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101.  画家と庭師とカンパーニュ ダニエル・オートゥイユにはルコントの「ぼくの大切なともだち」もあり、どちらも人に無関心な主人公が新しい知人によって変わっていくお話。 猛禽類のような大きな目をしたオートゥイユには偏屈男がよく似あう。 ルコントの都会的でしゃれた軽妙さに対してベッケルのこの作品は、パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)のような素朴な味わい。 会話と自然でできていて音楽も最後のモーツァルトだけ。 庭や風景を映した映画は多いけれども、おいしい野菜を実らせてくれる菜園への愛情というのもあるのだ。 妻に離婚されたくない一方で適当に遊んでいるキャンバス(画家)と妻をあがめ惚れぬく国鉄退職者のジャルダン(庭師)は、およそ似たところがないのに気がおけない関係が形作られ、語り合う日々が続くのだが。 画家に連れて行ってもらったパリのルーヴルで庭師が目をとめるのは、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」。 コールドプレイのCDジャケットにも使われた名画に家で毎日見ていたカレンダーの絵だと親しみを見せるジャルダン。 限られた人間のものである抽象画の画家だったキャンバスの画風が変わったのもそのせいか。 「芸術のための芸術より人生に彩りを添える作品を」と。 妻の眼差しも自分本位だった夫の変化に和らぐ。 2人で釣りあげた伝説の池の主はあるものをねじふせた証、たとえ一時でも。 哀れっぽい映画には泣けなくともこれは泣けた。 小説に空白があるように、あえて描かれぬ部分に。[DVD(字幕)] 8点(2011-07-02 07:00:00)

102.  夏時間の庭 野趣のある緑の庭をかけまわる子どもたち。 親族が集うと生まれるにぎやかさに始まり、オルセーの企画作品ということでちょっと趣向のかわった映画、主役の半分は郊外の邸宅をふくめた美術品。 美術館というと建物のイメージだけれど美術品を愛する人たちの仕事も意味し、価値のある品々が散逸するよりは多くの人が見ることができる安全な場所で余生を送らせたい、という気持ちが強い人々なのだと思う。 個人蔵と違ってもう誰も使うことはできず、使われてこそ価値があるという考えも道理であるし、美術品のあるべき場所はここ、と謳ってはいない。 もし行き場に困ったら美術館という選択肢もありますよ、と囁いているようではあって、監督と美術館双方の思惑の間に微妙なジレンマも介在。 それとフランスの美術関係の映画を見ていて思うのは19 世紀に端を発した日本との美術交易が今も根強いことで、これにも極東の顧客への目配り。 金髪のビノシュは「嵐が丘」以来? 自分も男兄弟2人なのでちょっと親しみをおぼえる。 ふだん映画に出ることのないイーストウッドの息子(ミュージシャン)が出演しているのは、アート系の作品だからだろうか。 それぞれの人生を歩む彼らの選択は少しばかり世知辛くて寂しさも残るけれど、やさしい家政婦さんに価値を知らずにもらわれていった花瓶や修復されて美しさを取り戻した彫像、祖母の言葉をかみしめる孫娘の涙に、美しきものにことよせて人の心も映しだされる時間。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-01 07:00:00)(良:1票)

103.  ラヴェンダーの咲く庭で 《ネタバレ》 乙女チックなジュディ・デンチ、TV「名探偵ポワロ」のヘイスティングス役が印象深い英国俳優チャールズ・ダンスの初監督作品。 戦争で恋をする機会を逸し少女の心を残すアーシュラと寡婦ジャネット(マギー・スミス)姉妹の静かな生活の変化は見ていて楽しく、おっかさんタイプの家政婦さん(ミリアム・マーゴリーズ)がいることでコミカルな雰囲気も。 胸に恋を秘める妹、妹の心が自分よりもろいのを知っている姉。 海岸に流れつきアーシュラの「王子様」となるダニエル・ブリュールは「グッバイ、レーニン!」ほど純朴な役柄ではないし、どんなに大事にされても若い小鳥は飛び立っていってしまうもの。 でも思い出とあの絵が残って、やっぱり出会いがあってよかったのだと思える。 去っていったから素晴らしいコンサートも聴けたのだものね。 村人もつかのまの住人の出世を誇りにしているみたいだった。 やもめの医師(デヴィッド・ワーナー、お年を召しました)も外は老いても内はまだ情熱的。 短編を脚色したダンスはリアリティよりも年を重ねてもかわらぬ人の心と邂逅がもたらす輝きを大事にしたように思われて、せつなくもやさしい余韻が残る。[DVD(字幕)] 8点(2011-06-08 07:00:10)

