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プロフィール
コメント数 1408
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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101.  アンストッパブル(2010) シンプルかつストレート直球勝負の単純明快なアクション作品。潔さが良いですね。純粋に楽しませてもらいました。 普通はもっと人間ドラマを交錯させて、「静」と「動」の繰り返しの中から感動を引き出そうとするんでしょうが、ここまで絞り込んだ描き方をされると雑念の入り込む間もなく物語世界に没頭できます。 出演者の技量は勿論のこと、監督の表現力と感性に脱帽。[DVD(字幕)] 8点(2011-10-31 01:37:58)(良:1票) 《改行有》

102.  ストーン 《ネタバレ》 豪華なキャスティングの割りには、非常に地味で淡々と進んでいく作品。テーマは重いですね。 2人の男の精神的な変化が劇的過ぎるような気もしますが、この一見対照的な2人が実はともに振り返りたくない過去を引き摺っていて、ルセッタという魔性の女によって思うままに操られてしまうというところを考えれば、意外に納得させられてしまいます。2人の男とも、実は弱く、頼るものなしには生きていけない人間なんですね。 そして、忘れてはいけないのはジャックの妻マデリン。2人の男と1人の女の物語のようでいて、ジャックの荒れた心を宥め慈しみながら、自らの心の崩壊を信仰心で押し留めて生きて来た彼女の人生の在り方も、この作品の大きな要素であることは間違いありません。 程度の差こそあるにせよ、誰の人生にも投影できるテーマ。佳作です。[DVD(字幕)] 8点(2011-10-23 02:04:04)(良:1票) 《改行有》

103.  特攻野郎Aチーム THE MOVIE これはTVシリーズの劇場版というよりも、アニメの実写版って感じ。「んなことあるわけね~だろ!」みたいなシーンが満載。実に気楽に楽しめる作品です。たまにはいいじゃないですか。徹底的に無茶苦茶なアクションを観たい向きには最高の1本![DVD(字幕)] 8点(2011-08-21 22:52:40)

104.  マチェーテ 《ネタバレ》 こりゃ面白い。手放しで楽しめる本格的B級バイオレンスアクション巨編ですね。 何から何までいい加減に作っていそうでいて、キッチリ押さえるべきところは押さえ、台詞で敷いた伏線(「修道院に送り込むぞ!」とか「アタシは簡単に殺されないよ!」とか)は行方知れずになることなくちゃんと収まるべきところに収まってる。この監督のイカレっぷりは半端じゃないですね。解ってイカレてる。計算ずくです。 出演者も皆イイ味出してます。ダニー・トレホのヒーローってだけでもウケルのに、老体に鞭打って重そうに走る走る、その姿に心配させられつつ、ちゃっかり美女の裸身を抱きしめたり、ジェシカやミッシェル(2人とも眩しいぐらいに魅力的)とのラブシーンがあったり、もう役者冥利に尽きるってのはこのことじゃないかって感じ。「マチェーテ、メールしない。」なんて、いきなり英語が下手になっちゃうところも受けた。 演技が上手いんだか何だか判らないセガール様は、メジャーになってから一度も殺られ役がないと思うんだけれど(「エグゼクティブ・デシジョン」では死ぬところは出てこないし、どっちにしても直接殺られてない。)、ついに負けたか!と思いきやマチェーテを生かし自ら切腹だもんね。この訳の解らない冷酷無比な極道ぶりがまた受けました。 上院議員からタクシードライバーに転じてしまうデ・ニーロさんは、「防弾チョッキ!」と叫んでいたとおりにチョッキに救われ、そのくせ密入国者の扮装をして逃げたばかりにあっさり自警団にトドメを刺されちゃう。 まぁ、例を挙げればキリがない。何回見てもその都度新たな発見を楽しめる超B級作品ですね。ただ、ストーリー部分がシリアス過ぎるので、もう少し弾けて欲しかったなという気持ちから8点献上です。 ちなみに、まさかの「続編」、ましてやの「続々編」は、今度こそ劇中劇ですよね?[DVD(字幕)] 8点(2011-05-22 02:06:54)(良:4票) 《改行有》

