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プロフィール
コメント数 1639
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1141.  フェリーニのアマルコルド 《ネタバレ》 基本的にはコメディ風に、種々のユーモラスなエピソードをテンポも台詞回しも小気味好く、音楽も楽しげに綴ってゆく、その様子が、実に心地良いノスタルジックを醸している。映像も美しく、実際のそれよりも一層、色彩豊かで色鮮やかに目に映るかの様にも思われる(よく観ると、別にそんなに彩ってるという感じでもない風景なのだけど)。前述どおりの軽快さもあり、決して2時間が退屈だということも無いと思うが、ここに特段の話の内容がある訳では無いのもまた確定的な事実(その意味では私の嫌いな「2時間になっている必然性が感じられない」映画だとも言えるケド)。登場人物も率直に、揃って実にしょーも無いことばっかやってるし。 何と言うか、押しも押されもせぬ巨匠になったフェリーニは、いつもただただノホホンとやりたい放題やってるなあ、という印象が強い。それはそれで構わんが、にしても、もう少し格好をつけてキッチリカッチリしたこともやって欲しい、と思うのである。 グラディスカ役のマガリ・ノエルは、ずっと『8 1/2』のサンドラ・ミーロだと思って観てました(見事に勘違いでしたが)。こういう見た目が、フェリーニの趣味なのでしょうかね(まあ、子供の時からそうですよ、という様な内容の本作ではありますが)。[DVD(字幕)] 7点(2020-08-01 15:35:01)《改行有》

1142.  怒りの荒野 《ネタバレ》 とある青年ガンマンの人間的成長を描くという西部劇。その彼をジュリアーノ・ジェンマが演じていますが、序盤~中盤の彼の甘さ・若さというのがイマイチ心地良く観てゆけなかったというか、率直にちょっと情けなさ過ぎ or 色々と甘すぎじゃない?という感じというか。他方、リー・ヴァン・クリーフも見た目とかは今作でも最高にシブいのですが、ジェンマのヌルさに引っ張られてキャラ造形にはややキレが無い、という様にも思われます(あくまでレオーネ作品と比べたら、ですが)。 中でも、序盤はジェンマにとっての恩人であるクリーフが、後半では極悪人になる、という部分の盛上げ・葛藤が弱い。それは、クリーフが蹂躙する街の人々というのが、序盤でジェンマを苛め抜いていたしょーもない輩共だ、というのが痛恨の要因だとも思われます。老保安官とジェンマの絆とかは序盤でもっと強調するべきだと思いますし、クリーフにも後半、もっと単純に悪辣なコトをさせちゃった方が良かった様にも思われます。 しかし、肝心のジェンマの成長ぶりについては、中盤でいっとき思い上がる様子なんかにも人間らしさを感じますし、終盤は、序盤あんなに観てられなかった彼がこんなにカッコ好くなるか、というぐらいクリーフにも負けじと立派なガンマンに大変貌してくれます。ガンマン十ヶ条というのも中々良かったですね(ラストでも上手く使っていると思いました)。[DVD(字幕)] 7点(2020-08-01 00:50:55)《改行有》

1143.  降霊<TVM>(1999) 《ネタバレ》 比較的シンプルな話にも思えますが、こういう分かり易い因果応報で怨念な話って、如何にも日本のホラーという感じがして個人的にはかなり好みですね。その意味では、ありえへんホドに愚かしくて超絶に胸糞悪い主人公夫婦のキャラ設定も、やややり過ぎ感はありますが確実にその面では効果的だったと思います。 全体の薄暗くて陰湿な雰囲気の中に、それを壊さない様にそっと置いていかれるかの様な奥ゆかしい恐怖描写も、どれも中々に巧みで率直に結構怖かったです。役者の演技もどれもこの映画全体の雰囲気に対して適切なテンションで、監督はやはり腕があるなあ、と思いました(ラストの交霊の場面の草彅クン&きたろう親父なんかも、どっちも実に良い演技でしたよね)。[DVD(邦画)] 7点(2020-07-31 00:14:27)《改行有》

