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1161. ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY 《ネタバレ》 嵐ファン以外の人が見て、はたして楽しいのだろうか、という程度の内容です。 特にダラダラ進む前半は苦痛。 嵐は、それぞれがドラマで活躍しているときは結構良いのに、この作品ではみんな微妙です。ましだったのは相葉君と二宮くらいでしょうか。演技は全体的にへたくそ、というかやる気が感じられないし、ヒロインはかわいくない。 それに、やたらくだらないエピソードとストーリーで中身ゼロなのに、二宮のパートだけやたら重くて深刻。凄く変。バランス悪いです。 実写の中に、アニメーション入れるのは嫌いじゃないのに、この作品では何故かうざく感じます。 原宿パートが終わったところで、もう見るのやめようかと悩んでいたら、そっから先がなんか少しずつ面白くはなってきます。 そんなこんなで結局最後まで見てしまいましたが、中身の無い青春映画ってのはつまらないものですね。 もちろん中身がなくても『あるあるネタ』や『ノスタルジー』を感じることができれば良いのですが、この作品にはそれも無い。 あまりにもふざけすぎていて、もはやファンタジー。ギャグマンガの世界です。 そんでそんな世界に、簡単に自殺をほうりこまないでほしいです。 アクションエンターテイメントで人が殺されるのとはわけが違います。 ラストには一人一人のエピソードがうまくつながるのかと思っていたのですが、それも無かったですね。 見ていて飽きることはありませんでしたが、正直楽しくもありませんでした。[DVD(邦画)] 5点(2016-09-07 05:18:02)《改行有》 1162. エージェント・コーディ 《ネタバレ》 とても気楽に見られるライトなコメディアクション。 ティーンズ系のこの手のエンターテイメントは子供っぽくなりがちで、この作品も例外ではありません。 ですが、子供っぽい映画ではあっても、子供だましでなければ楽しめる、この作品はその良い例と言えそうです。 そう、この作品は面白いです。自信をもってオススメできます。 主人公のコーディはCIAの特殊訓練を受けていて、身体能力が高くて、機転が効いて、格闘技に精通している優れもの。 でも女の子の前だとアガッてしまってうまくしゃべれません。 なんでしょう。この昭和の少年漫画のようなヒーロー像。たまんないっす。 コーディが、その力を発揮するシーンがあるたびに、興奮が止まりません。 こーゆーテイストの作品で、大切なのはギャラリー。誕生パーティでいじめっ子たちをこてんぱんにしたのは痛快です。要はギャラリーがいればいるほど、爽快感が増すわけですね。 なんだかんだと、二度三度と、ヒロインを助ける演出だってベタすぎるけどグッド。 昭和生まれの世代の心をくすぐる主人公のヒーローっぷりが完璧です。 CIAの面々も良い人ばかり。本当にCIAがこんな風だったら、世界は思ったよりずっと平和なのかもしれない。 ストーリータイプのコメディも自分の好みとばっちりあっています。 コメディのバランスも程よい。 大作ではありませんが、子供はもちろん、大人も童心に返って楽しむことが出来る良作エンターテイメントでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2016-09-06 02:27:35)《改行有》 1163. シン・ゴジラ 《ネタバレ》 今までのシリーズとは完全に別物。そもそも、登場人物の誰もがゴジラの存在すら知らないことが、かなり新鮮です。 ゴジラシリーズとしての側面を残しつつも、災害パニックものとしての特色が強く出ています。 言わば、『地震』や『津波』や『台風』が、『ゴジラ』に代わっただけとも言えます。 ただ災害ものと異なる点は、災害の元凶が『生物』であるため、駆逐可能、物理的な対処が可能という希望的観測があるところでしょう。