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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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101.  ラストマン・スタンディング 今のところ0点を付けておられる方と9点を付けておられる方がいらっしゃらないようですので、どちらにしようか迷ったのですが、9点にします。というのは勿論ウソですが、実際、評価が分かれやすい映画かとは思います。私も初めて見た際はそれなりに戸惑いを感じましたが、それはおそらく「『用心棒』をリメイクする以上は、どうかヘンな作品になってませんように!」とか妙なことを願いながら見ちゃったからで。いや、ヘンな映画、上等じゃないですか。どうアレンジしてくるか、という楽しさ。そもそも、仮に元映画をそのまんまリメイクで踏襲したらなば、それはリスペクトと言えるのか、それとも「作り直しの必要あり」という挑戦的なメッセージなのか? ブルース・ウィリス演じる主人公、いまいち何がやりたいのかよくわからんのですが、その点に関しては元の『用心棒』だって、主人公の桑畑三十郎は飄々とするばかりでつかみどころのない存在。こういう謎めいたところがリメイク作としての可能性にも幅を持たせているような気がします。元映画のいかにも乾ききった舞台、そして最後の決闘。いかにも西部劇っぽいから、いったんは西部劇にパクられて新たな世界を繰り広げた訳ですが、今度はこうやって、ハードボイルドの側面を先鋭化させたギャング映画の世界として生まれ変わる。 映画全体がくすんだ色合いで描かれていて、いかにも非現実の世界を感じさせます。三文小説の世界、といってもいいかもしれませんが、とにかく現実感を削ぎ落したハードボイルド。どの登場人物に対し好感が持てる訳でもなく、ある意味、不毛ともいえるようなやりとりが続いていく。この一歩突き放したような「どうでも良さ」加減、初見時こそ戸惑いを感じたものの、今では本作の魅力だと思ってます。ジワジワと引きこんでいく感じ。 そこに、80年代のウォルター・ヒルの、「バイオレンス監督」という誤ったイメージ(?)の残り香みたいなものも感じさせる派手な銃撃戦が織り込まれていて、ブルース・ウィリスが二丁拳銃をぶっ放しまくれば、撃たれた敵はあり得ないくらい後方にぶっ飛んでいく。実際には銃弾で人間がぶっ飛んだりはしませんからね~。しかしこの、ケレン味が嬉しい。 成功作かと言われると、なかなかハイとは言いづらいのですが、独特の魅力が詰まったユニークな作品であることは間違いないと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-07-02 08:26:41)(良:1票) 《改行有》

102.  日本侠客伝 絶縁状 古風なタイトルですが、意外にこれが、現代劇。頂上作戦の頃でしょうかね。 主演はもちろん高倉健ですが、出演者クレジットのトメが藤山寛美。まあ、要するに、アレです、寛美さんが松竹新喜劇をクビになった不遇の時代・・・いや、復帰後にあたるのかな? 小島慶四郎も参戦して、東映でミニ新喜劇を繰り広げてます。 冒頭、主人公が刑務所で親分に面会する会話シーンからいきなり、マキノ監督らしいというか、カットを割りまくってますが、寛美さんの屋台前でのやりとりのシーンなどでもカットを割りまくると、ちょっとギクシャクしてくる。寛美さんが箸を持ったまましゃべってるのですが、カットが切り替わると明らかに箸の持ち方が変わってたりして、やっぱり映画俳優の方がこういうのは慣れてるのかな、とか。 内容が近代的になると、悪役も人相の悪い極悪オヤジではなく、いかにもクールで狡猾なイメージとなり、やっぱりここは渡辺文雄の出番です。このズル賢さを連想ゲームでも活かせていたら・・・。 いかにも好漢の主人公に、陰湿な悪役、一方ではユーモアも振りまいて、悪くない陣営だと思うのですが、今ひとつノレないというのが正直なところ。寛美さんはどうしても映画では浮いてしまうし、いくら健さんが好漢とは言え、正業を始めるやいきなり好調らしいのも、ちょっと安直に感じたり。 ラストの殴り込みまで、一通りは楽しめるものの、変化球的な作品の割に、全体的な印象としてはやや薄いように思います。[インターネット(邦画)] 6点(2023-06-24 09:20:24)《改行有》