104.  新しい人生のはじめかた ダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンのラスト?ラブ。 秋のロンドンが舞台のアメリカ映画、監督・脚本はイギリス。 一度共演ずみでエマの方から声をかけたそうで息もあっているよう、目を見はるような才気走ったところはなくても丁寧な作りは好み。 ハーヴェイ(脂の抜け具合がよろし~意外とコートが似合う)とケイト(少し太っちゃったね!)の半分アキラメの人生。 元気のない2人が出会った効用は大きくて、ハーヴェイの娘の披露宴スピーチでは継父(ジェームズ・ブローリン)にも花を持たせる心ばせが場をなごませ、ピアノのシーンもしっとりと。 エマの方が背が高い・・・と思っていたら、ラストシーンのためだったんだ。 助演女優もキャシー・ベイカー(米)、ブロナー・ギャラガー(英)と好きな人たち。 デーム演じる被害妄想ママも進展があってお守役を卒業できそうな気配。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-02 07:00:00)(良:2票)

105.  (500)日のサマー キュートなゾーイ・デシャネルの天然ップリにビックリ★ そんなサマーにヒトメボレしてしまったトムのファースト・ラブは、シュガーコーティングされてるけれど苦味のある映画。 気まぐれにチョッカイだして「友人」のつもりで何となく付きあってるサマー、ちょっと変わったコだけどルックス好みだし俺ラッキー♪なトムの500日。 アメリカで新鮮に受けとられたのは、きっとアメコミはあっても普通の男の子の恋愛マンガはないから? 初めて見る気がしなかったのは、ゴダールの「男性・女性」にも似ているせいかな。 アレも男性目線で片思いに近く、女の子はかわいいけれど人格がなくてマイペース。 スミスやクラッシュも流れるタイム・シャッフルな恋模様はトムの一人相撲、夏のあとには秋。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-01 07:00:01)

106.  ぼくのエリ 200歳の少女 《ネタバレ》 しごく美意識の高い映画。 主役2人に対照的なルックスの子を起用し、構図も配色も細心の注意を払い、深度を浅くし対象を浮かび上がらせ、空気は緊張と弛緩を交互に繰り返す。 そういう感覚的な部分の神経が細やか。 ただ(「キャリー」もだけれども)極端なイジメの映画はいいと思わない、観客に容易に感情移入させてしまうので。 耽美的であるといっても陰惨なホラーには違いなく、イノセンスの名の下に庇護されるエリとオスカーにも愛しさは感じなかった。 日常の中で自分の爪を隠すことに倦む人々には礼賛されそうな作品であり、ホラーはそういった抑圧を開放する目的を含むジャンルでもあるのだろうと思う。 映像にボケが多いのも元々目が悪くない人間には苦痛であったし、鮮やかなプールのシーンは水中だけで終わらせた方がよかった気もする。 それでもハリウッド・リメイク(トレーラーのみ視聴)の普通っぽさに比べれば一見の価値ありの世界。 母の愛も父の愛も投げ捨てて運命のソウルメイトと旅立つオスカーは、時の果ての自分も知らず今の至福に微笑む。 (「フギャーッ」となるCGネコたんの顔を使い回すのはマズイぜ!バレバレだよ~ん)[DVD(字幕)] 7点(2011-05-16 07:00:03)