また、それは映画としても、『自衛隊及び軍隊』VS『ゴジラ』という娯楽要素の強いバトルへ発展できるということです。 正直、自衛隊の演出には限界があると勝手に思っていて、全く期待していなかったのですが、これがもう凄い迫力です。この自衛隊の演出だけでも映画が一本撮れてしまうのではないかと思うほどの迫力。小規模の火器の使用から、次第にグレードを上げていく演出に、興奮が止まりません。 最大のハイライトは、米空軍の貫通型爆弾により負傷した直後のゴジラの反撃シーン。 ここで音楽が切り替わり、日本を絶望の底へ叩き落すゴジラの最終兵器がすべてを焼き尽くします。 まさに神の化身。この画作りはさすがエヴァの監督さんです。このシーンだけでも、この作品は見る価値があるでしょう。 なぜゴジラが現れたのか、なぜゴジラが東京を目指すのか。 その説明が無いのも良い。 なぜならゴジラは『災害』だから。『台風』や『地震』と同じだから。 ゴジラによる被害の合間に挿入される日常。ニュース。会議。ネット。 そのすべてが、嵐の前の静けさを感じさせるリアルな演出として成功しているように感じます。緩急の使い分けが見事です。 唯一違和感を感じたのは、やはり石原さとみでしょうか。大好きな女優さんなのですが・・・。 個人的には大杉漣の総理大臣もちょっと・・。コメディ色が強くなりすぎて・・・。[映画館(邦画)] 9点(2016-09-03 14:18:21)(良:2票) 《改行有》 1164. ワイルド・スピード/MAX 《ネタバレ》 レースシーンは相変わらずの迫力。 ストーリーの平凡さも相変わらず。 悪役がぱっとしないのもいつも通り? よく言えば安定感があります。 ドミニク・ブライアン・レティ・ミアと、“1”の面々も登場しますし。『とーきょーどらいぶ』とのつながりがちょっとだけあるのも何か嬉しいですね。 悪く言えば新しさが皆無。 『悪党のドライバー選びでレースをする。』『悪党のドライバーになる。』『ラスト逆転する』 流れとしては『2』の流れに近くて、それを『1』のメンバーでやった感じでしょうか。 映像は少し面白くなってきたかもしれません。 『坑道レース』はあんま見たことないですし、ナビシステムを無視しまくる前半の演出も単純だけれど面白い。 ただちょっと面白いだけで、それぞれのレース、カーチェイスが、ストーリーを盛り上げるために効果的に働いていないのがもったいないです。もしこの迫力のレースに、『必然性』が加われば、映画そのものがもっと盛り上がりそうな気がします。 ついでに言うなら、ドミニクやブライアンがレースで他を圧倒するシーンなんかも織り交ぜて欲しい。 レース映画ならではの高揚感や優越感を共有したい。 『この二人がドライバーだから』っていうメリットをもっと感じたいのです。 スピード感はあっても、高揚感が足りないのです。 ラストのオチは凄い好き。まだ見ていませんが、『MEGA MAX』への期待が高まります。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-08-31 16:10:38)《改行有》 1165. カルマ 《ネタバレ》 幽霊が見える女性ヤンと、そのヤンを担当することになる精神科医のジム。 『ヤンが見える幽霊は本物。』⇒『ジムは次第にその事実に気付きはじめる。』 ただ単純に、そんなストーリーを予想しながら鑑賞していたのですが、物語は思わぬ展開を見せます。 ヤンが見ていた霊は、ヤンの精神的トラウマからくる幻。ですが精神科医のジムは本物の幽霊にとり憑かれているという脚本が、単純ながら意表をつきます。 前半から挿入される回想シーン。ヤンの過去を探るための、ヤンの過去かと思いきや、実はジムの回想シーンという意外性。なかなか上手いです。 また、実際は霊ではない『イタズラ』や『幻』。そこに終盤本物の霊を登場させることで、本物の霊の存在がよりリアルに際立ちます。 ホラー演出も、邦画ホラーのようなじめじめ感が出ていて大変良いです。 更には、様々な『音』が効果的に使われていて、更なる恐怖を煽ります。 