105.  パリより愛をこめて 《ネタバレ》 好き嫌いは分かれるかも知れないですけれど、私は好きです。大好きです。このハチャメチャぶりを今演じられるのはトラボルタしか居ない!屋根の上での追走シーンがボテボテ感満点であっても良い!もう、この人はこういうイメージで定着です。(少なくとも私の中ではね) よくよく考えりゃ、他国に乗り込んできてイキナリ1時間に1人殺しちゃってるんですから、こりゃあいくら祖国が庇ったところで単なる殺人犯。もう、その時点でこれは完全に娯楽作品そのもの。難しいことは考えず、さりとてしっかり込められた「愛」の部分には感銘しつつ、この凝縮された90分を楽しみましょう。 「96時間」に続く痛快作品。もう1本ぐらい、こんなオヤジ痛快アクション作品を作って欲しいな、ベッソンさん。[DVD(字幕)] 8点(2011-03-22 00:11:48)《改行有》

106.  リム・オブ・ザ・ワールド 《ネタバレ》 子どもらしさ全開の少年少女が、立ちはだかる危機を乗り越えて行くうちに成長し、人類を救うという重大なミッションを達成する。まさに映画ならではの世界。「スタンド・バイ・ミー」や「グーニーズ」などといった作品たちを彷彿させる1本。そこをキッチリ了解した上で鑑賞すれば大いに楽しめる作品です。 監督がマックGさん、脚本がザック・ステンツさんと来れば、ノンストップでド派手で痛快な展開。子どもたち活躍し過ぎ!なんて野暮は言いっこなしというところですね。 主役4人は上手く個性が出ていて皆魅力的です。特に謎めいた登場をする東洋系少女のシンシンは存在感あり。また、正直終盤直前まで大金持ちの息子で身勝手で臆病なダリウシュがどうにも受け入れられなかったのですが、終盤にはお約束通り素直な少年に変貌してこれまた可愛い。 現実味とか堅苦しいことを考えない限り、観終わって爽快な作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-21 11:18:18)
《新規》
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107.  ヘイト・ユー・ギブ 《ネタバレ》 泣ける映画を探していて行き当たった本作。ただし、泣きながら観る作品というよりも未だ根強く存在する人種問題について考えさせられる作品でした。 原作がヤングアダルト小説ということもあり、深刻な社会問題とそれに起因する悲劇を描いている割には意外にもライト。甘く切ない恋心や白人黒人の区別を問わない友人との軋轢、親子の感情・感覚のすれ違い等々、青春ドラマそのものといった作風になっています。 心に深い傷を負ってしまったヒロインが、感情の波に抗え切れずに社会に向かって声を上げるものの、結局は社会が大きく変わることもなくただ日常が取り戻されていくラストは、甘ったるいようでいて現実的に感じました。 原作未読ですが、出演者の確かな演技もあって若い世代をターゲットに人種問題を取り上げた優れた作品だと思います。ヘイト問題を身近に感じない我が国の若者(自分を含め若者に限らないかも知れませんが)にどこまで沁みるのか、その点については未知数ですが。[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-18 10:56:34)《改行有》

108.  鬼談百景 ジャパニーズホラーの王道的作風。10話をコンパクトに集約し、伝統的な怪談話から今風の都市伝説系までバラエティに富んでいて、観る者を飽きさせない良作と思います。 必ずしも10話の全てが秀逸とまでは言えませんし、中には使い古された感のある物語もあったりしてツッコミどころには困らなかったりもしますが、ネット上に溢れんばかりに配信されている同種の動画ではめったに味わえない充実感。個人的には満足の一本でした。[インターネット(邦画)] 7点(2024-06-02 11:47:11)(良:1票) 《改行有》