1144.  男と女 人生最良の日々 《ネタバレ》 アヌーク・エーメ、トランティニャン、共に90歳近いにも関わらず、なんと若々しく、そして素敵な齢の重ね方をしていることか。これは決して「つくりもの」では無く、実際に2人がこーいう感じに「イカしてた」が故に撮ることになったという映画なのだろう。 永い人生を健気に生きていくと、いつしか種々の柵は全て融けて、本当に美しかったものだけが残る、とでもいう様な。それが真実の愛であり、その人のその人たる純粋な美しさ、なのであろうか。この2人の様に年齢を重ねてみたいものだと思う。[映画館(字幕)] 8点(2020-07-30 21:10:43)(良:1票) 《改行有》

1145.  I am Sam アイ・アム・サム 《ネタバレ》 良きにせよ悪しきにせよ、色々と多々、思わせるトコロのある映画である。ネガティブな話をすれば、まずそもそも状況が不自然すぎないか。サムが6歳までルーシーを育てられたなら(このことがそもそも不自然なのかも知れないが)、それが7歳になると急に問題になるということにあまり説得力が感じられない。あと、結局私はどうしたって、サムにルーシーを単独で育てる能力があるとは最初から思えなかった(なので、物語の大半を占める裁判部分にはあまり感情移入していけなかった)。しかし、だからと言ってあの裁判は一体何なのか。サムの資質が問われているとは言え、社会的弱者に対してあれ程までに配慮に欠けた裁判が行われるというのがあり得るのか。もう一点、サムに親として不足があったとしても、親に必要なのは決して知的水準だけではあるまい。社会にはそれこそ親として相応しくない輩がゴロゴロしてるのにも関わらず、それを野放しにしてこんな茶番を行うことにどこまで正義があるのか、と、少し大人気ないことも考えてしまった。全体的に今作、やや荒唐無稽にも思われる箇所が目立ち、特にこの手のマジメな題材の映画としては少しばかりリアリティを欠き「過ぎる」ようにも思われる。 ただ同時に、優れた点も多々含まれる映画だとも思う。やはりまず演技の質の高さ。総じて主要キャストは誰しも素晴らしいが、特にショーン・ペンの演技は役づくりの部分で実に卓越した仕事だったと思う。その優れた演技の力もあって、サムがルーシーを愛しているという最も肝心な部分には、十分に観客の心を動かすだけの力があったし、私はその部分には十分に感動できた。 ただただ観ていてスッキリと気持ちがいい、とかいう映画では決してないが、そういう映画も偶にはイイかも、という意味ではややお勧めできる。[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-28 13:30:43)《改行有》

1146.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 元ネタのゲームとゆーのは『バイオハザード』『サイレントヒル』と並ぶ日本産ホラーゲームの世界的スーパーメジャーで、かつ、その「怖さ」とゆーのが最も「日本的」である作品だと思われる。他2作品は映画化もある程度成功しており(まあ『バイオ』の映画化はホラーじゃねーけど)、その意味でも今作に掛かる期待というのは、決して小さく無かった筈だと思われる(しかも今作は邦画な訳だし)。 元ネタというのは、禍々しく呪われた土地を舞台に、そこに住まう怪しげな人々が織りなす陰謀を解き明かしていくというミステリー要素を多分に含むものだったと思われる。翻ってこの映画では、その前半1時間近くを使って、とりあえずその不気味な舞台設定の方をある程度しっかり説明してくれる。そこで説明される設定自体(人魚伝説と不老不死の住民とやら)は、そこそこ元ネタの雰囲気も醸しているし、率直に別にそんなに悪くはない様にも感じられる。 しかし、そこから先はと言うと、これがひたすら怪物と化した住民が襲ってくるだけ、という単純極まりないホラーになってしまう。「何故」彼らが、しかも「このタイミングで」襲ってくるのか、という部分が全く謎であり、加えてどうもそれを説明する気もまるで無いよーな感じなのだ。なので正直、ホラー展開開始から最終盤までは、これは「お話が成立していない」と思って観ていた。 そこで、あの妄想オチだ。確かに「お話が成立していない」ことについてはこれで説明がつく。罪深いのは、ここで何から何まで全部妄想でしたあ(=舞台設定も全部ウソでしたあ)、としてしまったことだ。正直、これでは『SIREN』でも何でもないではないか。これは、元ネタの外皮を纏った極めてレベルの低いサバイバル・ホラーだ。何故「極めてレベルが低い」かと言えば、サバイバル・ホラーとしてすらもお話に整合性を付けることを放棄して妄想オチにしてしまっているからだ(加えて、何故そんな妄想を抱くに至ったかという理由の部分も極めていい加減だからだ)。これはリメイク以前の問題だし、リメイクとしても前述どおりリメイクと呼ぶのが憚られる様な有様だ。雑で手抜きで魂の入っていない、酷い映画だ。 ※実は、どうもラストに少し仕掛けがあるようなのだが、とにかく主人公の妄想設定がご都合主義すぎて、そういう仕掛けを施せる様な整合性が物語に存在しないので取って付け感が甚だしい。ラストでそんなこと言われても、残りほぼ全部のつくりの悪さは挽回できねーよ、という感じ。 例えそんな今作でも、多少なりとも「怖い」なら、ホラーとしては存在価値が無いとは言えない。しかし、これが全く怖くない。目から血ィ出した人間がワラワラ襲ってくるだけで、今どき何が怖いというのか。そのうち一人は何故かココリコ田中だし(お笑い芸人がやったらそれはコントでしょ、と)。そもそも、何で原作準拠の禍々しいクリーチャーを出そうという努力すらしないのか。原作の「日本的な」怖さを実現する、とかいう以前のレベルで、つくづく魂が込められてないのだよね。。[インターネット(邦画)] 2点(2020-07-26 22:44:33)《改行有》