終盤ではいつの間にかヤンとジムの立場が入れ替わっているのも面白いですね。 そして、ヤンにもジムの見ている霊の存在がわかったことで、私達観客にも霊の存在が本物ということが伝わります。 唯一、締めを安易なメロドラマ風にしてハッピーエンドで終わらせてしまったのがもったいないでしょうか。 後味は良いのですが、思い切ってバッドエンドにしても良かったかもしれません。[DVD(吹替)] 8点(2016-08-31 15:06:31)《改行有》 1166. アメージング・ハイウェイ60 《ネタバレ》 リアルな世界を舞台にしていますが、内容は完全におとぎ話。 ただし、『贋作美術館』『ドラッグ合法の街』『訴訟の町』など、皮肉やユーモアがしっかり効いているのが特徴。 この作品に出てくる人々は、与えられた役割を演じるだけの駒のような存在。 その分、人物描写は限りなく薄い。 主人公ニールも、まるで毒の無い爽やかな好青年に終始しています。 一応ニールの精神的成長という側面もあるのですが、私が見る限りでは風刺を効かすことに重きを置いているように感じられます。 マイケル・J・フォックスやカート・ラッセルといった存在感のある名優が、脇やチョイ役に徹しているのも、作風が関係しているのかもしれません。 この作品には、主人公ニールの体験を通して、世の中の通年や常識を改めて考えさせてくれる面白さがあります。 完全に人物よりストーリーを楽しむ作品なので、ストーリーメインで映画を楽しむ人とは相性が良さそうです。 ですが心にずっと残るような作品でもありません。 絵本の域を出ていないのも事実です。[DVD(字幕)] 7点(2016-08-26 11:00:55)《改行有》 1167. クール・ボーダーズ 《ネタバレ》 プロスケーターを目指す主人公と友人達の物語。 友情あり、笑いあり、恋愛ありで、大変オーソドックスな青春もの。 主人公、お調子者、優等生、プレイボーイと4人のキャラ分けもばっちり。 私のように、必ずしも映画に新しいものを求めない人だったら普通に楽しめるんじゃないでしょーか。 ただ、内容・ストーリーに対して、若干尺が長すぎるため、中だるみしてしまうのが惜しいです。 一つ一つのエピソードがそれなりに面白く、意外と関連付けされているので、すべて使いたくなる気持ちもわからんでもないです。 ならば、一つあたりのエピソードをもう少しテンポアップして、物語にリズムをつけると良かったかもしれません。 個人的には、パーティーの潜入シーンは、まるまるカットでも差し支えありません。 スケボーのプレイシーンはどれも見応えがあります。ラストにしかバトルシーンが無いのが残念なくらいです。 序盤と中盤でもスケボーバトルを取り入れてくれたらもう少し盛り上がったかもしれませんね。 ラスト。少年にボードをプレゼントするシーンが最高にイケてます。[DVD(字幕)] 6点(2016-08-16 16:17:03)《改行有》 1168. 藍色夏恋 《ネタバレ》 とっても雰囲気の良い映画。 でも私は騙されない。この作品は雰囲気でゴリ押ししているだけの作品だ。負けてなるものか。冷静になれ自分。 これは、面白いか?否。だってストーリーがないもん。 いえ、あるっちゃあるが、無きに等しい。 監督は語る。 『模範的な解釈でなくて良いんです。それぞれの青色大門を見てくれれば。』 おいおい。めっちゃ良いように言っていますが、鑑賞者へのまる投げじゃねーか。 それに中盤までの展開がだるいだるい。 『女の子が好きなの』発言からは、多少面白くなりますが、それまでがだるい。 少々くどいサブエピソードから、わけわからんもんまで盛り沢山。 例えば先生。何か重要な役割を担うかと思いきや、ただのピエロ。いや、ソフトストーカー。 ラブレターのくだりに関しては、友人の女の子がもはや何をしたいのかわけわかりません。 ただ、こんな映画にもサプライズ・ポイントはあります。 ふられた女の子が、好きな相手の名前を書くおまじないを、途中から『木村拓哉』に変えたこと。 