109.   《ネタバレ》 ショートフィルムらしい味わいのある作品ですね。説明は極力削ぎ落し、観る者は二人の会話やスクリーン上に映し出される情景から物語の多くを想像しつつ楽しむ。尺も丁度良い感じ。決して希望に満ちた晴れやかな物語ではありませんが、観終わった後、不思議とホッコリする佳作でした。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-27 09:57:50)(良:1票)

110.  EDWARD 《ネタバレ》 独創的なキャラクターデザイン。エドワードの謎めいた感じが良いですね。真正面から捉えてしまうと下水道の一角に籠って生活しているなんてのは有り得ないことで(衣食住の「衣」と「住」は兎も角「食」はどうにもならない感じ)、だからこれはあくまでもファンタジー。理念的な世界と捉えて理解することが必要ですね。 心を閉ざしたエドワード。目の見えない幼い男の子。エドワードは只管に優しく接します。男の子は恐怖という概念がないかのような無邪気さをもってそれに応えます。その触れ合いの中から蘇るエドワードの失われていた感情。社会を忌避し逃れていた彼にとって、遺失物が零れ落ちるだけの存在だった排水溝の穴。しかし、男の子の純粋さが穴から差し込む光を希望の光に転じさせた。そして、エドワードは光を求めて社会に踏み出す。 短い中に確かなメッセージ性を感じることが出来る佳作でした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-24 19:06:57)《改行有》

111.  LOST SENSES 《ネタバレ》 不思議な、と言うか見ようによっては不気味な魅力に満たされたラブストーリー。個人的にはこれはあくまでもラブストーリーとして受け止めました。 題名のとおりに失われてしまう感覚。男も女も残され限られた感覚だけを頼りに相手を捜し求める。しかし互いが異なる感覚で捜し求めてもすれ違うばかり。おそらく逢えないのでしょう。もしかしたら街から空に落ちてしまうかも知れない。 ショートムービー故に、ここに至るまでの経過は想像するしかありませんし、この後の結果も想像するしかありません。何故、二人が感覚を失わなければならなかったのかも分かりません。自由に想像する楽しみに浸ることの出来る作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-20 14:10:50)《改行有》

112.  ラヴレース 《ネタバレ》 物語の舞台となっている70年代初頭の空気感が丁寧に描かれていますね。2013年の作品とは思えない出来栄えです。件の作品「ディープ・スロート」をリアルタイムで観た訳ではありませんが、後年になってボカシダラケの同作をつまみ食い的に見た記憶が蘇りました。 同作はアイディア一発のコメディ作品。本国での大ヒットで本邦でもかなり名を馳せたものですが、では名作か?と問われれば、変化球的ポルノ映画の先駆者というところに留まるのではないかと。正直、申し訳ないような気がしますが、主演のリンダ・ラヴ・レースについての記憶は容姿も含め全くありません。 なので、観る前は、ライトなコメディ調ポルノに出演して好き勝手に演じていた(そもそも演じていない?)女優の人生?そりゃ誰にだって波乱万丈の人生はあり得るだろうけれど、あのハチャメチャなコメディ調ポルノに出てたぐらいだから…などと思っていました。 しかし、それだけに観終わった後は重かった。ズシンと来る重みがありました。しかも54歳という私よりもずっと若くして事故死していたとは。正直、全く知りませんでした。 世間知らずのままに男にいい様に利用され、なまじ有名になったことで逃げ出すことも出来ずに消耗しきってしまった彼女。夫を始めとする様々な魔手から逃れた後、持ち前の反骨心を発揮して反ポルノの旗手的な生き方に転じた彼女。夫と子どもとの生活はそれまでの彼女の人生に空いてしまった空洞をどのくらい埋めることが出来たのでしょうか? 考えさせられることの多い佳作でした。もう少し彼女の人柄を知るためのエピソードが描かれても良かったのでは?との思いが残り、8点寄りの7点献上です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-23 14:28:36)《改行有》

