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プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1161.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 この映画を観た人は誰しもが納得するところだと思いますが、ワン・シーンだけなんですがデ・ニーロが登場してから緊張感が高まりテンポがすごく良くなるんです。そこまではどちらかと言うとモタモタした展開だっただけに、これは監督が狙ったのか映画の神に愛されているデ・ニーロだからこそ成し得る御業なのか、面白いところです。そしてクリスチャン・ベイル、あそこまで醜く肉体破壊してまで役作りに励む役者魂は、彼こそデ・ニーロの後継者たり得る人物なのかもしれません。良く観察してみると、この映画での彼の演技はなんか若いころのデ・ニーロを彷彿させるものがありました。 終わってみれば主要キャラはみなルーザー(負け)でカタルシスのかけらもないし、映画の登場人物に感情移入出来ることを求める人には耐えられないお話しでしょうね。でも俳優の演技を愉しむという観点からは、主要キャラ四人が全員オスカー・ノミネートというのも納得の逸品だと思います。[DVD(字幕)] 9点(2015-03-03 23:45:10)(良:2票)

1162.  ボーン・アイデンティティー 《ネタバレ》 このシリーズは始めから三部作で撮る計画だったので、一作ごとに過不足なくアクションが詰め込まれているから私は好きです。ジェイソン・ボーンのアイデンティティに拘った本作では、殺し屋とボーンの対決に的を絞って謎はほとんど残してるので次作も観たいという観客の欲求を狩りたてるような上手い終わり方でした。 マット・デイモンにアクションさせるというキャスティングも絶妙です。セガールのようなプロもどきの格闘達人じゃないので絶妙なカメラワークとカット割りで大胆に肉弾アクションを構成していて、実にこれが説得力ある画になっているんです。ボーンがあまり銃を使わないところも渋い。でも送り込まれる殺し屋は意外と弱くて、クライヴ・オーウェンの呆気ない最期にはちょっと唖然でした。カーアクションも他の二作に比べるとおとなしめでしたが、ミニという車の特性を最大限に活かした撮り方ですね。 それにしてもCIAという組織の悪辣ぶり、自分たちはラングレーの本部から動かず、スイスやフランスの警察をまるで岡っ引きみたいにこき使うって、どこまで実態を反映してるのか判りませんが凄いですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-03-01 20:02:31)(良:1票)

1163.  800万の死にざま 《ネタバレ》 監督がハル・アシュビー、脚本がオリヴァー・ストーンという布陣でここまで面白くない映画が出来ちゃったというのはある意味サプライズです。このお二人、良く考えたら刑事アクションもの映画に関わったのはほとんど本作だけなんですよね、やはりこれは人選ミスなんでしょう。 まず一夜だけのあんな薄い間柄だったのに、なんでジェフ・ブリッジスがあの娼婦の仇を討とうと奮闘するのかがさっぱり理解できないし、当然感情移入もできません。あの手のタイプの男なら、娘もいることだし奥さんと縁りを戻す方向で努力するほうが自然なストーリー・テリングだと思うんですけどね。終わってみればまたまた娼婦のロザンナ・アークエットと仲良くなってるとはなんか違う感じがするんです。こういうのがハードボイルドなんだと思ってるとしたら、オリヴァー・ストーンも勘違いが甚だしいですよ。 唯一この映画で興味が引かれたのはがらんどうの倉庫でジェフ・ブリッジスとアンディ・ガルシアたちが人質交換で三すくみ状態になるシークエンスで、タランティーノお得意のプロットの原型みたいな感じでした。シネフィルのタラの事だから、きっとこの映画も観てて影響を受けているのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-02-27 01:18:37)