マジで凄いぞ、キムタク。[DVD(吹替)] 5点(2016-07-28 04:39:27)《改行有》 1169. ロード・キラー 《ネタバレ》 小粒ながら、B級作品に求めるものを満たしている名作。 『スケールが大きすぎないこと』 『登場人物が多すぎないこと』 『わかりやすいこと』 どれもクリアです。 それでいて、適度なスリル、サスペンスも兼ね備えています。 作り手のセンスの良さを感じますね。 誰かと思えばジョン・ダール監督。 個人的には、大衆向けの良質な娯楽作品を作ってくれる有難い監督さんです。 『トラブルメーカーな兄』『優柔不断な弟』『無駄に色気ムンムンな彼女』こーゆーお約束は逆に嬉しい。 この作品、『あるあるネタ』が多く、確かに既視感を感じます。ですが、なんか先が読めそうなのに、意外と予測不能な展開を見せる面白さがあります。この辺のバランス感覚が大変上手い。 『無線』というキー・アイテムも、恐怖演出及び橋休め的演出の小道具として、大変効果的に使われています。 サイケティックだけど、頭が良いラスボス。 この人のお顔が、ちょっぴり出ちゃったのが惜しかったですね。全く顔を出さなければ、最後のオチがより引き立ったと思うんですけどね。[DVD(字幕)] 8点(2016-07-27 13:05:28)(良:1票) 《改行有》 1170. ドッグ・ソルジャー(2002) 《ネタバレ》 こーゆー作品では粗を探さないことがもはや一つの礼儀になりつつあります。 すべての粗に目をつぶれば、それなりにスリリング。 そしてサスペンスフル。 グロ描写もオツ。 中でも、森の中で、軍曹のはらわたを押し込もうとうするシーンはこの作品のハイライト。軍曹、ベストアクトです。 後半は終始暗い画面でごまかしているような感じ。 誰が何をしているのか全くわかりません。 女のスタンスも意味不明。支離滅裂。 『ま、まさか、おまえもこの家の住人だったのか。』 『そうよ。力を解放するわ。』 ってドラゴンボールかーい。 そういえばこの作品はクリリンばっかりで、クーパーと軍曹とライアン以外は区別つかないです。 で、結局あの家の住人は生物型軍事兵器のあわれな末路ってことでファイナルアンサー?[DVD(字幕)] 7点(2016-07-24 15:26:44)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 1171. ドラムライン 《ネタバレ》 とても見るのを楽しみにしていた映画の一つです。 その反動もあってか、期待していたほどではありませんでした。 こーゆー作品に欠かせないのが『成長』。その『成長』を疑似体験できれば最高です。 それは主人公でも良い。脇役でも良い。チーム全体でも良い。 この作品はどうでしょう。個人的には、もう少しドラマチックに成長のプロセス、成功への軌跡を演出してほしかった。 その描写に説得力があればあるほど、ラストで、大きなカタルシスと爽快感を感じることができるというものです。 あとはキャラの魅力ですかね。 まずは主人公の天才ドラマー、デヴォン。 必ずしも品行方正である必要はないんですが、彼は何とも中途半端ですね。 アウトローでいくのか、カリスマでいくのか、どっちかにしてほしいです。 まあリアルと言えばリアル・・・。 次にリー監督。威厳なし。ぶれすぎ。 レイラ。どうでもいい存在感。特にパーティでのラブシーンは不要。 個人的に良かったのはショーンです。ステレオタイプなライバル兼先輩ですけど、彼の嫉妬、羨望、プライドにはいたく共感できます。 まあこの作品が楽しめなかった一番の原因は自分自身です。 そもそもドラムラインのバトルのルールがよくわかりません。 主人公が相手校のドラムをたたいたのが失礼千万だから、殴られて、みんなからはぶられて、追放されたと思っていたのですが・・。 なんと、ラストのバトルで、ライバル校に自分達のドラムをたたかれちゃっているではありませんか。 解せぬ・・。じゃあ、あのときの主人公の行動の、どこにルール違反があったのか、いまだわからず。 