107.  ダレン・シャン 若年ヴァンパイア映画の中では、これと「ぼくのエリ」の間に「トワイライト・サーガ」が入るんでしょ~ね。 「半」なのは、元に戻れる余地を残してか。 サーカスは「Dr.パルナサス」の見世物小屋のような映画向きの舞台に思えますが、同じくティーンエージャーが主人公の「パーシー・ジャクソン」に近い物足りなさ。 ヒットしなかったので「ライラ」と同じ運命? 謙サンは地道にハリウッド映画出演、ちょこまか動くクモたんにざわざわ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-05-15 07:10:13)

108.  サンシャイン・クリーニング 「リトル・ミス・サンシャイン」に続く第2弾なのだそう。 あんなにうまくはいってなくてアレは「トイ3」のアーントの脚本がよかったようで。 エイミー・アダムス(今度ロイスになります)とエミリー・ブラントの姉妹モノ、姫タイプで小ギレイな役も多い彼女たち、これは現実的でぶきっちょな役。 作品もハートフルとリアリズムの間を揺れ動くマイナーコード。 片腕の店主コリンズJrや父親アラン・アーキンらが味を出すものの小粒な印象。 アメリカ映画として見ているからかもしれない、まいたネタを回収しないのはヨーロッパの小品的で作為的でないのが好きな人向きかも。 「バスタード」なんてバンド名、いいネ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-14 07:00:02)(良:1票)

109.  イン・ハー・シューズ 3人のキャストは魅力、でも映画はいまいち・・・ 難読症のキャメロンと元大学教授の「授業」はいいエピソードだったし、作品を下支えするトニ・コレットはあいかわらず巧いのだけど長く感じてしまった。 継母と祖母の描き分けも極端で、「血のつながった人がいい人」にしとくのって単純じゃないかな。 トニの妙にいい人な新カレはユダヤ系、異母妹のユダヤ教からの改宗が問題視されたりと、原作者や映画会社の民族性も反映された作品。 リドリー・スコットが製作なのは意外、「テルマ&ルイーズ」といい女性映画にも関心アリ?[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-13 07:00:07)

110.  ティンカー・ベルと月の石 ティンカー・ベルが魔法の鏡をさがす旅がメインの2作目。 本国ではOVAなのでこっちの方が人気があるってことなんですね。 キャラ多くてせまい世界だった1作目よりはスッキリ、画面も見やすくキレイになったよう。 旅人ティンクはロビン・フッド風? 元々衣装の色が親和性のあるグリーンなのが大きい。 彼女とテレンスがイラ~ッとするほどドジなのにはゲンナリ、ブリブリなホタルの子もちょい苦手ですが。 半分見たことになるけれど、成長したらその分「ピーター・パン」のティンクとのギャップは大きくなるという皮肉。[CS・衛星(吹替)] 6点(2011-05-12 07:00:01)

111.  コララインとボタンの魔女 《ネタバレ》 名前のOとAを入れかえるとキャロラインがコララインに! ユニークな名の女の子の救出大作戦。 かわいいお菓子みたいなアニメですが、キャラデザやカラーは好みが分かれそう。 青い髪、ピンクパレス、赤い部屋、細っこい手足。 コララインの頭の形も個性的。 アートを意識しすぎると人工的になってしまうので、もちっとナチュラルなのが好きかな。 ストーリーはそうひんまがってもいないけど、コラたんのキャラ立ちを見せるには十分。 魔女のボタンは、目だけでその人の印象が変わって目の表情のもつ重みがわかるアイテム。 黒猫は「魔女宅」を思い出させ、一人娘の親友。 ダコタ&テリーの原音も聞いてみたい。[CS・衛星(吹替)] 7点(2011-05-11 07:00:03)

