、対処療法的に殺す相手を吟味することも可能でしょう。しかしこの短時間ではどうしようもありません。諦めて死ぬか無差別殺人くらいしか選択肢がありません。まあ対策を取られたらゲーム制作者(悪魔又は死神)が困るんでしょうけど。結果、ただ悪趣味なだけのスプラッターが一丁出来上がりと。希望が皆無なので、サバイバルとしてもスペンスとしてもぱっとしません。ただしスプラッター祭りと割り切れば不満はありません。血飛沫は特盛ですが、不思議と汚らしい感じはありませんし(あまりに浮世離れした設定だからかな?)プレイヤー最後の演説は、達観した者の凄みがありました。なお特徴的なテレビゲーム演出は惨殺シーンの省略(制作費削減と刺激低減の両方)の意味合いがあったように感じますが、どうせ馬鹿映画なのですから小細工なしで殺しまくった方が潔くて良かった気がします。[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-05 22:18:08)《改行有》

1068.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 正統派オカルトサスペンスであり、王道のジュブナイル。同類映画は『イット』でしょうか。諸先輩方からアドバイスを貰い試行錯誤しながら困難に立ち向かう主人公。助言が的外れだったり、役に立たなかったり。現実とあまり変わらない気がします。そこがいい。それでも選択しなくてはいけません。成功しようが失敗に終わろうが最後に決断するのは自分自身です。より重要なのは実行力より決断力かもしれません。少年の成長物語として過不足ない内容で満足できました。惜しむらくは乗り越える壁が少々低かったこと。誘拐犯は小物で人間力は大したことありませんでした。だからこそ自らを大きく(恐ろしく)みせるために仮面が必要だったのでしょう。しかし現実の課題だって、不安から勝手に高く見積もっているだけで、案外そうでもなかったりしますものね。恐怖に打ち勝つ勇気が少年を大人にするのだと思います。[インターネット(吹替)] 6点(2023-03-25 00:25:16)

1069.  KAPPEI カッペイ 《ネタバレ》 『北斗の拳』風味の『クロコダイルダンディ』。今なお根強い人気のレジェンド漫画(アニメ)のパロディに、カルチャーギャップの笑いです。基本的に好みの味付け(のはず)なのですが、いまいち乗り切れませんでした。設定がカルトっぽくて意外とシリアスだったから?いいえ、原因は配役にあると考えます。はっきり言えば伊藤英明さんに難あり。役作りは注文通りで何も間違っていないと思うのですが、これじゃない感が最後まで払拭されませんでした。コメディはキャラクターが命。やはり主役を愛せないと厳しいものがあります。これは伊藤さんの演技力云々というよりコメディ慣れしていないことが原因ではないかと。長年かけて培われる役者さんのイメージも影響する気がします。そういう意味では、小澤征悦さんや山本耕史さんには全く違和感がありませんでした。勿論芸達者ってこともありましょうが。阿部寛さんなら勝平にぴったりだったと思いますが年齢が合いません。筋肉ありでコメディもいけるという点で考えると鈴木亮平さんも候補になりますが、ケンシロウ感は無いですかね。となると要潤さん以外に適役が思い当たりません。恐縮ですが筋トレお願いします。[インターネット(邦画)] 6点(2023-02-26 01:58:29)

1070.  スプートニク 《ネタバレ》 少年の台詞「私はタチアナよ」。普通に考えれば、予めタチアナという女性が迎えに来ると聞いていた少年の軽口なのでしょう。でも、そこはかとない違和感が。それにエイリアンが出てくるSFで『普通』って考え方もつまらない気が。ここは思いっきり飛躍した推測をしてみたい。たとえば少年はテレパシーをキャッチして冒頭の言葉を口にしたのでは。劇中テレパシーを使えるのは一人(?)のみ。そう寄生の宿主替えがあったのではないかと。いわゆるカイル・マクラクラン状態です。少々無理筋ですが、これくらい大胆な解釈をしないと地味過ぎて面白味がないのです。雰囲気のある本格派のSFの趣で、基本的には好みの作風ですが、見所らしい見所が見当たらないのです。[インターネット(吹替)] 6点(2023-02-06 20:23:05)