ついでに言うと、A&T校と、他の高校のマーチングのレベルの違いがよくわからんのも問題ですね。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-07-21 05:08:11)《改行有》 1172. カンパニー・マン 《ネタバレ》 途中から筋が読めなくなるほど複雑に。なのに最後のオチは読めてしまう不思議な作品。 つまりは、わかりにくいくせに驚けない、残念な結果に。 『次の展開がわからない。』という点では合格ライン。ミステリーとしての体裁は保っています。 ですが、結局わからない部分が多く残ったのは不満です。 各設問に、あっと驚く解答が用意されているからこそ、知的カタルシスを得られると思うのです。この作品は、その部分が不親切。 デジコープ社の目的。キャラウェイ社の目的。はっきり言ってよくわかりません。 私がかろうじてわかったのは、主人公はモーガン・サリバンでもなければ、ジャック・サースビーでもないということ。 彼の正体は、正体不明のフリーのスパイ、ルークス。 そして、盗んだデータの中に、『リタ・フォスター殺害』みたいなものがあって、そのデータを盗み抹消することが彼の目的だったということ。それくらいでしょうか。 言うなれば、三重スパイの物語。 にしても、企業間の産業スパイの話で、やれ殺人やら、やれ洗脳やら、なかなか物騒。 ラストはビルごとドカンって。あまりに非現実的すぎて、ついていけません。 非現実的な空間で、映画そのものがふわふわ宙に浮いている感じ。 具体性がなく、抽象的すぎます。 鑑賞中、地に足がつかない気持ち悪さが、ずっと『未来世紀ブラジル』を連想させていました。 個人的には『ナシ』な作品です。[DVD(字幕)] 5点(2016-07-18 14:13:40)《改行有》 1173. PLANET OF THE APES/猿の惑星 《ネタバレ》 オリジナルとは切り離して見るつもりだったのですが、いつの間にか比べちゃいますね。 『現地の人が普通にしゃべっている。』『ここは地球ではないのか。』などなど。 それにしても、主人公や猿、現地の人、誰も彼もが一歩引いた演技に見えるのは気のせいでしょうか。 何となく舞台劇っぽく見えてしまいます。 そしてフィールドに広がりを感じなかったのも、やや物足りないです。 現実世界が映画の舞台であれば、映像には映らない世界の広がりや奥行きを、私達は自然と認識できます。 ですが、SFではそうはいきません。目に見える世界以外のことは、意識してはじめて、想像することができます。 SFって、どうしても世界がこじんまりと感じがちです。 そう考えると、舞台がオールフィクションでありながら、あの世界の広がりを感じられる『スター・ウォーズ』シリーズは、確かにSFにおける傑作かもしれません。 ストーリーに関しては、はっきり言って中途半端な印象です。 脱出劇なのか。アクションなのか。 脱出劇にしては緊張感に欠け、アクションにしてはカタルシスに欠けます。 『主人公達の脱出を手伝うアリ。』『セード将軍を裏切る部下ゴリラ。』 その動機に説得力はありません。整合性もありません。 ビジュアルだけが凄く良かったですね。 ストーリー3、ビジュアル9、間をとって6点といったところでしょうか。 正直ラスト、さっぱりわかりませんでした。 あるサイトで、かなり説得力のある意見を目にしましたが、この映画を見ただけでそこまで理解するのは、普通の人には無理でしょう。 『猿の惑星』シリーズとのファーストコンタクトがこの作品であれば、一本の映画としてはまあまあ面白いと思われます。 B級の域は出ないと思いますが。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-07-16 14:11:12)《改行有》 1174. エイプリルの七面鳥 《ネタバレ》 この作品からは、優しさが感じられます。 それも、押し付けがましい優しさではありません。 演出された優しさではなく、自然体から滲み出るような優しさ。 