1164.  紅の翼(1954) 《ネタバレ》 なんでもシネマスコープで撮られた初の航空映画なんだそうです。監督は第一回オスカー作品賞をゲットした空戦映画『つばさ』を撮ったウィリアム・A・ウェルマンですからもう適役です。内容は元祖『大空港』にして空飛ぶ『グランド・ホテル』と言えるでしょう。ホノルルからサンフランシスコに飛ぶ旅客機に乗っている17人の乗客と5人の搭乗員にほぼ限定したストーリーなので、『グランド・ホテル』形式のストーリー・テリングには持って来いなわけです。冒頭で空港のカウンターで職員がチェックインする乗客たちの素性をスチュワーデスに詳しく解説してあげるところは、もう『グランド・ホテル』形式そのものですね。スチュワーデスに「あなたはなんでそんなにゴシップに詳しいの?」と聞かれて「前職はホテルマンだったからさ」と答えるところは爆笑でした。これはもう脚本家が“『グランド・ホテル』のパクリです”と舌を出している様なものですからねえ。乗客たち個々のエピソードの方は、各キャラの描きわけが明確ではないところが残念でした。 時代なので旅客機はレトロな四発プロペラ機です。与圧もされていないので飛行中にドアを少し開けて重量物を投棄するなんて、現代のジェット旅客機では絶対あり得ないこともできたりします。事故と言ってもエンジンが一基破裂するだけで航空スペクタルとしては物足りないですね。夜間の海上を飛行するところはかなりチャチなミニチュア撮影ですが、『ゴジラ』と同年の製作だと思えばまあ仕方ないですかね。ジョン・ウェインは心に傷を負った初老の副操縦士で、ちょっとしょぼくれたところがいつもの彼とは違ったヒーロー像です。彼がいつも口笛で吹くテーマ・ソングはけっこうポピュラーになっていて、メロディーを聞いたことある人は多いと思います。でも口笛を吹くジョン・ウェインと言うのは、あまり様になっていませんでしたね。 本作は主演をハンフリー・ボガートにする構想だったのが頓挫し(確かにボギーだったら口笛が似合うキャラクターですよね)、製作者だったジョン・ウェインが出演することになったそうです。でも航空映画なのでジェームズ・スチュアートを主演に持ってきたら良かったのにと思うんですが、いかがでしょうか。 今ではすっかり忘れ去られてますが、民間航空パニック映画というジャンルへの道を拓いた恐竜進化における始祖鳥みたいな重要性を持つ作品だと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-02-25 00:22:22)

1165.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 一発芸風プロットの典型的なおバカ映画でしたね。劇中のやじ馬や警官たちと一緒で壁際のサム・ワーシントンに観客の眼も吸いつけられますが、おかげで初めはストーリーのボロは目立ちません。ところがお話しのオチがだいたい推察がつく様になる中盤以降はもうアラばかりが気になる様になります。 二年も服役してたのにどうやって宝石泥棒計画を進めていたのか、父親の葬儀の件、ヘリコプターが近づいて煽られるシーンがありますが、それ以前にビルの15階の壁際に立ったらふつうの天候でも風が脅威になるんじゃないですか、などなどもう暴走状態です。「盗まれたので存在しないはずのダイヤを盗んで無実を証明する」というある意味画期的なプロットなのに、苦労して金庫を開けた結果があれじゃあバカバカしすぎです。結果良ければすべて良し、で済むかよっ! ウィリアム・サドラーが渋かったので、まあここは一点プラスとしておきましょう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-02-22 23:11:15)

1166.  清須会議 《ネタバレ》 昔から「お市の方はなんで柴田勝家の嫁になったんだろう?」と疑問だったんですが、この映画を観てそれはすっきり解決いたしました、あくまで三谷幸喜の視点なのは判っていますが実に説得力がありました。 清州会議をテーマにしてコメディを撮るとはそのアイデアには思わず脱帽、と言うよりも日本史には映画化したら面白い題材がまだまだ沢山ありそうですね。戦国武将がべらんめえ口調で喋るところは眼を剥く方もおられましょうが、価値観は現代人とは多少違っていても“人間はきほん損得で動くもの”という本質を描くには申し分なかったかと思います。その点で大泉洋の秀吉は好演で、正直こんなに上手い役者だったのかと驚きました。もっと怖かったのはお市の方をはじめとする女性陣で、中でも剛力彩芽の松姫の最後の笑い顔は凄かったです。お寧役の中谷美紀が見せる踊りも、なんか卑猥な動きですごい振り付けでした。 この映画の最大の欠点は評定の決着がついてからラストまでがだらだらと冗長なことで、忍者が秀吉を暗殺しようとするシークエンスなんか必要ないでしょ。最近の邦画には良くみられる傾向なのですが、せっかくテンポ良い脚本なので残念です。 明智光秀が仕留められるカットなど拘った映像も随所に観られ、思いがけなく良く出来た映画でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-19 20:12:40)(良:1票)