103.  花嫁の父 《ネタバレ》 娘を嫁に送り出す父の姿。と言っても小津作品とは違い、ややコミカルにデフォルメされて描かれてますが、さだまさしの「親父の一番長い日」ほど極端ではありません。 ところどころでクスリと失笑まじりの笑いを引きおこす親父の姿、しかしあの悪夢にうなされる場面なんてのは、笑えるシーンではあるのですが、なかなかの恐怖も味わわせてくれます。かなり、コワいです。 やがて結婚式となり、人々が集まってきて、群衆シーンと言う程では無いにしても、画面に動きが出てくる。で、式が終わってみんないなくなり、しみじみ。 ってのは、いつの時代もどこの国でも、同じなんですねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-24 06:43:31)《改行有》

104.  ウィリーズ・ワンダーランド こういう「何となく面白そうだけど、見たら期待外れに違いない」と思わせる映画には、どういう訳か大抵、ニコラス・ケイジが出演している。とまで言うのは言い過ぎですが、体感的にはそんな感じがあって。 「ニコラスケイジ映画にハズレ無し」と言い切る信念も無ければ義理もなくなった昨今ですが、彼が製作者としても名を連ねたこの作品は、一味違います。面白い! ほらやっぱり「ハズレ無し」だったね、と、何度騙されてもそう思わされてしまう、それがニコラスケイジ映画。 無口で小汚いオッサン役のニコラス・ケイジが、ひょんなことから、閉鎖された娯楽施設の宿直&清掃を任される。で、そこに展示されている機械仕掛けのゆるキャラどもが、なぜか襲い掛かってくる、というオハナシ。なぜ襲い掛かってくるのかもよくわからんし(これは一応、途中で理由が明かされるけれど、正直、どうでもよい内容)、さらにはなぜこのオッサンがこんなに強いのかもよくわからん(これは本当によくわからん)、そのよくわからなさが、間違いなくこの作品のスピード感に貢献しています。まずもって、この勢いが、いい。 展示されているキャラどもが部屋の奥に佇んでいて、動いているような動いていないような、いつ動き出すかわからんような、そういう不気味さを出しているのも、いい感じ。こいつら、主に動物のキャラなので、とにかくキャラ立ちしており、いざ動いて襲ってくるとそれぞれが個性的。これも素晴らしい。襲う側・襲われる側、斃す側・斃される側、どっちも応援したくなっちゃいます。 その中で、妙に強く、妙に律儀な主人公。この人が一番、規格外。 強いばかりでなく、汚れ切った施設をしっかり清掃する彼。映画の舞台となる施設が、彼の手によって掃き清められ、その光景は映画を通じて徐々に変化していく。こういう「変化」がまた、映画の魅力。ゆるキャラどもが斃されると何だか汚い油のようなものをまき散らすのだけど、それも含めてジャンジャン清掃し片づけていくこの主人公、まさに最強です。 満足度が高い作品で、すでに高評価のようですが、まだ現時点ではどなたも9点をつけておられないようなので、不肖、私めが、9点を。[インターネット(字幕)] 9点(2023-06-18 06:46:17)(良:1票) 《改行有》