鑑賞中、まるで小説を読んでいるときのような、人物の心の機微を感じられる良さがあります。 とは言え、映画として、これって面白いのでしょうか。 よくある話をドラマ仕立てにしただけで、映画として見応えのあるものになっているとは思えません。 七面鳥を持って行ったり来たり。もっとコメディタッチであれば笑えるのですけど、変にリアルな作風であるため、こんなに誰もオーブンを貸してくれないものかと、不自然さを先に感じてしまいます。 それに、そんなに家族との再会を大切にしているのであれば、『事前にもっと準備しておけよ。』とも思うのです。 家族が様々なトラブルに見舞われて、来るのが遅くなったのはただの偶然。 実際は、七面鳥を持ってうろうろしていた時に来た可能性だってあります。 段取りの悪さ、見通しの甘さに、若干イライラしたせいで、ストーリーに入り込めません。 『人生をきちんと生きている自分を、家族に、母に見てもらう。そして母ともう一度やり直す。』 素材はすごく良いのに、うまく調理しきれなかった感じです。 まさにこの映画に出てくる料理のようです。[DVD(字幕)] 5点(2016-07-10 23:16:23)《改行有》 1175. 大いなる休暇 《ネタバレ》 まるで御伽噺のようなプロローグとエピローグの構成が良いですね。 ストーリー自体はいたって普通。 前半は自己中心的な人ばかりでイライラすることもあります。 その後、しだいに一つの目標に向かって、みんなの気持ちがまとまっていく様子が微笑ましい。 コメディ演出が私好みです。 『レストランから教会への大移動で村人の人数を倍に見せる作戦』は、べたすぎて面白い。 『なんちゃってクリケット。』『つり(やらせ)』『もう一人の医者(仕込み)』、などなど、自分好みの演出が盛り沢山。 それに加え、クリストファー医師のリアクションが、素直すぎて、おかしさに拍車をかけます。クリケットへの食いつき方が最高。 もしこの作品が、コメディオンリーで『馬鹿騒ぎして終わり』であれば、ここまでの好評価を受けることは無かったでしょう。 コメディテイストのなかで、時折はさまれるシリアスなドラマパートの味わいが、何とも言えず良いんですよね。 『生活保護を受け取る気持ちがわかるか。お金を受け取る代わりに、誇りを失うんだぞ。』は名ゼリフ。 働けるのに、生活保護を受け取って、そのお金でパチンコに行っちゃうような、誇りを失った日本人の恥さらしに聞かせてやりたいです。 ドラッグ、盗聴、亡くなった人の分まで不正受給。必然性の低い違法行為が多いので、高い評価は出せませんが、映画としては面白い。 鑑賞後の満足感は絶品です。 あ、この作品、字幕がかなり端折られてます。この作品に限っては、吹替えのほうが断然オススメです。[DVD(吹替)] 7点(2016-07-06 13:17:13)(良:1票) 《改行有》 1176. 僕のスウィング 《ネタバレ》 まるで教科書。いや、夏休みの日記。 エンターテイメントのかけらもない。 こーゆー特殊な教養、感性を要求してくる間口の狭い映画は、本当に苦手。 ってゆーか、『スウィング』って人の名前かよ。騙された。 平均点よ、下がれ。[DVD(字幕)] 1点(2016-07-04 02:14:41)《改行有》 1177. AIKI/アイキ 《ネタバレ》 脊椎損傷により、下半身麻痺になった青年が、合気道を通して人生を再スタートするサクセスストーリー。 人生の途中で、突然下半身麻痺になるのがどういうことか。それを延々と描写する前半。それは、排泄、性機能障害にまで話が及びます。 このディテールへのこだわりにより、この作品は一般的な青春スポーツドラマと一線を画しています。 突然の事故、怪我。それにより変化するのは、肉体的なことだけではありません。人間関係、社会的立場、そのすべてが劇的な変化を遂げます。彼女、友人、家族。その関係性の変化が生生しくリアルです。 主人公芦原の人間関係は一度リセットされます。もはや以前と同じように、周りの人と触れ合うことができません。 