1167.  テッド 《ネタバレ》 ストーリー自体はとっても他愛もなくテディベアが主人公じゃなかったらとうてい撮れなかっただろうけど、逆に言うと“喋る中年エロ親父風テディベア”なんて代物を考え出したセス・マクファーレンという人の才気には素直に脱帽です。でもこのギャグセンスは両刃の剣でもありまして、満場のセレブ達にブーイングを喰らってた何年か前のオスカー受賞式の司会ぶりを観ると、この人のセンスはハリウッドでも賛否が分かれているみたいです。日本人には理解不能という人もいるけど、近所のTSUTAYAでは今でも10本近い在庫がいつもほとんど全部がレンタル中という状態で、私も含めてこういうお下劣ギャグがツボというファンもいっぱいいるんですよ。 “フラッシュ・ゴードン・ネタ”や“トム・スケリット・ネタ”などは正直理解不能でしたが、個人的にはテッドをどんどん昇進させるスーパーの社長が傑作でした。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-17 20:23:06)(良:1票)

1168.  マネーボール 《ネタバレ》 『マネーボール』というよりも『データボール』といった方がしっくりくる内容の映画でした。出塁率をチーム造りの最重要素と考えるブラピにはロマンのかけらもなく、選手の躍動したプレーやドラマを期待して球場に足を運ぶ野球ファンの事は眼中にないみたいでした。だからゲーム中は球場に入らないし選手たちと言葉を交わすことも極力避ける。この映画の脚本の絶妙なところは、登場人物たちの実に平凡な言動が淡々と続くということでしょう。ブラピのGMはときどきキレるけど離婚した妻子との関係はごく普通でなんの波乱も起きない。トレードやクビを宣告される選手たちも暴れたりする者は誰もおらずみんな大人のリアクション、ブラピに勝手に選手をトレードに出されるフィリップ・シーモア・ホフマンの監督(好演)にしても、大騒ぎになってもおかしくないのにグッと堪えてぼやくだけ。映画的じゃないけども、みんな実にリアルな人間たちなんです。だけど球場で繰り広げられる試合だけはエキサイティングで予想不可能、四球で出塁することだけを期待されていた選手がサヨナラホームランを打って20連勝するんだから面白いもんです。ここら辺は、アンビバレントな現実をよく計算して対照させた脚本家の高度な技ですね。 MLBに詳しい方なら実話ですので当然結末は判ってらしたでしょうが、なんの予備知識もなかった自分には意表を突くラストでした。ブラピのデータ重視手法ついてもジョナ・ヒルの分析を単に受け売りしているだけみたいな感じだし、サクセス・ストーリーとしてはかなり異色の部類に入る一筋縄ではいかない映画のような気がします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-02-15 15:27:25)(良:1票)

1169.  ハッピー・フライト(2003) 《ネタバレ》 まず一言、「グウィネス・パルトロウ、でかっ」。あらためて観てみると、グゥイネスってほんと背高いんです、相手役のマーク・ラファロより首一つ抜き出てました。私はこういうでかい女優を観るとすぐミラ・ソルビーノを思い出しちゃうんです、そういやふたりとも二世女優で“一発屋オスカー女優”と言うところも似てますね。またド派手なローカル航空のスチュワーデス衣装から始まってピチピチな衣装ばっかりなので余計目立ちます。 えー、肝心の映画の中身なんですけど、もうすべって外しまくったギャグの連発には辟易させられました。ロブ・ロウやジョージ・ケネディまで引っ張り出してきたのに、あんな使い方じゃ笑いもとれず実にもったいない。『フライング・ハイ』みたいなハチャメチャ路線でもなく、終わってみればサクセス系のラブコメの出来そこないでしたってのは情けない。ほんとグウィネスさん、オスカー受賞した女優が出る企画じゃないでしょうこれは。まあ受賞でお世話になったミラマックスへの義理もあったんでしょうけど、出る前に脚本読んでるのかと突っ込みたい。 エンドロールにNG集が流れる映画は駄作という私のジンクスがまたも実証されました、でも観る前にNG集があるかどうかは普通判らないので困ったものです(笑)。[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-02-12 23:25:46)