1071.  聖地X 《ネタバレ》 ポスター等のビジュアルイメージからガチなオカルト系ホラーを予想していた為、主要登場人物の死者数ゼロに少々肩透かしを食らいました。伝記、神話、民俗学、諸星大二郎系統とでも呼びましょうか。場所に由来する怪奇現象、いや奇跡に翻弄される人々のお話でした。一般的な死に対する恐怖ではなく、人智及ばぬ事象に対する畏れ。これもまたホラーには違いありませんが。 舞台は韓国。何故日本ではなかったのでしょう。それは日本国内にあのような場所は無いからです。勿論韓国にだって無いでしょうが、私は(日本人は)それを確認していません。そういう意味では、アメリカでもイギリスでもドイツでもいいのですが、韓国というチョイスがベストだった気がします。知っているようで知らないお隣さん。心が通じ合わないお隣さん。理解不能な聖地くらいあっても不思議じゃない気がしませんか。きっと日本国内で設定するなら離島になるのでしょうかね。海を渡れば別世界。離島住まいの私が言うのも自虐っぽいですけども。 それにしてもあの場所は凄い。まさに奇跡の土地。奇跡が起きるルールに気付いた主人公は大したものですが、全く悪用する気が無いことに驚き。私などすぐ金儲けに走るでしょうが、主人公は遺産で金に困っていないんでしたね。もっとも力を悪用するような輩には神様?からのお仕置きがあるのでしょう。ホラーともコメディとも付かぬ不思議な感覚のドラマでしたが、これはこれで面白かったと思います。珍味というやつです。 登場人物の中では緒形直人さんの味わいが抜群でした。如何にも怪しげながら、キーパーソンでも何でもないという。胡散臭いったらありゃしない。こんな空気感を出せる俳優さんは他に居ないのでは。かってトレンディドラマで主役を張っていた時より何倍も魅力的です。もっと重宝されていい役者さんだと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2023-01-29 12:24:09)《改行有》

1072.  X エックス(2022) 《ネタバレ》 『殺人鬼ファミリーものホラー』のレジェンド『悪魔のいけにえ』を範とする王道スプラッターを創ろうと思ったら、やはり70年代設定は外せないのでしょう。これもある種の時代劇。スマホ等簡易な通信手段が無い点も地味に重要なポイントだと思います。で、まさに時代劇に相応しいお約束展開に終始するわけですが、過激表現のレベルは最新基準だったようです。ナニのソレはコンニチしてなければ映してOKになったんですかね。あるいは昔通販で手に入れた夢のモザイク除去装置が今頃効いたのかな。よく分かりませんが。 A24ブランドのホラーらしい切り口としては「老人の性欲」に言及した点と考えます。この場合の性欲は「生への執着」ではなく「精神的に未熟」という意味合いが強い気がしました。前田日明風に言うなら、この老夫婦は究極の「コトナ」ってところでしょうか。あるいは超絶逆コナン君。リアルガチな老害でした。老人殺人鬼はギャップやインパクトはありますが、肉体的に脆弱なのが致命的。普通に戦えば若者が負けるはずがなく、不意討ちや騙し討ちが無くなった時点で物語はエンディングに向かわざるを得ませんでした。たとえば薬を使って若者の運動能力を奪うなど、加害者と被害者のパワーバランスを調整する工夫があっても良かった気がします。[DVD(吹替)] 6点(2023-01-02 10:57:56)(良:1票) 《改行有》

1073.  RUN/ラン 《ネタバレ》 (ネタバレしてます。ご注意願います) 途中ずっと着地点(主人公の望む結末)は何処だろうと考えていました。また彼女に迫っている危機の程度についても。「毒親」と一言でいっても、重過保護レベルから命に関わる虐待まで様々です。おそらく主人公も見極めが困難だったことでしょう。ただ警察に駆け込めばいいという話でもありません。母を憎んでいたわけでもありませんし、大学進学に親の援助は必須ですから。結果的に彼女が腹を括くるまでに要した時間で事態は悪化し、死ななくてもいい人が死にました。でもその責任を彼女に求めるのは酷な話。彼女はよくやったと思います。特に自身の命を賭した脱出法には痺れました。この場面が本作のハイライトです。自分を見捨てないと読み切った主人公の作戦勝ち。もっともそれ以外の選択肢もありませんでしたが。そういう意味で、彼女は母親の愛を信頼していたともいえます。いや愛というより歪んだ執着でしょうか。母親と思っていた女が実の親でなかったのは不幸中の幸いかもしれません。いずれにしても失われた人生は戻りませんけども。ラストはやり過ぎ感がなくもないですが、最近はきっちり報復するのがトレンドなのでしょう。胸糞アメリカ版『八日目の蝉』、恐いお話でした。[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-16 21:26:53)(良:1票) 《改行有》