112.  ミックマック 《ネタバレ》 「ロスト・チルドレン」以後の3作(「エイリアン4」「アメリ」「ロング・エンゲージメント」)はどれも自分にはものたりなかったけれど、15年後のこれはやっとあるべき場所にもどって本領発揮、いい感じです。 もともとスケール大きいのよりもマニュファクチュアなのが合う人だと思うし、「アメリ」の流行りモノとしてのヒットは異常だったので。 「デリカテッセン」の空気もある今作は、不運の主人公バジル(「ぼくの大切なともだち」のブーン)の仲間となる人間大砲、軟体女、発明家、言語オタク、計算機、ギロチン男、料理番の7人の住む隠れ家がジュネっぽく、ゴチャゴチャとせまくて薄暗いけれど居心地がよさそうで、廃品を使って作られる発明品もレトロかわいい。 現代のテクノロジーに逆行するようなハンドメイドな魅力。 元凶をパニッシュすべく彼らが繰りだすパリの街も、濃い暖色カラーでジュネ仕様の美しき舞台に変えられて。 反戦・反兵器のテーマは目立たたせず下地にねりこみ、おしおき大作戦も暴力を排除したオットリしたもの。 平行してバジルのときめく恋の予感も。 「ロング…」では温厚な叔父さんのフリしてたドミニク・ピノンが豪快オジサンに戻ったのもウレシイ、そうでなくっちゃ。 ワルのかたっぽがアンドレ・デュソリエなのもよい。 手間隙かけてコトコト煮込んで作られたジュネの最新作はいいお味。[映画館(字幕)] 8点(2011-04-10 00:00:13)

113.  Dr.パルナサスの鏡 急逝ヒース・レジャーと穴埋めの3人は、レジャーの存在と不在が同居する不思議な趣向。 「ファウスト」パルナサス博士(トラップ大佐もおじいさん)と「メフィスト」ニック氏(トム・ウェイツは一声歌っても)の闇取引の顛末がメインの文字通りの見世物小屋は、ダリ風イマジナリウム・ワールドよりもリリー・コールの人形美とヴァーン・トロイヤー(ミニ・ミー!)の愛嬌ある仕草に心ひかれた。 頭の中のビジョンを具現化すべくCGを積極的に取り入れるギリアムは「似たもの」としてバートンと括られつつあるけれど、彼らの個性が希薄になってきている証拠かもしれず。 無駄金遣い、ひとりよがりな分りにくさ、落ち着きのない不安定感は相変わらずで、これらがある限り脆弱さから逃れえぬギリアム。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-09 00:00:10)

114.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 長尺が気にならない秀作だとは思うのですが、前半に自らも悲惨な体験をしたユダヤ系ポーランド人ポランスキーの個人的感情が出すぎている気がするのです、仕方ないですけど。 それがあって最後の「地獄に仏」も生きてくるとはいえ、殺戮場面や残酷描写が多すぎる気がして。 シュピルマン目線で撮られた後半の市街戦も遠景であるせいで衝撃度は抑えられていますが、過剰な演出をしていない分現実感があり生々しいです。 必死に生き抜こうとするシュピルマンを演じるエイドリアン・ブロディは、細面の風貌が作品の重さを軽減し、淡々とした演技が灰色の死の世界に生命感を与えていました。 彼と音楽を通じてつかのまの「友情」を結ぶホーゼンフェルト大尉もよかった。 ナチス将校を演じることが多いトーマス・クレッチマンはいつもどんな心境で演じているのか知りたい。 祖国が過去に犯した過ちを、自分が演じることで少しでも償いたい気持ちを持っていてもおかしくはないです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-07 00:00:06)

115.  愛を読むひと 《ネタバレ》 ドイツ原作で米独合作、少年時代のクロスはじめガンツ(教授)やクラウスナー(判事)らドイツ人俳優も出演していてアメリカが勝手に作ったわけではないのですが、微妙なホロコースト映画。 監督やメインの俳優がイギリス人の英語劇なのはマーケットを考えてか。 公判でも公平さを保ちつつもハンナを強引に罪人にしているような部分がありました、スケープゴートか必要悪として。 マイケルは刑務所のハンナに献身的に朗読テープを送り続けながら彼女の手紙には返信せず、出所にも戸惑いを見せるやや身勝手な男。 気難しく奔放だったハンナは老いてコンプレックスを克服するのだけど、そのきっかけを与えてくれた相手にとって自分がお荷物であるのを悟った時の選択はあっけなく、自責の念に駆られたマイケルの行為もさして感動はおぼえない。 性愛からのスタートなので関係が脆く、愛や知性よりプライドと自己満足が勝る彼らの人間的な弱さを戦争にかこつけているのはどうかなと思いました。 ケイト・ウインスレットが「いつか晴れた日に」から6度目のノミネートでオスカーを得たのは嬉しいけれど、それほどいい作品かどうかはわからないです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-04-04 00:00:12)(良:1票)