1170.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 良く考えてみると脱獄してからの展開は『手錠のままの脱獄』のパクリみたいなもんですが、そんなことを微塵も感じさせない痛快な作品です。広大な国土のアメリカと違って日本では脱獄は自殺行為だと思ってましたが、こういう風に北海道の最果てなら成功して逃げ切れそうな説得力があります。 いつも通りのストイックで家族思いの高倉健なんですが、この映画の健さんは饒舌とまではいかないにしても良く喋るんです。入浴のシークエンスではハダカで阿波踊りまで見せてくれるんですから、びっくりです。でも随所で流される健さんのナマ歌『網走番外地』には、なんか荘厳な響きすら感じて震えちゃいました。 監督の石井輝男を始めとしてアラカンや丹波哲朗といった新東宝の残党メンバーたちの底力がこの作品を傑作にまで高めたのかもしれませんね。アラカンの鬼寅はさすがの迫力でしたし、丹波が最後までイイ人だったというパターンも珍しい。この映画は本来二本立て興行のBプロとして撮られた小品なんですけど、これでも新東宝の予算じゃ決して撮れない企画なんだから石井輝男も思い残すことなかったでしょう。[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-02-10 20:16:10)(良:1票)

1171.  しびれくらげ 《ネタバレ》 軟体動物シリーズのラストを飾る本作、メガホンをとったのはまたしても増村保造です。いやー来てますねー、増村作品らしくもうドロドロなお話です。『でんきくらげ』に続いて川津佑介が出ていますが、前作と違って渥美マリを出世の道具に利用するニヒルなサラリーマンです。ハードボイルドな男みたいな感じですが、単に大根の渥美マリにレベルを合わせて省エネ演技に徹しただけなのかもしれません。彼よりはるかに強烈だったのが渥美マリの父親役の玉川良一です。どうしようもないぐらいだらしなくて狡猾なキャラですが、いかにも昭和40年代のダメ親父という感じは良く出ていました。ぼろアパートなのにでかいベッドが鎮座してる渥美の部屋がいかにもアンバランスな彼女のキャラを象徴しているみたいでした。 ヤクザの食い物にされかけながらも逞しく反撃する女というヒロインは、増村映画としては珍しいパターンかもしれません。ストーリー自体は語るほどのものでも有りませんでしたが、ちょっと哀愁が漂うテーマ曲が妙に耳に残りました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-02-07 19:20:16)

1172.  現金に体を張れ 《ネタバレ》 キューブリックという映画作家が撮った映画は13本ありますがどれもジャンルはバラバラで、その中で犯罪ミステリーはこの一本です。中期以降のキューブリックでは考えられないナレーションの多用がこの映画の特徴のひとつですが、そのナレーション自体はキューブリックらしい乾いて即物的なもので、このナレーションを使ったストーリー・テリングは、ロジャー・コーマンが『聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ』で真似してますね。登場人物の視点を変え時系列もいじくる手法も一緒で、『マシンガン・シティ』は本作のオマージュと言っても良いかもしれません。 出ている俳優たちもスターリング・ヘイドンはじめひと癖ありそうな顔つきばかり、おまけにフィルム・ノアールの悪女と言えばこの人しかいないマリー・ウィンザーまで出ているんですから、さすがキューブリックは良く判ってらっしゃる。カネを横取りしようとする一味の中にジョセフ・ターケルがチョイ役で出てます。彼はこの後『突撃』『シャイニング』にも出演しているんですが、実はキューブリック映画に三作品も出演したのは彼だけなんです。『シャイニング』のバーテンダーでは強烈な印象を残していますが、彼こそがキューブリックのお気に入りだったみたいですね。 競馬場のレースのシークエンスも徹底してドキュメンタリー・タッチで撮っているので緊迫感ありますね。有名なラスト・シーンを含め、小品ながら後世の犯罪映画に与えた影響は大きいと言えるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-02-04 22:04:10)

1173.  フォーン・ブース 《ネタバレ》 外国映画では見かけますけど、今まで生きてきて自分は公衆電話が着信しているのを見たことがありません。日本の公衆電話には外部からかけることが出来ないようになっているんですかね、でももしベルが鳴っていたら思わずでちゃいそうです。 この映画の肝は、コリン・ファレルがなぜ公衆電話のブースにいたのか、そしてどうしてそのブースから出られなくなったのかということですが、そこは巧みにストーリー・テリングしています。ラリー・コーエンが書いた中で間違いなくベストの脚本だと思います。この人映画監督としてはどうしようもないヘボですが、ライターとしてはイイ腕してるんですよね。事件の経過と映画のランタイムが一致するスピィーディーな展開で、緊迫してくるとスプリット・スクリーンになる映像もよくマッチしてました。途中からコリン・ファレルが小細工をして反撃し謎の男と知恵比べになるところも面白かったです。ある種のどんでん返しみたいなラストは皆さんの評価が分かれているみたいですが、自分はけっこう気に入っています。実は私、謎の男を演じているのは声やセリフ回しからケヴィン・スペーシーだと思っていましたが、エンドタイトルでそれがキーファー・サザーランドだったと判ってちょっとびっくりしてしまいました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-02-02 21:42:18)