113.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 現実なのか異世界なのかハッキリとしない謎めいた映画館。無人の客席。突如映し出される自らの姿と将来。設定と仕掛けは斬新とまでは言えないまでも大いに魅力的です。 五人五様の作風はそれぞれに特徴的で魅力的。テーマを異にしたショートストーリーは、深みこそ感じないものの楽しめました。特にどれが気に入ったということもなければ特にどれがダメということもなく、上手い具合にセレクト出来たな、という感じです。 強いて言えば、謎の映写技師としてミッキー・ロークさんが登場しますが、ストーリーテラーでもなければ死神や悪魔的存在と言う訳でもない。何人かは殺してしまっているようにも見えますが、少しばかり存在感強過ぎの感が無きにしも非ず。もっと不気味で得体の知れない存在として登場した方が良かったのでは?ガタイが良過ぎる人を選んでしまったような。 とは言え、映画でも小説でもこの種のアンソロジーは好物なので甘めの7点献上です。 ちなみに、邦題は監督への賛辞的な意味でしょうか?原題の方が良いかと。[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-31 10:27:50)《改行有》

114.  ビフォア・アイ・フォール 《ネタバレ》 形式的にはSFサスペンス的タイムループものですが、戸惑いながら青春の中にある女子高生の心の成長を描いたヒューマンドラマですね。タイトルからして些か宗教的、道徳的な香りがしないでもないのですが、タイムループを繰り返す度に成長していくヒロインの姿が等身大に描かれていて、青春ドラマとして好感が持てました。ヒロイン・サマンサ役のゾーイ・ドゥイッチが素晴らしい。何人もの役をこなしてる感じがします。 パーティシーンなんか見ていると、これって高校生?アメリカの高校生はこんなに乱れ切ってるのか?なんて思ってしまいそうですが、ま、こういう子たちもいるってことなのでしょうね。子どもから抜け切れない少年少女の残酷なぐらいのストレートな暴走。そんな姿を見せることでこの物語が成立しているとも言えるでしょうし。 ちなみに、ここで描かれるタイムループは、原理原則的な説明は一切なく、極めてシンプルにシチュエーションとしての設定というか物語の構成上のアイテム。なのでそこはツッコミどころではないと思います。強いて個人的考察を披露させていただくならば、始めの一日でリンジ―の運転するクルマが起こす事故はジュリエットを轢き殺してしまった衝撃で起きたもの。乗車していた4人も即死し、そのことが引き金になってタイムループが始まってしまう。ループを止めるにはジュリエットの死への決意を止めなければならない。しかし、彼女の人生に対する絶望感と死への決意は堅い。現状のサマンサにはどうにも出来ない。親友たちの心を動かし状況を変える必要がある。そしてサマンサの成長なしには親友たちの心を動かしようもない。だからループを繰り返し、その都度サマンサは成長していく。といったところでしょうか? サマンサの命と引き換えない限りタイムループが止まらなかったのだろうか?サマンサが死んでしまった後に残るものは、家族や親友たちやジュリエットやケントの深い悲しみと喪失感ばかりではないのか?極論としては、高校生活が一瞬であっという間に忘れ去ってしまうように、ジュリエットの死もすぐさま忘れ去られてしまうのではないか?だとすれば、サマンサの死によるあまりに大きな喪失感の方が防ぐべきではないのか? もしかしたら、最初の事故でサマンサは死んでしまい、その後に描かれるタイムループは死後の世界、サマンサの魂が地獄に堕ちる前に最後の試練が与えられ、結果それを乗り越えたサマンサは天に召されるという「実は死んでます系」なのかも知れません。その場合若干既視感のある設定になってしまいますが、その方がより好感の持てる着地点かも知れません。 等々、観終わった後の疑問は多々ありますが、一人の少女の心の成長、本当の愛への目覚めを描いたドラマとしてシンプルに観る限り、丁寧に作られた青春ドラマとして楽しめました。こうやって反芻出来る作品は好みです。迷いますが8点に近い7点を献上します。[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-18 11:08:23)《改行有》