1147.  ザ・ボーイ ~人形少年の館~ 《ネタバレ》 人形に霊が宿っているのかいないのか、という肝心な点を、そこそこ巧みにどっちつかずなまま展開していき、クライマックスで「実はオカルトじゃなくてスリラーだよ!(ババーン)」となるメインの仕掛けに関しては、伏線の張り方もそこまで悪くなく、まあまあビックリできると言えなくもない。しかし、何より腑に落ちないのは、息子を普通に匿っているなら何故生き人形をつくる必要があったのか、というそもそもの部分であるし(心の病を装って色々と誤魔化そうとした、とゆーことかも知れないが、でもあの屋敷マルコムくらいしか来ないやん、と)、そしてもう一つ、オーラスの「あなたは人形なのよ」的なオチ?の部分も、ハッキリ言うがまるで意味不明である。 そこに加えて恐怖描写も凡庸極まりなく、ホラーが観たくて観た場合には正直肩透かしを喰らう様なレベルだとも言える。ただ、所詮B級ホラーにあまり高い完成度を求めるのも詮無いことか、とも感じる。メインの仕掛けがある程度アイディアなことも踏まえ、あくまで暇潰し程度にはギリギリ使えなくもないだろう、という所かと思う。[インターネット(字幕)] 5点(2020-07-26 18:03:17)《改行有》

1148.  フェブラリィ -悪霊館- 《ネタバレ》 結論から言えば確実にホラー(悪魔憑き系)なのだが、中盤のだいぶ深くまで(残り30分くらいまで)かなりサスペンスに寄った内容である。と言うか、謎を色々と残して進行していくけどあまり大したことが発生しない、くらいな感じで、正直結構に退屈。 かつ、特にその前半は説明描写が不足+あっても非常に分かり辛く、何が起こっているのかもイマイチ伝わらない。残り30分の種明かしを受けて、前半の描写も後から分かってくるとも言えるが、正直もう一回観よう、という気にはならない程度の出来でもある。重ねて、前半が(少なくとも私には)ちょっと辛すぎた。凄惨な殺人描写にはそこそこ見応えがある。あと主演のルーシー・ボイントンはかなり可愛かった。[インターネット(字幕)] 5点(2020-07-26 15:36:47)《改行有》