105.  ザッツ・エンタテインメント 往年のMGMミュージカルの「さわり」ばかりを集めた超お楽しみ企画。そりゃ、楽しいワケです。でも何となく、こんな風に見どころばかり抜粋して楽しむ、ということに罪悪感みたいなものを感じる部分もあったりして。いわゆるファスト映画的な考え方のハシリのような。 殺人シーンばかりを集めてもホラー映画の面白さはわからないし、エロシーンばかり集めてもポルノ映画の何たるかはわからない。ミュージカルもしかり、と言いたいところだけど、このジャンルが一番、微妙かもしれない(笑)。ドラマとミュージカル部分との、一見、ちぐはぐな関係。それを、ホントに切り離してしまって、ミュージカルシーンだけを楽しんでしまう、ある種の「身も蓋も無さ」加減。それとも単純に、壮大な予告編を楽しんだと思えばいいんだろうか。 せめて、ミュージカル映画の引用以外の部分で見どころがあればいいのですが、そして実際、あのミュージカルスターの今、撮影所の今、が紹介される楽しみもあるっちゃあ、あるのですが、今ひとつ、演出に工夫が欲しい気も。スターが順番に互いを語りあう、という構成はそれなりに楽しめるのだけど。 今でこそ、レンタルビデオからさらに動画配信の時代となって、古い映画を見る機会にもだんだん恵まれるようになってきているけれど、こういう名シーン集を「新作映画」として出してくれることが旧作に触れる貴重な機会だった時代の作品、と思えば、これもまた映画史の中の一コマと呼ぶべき作品なのかも知れませぬ。[インターネット(字幕)] 7点(2023-06-17 04:05:07)(良:1票) 《改行有》

106.  カナディアン・エクスプレス 《ネタバレ》 これも初めて見たのはいつだったか、「列車モノにハズレなし」「ハイアムズ作品だから悪くないでしょ」などという妙な期待を持ちながら見て、それなりに裏切られたという思いはあったのですが、それから幾年。ふと、「今なら楽しめる」ような気がして、随分久しぶりに見ました。うん、やっぱりこれ、面白いではないですか。多少、地味ですけどね。それもまた良し。 列車モノとはいっても、暴走するワケではないんで、あまり派手なシーンを期待してはいけません。しかし、空撮シーンはやっぱり、いいですねー。なかなかにとんでもない大自然の中を走る列車、青春18きっぷでも持ってこういう路線に乗ってみたいとか思うのですが、その密閉空間を舞台にしたサスペンス。刺客はどこにいるのか、そもそも誰が刺客で、誰が刺客でないのか。ある程度セコくもワクワクする駆け引きの果てに、最後はお約束のごとく、列車の屋根での攻防戦。周りは嬉しくなるような大自然、それを空からカメラが捉える。 やたら飄々としたジーン・ハックマンが、本当にこの役にピタリとはまっているかというと、ちと怪しいけれど、そこに映画の意外な魅力が生まれているのもまた事実。[インターネット(字幕)] 8点(2023-06-17 02:51:35)《改行有》

107.  たくましき男たち 邦題は「たくましき男たち」となってますが、見るからに一番たくましそうなのは、ヒロインのジェーン・ラッセルではないか、と。 彼女と、クラーク・ゲーブルと、ロバート・ライアンとの三角関係。と言えなくもないけれど、マトモに三角形をなしていないのが、ミソ。むしろ凸凹トリオといったところ。 彼女が靴下を脱ぐ場面とか、水浴びする場面とかが再三登場して、一種のお色気シーンなのですが、どうも迫力ばかりを感じて色気を感じず、そこがかえってヘンタイ的な色気になってる気がしてしまうのは、私の見方が悪いのでしょうか? 水浴中にイタズラで桶の水にカエルを入れられ、まさに絶対絶命。というような場面でこそ、「登場人物の中で本当に一番強いのは誰か」ということがはっきりします。 それはともかく、物語の軸となるのは、数千頭の牛の大群を引き連れての大移動。これだけの牛を並べ、歩かせては撮影の連続で、さぞかし大変だったんじゃないかと思うんですが、クライマックスではこの群れが洪水のごとき大暴走となって、もはやほとんどディザスター映画のノリです。 ラストもシャレてて、いいじゃないですか。やっぱり皆それぞれに、たくましいんです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-11 12:21:26)《改行有》