1174.  でんきくらげ  可愛い悪魔 《ネタバレ》 渥美マリの軟体動物シリーズくらげ編の第二弾です。前作『でんきくらげ』とはなんの関連もなく、これはシリーズ六本通しての特長ですが渥美マリの演じるキャラは全部別人と言うわけです。それにしても、渥美マリはこの年(70年)に軟体シリーズだけでも五本も撮っているんですよ、あだ花的ではありましたが彼女こそは大映最後のスター女優だったということでしょう。 内容はと言えばこれがかなりの珍品で、薄っぺらい風俗描写に乗って渥美マリが目まぐるしく色んな経験を積むというお話しです。増村保造の名作の脚本を数多く手掛けた白坂依志夫が書いた脚本とはとうてい思えないストーリーなんです。大雑把に言うと『いそぎんちゃく』シリーズの渥美マリは男は好きだがそれ以上にカネに執着して貯金が大好きというキャラでしたが、本作ではとにかくカネを使って遊ぶのが大好きな女なんです。それが大した苦労もせずにヌードモデル、マッサージ嬢、CMモデルと次々に仕事が舞い込みカネには不自由しないんです。そういやいつもとパターンが違い水商売だけはやりませんでしたね。活発で良く喋るというキャラですが、その分渥美マリに芝居をさせるのでその大根ぶりがまた際立っちゃってます。お色気と言っても日活がロマンポルノ路線を始めようかという時期ですから、これじゃあ大映がつぶれたのも当然の帰結だったと思います。[CS・衛星(邦画)] 3点(2015-01-31 23:00:51)

1175.  でんきくらげ はい、渥美マリと言えば『でんきくらげ』、この超絶的に素晴らしいネーミングは彼女の代名詞みたいなものですね。監督は増村保造で彼は軟体動物シリーズを二本撮っているんですよね。いかにも彼が好みそうな題材なんですが、まあなんというか“監督が気乗りしないで撮りました”って感じがモロにこちらに伝わってくるんですよ。増村保造もさすがに渥美マリじゃあ手の入れようがないとあきらめてしまったんですかね。そりゃあ若尾文子が主演の方が撮る方も観る方も力の入れ方が違ってきますが、この頃にはこの役やるにはさすがに若尾も歳とり過ぎてるし、そしていくら増村保造がメガホンとると言ってもこんな映画に出るはずありませんよね。でも滅茶苦茶だけど妙に愛嬌のある根岸明美のお母さんやエロ爺だけど江戸っ子ダンディという風情の西村晃とか、脇を固める役者は光ってましたね。でもいちばん残念だったのは、シリーズ初期と較べて渥美マリの脱ぎっぷりが悪くなってきたことでしょうかね。[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-01-30 21:23:06)(良:1票)

1176.  アリス・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 いやはや笑わしていただきましたのは、ティム・バートンによるヘレナ・ボナム=カーターのいじりっぷりです。ふつう惚れた女房をここまでグロテスクに撮りますかね、でもこのデカ頭の女王様が彼女にピッタリのキャラに思えてくるので、そこはさすが一緒に暮らしている旦那さまですね。でも本作のあとバートンの作品に彼女が出てないのは、さすがに怒ってるんじゃないでしょうか(笑)。 お話自体は『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の後日談というかたちで、それをピーター・ジャクソンを意識した様なアクション・ファンタジーに仕上げましたという感じです。まあ可もなく不可もなくというところですが、森の木々の造形などのティム・バートンらしさが良く出てましたね。登場キャラはいろいろアレンジされてましたが、ジャバウォッキーだけは原作のテニエルの挿画に忠実なところには怪獣好きなバートンのこだわりを感じました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-28 22:20:28)