1149.  ネクロマンティック2【完全版】 《ネタバレ》 『1』の直接的な続編。前作でも感じたことだが、ブットゲライトは意外と、アート系映画や文芸映画なんかを撮っていたらそこそこイイ作品を生み出したのではないかと思う。なんというか、ショパンが現代に転生したらデスメタルに嵌ってしまいました、みたいな残念さが漂っている感じとでも言おうか。 今作、内容には前作よりもだいぶ奥行きがあり、ひとりのネクロフィリア(女性)の人物像をよりしっかりと描いてゆく。しっかりと描くという点で全体的に尺を相当にゆったり気味に取っており、確かにそこが少し冗長にも感じられる。しかし、心情表現などはこれまたかなりキッチリしていて、総じてお話としては意外な程に見応えがある。特に秀逸だと思ったのが中盤のセックスシーン。死体愛好者の彼女は、普通のセックスでは満足を得られない。陳腐なセックスへの幻滅ぶり、焦燥感、果てはそんな自分の歪んだ性癖への一種の恐怖までが感じ取れる、優れたシーンだった。他にも、少しアーティスティックかつメランコリックなシーンもあったりで、その面で単なるグロ映画とは一線を画しているのは確実である。 とは言え、本作はグロ映画としても、ラストには前作にも引けを取らないド級の倒錯的シーンを平気でブッ込んで来るし、その直前のアザラシ解体シーンも、前作のウサギより汁気が多い分グロ度は上にも思われる。ブットゲライト、やはりこいつは稀代の鬼畜だ。[DVD(字幕)] 7点(2020-07-26 02:18:38)(良:1票) 《改行有》

1150.  ネクロマンティック1【完全版】 《ネタバレ》 そのずば抜けた猟奇性が今なお他の追随を許さない、20世紀最強のグロ映画。映像的にも内容的にもこの上無いグロテスク加減で、特にその内容面のグログロぶりには、どういう頭の中身をしていたらこんなイカレた話を思いつくのかと、監督の精神の在り方の方により深淵なる恐怖を覚えるホドである。 グロ描写の組立てとして秀逸だと思われたのが、例えば序盤のウサギの解体シーン。ウサギの映像はホンモノなのであるが、それと並行して人間の死体の解剖シーン(こっちは当然ニセモノ)を織り交ぜてゆく。すると次第に、人間の方もなんかホンモノに見えてきて、そしてウサギの方もこれまた大変に痛くて気持ちの悪いものに見えてくる。中々にテクニカルな「綯交ぜ」の妙だと思う。似た様なので言うと、死体とのセックス後、死体を壁に吊るしといて(体液とかダラダラ滴ってて)、他方でデカい肉を焼いて旨そうに2人で食ってみたり、これとかも正直オエっとなりましたよね(これも両方の映像を混ぜこぜにしてるし)。 音楽の使い方も巧い。不協和音主体の如何にも狂ってる感じの音も使うものの、ごく平凡な曲やピアノの結構キレイな曲を、死体をいじくったり死体とセックスしたりというシーンに充ててくる。むしろそのことが、それらの行為に潜む狂気を逆説的に際立たせている様にも感じられる。 ド級に狂気、しかし、巧さも在る。ある種、非常に始末の悪い最低映画かもしれませんね。[DVD(字幕)] 7点(2020-07-26 01:40:17)《改行有》

1151.  スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!! 《ネタバレ》 インドの学園ものラブコメ(その意味ではティーン向けかも)。見た目は東出昌大、中身は剣桃太郎みたいな奴が主役。前半、この手のではよく出てくる親が金持ちなエリート野郎と、身の上の差異を乗り越えて友情を育むが、恋愛絡みのハプニングで仲が拗れてメインのNo.1対決へと突入していく。ただ、仲が拗れる場面では、どいつもこいつも「それを言っちゃあ終いだろ」な心にも無い酷い事を言いまくっており、これがインドの風情?とも思う(まあ若気の至りと言えばそーなのだが)。No.1対決の意表を突く終着ののち、ラストは少ーし捻りを効かせてごく爽やかな青春友情物語に仕上げており、抜群とまでは言わないが決して悪くもないかと。 恒例のダンスは全体的にかなり高水準で(若くてガンガン踊れる俳優が揃ってるからかも)、『マサラ・ディスコ』のシーンはYouTubeで偶にそこだけ観てたりしますね。[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-25 18:55:42)《改行有》