108.  新・網走番外地 流人岬の血斗 冒頭に由利徹の前口上みたいなのがあって、健さんが素で笑ってるっぽく、なんだか楽しそう。と思いきやそのまま物語に突入し、決して楽しくはないここは塀の中。 今回のタイトルは「流人岬の血斗」で、どんなとんでもない場所かと思ったらこれが、看板に偽り大いにあり。網走から健さんが移送された先の刑務所は、囚人たちを信用して開放的な環境で更生を図ろうという、ヒューマニズム溢れる環境。それを支えるヒューマニズム親父が、志村喬。いい人、かつ信念の人。要するにちょっと面倒くさい人(?)。 で、監督が、降旗康男。と聞けば、映画がこういう路線になっているのも何となく、納得。火災をきっかけに知り合った母子との交流が描かれたりして。 舞台は海辺、とくれば、夕日を取り入れたシーンが印象的だったり。 そういう抒情性だけではなく、アクションも気合いが入っていて、トラックが横転炎上、なんていうシーンはちょっとしたスペクタクル。クライマックスのキャバレーへの殴り込みでは、階段も使った立体的なアクション。 正直、中盤やや妙な展開に感じる部分もあるのですが、見どころは多い作品です。[インターネット(邦画)] 6点(2023-06-10 08:58:02)《改行有》

109.  巨人の星(1969) テレビアニメを編集したダイジェスト版ですが、これだけでもう充分、お腹いっぱい。正直、胸ヤケがするほど。さすがは巨人の星。こうでなくては。こういうのを息子に見せて反応を確認したがるのが、昭和世代の悪いクセ、とわかっちゃあいるのだけど。ああ、やっぱり胸ヤケしてるみたいだなあ、と。 昔のアニメによくある事とは言え、セリフの途中で音声が消される箇所が多々あり、これだけ途切れまくると、ほとんどギャグです。これがまた、カルト色を高めることに。 テレビ版の再編集はいいんですけど、場面の繋がりがやたらと悪く、気を削がれます。一方で、色々な場面がカットされたからかどうなのか、意外に一徹さんがマトモな人に見えてくる。もっと理不尽な人の印象があったんだけどなあ。とは言え、もはやテレビ版を再確認しようという気力も体力も無く。すみません。むしろ飛雄馬の小人物ぶりばかりが目立つような気がするのですが、これも編集のマジックなのか、もともとこうなのか。 あと、こうして改めて見てみると、野球をプレーする体の動きのアニメ表現が、ダイナミックではあるのですが、根本的にどこかおかしくって、こういう部分では侍ジャイアンツはよく出来てたなあ、と。 そんなこんなも含めて、懐かしくも貴重な記録です。続きを見るかって? 考え中・・・[インターネット(邦画)] 5点(2023-06-10 07:17:56)《改行有》

110.  ワイルド・スピード/ファイヤーブースト こう言っては身も蓋もないのだけれど、さすがに登場人物多すぎるんじゃないでしょうか。いよいよシリーズのクライマックスに向かっていく、ということでこういう構成なんでしょうが・・・。 いや別に登場人物が多いとダメだと言うつもりは無くって、新たな登場人物が登場するたびに物語が膨らんでいく、というのなら大歓迎ですけどね。しかし、すでにこれまでの作品で登場済みの人物をひたすら並べまくるだけでは、物語の広がりに貢献しない。悪役側をもうちょっと充実させられなかったもんなんですかねえ。あの小汚いオッサン一人では、冴えないことこの上ない。見るからに、これでは優秀な部下に恵まれないのも致し方なし、という気もしますけど。 と言う訳で、ワイスピメンバーがワンサカ登場して、複数の物語が並行して描かれる、帝国の逆襲方式。しかし、それぞれのエピソードが大して絡み合うこともなく、はたまた年齢が目立つ登場人物たちに当然ながら「成長物語」みたいなオプションが期待できる訳もなく、どうも起伏に乏しい。 アクションにCGの採用が目立ってきたのはさすがに、シリーズを追うごとに過激化するカーアクションの物理的な限界、ということなんでしょうか。良くも悪くも、ファンタジー色が強くなってきた印象。いやもちろん、実車でもガンガンやってますけれど、多少の既視感は否めません(既視感はあってもこちらの方が好きですけど)。 と、いろいろ文句言ってるんですけど、何を心配したかって、これ、評判悪くってこの状態で続編企画がボツになっちゃったらどうするんだろう、ってなことで。実際は評判悪くなさそうだし、大丈夫ですよね???? 頑張って完結させて欲しい。 監督がルイ・レテリエでよいのかは、再考の余地あり。いやもう遅いのかな。[映画館(字幕)] 5点(2023-06-03 04:40:16)《改行有》