115.  1922 《ネタバレ》 全編通じての重苦しさ、不快さ、決して感情移入致しかねる登場人物の心理と行動。如何にもキング作品の実写版といった風情です。 1922年当時のアメリカ、ネブラスカ州の家族観や社会的背景等々について、ほぼ無知と言ってもいいであろう自分としては、妻に突き放された男の苦悩や悲哀、怒りといった感情は理解出来ず、恐らくは日頃から「かかあ天下」的な家庭であったと思われるジェームズ家における夫婦関係や親子関係も推察し難いものがあります。 端的に言えば感情移入不能。え?それで離婚?それで殺す?息子巻き込むの?刃物で殺すの?井戸の埋め戻しってバレバレじゃない?全てにおいて感情移入出来ませんでした。(個人的には牛を巻き込んだことが地獄行き確定の最悪の罪) ところが、観続けていくと何やら心境に変化が。キング作品の常と言いましょうか、滅茶苦茶胸糞悪いのですが何故か思いを馳せてしまう。いつの間にか主人公に対して悲哀の念を感じてしまいました。ある種の同情なのか、感情移入とは異なる疑似体験的な心理なのか。理由はどうあれ罪は罪。単に犯罪者である主人公なのにどこか哀れに思えてしまう。 人生の選択は誰にでも常に付き纏うものだと思いますが、たった一度の選択のミス(極めて重大なミスではありますが)が彼の人生のみならず息子や息子の恋人、そしてその家族へとその影響が連鎖し、不幸の構図が出来上がって行く。恐ろしいことです。 ラストシーン。彼は自死したのか?それとも既にほぼ崩壊していた精神が感滅的に崩れ去ってしまったのか?いずれにしても、その先に待っているのは地獄ということですね。 重たかったなぁ。[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-14 14:33:49)《改行有》

116.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 遅れ馳せながら鑑賞。皆さんのレビューは一通り拝読しました。必然的に重複してしまう部分がありますがご容赦ください。 子どもと女性を狙撃するという、主人公の在り方そのものを観客に理解させるかのようなシーンを冒頭に持って来て、その後に主人公がどのような家庭教育の元に「番犬」として人格形成されて来たかを盛り込む。その時点では作品世界に入れませんでした。そもそも、個人的にはハンティングと称して野生動物を射殺すること自体の価値観を全くもって理解出来ないので。なので作品世界には乗り遅れ気味に鑑賞開始した感じです。 ひとことで言えば(ひとことになっていないかも知れませんが)戦争映画としての盛り上がり方を備えつつも、その戦争の意味や背景、そこで闘う者のアイデンティティ等の深掘りに徹することなく平板に仕上げられた作品(良い意味で)、だと思います。 「アメリカ万歳!」に走ることもなく「戦争反対!」に走ることもない。只管無音で無言のエンドロールが作品としての在り方を象徴していますね。「オープンエンドの作品」と言っても良いように思えます。物語が終わった後の数分間の沈黙の中、それぞれ考えを深めて欲しいと言わんばかりに。ある意味、クリント・イーストウッド作品に共通した重みを感じた数分間でした。 正義とは何でしょうか?平和とは何でしょうか?命とは何でしょうか?そして英雄と狂気の境界はどこにあるのでしょうか?主人公が残していったものは何だったのでしょう? 欧州や中東での戦禍が激しく繰り広げられ、遠く離れた我が国のニュースにも毎日欠かさずその現況が繰り返し報じられる中、平和ボケした戦後生まれの自分が今ひとつ我が身のこととして真剣に受け止めることが出来ないのは恥じるべきことなのでしょうか?答えは見つかりません。 主人公の最期の日、妻に向けられたリボルバーの銃口が恐ろしかったです。結局彼は回復することなく、自らの精神に蓋をして、生まれて以来培ってきたものを塗りこめていただけだったように思えてなりません。 戦争映画としては、アクション中心でもなくヒューマニズム中心でもなく、いささか中途半端に受け止められてしまいかねないかも知れませんが、戦地から遠く離れた平和ボケの私の脳内にまで一石を投じ、何かを考えさせてくれた異色の戦争映画でした。[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-24 14:28:43)《改行有》