1152.  死霊院 世界で最も呪われた事件 《ネタバレ》 ホラー映画界のMCUこと『死霊館』シリーズの隆盛は、邦題だけこれに便乗した数多の輸入ものB級ホラー映画を我々の手にもたらしたが(『悪霊館』とか『怨霊館』とかナントカ人形とか)、それら作品のクオリティは?と言えばどれも、タイトルに釣られて観てしまった自分が情けなくなるような代物ばかりである。 本作はその手の一角としてはだいぶん出来の良い方。まず、主題は悪魔祓いもの(実話ベース)だが、事件の真相をジャーナリストが追っていくという形式にしてあって、これにより少しサスペンス風に観てゆくことが出来る(とは言え、実は本件、悪魔とは何の関係もありませんでした、となるハズは無いので、疑似サスペンスだと言えなくもないが)。 前半は若干大人し目でややもすると少し退屈だが、中盤からは驚かし系の恐怖描写が多少キレが有るのと、終盤は話がスピーディに展開してラストはお待ちかねの悪魔との対決、と、後半は十分に面白く観れる。ロケ地はルーマニアで(元ネタの話が当地産で)、寂れた感じの情景や古い建物がまあまあ独特、かつ雰囲気も結構グッド。あと面白かったのが、聖水を封じるために悪魔が室内に雨を降らすという怪異。そこら辺、随所にユニークな点も見られ、ホラーとしてまあ観て損は無いかなあ、とも感じる。[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-25 18:55:40)《改行有》

1153.  爆裂魔神少女 バーストマシンガール 《ネタバレ》 『片腕マシンガール』のリブート。低予算で血飛沫スプラッシュなスプラッタ路線はそのままだが、世界観は前作にも増してかなり異様で異形。しかし、残虐と淫猥を基調としつつも、どこか昭和テイストで破滅的な滑稽さを纏っていたりする雰囲気は、音楽への妙な拘りも相まってこれまたかなり独特な味わいを出せている。 妙ちきりんな演技・演出だらけだが、キャストはいずれもまずまず振り切れており、個人的にはこれも悪くない様に思える(まあ、全てを素直に直視できる、とは言い切らないケド)。中でも主演の女の子2人(搗宮姫奈と花影香音)は、アクションにせよパンチラにせよイカレたハイテンション芝居にせよ、正に体当たりなチャレンジが健気に本気でこれも好印象。アクション面でも、チープながらも色々工夫し(カメラワーク・早回し&長回し・特殊効果)、粗さをそこそこ上手く消してB級としてはまあまあ観れる出来にも仕上げている。この手の(おふざけ)アイドルアクションとしては間違い無く及第点以上かと。 一点だけ、北原里英が着物の下に白ホットパンツ着込んでるのだけは納得いかん。これがフンドシだったら、もう1点加点してましたですね。[映画館(邦画)] 6点(2020-07-25 18:55:39)《改行有》

1154.  モーリス 《ネタバレ》 原作の小説が書かれたのは100年以上前。それを考えれば、この小説が先進的で本質を捉えた優れた著作だったことに疑いは無く、そしてまた、これを映画化する意義が製作当時でも全く失われていなかったのも間違いの無いところだろう。特に、登場するふたりの人物描写に見られる「相違」、モーリスに対してクライヴがより適応力が高いというか、自分の感情・本能と社会的自己との整合をより器用にこなせるという風に描かれる点には、原作者のこの事柄に対する的確で深い理解を伺わせる(クライヴが、LGBTとしていわゆるバイセクシャルに該当するような個人であったのか、それともこれは彼の恋愛当事者としての特性・個性だったのか、という点は定かである訳では無いとも言えるが)。 ただ、話の内容自体は、昨今のより高度なLGBT映画に比べればだいぶ普遍的、かつシンプルなものだと言える(それが良いのかも知れないが)。その意味で言うと(同様のテーマの作品が他にもあるという意味で)これを鑑賞することの社会的意義が製作当時よりはやや薄れたであろう現在では、実際に本作を観た人々の作品自体の評価もある程度変わってくる様にも思われる。 しかし、時代的で文芸的な雰囲気の素晴らしさに加え、この時代のこの事柄を描いたという史料的な意義からも、その部分での本作の価値は決して今後も損なわれることは無いだろう。むしろ、同性愛に対する偏見が少しずつでも薄れつつある現在の方が、本作の恋愛映画としての純粋な良さというものは、よりコレクトリーに感じ取ることが出来ると言えるのかも知れない。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-25 18:33:21)《改行有》