111.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 これは、「アラン・スミシー監督」の実質的なデビュー作、と言っていいんですかね。ダメか。 リチャード・ウィドマーク演じる主人公の保安官が、とにかく周りから嫌われまくってて、もうほとんど笑っちゃうくらいに嫌われてるんですが、なにせこんな怖い顔だから、それも仕方がないのです。また、多少の誤解もあるとは言え、もちろん本人も悪い。やたら短気だし。顔は怖いし。 という嫌われ者なもんで、映画が始まって間もなく、襲撃を受けてしまう。この夜の馬小屋の場面、二階の暗闇から襲撃者の声だけが聞こえてくる不気味さが印象的です。 はたまた、若造の襲撃に始まりクライマックスへと繋がっていく終盤の一連の流れ。ドア越しの銃撃がバイオレンスを感じさせ、さらにクライマックスの追跡などは、ダーティ・ハリーの執念なども思い起こさせます。ダーティ・ハリーと本作との間に何か関係があるのかどうかはさておき。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-28 08:37:33)《改行有》

112.  誇り高き男 ベテラン保安官と若者との組み合わせ。鉄板ネタという感じですが、中でも、二人が射撃の練習をするシーンにおける不穏な空気、緊張感は、出色と言っていいでしょう。何かが起こりそうな、何も起こって欲しくないような、いや何か起こらなきゃツマランだろ・・・。 作品自体は多少、スロースタートなところがあり、序盤はもう一つノレないのですが、ジワジワと盛り上がってくる。主人公がしばしば視覚に異常を感じるあたりの展開もちょっとユニーク。主演のロバート・ライアンはそんな歳でもないと思うんですが、単なる老眼じゃないの、と思えてしまったりはするのですが(いやこれ、人間、歳食ったら、びっくりするほど見えなくなるもんなんですよ!)。 主人公のイマイチ煮え切らないところも、若造の単細胞ぶりも、クライマックスに向けて盛り上げるため。いっそ『狂った野獣』の渡瀬恒彦なみに視覚がメチャクチャになったらさらに盛り上がったりして? いえいえ、品があるのが、こちらの作品の良さですから。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-07 08:26:21)《改行有》

113.  燃える平原児 《ネタバレ》 エルヴィス・プレスリーが、白人を父、先住民を母に持つ主人公を演じた西部劇。これを見ても、何ゆえエルヴィス・プレスリーがあんなに大スターとしてもてはやされていたのやら、さっぱりわかりませんが、それは必ずしも悪い意味ではなく、あくまでこの大作とは言えない西部劇の出演者の一人として、複雑な境遇の青年の役を好演しています。一応はファンサービスなのか、歌声も披露しており、言われてみれば、スターらしい色気が無くも無いような気もしてきますが、おそらく気のせいでしょう。ということで。 この作品、何ともまあ、救いのないオハナシでして。主人公一家の周りでは、白人と先住民たちが、ひたすら対立しまくっていて、襲撃シーンなどもなかなか容赦のない描写。この一家はその家族構成ゆえ、できればこの対立に巻き込まれたくない。だけどそれを周りが許す訳もなく。そして周りが許さなければ、この一家を軸とした新たな対立の種が生まれてしまうことに。 最後まで何も解決することはなく、ラストシーンの別れが対立の終着点として描かれるこの悲劇、それをアクションを交えつつテンポよく描いていく手際の良さ。スターが主演だろうと何だろうと、B級西部劇の香りがいたします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-07 07:45:13)《改行有》