117.  眠れぬ夜のカルテ 《ネタバレ》 ネタバレ投稿を見てはいけないタイプの作品。所謂「どんでん返し」が待っている作品ですね。 と言っても、仕掛けそのものは結構オーソドックス。主客逆転と言いましょうか、夢オチや妄想オチとは違いますが、問題を解決すべく主人公として物語の中心に居た人物が実は問題そのものであったという系。少々納得のいかない力技的演出もありますが、良く練り込まれた脚本は十分にミステリーを堪能出来ますし、自信たっぷりの精神科医と、謎めいていてこちらも確かな自我を擁している患者。二人の対決の構図は見応えがあります。 ただ、最後の最後に種明かし的に展開される部分は少なからず蛇足感があるかも知れません。そこまで説明しなくても本編で伏線回収出来なかったのだろうかと思えないこともなく、何かテレビドラマ的な(決してテレビドラマのレベルが低いという訳ではありませんが)構成になっているような印象が残ります。 とは言え全編にわたるビジュアル面も含めた謎めいた雰囲気は魅力的であり、7点献上します。[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-27 18:06:28)《改行有》

118.  WE GO ON 死霊の証明 《ネタバレ》 「死」ばかりではなく「火」や「水」、「高所」など、生きていく中で隣り合わせになっている様々なものに恐怖を感じでいるマイルズ。何よりも「死」を恐れているのだから死ぬことによって恐怖から逃れることも出来ない。そんな彼が「死後の世界の証拠」を求めるのは無理もない話。そのくせ「死後の世界」に懐疑的でもあるからこその恐怖心なのだから、自ら公募しておきながらその結果に「本物」など期待出来ないでもいる。まさに病んでいますね。でも、精神科への受診は望まない。自らを追い込んでいる悪循環の世界。 ところが、皮肉なことに「死後の世界の証拠」どころかネルソンという死霊そのものからコンタクトされてしまう。それどころか取り憑かれてしまう。この辺りは既視感のある展開かも知れませんね。シチュエーションは違っても、心霊現象を見に行って想像以上の恐怖に遭遇し結果連れ帰ってしまいましたみたいな。心霊モノ十言うか怪談噺の王道と言って良いかも。 そして、これもまた怪談噺の王道かも知れませんが、本作は取り憑いたネルソンが要求してくるのですね。元カノのアリスを見つけ出して欲しいと。実はアリスはネルソンに愛想を尽かして殺していたのですね。そりゃネルソンは成仏できません。そうとも知らずにアリスをあっさり見つけたマイルズは、アリスに返り討ち的に撃たれてしまう。それがある意味功を奏してネルソンの憑依は解け、マイルズは「死」への恐怖を克服するというお話です。ラストシーンからすると、いろいろなものへの恐怖心という呪縛は完全に解けることはなく…というオチですが。 前半と後半では随分とテイストが違うかも。ホラーテイストは後半からが本番。その合間にマイルズの家庭環境や父親の死の真相とか人間ドラマ的な要素も入り、アクティブな母親のシャーロットが良い感じに絡んで来ます。必要以上にオドロオドロしくならず、グロシーンは控え目、オカルト感も抑えめで、良く纏まったホラーだと思います。映画祭で観客賞を受賞したというのも頷けます。 熱烈なホラーファンには物足りないかも知れませんが、個人的にはなかなか楽しめた思わぬ佳作に7点献上します。[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-21 11:09:35)《改行有》