1074.  いざなぎ暮れた。 《ネタバレ》 島根県松江市美保関が舞台のご当地映画。公式ホームページのプロダクションノートによりますと、もとは15分の短編映画企画だったそう。それが80分超まで膨らんだ訳ですから、映画に関わった皆さん大変なご苦労をされたことでしょう。もちろん作品にかける情熱が成せる業。その本気度は、地元PR要素がほとんど無いことからも窺えます。ただ本作の場合、タイトルどおり『古事記と縁ある神がかりな土地』であることが重要な伏線であるため、土地柄や祭りの伝承等はむしろ積極的に周知すべきだったと考えます。劇中での地元紹介は下品でも何でもありません。それに地元の人たちにとっての日常は、外部の者にとっての非日常。映画を通じた疑似旅行体験もご当地映画の楽しみ方のひとつです。ぜひ地元愛全開で郷土の誇れる歴史をPRして欲しいと思いました。 ヒューマンドラマ、犯罪もの、ミステリー、タイムリミット型サスペンスと多くの要素をはらむ物語は『神のお導き』によりヒューマンドラマへ軟着陸いたしました。ベタといえばベタな結末ですが、こういうお話みんな嫌いじゃないですよね。何より主役お二人がお上手でした。特に枚熊克哉さん。水商売のチャラさ、詐欺を企む悪党顔の隙間から覗く善良さが魅力的です。色気と雰囲気のある役者さんで、映画の格をワンランクアップさせる力のあるお方とお見受けしました。武田梨奈さんもすっかりアクション女優の肩書が外れたよう。贔屓の女優さんなのでご活躍何よりであります。ちなみに本作は吉本興業制作のため芸人さんが多数出演していました。ネルソンズの青山フォール勝ちさんに至ってはクレジット3番目という好待遇。いつものコント演技と変わりませんが、何の問題もありません。そもそも演技が上手いんですよね。歌ネタ王メンバーもチョイ役ですが印象的なポジションを任されていました。観光客役の方については神様=イザナギの化身との解釈も可能なオイシイ役どころでしたね。ちなみに、初見で和田まんじゅうさんの出番が分かった人は凄いと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2022-09-28 09:24:03)《改行有》