114.  メトロポリス(2001) 《ネタバレ》 終盤のカタストロフィ、結局は物語をここに持っていくのであれば、何もこんな込み入ったオハナシにしなくても、と思わなくもないけれど、一方では、収斂する物語の快感、というのもある訳で、やっぱり引きこまれてしまいます。 もちろん引き込まれる理由というのは、中盤に盛り込まれた雑多なエピソード(例えばロボットたちと人間との関係)がクライマックスに向けて収斂していく過程、にもあるとは言え、やはり最大はこの、緻密を極めたアニメーション、その細部へのこだわり。CGもかなり使われているけれど、CG部分に負けないだけの驚くべきアニメ表現がこれでもかと詰め込まれていて、CG部分が浮いて見えちゃうようなことは全くありません。 ケンイチくんは昭和感丸出しのキャラで、こんなクリクリ目玉の少年はもはや、ビッグボーイの看板くらいでしかお目にかかりません。ティマちゃんは、普通の美少女キャラとは一線を画したようなところがありますが、イヤミなほど足がスラリとしてます。ケンイチくんの昭和な足とは全く違う。しかし一部の作画では、さすがに足が長すぎる気もしましたが、どうでしょうか。 それはともかく。終盤、「私は誰?」と問うていたティマに対し、残酷な答えが突きつけられ、内側がむき出しとなっていく彼女の要望にもそれが表れるのですが、結局彼女はその問いを最後まで抱いたまま、彼女を救おうとするケンイチの手を離れ、墜落していく。自分は誰なのか、という問いへの答えが得られることは決してないのですが、その問いを抱えている者こそが、すなわち人間なのではないか、と。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-05-06 08:44:39)《改行有》

115.  テンダー・マーシー ロバート・デュヴァルがすっかりグダグダになってしまったカントリー歌手の役、ということで作中で歌声を披露しており、これが実にお見事なんですが、ラストのクレジットを見ると、彼自身が作った歌なんだそうで。いやはや、能ある鷹は爪を隠す。 カントリーソングってのは、日本でいうところの演歌みたいなもんなんですかねえ。しかし舞台を日本に置き換え、カントリーソングを演歌に置き換えたのでは、この物語は成立しないような気もします。演歌だともっと未練タラタラの内容の方が似合いそう。アメリカが舞台だと、離婚も再婚も当たり前。一見、わりとサバサバしているんだけど、やっぱりどこかで過去を引きずっている。引きずっているんだけど、流されていくしかない。忘却したくてもできない過去。未来なんて所詮、諦めの先にしか無いのよ。 元妻がステージで歌うシーンでは、映画の尺を割いてこれまた見事な歌声をしっかりと聴かせ、夢も希望もあった過去を思い起こさせもするけれど、歌が終わればそこには、過去には戻る事のできない現実がある。数少ない過去との繋がりは、古い友人であったり、娘であったり。でも娘との間にはやはり、埋めようにも埋めきれない歳月というものがあって。 一方で主人公は、ある母子と知り合い、新しい生活を始めようともしている。何でしょうねえ、この、「流されてます感」みたいなもの。我々もまた、流されながら、この映画の終わりとともにアメリカの片田舎の景色の中に消え去っていく彼らと別れを告げる・・・。[インターネット(字幕)] 9点(2023-05-06 06:42:54)《改行有》