119.  インデペンデンス・デイ: リサージェンス 《ネタバレ》 類似作は多々あるものの、これぞ本家エメリッヒさんによる続編。期待通りの前作のテイスト踏襲、SF大作と言うと語弊があるでしょう。空想偽科学人情大活劇とでも言いましょうか。 決して否定的な意見ではありません。実際純粋なサイエンスフィクションとして観ない限り実に面白いです。荒唐無稽の極み、命の重さは脇に置いておいて、兎に角派手にやらかして観客が大盛り上がりすることを大前提に置いた作品。あくまでも作り物なんだから、あのビル破壊して何千人とか、あの橋破壊して何百人とか、大真面目に人の死に様を想像したりしたらダメなのです。確かに街は破壊され、戦闘機は撃墜され…ているように見えますけれど作り物なのです。誰も死んじゃいない。 こういうものはフィクション中のフィクション。フィクションの極み。人間ドラマだって中心人物たちを美化していればいいのです。ヒーローとヒロインさえ生き残っていればハッピーエンドなのです。そういったことを軸にしてどこまで面白く肉付けしているのか。本作のような作品は、そこが評価ポイントだと思っています。流石にやり過ぎ感は否めませんが、本作は一本筋が通ったSFスペクタクルとして大いに楽しませてくれました。 とか言いながら、こちらのサイトではレビューを書いていませんが、前作はアメリカ万歳があまりに鼻についてあまり評価出来ませんでした。20年経つと我ながら寛容になったと言うか丸くなったと言うか。今だからこそ楽しめたのかも知れませんね。レビューは書いた時点での正直な感想を書けば良いとは思いつつ、やや自粛して7点献上です。[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-16 15:54:08)《改行有》

120.  スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 《ネタバレ》 リアルでガチな変質者を描いた作品。等身大過ぎる描き方が只管恐ろしいです。 自らの幸せや生きる価値を見出せないからといって、毎朝気さくに満面の笑みをもって話しかけてくれる女性に対し、笑顔を剥ぎ取り不幸のどん底に叩き落そうとすることなど、一体どこの変質者が思いつくのやら。否、だからこその変質者なのか…。実行しないだけであって、世の中にはこの手の人物が数多く潜んでいるのかも知れません。 既にレビューされている方もいらっしゃいますが、精神的に病んでいることは勿論、その成育過程において極めて重大な問題があったのかと思わせられる異常性。彼が親離れ出来なかったのか、それとも母親が子離れ出来なかったのか、いずれにせよ今や会話さえも出来なくなってしまっている(息子とは話したくないのだけなのかも知れませんが)入院中の年老いた母親は、彼の報告めいた話を一方的に聞かされるだけで、彼にとっての救いとはなり得ない、いやそれどころか彼の行動をエスカレートさせる源にさえなってしまっています。 犯行の手段もある意味で残虐極まりない。しかも傷心の極みにある彼女に犯行声明的な手紙を送り付けるとは。巻き添えになった恋人は遠退いていく意識の中で何を思ったことでしょう。 それと、無実の罪を着せられてしまった清掃人の親子はまさに青天の霹靂。更には、捨て台詞的に残酷な言葉を投げ掛けられ失望の極みに追い込まれてしまった老婦人。愛犬も危害を加えられたし。前のアパートも含め、ここに登場しない被害者はまだまだいたのかも知れませんし、警察が捜査をしくじればこれからも増えるのかも知れません。 現実的に考えれば、ベッドの下でトイレも行かずに何時間もじっとしていたり、どこで知識を得たにせよ目的達成のための薬剤を十分に調達していたり、目撃者である女児を金品や脅迫で意のままにしたり、だいたいからして他人が一晩一緒に寝ていたら匂いとかで判るでしょうに…etc. そんなに上手くいかないでしょみたいな場面は多々ありますが、目を背けるような描写は殆どないながらも兎に角主人公の暗い素顔が恐ろしいホラー作品。恐いです。7点献上します。 ちなみに、これも既にご指摘がありますが、邦題は方向が違い過ぎますね。ミスリード目的?これはマイナスポイントです。[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-11 11:37:05)《改行有》

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