その一方で、車椅子になってから知り合った人々とは、自然体で触れ合うことができる芦原。 それは、以前の自分を知らない人たちだから、なのかもしれません。新しく出会う人々が自分を見るその目は、障害者を見る目ではあっても、芦原個人に対する憐憫の眼差しではないのでしょう。 ベッドに置かれたビールを、取ろうとして取れない。排泄をするのに、一回一回ゴム手袋を使わなければならない。それはもう想像を絶する世界です。 そこからの後半。雰囲気が急に変わります。 合気道を通して、人生が再び動き始めます。 この作品での『AIKI』には二つの意味があるのですね。『武道としてのAIKI』と、『人生をもう一度受け入れるという意味のAIKI』。 芦原太一がAIKIを通じてもう一度人生を受け入れるその過程に、素直に感動します。 前半のぐちゃぐちゃだった部屋。ラストの綺麗に片付けられた部屋。まるで芦原の人生に対する心の在り方の変化を表しているようで、ぐっときます。 ただ、個人的に非常に苦手なともさかりえ。彼女の投入により、やたらファンタジックでフィクションの雰囲気が漂ってしまったのが一番のマイナス。彼女の演技、声、表情、そのどれもがわざとらしくて苦手です。この作品には出て欲しくなかった。 また、最後の他流派との異種格闘技戦。エンターテイメントとしては致し方ないのでしょうが、これのせいで随分と安っぽくなってしまったのは残念。 ですがそのおかげで、すがすがしい気持ちで見終わることができたのも、また事実です。 最後に加藤晴彦、あなたは素晴らしい。 [DVD(邦画)] 9点(2016-07-02 15:09:13)《改行有》 1178. ハンニバル・ライジング 《ネタバレ》 『妹を食いやがったな。妹との約束だ。おまえらも食ってやるぜ』なるほど。理にかなっています。 ある出来事がトラウマになっている場合、そのトラウマの元凶に自分がなることで、トラウマを克服するというケースがあります。 原作は知りませんが、映画を見た限りでは、レクター博士はそれに近いのではないでしょうか。 ある凶悪犯のルーツを辿るサスペンスドラマとしては十分に面白い。 ですが、ハンニバルシリーズとして見ると、期待値の高さに相応しい傑作、とは言い難いものがありますね。 グレアム、クラリスの両名は、レクター博士の異常性を、相対的に強調するような存在だった気がします。 この作品の『妹』、そして『レディ・ムラサキ』。この両名は、『人間ハンニバル』の輪郭を、私達に見せてくれているような気がします。だとすると、レクター博士の熱心なファンに受けが悪いのもうなずけますね。 更には、『妹の復讐』という動機の部分を明確にしてしまったことで、ますます彼の神秘性は失われてしまいます。 そして、鎧、刀、原爆といった日本的マストアイテムの登場。これは良くなかったかもしれません。生粋の日本人である私達にとって、『チープな作り物』というイメージを意識させてしまいます。 そんななか、レクター博士を演じたギャスパー・ウリエル。彼は良いですね。この作品の掘り出し物的人材じゃないでしょうか。レクター博士の狂気を、予想以上に表現してくれていたと思います。 悪党達を、凶悪な暴力でねじ伏せる、悪の華。その美しさは、この作品でも十分に堪能することができました。 中盤以降のサスペンスアクションな展開には、十分満足しています。 ただ、ちょっと長いですね。 このシリーズはどれも尺が長めなのですが、基本的には必然性のある長さで、鑑賞中にその長さを感じません。 ですが、この作品は、その長さを感じてしまいます。間延びしている部分があるのでしょう。そしてその長さに必然性も感じません。 駆け足気味だとドラマに深みや重みがなくなります。 今作が、その性質からストーリーの深みを大切にするのはわかります。 ですが、あまりにもったいぶって冗長になると、間延びして緊張感がそがれます。 なかなかバランスが難しいですね。[DVD(字幕)] 7点(2016-07-01 13:35:33)(良:1票) 《改行有》 1179. DENGEKI/電撃 《ネタバレ》 タイトルからしてB級。 