1155.  ニノチカ 《ネタバレ》 グレタ・ガルボの魅力にヤラれてしまいましたねえ。年齢的には34歳、なので『グランド・ホテル』や『椿姫』とかのときの方が、見た目にはより瑞々しさがあったと言えるかも知れません。しかし、登場直後のボリシェヴィキ的冷血人間な様子(この時点で既にたまらなくユーモラスですが)からの、それが完全に蕩けだす件の大笑いの名シーン、引き続きメロメロにメロドラマを演じつつ、果ては酔っ払って大ポカをやらかしちゃったり、ガルボがそんな諸々の表情を見せていくサマだけでも十二分に楽しんで観てゆけます。 基本的には共産主義を笑い飛ばすべくつくられた風刺劇で、ガルボが高潔な理想に燃えているにも関わらず、ソ連側の描かれ方はかなり粉々にネガティブだと感じます。一方で、大公妃もまた傲慢極まりない俗物として描かれているため、右か左かというそこら辺に関わるシニカルな笑いの描写には、総じてあまり好い印象を受けなかったのも率直にいって事実であります。 ですから個人的には、あくまでラブコメに徹した部分を楽しもうという風に観ていました。結論的にはその分にしても、かなり面白く観れる作品だと思います。ガルボ・ファンなら絶対に必見と言えるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-25 01:26:27)(良:1票) 《改行有》

1156.  男と女(1966) 《ネタバレ》 映画というよりも、むしろ詩と歌と絵、いささかミュージックビデオの方に近いとも思われる作品で、実はストーリーはあって無い様なもの、かも知れない。しかし、詩的で抒情的な愛の語らいは洒脱なフランス語で音的にも心地良く(フランス語って、愛を囁くためにある言語ですよね)、そして音楽は何と言ってもフランシス・レイの超傑作ウルトラ・スタンダード・ナンバー。なんと予算不足が原因とのことだけど、モノクロの綯交ぜになった映像面の美しさも実に味わい深く、ここに加えて、フランス的美意識のひとつの到達点とも言うべきアヌーク・エーメの芸術的な美人ぶりが正に至高、という。 愛とは甘さ、であるかの様にただ甘くて、最後に少しだけほろ苦甘く融けてゆく後味の良さも含め、あくまで雰囲気映画だが、その部類では随一、という作品。傑作かと。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-25 01:26:25)(良:2票) 《改行有》

1157.  クォ・ヴァディス(1951) 《ネタバレ》 古代中華のいわゆる「三王」、夏・殷・周の最後の王はいずれも、悪い(とされる)妃に誑かされて国を滅ぼした。このお話はつまり、神話的類型と不可分である中華古代史の特性を表していると同時に、歴史愛好者にとってのささやかなる希望的観測、即ち、古の人の世に王者たりし男というものは、その人の為に国を滅ぼすという程に深く女を愛するということが可能だったのかも知れない、というひとつの芳しい可能性を包含しているとも言えるのだ。 古代史の中に生きる人々からは、概して、より直情的で純粋な感情を感じ取ることができる。それは彼らが、過去から現在に至る過程で人類が身に付けてきた複雑な倫理観・価値観をいわば脱ぎ捨てた状態に在るからであろう。そして、人が人をただ純粋に愛し抜くには、今の世界もまた複雑すぎると言えるのかも知れない、とも思う。 本作は、キリスト教的価値観に応える部分を除けば、極めて単純な男女の愛の物語だ。尚且つ、男と女が互いに恋に落ちることの理由には何らの説明も為されない。これは、世界がよりシンプルで本質的な史劇の中だからこそ可能となることであり、そして、そこに無造作にも描き出される愛の結実にはまた、却って現代劇では得ることの出来ないひとつの高度な純粋性を感じ取ることが出来る様にも思われる。 最後に一言。史劇にこそ、描かれるべきは人の正しき在り方である。宗教的な価値観の表出に傾注しがちなこのジャンルの作品として、原典の持つその部分のテーマ性を決して疎かにしなかった本作には、個人的には非常に好感が持てるのである。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-25 01:26:23)(良:1票) 《改行有》