1075.  レディ in ホワイト 《ネタバレ》 如月彩花が纏う「白」は、「何者でもない」または「生まれたまま」の象徴と解します。彼女が原石だとしても、磨かれていなければただの石ころです。実績がない、己が能力を示していない者が威勢のよい台詞を吐いたところで「ほら吹き」「妄言」と取られるのがオチ。普通なら面接で落とされて終わりでした。しかし世の中には一定数の「物好き」や「ギャンブラー」、稀に「目利き」がいます。いずれにせよ彼女は運に恵まれ、とある企業に拾われました。新人がパワハラ上司の下についたら潰されるのが常ですが、彼女は持ち前の芯の強さ(というより傍若無人ぶり)を発揮して難局を乗り超えます。ここでも彼女は幸運でした。上司はパワハラ野郎であっても陰湿では無く、仕事面では有能でした。無能で陰湿な最低上司に比べてマシと言うのも変ですが、原石を短期間で研磨するには有効な劇薬だったようです。人事部長の采配や恐るべし。 黒を羽織らされても中に白を身に付ける気概にヒロイン適性あり。ハイライトはアンケートのシーンです。インタビューしながら主人公は涙しました。パチンカーの戯言の何処に心打たれたのか不明ですが、きっと「自分の中には無い何か」に化学反応が起きたのでしょう。止めどなく流れる涙は、まさしく「無駄なものが落ちた」「殻を破った」を端的に表したものと考えます。かくして原石は宝石に生まれ変わりました。「自分が宝石だと信じる」と「自分が宝石であることを知る」は天地ほど差があります。己が価値を知った宝石の居場所は自ずと決まる。そんな結末であったと考えます。ですから当初主人公が着ていた「白」と、ラストカットで身に付けていた「白」では全く意味合いが異なります。ちなみに宝石の種類はパールでしょうか。石言葉は「富」です。 もっとも今回の一件は「運よく宝石が発見された」極めて稀なケース。原石っぽく見えても大抵は駄石です。それに経験不足の子どもの高い自己評価と政治家の公約ほど、あてにならないものはありません。前述したとおり「ほら吹き」か「妄言」が相場。でも同じ事が自己評価の低い人にも当てはまります。宝石じゃないにしても、レアメタルや有価値な成分が眠っているかも。だからとりあえず研磨してみるのです。なるべく、いろんな方法で。何か出てくればラッキー。出てこなくても、形が良くなれば使い道があります。それに普通の石が無かったら道路一つ作れませんから。これが50年間石ころをやってきた者の持論です。 主演は吉本実憂さん。私の鑑賞歴では『罪の余白』『大コメ騒動』に次いで3作目。今はオスカープロモーションを離れているようですが、米倉涼子さんや福田沙紀さんと同じく戦闘力高めなオスカー顔の美人女優さんです。敵役は勿論ですが、第一印象のギャップを活かして良い人役もいける。意外と汎用性の高い顔のタイプなのかなと思います。どちらかというと主役よりも脇役で映えるタイプかもしれません。[インターネット(邦画)] 6点(2022-09-27 19:55:55)《改行有》

1076.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 『マスターズ・オブ・ホラー』をwikiで調べるとアメリカのテレビオムニバスシリーズがヒットします。その映画版なのかと思いきや、原題は『Nightmare cinema』だそう。テレビシリーズと関係があるのかどうか分かりませんが(詳しい方、リサーチ力のある方、そのあたり補足頂けると助かります)、雰囲気はまるっきりホラー特化の『世にも奇妙な物語』でありました。タモさん役がミッキー・ロークですな。脚本、映像、演出、おフザケ度合い、どのクオリティもTVMのそれであり、過度な期待は厳禁ですが『世にも奇妙な〜』程度の面白さは担保していると思います。何より、SF、バイオレンス、風刺、オカルト、スプラッター、精神疾患等よろづホラーカテゴリーを網羅しており、目先が変わるので飽きない点は良かったと思います。全5作品のうち、全編モノクロの一作だけが抜きん出て面白いです。[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-13 19:55:18)

1077.  バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 《ネタバレ》 ミラ・ジョヴォヴィッチを主役に据えシリーズ合計6作を数えた人気映画『バイオハザード』が完結してから5年。キャストを一新してリブートしたのが本作『ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』です。前シリーズは、ミラ・ジョヴォという稀有なスターの魅力を拠り所としたサバイバルアクション映画でありました。原作ゲームから設定と看板を借用してはいますが、基本的にゲームとは別物だったと考えます。これに対し本作は、原作ゲームを忠実に映像化しようという意思を強く感じました。館内のファースト感染者の振り返り描写然り、ロケットランチャー然り。回復アイテムでハーブが出できたら完璧でしたが、そこまでやると逆に醒めた気がするので、監督に良識があって良かったです笑。もちろんストーリーはゲームと異なるでしょうが(注:何せ初代ゲームをプレイしたのが四半世紀も前の話。細かい点は覚えていません)、世界観は高いレベルで再現されていたと思います。何より「アクションである前にホラーたれ」とでも言いたい空気感に好感が持てました。ただし、鑑賞後の満足度はさほど高くありません。シリーズの前フリが終わっただけという感じ。この感覚はまるで『ウォーキング・デッド』ファーストシーズンを観た時と同じであり、続編ありきの物語である点がインパクトを弱くしている気がします。生き残り人数が破格に多いのも、続編を見据えての事でしょうから。シリーズ化に異を唱える気はありませんが、映画は一発勝負が基本。結末を決めていないシーズンドラマのような作り方の映画はちょっとなと思う古いタイプの人間であります。とはいえ魅力的なキャラクターが揃っているのも事実。特にリサ・トレヴァーはかなり好みです。続編が製作されれば確実に観るでしょう。[インターネット(吹替)] 6点(2022-09-11 17:23:31)