1177.  吸血鬼ドラキュラ 《ネタバレ》 40年以上前に初めてTV放映で観たときは怖さに震え上がったものでしたが、“現実世界にはドラキュラより恐ろしいものが沢山ある”という分別と経験を積んだ現在の眼で鑑賞するとどんな感じなんでしょうか。 これが思っていた以上に色あせていないんですよ、この映画は。良く観ると独自の脚色がありますね。まずジョナサン・ハーカーが吸血鬼ハンターの一員としてドラキュラ城に単身乗り込んでくることで、しかも序盤であっさりドラキュラの餌食になってしまい、そして婚約者までも同じ運命に。舞台設定もロンドンがオーストリアかドイツの某都市に変わっていますし、ヴァン・ヘルシングの解説では「ドラキュラがコウモリや狼に変身するという話はウソ」と言うことになってこれも原作と違っています。船で英仏海峡を渡るシーンや変身の特殊メイクが必要無くなるので、まあこれは予算節約ということでしょう。その分展開がとてもスピィーディーで、ヒーローとヒロインがいなくなった分、ドラキュラとヴァン・ヘルシングのガチンコ対決のキレ味が鋭くなっていると言えます。 “吸血行為はセックスのメタファーである”と言うのは定説ですけど、クリストファー・リーのドラキュラはその品格と発するフェロモンでこの説を雄弁に証明してくれています。また吸われる女優たちが色っぽく、ほんとハマー映画の熟女優たちはレベルが高いですね。 やはり本作がハマー・フィルムの最高傑作なんだと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-26 20:27:04)

1178.  ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ 《ネタバレ》 いつも思うんだけど、マイケル・ケインのコメディ演技はどの映画でも最高です。シニカルでスノビッシュなキャラではとくにその技が冴えわたりますね。彼こそ、デヴィッド・ニーヴンの正統な後継者だったわけですね。 コン・ゲーム映画としては『テキサスの五人の仲間』に匹敵する後味の良さを持った映画でもあります。相手役のスティーヴ・マーティンがこれまた絶好調で、ケインの可哀想な弟に化けるシークエンスはもう爆笑です。オチは中盤からだいたい察しがつきましたけど、それでもラストのケインとマーティンが呆然自失となるダメ押しには大笑いさせて頂きました。これ、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットをフィーチャーしてソダーバーグが監督でリメイクしたら面白いんじゃないですかね。コルゲート嬢はジュリア・ロバーツなんかを使って、おっとこれじゃあ『オーシャンズ』シリーズそのまんまでした(笑)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-24 23:17:41)(良:1票)

1179.  ハイテンション 《ネタバレ》 後に『ピラニア3D』で無茶苦茶やったのとは同じ監督とは思えないほどおとなしめな印象でしたね(そりゃバジェットが全然違うからですね)、でもその代わりに映画の文法を思いっきり無視したストーリー・テリングです。あの結末には激怒する人もいるでしょうけど、私は主役のセシル・ドゥ・フランスがかなりの演技力を見せてくれたのでその点は満足です。終盤の彼女は完全にテンぱってあっちの世界に行ってしまった人の目付でしたからね。 鉄線で傷つけられて釘が全部抜けたピンヘッドみたいになった殺人鬼フィリップ・ナオンの表情が、大人になった『チャイルド・プレイ』のチャッキー人形みたいだったのが妙に可笑しかったです。[DVD(字幕)] 5点(2015-01-23 19:09:00)

1180.  初春狸御殿 《ネタバレ》 いわゆる「狸もの」と呼ばれるジャンルがかつて邦画で隆盛を極めたということは知っていましたが、今回その「狸もの」を初鑑賞させて頂きました。監督の木村恵吾という人は「狸もの」の創案者で戦前から「狸もの」を撮っていて、本作がシリーズ初のカラー作品なんだそうです。 もう何本も撮られてきたので観客には周知している様なお約束ごとがあるみたいで、マキノ正博の『鴛鴦歌合戦』のような奔放な荒唐無稽さとは違った様式化された破天荒さが感じられます。なんせ何かあるたびに「さあ、狸祭りだ」と豪華絢爛な民謡ショーになっちゃうんですからね。それにしても、高倉健もそうでしたけど昔の映画スターの歌唱力はハイレベルですよね、でも鴈治郎の歌だけは放送事故級のひどさでしたけど(笑)。なぜか勝新が出てくると必ず登場するカッパ娘、実ははじめは自分にはカッパだと判らなかったのですが(だって頭にお皿が載ってないもん)、この二人のゆるーい踊りにはツボを刺激されました。 雷蔵と若尾文子の絡みも衣装を換えまくって見せてくれ豪華絢爛の一語です。エアー羽子板やらいろいろ優雅な舞いを見せてくれて、さすが雷蔵・若尾コンビです。でも梨園出身の雷蔵に言わせると、若尾の踊りは「なんかデンマーク体操やってるみたい」なんだそうです(笑)。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-01-19 20:14:59)

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