1158.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 シンプルですが、実に羨ましい能力ですね。この能力があったなら、私なら高校時代を永遠にループするか、1日を10回繰り返して少しずつ進んでいくか(やり残しをつくりたくないタイプです)、どっちかだと思いますね。 しかし、コメディ的なことではあるのでしょうが、主人公とゆーのが中々に残念なヤツで、この能力が無かったらどーにもならない様な、とでも言いますか。ただ、彼に好感が持てるというのが、あくまで自分と自分の周囲の人の幸せを守るために、ごく謙虚にこの能力を使うこと。私なら、シャーロットにあんな感じで誘われているなら、一回は為る様に為ってから時を戻しますよね。 お話自体は割と平穏でノンビリ観れるというものですが、もう一個印象に残ったのは、女の子がみんな可愛いなあと!地味な所で言うと妹も結構可愛いと思ったのですが、のっけのシャーロットがまずエラい美人さんだなあ、と思ったらこれがまだ若きマーゴット・ロビーでした。しかし、そんなのどーでもいいかもというレベルで可愛すぎるのがレイチェル・マクアダムス。こんな感じに程良くエロくて面白くて、かつ優しくてキュートな女の子と人生を歩んでゆけたらと、誰でも想像してしまいますよね。 個々のシーンでひとつ、嵐の結婚式(大惨事)も好きなシーンですね。大爆笑でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-25 01:26:20)《改行有》

1159.  フルスタリョフ、車を! 《ネタバレ》 こ、これは中々、難解な…流石ロシア……… 舞台設定・登場人物は明確で、スターリン末期の1953年2月、混迷深いソ連において、反ユダヤの陰謀に巻き込まれるひとりの将校(軍医少将)が主人公という。しかし、実際の展開運びは意味不明もいいトコロな代物で、解説が無ければほぼ解読不能というレベル。これならいっそ、中途半端にストーリー(らしきもの)が無い方がむしろマシなのではないかと思わせるホド(ストーリーを追うことが無意味ならば、そうだとハッキリ言ってくれれば無駄な努力もせずに済むのだから)。 作中に盛り込まれる演出のモチーフも多様で異様、かつどれもアンマッチである。ひとりでに開く傘、火吹き芸、理由も分からないままに勃発する取っ組み合いの数々…しかし、台詞回しからカメラワークに至るまで各シーンの実際のつくり自体は非常に綿密、かつ確信的であり、何らかの強力なモチベーションに裏打ちされたものであることだけは十二分に伝わってくる。監督にとっては、今作も会心の出来と言ってよい作品なのだろう。満を持して出品された1998年のカンヌでは、審査員長のスコセッシをして「何が何だかわからない」と言わしめたらしいケド。 ちなみにこの風変わりなタイトルは、終盤に実際の台詞として登場する(ただ別に、これも全然重要な台詞でも何でもないんですけどね)。[DVD(字幕)] 5点(2020-07-23 22:59:01)《改行有》

1160.  フレンチ・カンカン 《ネタバレ》 「ムーラン・ルージュ」って、むかし勝手になんかエロい言葉かと思ってました(スイマセン)。赤い風車、その名を冠するフランスの有名なキャバレーの誕生物語で、歌と踊りを交えつつ進行する構成はミュージカル風、と言ってよいだろう。その分(というのもなんだが)話の内容はかなり他愛の無いラブ&ドタバタ・コメディ風で、ここは気楽に観流してしまっても構わない、といって過言ではない。 圧巻はラストのフレンチ・カンカンである。映画がカラーになるのを待ちかねてました!という様な超絶カラフルな色彩の美しさ、跳ね上がる足の躍動感、弾ける女たちの笑顔。狭いホールに詰め込めるだけ詰め込んだとゆーようなそのギュウギュウなごったまぜ感は、正に一杯に宝物の詰まった宝石箱とでも言うか、実に見事。素晴らしきエンターテインメントの殿堂を時空を超えて仮想体験できる。 カンカン以外にも、ちょいちょい入る歌や舞台芸が結構クオリティ高かったのも印象に残る。4人ほどの歌手がちょっとずつ歌っていく中で唐突にエディット・ピアフ登場(ああ、残り3人も俺が知らないだけでさぞかし高名な歌手なのだろう、と)。あと『天井桟敷』のジャン=ルイ・バローみたいなパントマイマー?が出てきたと思ったら、やるのはなんと口笛、これが巧いコト!(どうやったらあんな澄んだ音が出るのやら)[インターネット(字幕)] 8点(2020-07-23 17:22:48)《改行有》

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