1078.  ポーカーナイト 監禁脱出 《ネタバレ》 『パーフェクトトラップ』鑑賞時に前作『ワナオトコ』を復習しようと某サブスクで検索したところ本作が引っ掛かりました。殺人鬼の見た目が完全にワナオトコのそれでしたが、関連はなかったようです。もうすぐ配信終了だった為これも何かの縁と『パーフェクトトラップ』と続けて鑑賞することに。おかげで内容がごっちゃになりました苦笑。 簡単にあらすじを説明しますと、主人公の刑事は犯人に監禁されます。そこで先輩刑事の体験談に基づく教訓を思い出しながら脱出を試みると。このアプローチは新鮮でしたが、いわゆる精神論の範疇であったため、大して教訓が役立っているとは思えませんでした。「諦めるな」とか、そりゃそうでしょって話ですし。もっと『スラムドッグミリオネア』みたいに具体的かつミラクルな脱出法だったら良かったのに。とはいえ、サスペンスとしては上質の部類で、二転三転する展開は見応えがありました。もっとも、利口な犯人が適度にスキを与えたから、主人公が見せ場を作れたとも言えますが。後味はビターですが悪くありません。[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-08 21:28:39)《改行有》

1079.  殺人鬼から逃げる夜 《ネタバレ》 聴覚障害を持つ主人公と殺人鬼による命を懸けた鬼ごっこ。ハンディキャップがマイナスに作用するのは仕方がないにしても、登場人物の行動や選択が合理性に欠けることや、警察の無能ぶり、通行人の無関心さ等、終始イライラさせられっ放しでした。もっともこれは洋画の殺人鬼ホラーでお馴染みの「あるある」であり、ツッコまれることなど百も承知でしょう。それでもあえて採用したのは、観客にフラストレーションを溜めさせるため。ラストで吐き出させ、カタルシスを得させようという魂胆があるのは明らかです。あざとい手口で品が無いと思うものの、実際まんまと爽快感を感じましたし、エピローグも観客の期待に沿うものでした。悔しいかな(笑)エンターテイメントとして正解と言わざるを得ないでしょう。喩えるなら焼肉のタレで味付けしたようなサスペンスでしょうか(韓国だけに)。繊細さは皆無ですが、分かりやすい濃い口の味付けで、美味いのは間違いありません。[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-08 20:24:01)

1080.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 伏線の張り方、ミスリードの仕込み方、意外な真相、どれをとっても脚本は一流です。凝った演出技法や、キャスティングセンスの良さも流石エドガー・ライトという感じ。出来の良い映画なのは間違いありません。ただし今回は手放しで称賛という訳にはいきません。エロイーズの悪夢を延々とみせられ閉口しました。前述したとおり見せ方は凝っていますが同じシチュエーションが反復されるのでどうしても単調になりがち。さらに妄想ともオカルト案件とも判別が着かない状況下、打開策や回避方法が示されぬ為ただ苦痛な時間を過ごす羽目になります。エロイーズもキツイでしょうが観客もしんどい。これがまさしく「無間地獄」かもしれませんが、苦行を課されて喜ぶ観客はいません。サスペンスやホラーで興奮や高揚感を覚えるのは、恐怖の先に希望をみているから。エロイーズの悪夢には絶望しかなかったので、言い方は変ですが「退屈」したのだと思います。 繰り返しますが映画の出来は悪くありません。良い映画です。しかし良い映画である前に、まず面白い映画であることが大事では。エドガー・ライト監督はそういう映画を撮る監督だと思っていたのですが、今回は違ったようです。是非また『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』みたいに、愛おしくなるような娯楽作品を撮ってください。[インターネット(吹替)] 6点(2022-09-02 01:54:18)(良:3票) 《改行有》

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