そして、スティーブン・セガール。 これは頭をからっぽにして見る映画ですね。と、思って、本当に頭をからっぽにして見ると、わけがわからなくなります。 なにしろ登場人物が多い。 また、伏線なのか、単発なのか、よくわからないエピソードも多い。 実は黒幕。実は裏切り者。実は味方。っていうパターンも多い。 終わってみれば、勢力図が結構すごいことに。なんせ、最初敵だった人たちと、味方だった人たち、ほとんど入れ替わっています。 と、ゆーわけで、ストーリーを理解したい方は、『セガール』という偏見にとらわれず、ちゃんと見たほうが良いかもです。 ただし。ストーリーへの理解が、面白さにつながるとは限りません。 この作品、ストーリーがわかったとしても、結局はセガール様のストリートファイトが一番、もう圧倒的に面白いわけです。言うなれば、それ以外はすべておまけみたいなもんです。 しかも今回は、敵もアクションできるやつが多いんですね。わりかし良い勝負の連続です。ですがセガール様の強さ、カリスマが損なわれることはありません。とても満足です。殴り合いアクションに関しては、見ていて飽きることはありませんでした。 その一方で、カーアクションやガンアクションは、悪くないのに、イマイチ盛り上がりに欠けます。 ストーリーとアクションがうまいこと混ざってない気がしますね。 それに、駆け引き、違法捜査なんかの知能戦で中盤ぐいぐい押していたのに、結局ラストはいつもどおりの大喧嘩で、逆に爽快感に欠けてしまったかもしれません。 要は、雑なくせに、欲張りさんで、ラフファイトを除くすべての要素が中途半端に仕上がってしまったということでしょうか。 うーん。惜しいなあ。[DVD(字幕)] 6点(2016-06-29 05:44:04)《改行有》 1180. ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT 《ネタバレ》 テイストは1作目に近いかも。 とにかくストーリー、そして主人公を含めたメインのキャラクター、そのどちらにも魅力がまるでありません。 ですから、どんなに美しいドリフト走行を見せられても、高揚感を感じるには至りません。 やはり、エンタメ作品であっても、ストーリーとキャラクターは大切ですね。 そもそも、ハンが組のアガリをピンはねしたうえに、コトがばれると開き直り。そんでDKに追い掛け回されて、最後はクラッシュして炎上。自業自得じゃないでしょうか。 にもかかわらず、主人公のショーン、DKに殴りかかります。そして『レースで勝負だ。負けたほうが街を出て行く。』って。いやいや。お前に正義の心はないのか。DKのほうが筋が通っているでしょう。これは『主人公』という権力を振りかざした悪質な『職権乱用』ですね。 はっきり言って、こんなに共感できない主人公は、はじめてです。 周りがみんな主人公の味方なのも、???です。 しかしこの作品を見て、『ドリフト』って日本ならではのお家芸なのかなって、思いました。道が狭く、山道が多く、アメリカに比べるとカーブが多そうな日本。ドリフトで円を描く技術とか、立体駐車場上っていく映像とか、美しすぎます。 これでストーリーとキャラクターに魅力があれば、傑作になったのに。 日本の高校に入学したりとか、その辺の発想、舞台設定は非常に面白いです。ただ日本の高校って、こんなんでしたっけ?それに、この舞台設定が果たして効果的に機能しているのでしょうか。 日本という舞台が、本当にただの『舞台』にすぎないとしたら、もったいないですね。 いろいろ文句つけましたが、こんな作品でも、北川景子がヒロインやっていたら高得点つけたかもしんないです。 一番筋が通っていないのは自分ですね。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-06-28 08:01:07)《改行有》
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