116.  新・網走番外地 吹雪のはぐれ狼 《ネタバレ》 網走番外地シリーズの懐の深さというか、デタラメさがよく表れた一本です。もはや完全にコメディ路線。だけどラストだけは突然、任侠指数がまさに指数関数的にハネ上がる、という謎の構成。よくもまあ、こんな企画が通ったもんです。網走番外地だからこそギリギリ可能なのであって、昭和残侠伝ではこんなこと、できません。 冒頭、刑務所内でイザコザがあり、あわや命を奪われそうになった健さん、それをすんでのところ岡田真澄神父が救う。というところまではいいのだけど、晴れて出所した健さん、何をどうトチ狂ったか、この神父こそ我が親分、と言う訳で親子の盃を交わし、教会での神のしもべとしての生活を始めることに。 この勘違いぶりだけでも充分、寅さん級の暴走なんですが、さらに教会のシスターに一目ぼれしてしまうに至っては、いやこれも寅さん路線ですけれども、後の東映で言えば、いかにも菅原文太向けの役どころ。それを健さんが演ってる、というのが、見てて可笑しくもあり、気恥ずかしくもあり。 シリーズの持つ暴力指向みたいなものは、この作品では比較的健全な路線に置き換えられ、ボクシングを通じて表現されます。教会に対し敵対するグループも登場しますが、教会の運営するボクシングジムの若者(谷隼人)に目をつけたり、彼に八百長を強要したり、まあ、そんなところです。 一体この作品のどこが「吹雪のはぐれ狼」なんだよ、という訳ですが、ここでの健さんは「迷える子羊」ではなく「迷える狼」、ではあるかもしれません。はぐれてはいない気もしますが・・・。そして「吹雪」。実際、いくつかのシーンではひどく吹雪いています。別に物語の上では、わざわざ吹雪の中で撮影する必要はなかったかもしれませんが、でもこういうシーンがあると雰囲気が出て、いいではないですか。 ここぞというシーンで長回しを用いているのも印象的。健さんと谷隼人がリングで向かい合うシーンでは3分近くを一気に見せ、それを見守る岡田真澄とのやり取りのカットを挿入した後、また長回し。 ボクシングのシーンで本格的なファイトを期待するのはさすがに無理がありますが、谷隼人の搾り上げられた肉体もあり、違和感の無い、迫真のシーンになっています。 終盤、いきなりとってつけたような悲劇が彼らを襲い、殴り込みを決意する健さんの姿をまた長回しで捉えた後、いよいよ敵の本拠地に乗り込むと、そこに待ち受けるのは若山富三郎。ひとりストーブにあたりながら餅を焼いてるその姿が、哀愁があって良いんですよねー。 こういう、作品のあちこちに突然現れる「良さ」が、また本作を珍作たらしめているような気もしますが。[インターネット(邦画)] 7点(2023-05-06 05:53:36)《改行有》

117.  星のない男 カーク・ダグラスの魅力。というか、チャラさ、ですね。チャラ男。 陽気に歌って見せたり、曲芸のごとき見事なガン捌きを見せたり。器用で調子よく、天真爛漫。こういうヒトは、合コンの席では一番目立つけど、最終的にはモテないタイプだと思う。いや、最近の合コンがどんな雰囲気かは知らないので適当な事を言ってますけども。髪型もバッチリ決まっていて、鋼鉄のごとくガチガチに髪を固めているかのように見えますが、頭を掻きむしると一応ボサボサにはなるんだなあ、と。 そんな彼にも一応は暗い過去、とまでは言わなくとも、体と心にかかえた古傷があるらしい。そんなとってつけたような弱みなんか、どうでもいいでしょ、と言いたくもなるのですが、これはこれで重要な物語のポイント。有刺鉄線に対する嫌悪感。 そんでもって、彼を取り巻く2つの勢力がそこにはあるのだけど、この両者、どっちもどっち、という感じ。管理経済をとる有刺鉄線派か、それとも自由経済を標榜しつつ傍若無人に牧草を食い荒らす反・有刺鉄線派か。主人公にしてみれば、前者の有刺鉄線は嫌いだし、後者の連中はさらにイケ好かないし、と言う訳で、勧善懲悪路線ではない、微妙な力学の上に物語が成り立っているのがユニークなところ。ラストは元祖(?)有刺鉄線デスマッチへ。 この作品、画面に「遠景」がダイナミックに取り込まれていて、広大な牧草地帯、牛の群れ、といった光景がまた、大きな見どころになっています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-03 10:24:20)《改行有》

118.  クワイエット・プレイス 静寂を守らないとモンスターに襲われる、という設定が、意欲的ではあります。手話を交えた会話は最小限に絞り、俳優たちの表情、そして静寂の不気味さで物語を描く。我々も自ずと、映画の中における「音」に敏感になり、そこに生まれる緊張感。 ってなところではあるのですが。 そうは言っても、やっぱり難しい設定ではあると思います。「音を立てちゃダメ」となると、やっぱり「にも関わらず音を立ててしまった」という禁則破りこそがサスペンスのスタートとなるところ。あるいは『ドント・ブリーズ』のように、「音を立てるのを待ち構える相手」というものを画面で見せつけるところをスタートとするか。しかるに、この『クワイエット・プレイス』では、音を立てたら即死、なもんで、基本的に「それでも音を立ててしまう」というサスペンス上の行為に対し、物語上の制約がかかってしまう。しかも、モンスターはどこからともなく急に襲い掛かってくるもんで、「だんだん迫ってくる」風のサスペンスにもなかなか繋がらず、これも制約として感じられてどうもまどろっこしい。もっとも、この点に関しては、無闇にモンスターの姿を画面に出さない、という別の魅力に繋がっているとも言えるし、映画後半は姿を露わにしたモンスターがジワジワ迫ってくるタイプの描写も取り入れられているけれども・・・。 実際に聴覚に障碍のある女性が娘役を演じている、というのがここではおそらく、いい方向に出ていて、普通に幅広くオーディションなんかしたら、こういう素朴で、しかし独特の雰囲気の娘役は生まれなかったんじゃなかろうか、と思えてきます。制約がうまく働く場合もあるのです、たぶん。 しかし、この主人公家族の、親子関係の描き方って、こんなもんでよかったんでしょうか? ちょっと踏み込みが足りない気もします。かつて起きたある事件により、関係がギクシャクしている(あるいは本人がそう思い込んでいる)、というのはもっと鮮明に描かれていてもよいと思うし、それでこそ、クライマックスで互いに離れ離れになった家族が何とか集まろうとする姿にも繋がってくると思うんですが。静寂というルールが家族関係の描写に対して制約になったのであれば残念ですが、それとて、工夫の余地はもう少しありそうな気が。 言葉より表情で描く。それは悪くないと思うけれど、それを補強するエピソードがもう少し欲しくなるし、それより何よりこれは恐怖映画なのだから(少なくとも、恐怖映画として面白くなりうる映画なのだから)、俳優の表情ばかりでなく、まずこの、不気味な森、と言うヤツを、画面上にしっかりと出して欲しかったなあ。[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-02 08:06:35)《改行有》

119.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 高倉健が主演で、アラカンの鬼寅さんも出てくるもんで、確かに一応はコレ、「網走番外地」には違いないんでしょうけれど、それにしてもまた随分極端な路線変更。今回はほとんど、スクールウォーズです。熱血健さんと、尖ったナイフのごとき、若き谷隊長(@たけし城)との、心の交流。 さすがにストーリー上、さいぶ無理があるなあ、と思いながら見るのもまたオツなものですが、それにしてもちょっと無理が。変に義兄弟になったりするもんだから、あーたぶん谷隊長、この後どっかで殺されるんだろうなーと誰しも思うのですが、こんなあっけなく殺されるとは。映画途中からやや影が薄くなってしまってたので、死んでもあまりインパクトが。 スクールウォーズ路線から、ハードボイルド風味を漂わせつつ、ラストはしっかり任侠路線になって、かなりノリノリにドスを振り回す健さん。無理はあるけれど、イロイロ楽しめたから、まあ、いいかな、と。[インターネット(邦画)] 6点(2023-04-16 17:04:41)《改行有》

120.  遠い太鼓 まるで、アフリカの奥地を探検して原住民と戦う、みたいなノリの映画ですが、舞台はアフリカではなくってフロリダ。秘境感はやや薄いけど、ワニはいるわ、毒蛇はいるわで、一応、冒険チックに盛り上げます。西部劇ならぬ、南部劇、といったところでしょうか。 映画前半、30~40分くらいでほぼ任務は完了。あとは帰るだけ、なんですが、そこに先住民やらワニワニやらが襲い掛かってくる。これがまあ、正直、さほど盛り上がらないんですけどね。ワニワニに襲われる場面の叫び声が、後にさまざまな作品に流用されて、この作品を有名にしているらしい、のですが、むしろこの場面におけるヒロインのおマヌケな叫び声の方にこそ、私は軍配を上げたいなあ。 作品全般にわたって、劇伴の音楽(マックス・スタイナー)が過剰に鳴り響き、これもあまり感心しないのですが、終盤の先住民との戦いで、劇伴が止み、先住民の太鼓の音だけが響いてくるのは、これは効果的でした。 あとは、水中撮影の活用なんかが、目を引きますかねえ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-16 16:31:18)《改行有》

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