116.  きみに読む物語 冒頭の湖と再会時の水鳥の群れはきれいでしたが、身分ちがいの恋人たちがどうにも安くてイヤ。(「巣」を作って気を引く求愛になびくヒロインも鳥なみの頭か?) 恋敵ジェームズ・マースデンは「魔法にかけられて」「スーパーマン リターンズ」と同じ当て馬でカワイソ、ジョアン・アレンの母親は最後まで愚かしく「今の自分を幸せと感じたくなると昔の男の惨めさを見に行く」なんて「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」的な方法ですね。 老ジェームズ・ガーナーやジーナ・ローランズはがんばっていたけど。 お母さんのジーナに出てもらった二代目カサヴェテス監督は「私の中のあなた」もいいと思わなかったし、好きじゃないかも。 認知症の映画はイギリスの「アイリス」の方がいいと思います。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-04-03 00:00:10)(良:1票)

117.  ヴィクトリア女王 世紀の愛 《ネタバレ》 英国の若手エミリー・ブラント&ルパート・フレンドによるヴィクトリア女王の物語。 邦題が大仰なので、原題どおり「ヤング・ヴィクトリア」として見たら失望しないかも。 ヴィクトリア女王はドラマティックな人生を送ったエリザベス1世やアン・ブーリンよりは映画に取り上げられることは少ないですが、ヴィクトリア朝は産業革命が興り文化・芸術的にも大英帝国が繁栄した時代。 次期女王候補に対する謀略への抵抗と公私ともにパートナーとなる従弟アルバートとの関係を、比較的軽いタッチでまとめています。 母親が愛人と共謀して摂政政治を迫る公女時代、イギリスに対して影響力を持とうと目論むベルギー国王により送り込まれたアルバートの裏表のない心に惹かれ、彼と結婚する道を選ぶヴィクトリア。 人に操られる人形でなく意志をもつ女王となるべく毅然とした態度を貫く彼女をブラントが好演。 共同統治でも自分を軽視されたくない彼女と夫の間には諍いも起きますが、アルバートが身を挺して妻を守る場面もあり、政略や圧力ではなく愛し合って結ばれた2人の絆は揺るぎないもののようでした。 ラストがあっさりしているのは「末永く幸せに暮らしました」ではないからかもしれず、最愛の夫に先立たれた後の女王のもう一つの愛は、ジュディ・デンチの「クイーン・ヴィクトリア/至上の恋」で描かれています。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-09 00:00:01)(良:1票)

118.  ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ 《ネタバレ》 ジャーーーン♪ イカしたオープニング。 アーリー・ビートルズをただなぞるのではなくベースにとどめて、音楽にめざめた若者の青春とその母たちの愛憎を織り交ぜた物語。 「幻影師アイゼンハイム」で少年時代を演じたアーロン・ジョンソンが若きジョン・レノン、ポール役のトーマス・サングスターももう子役ではなく純粋で才能ある音楽青年を演じ(「バック・ビート」と違いポールのキャラクターは非常にいい)、ロック・ミュージックに魅入られ刺激しあう彼らからは50年代の音楽ムーヴメントの熱気と息吹が感じられる。 叔母ミミの元で育ったジョンに音楽の手ほどきをしたのは、離れていた実の母ジュリア。 水と炎のように違う彼女たちに息子として愛されるジョンにとってはいいことばかりではない。 ミミとジュリアの場合は確執が深くとも姉妹であることで和解の糸口もあり、嵐が去って彼女らが並んで庭に座るシーンでは、それまで2人の衣装に使われていた黒と赤がグレーとピンクに変わっていて、2人の拮抗する心が穏やかに薄まったのをうまく表現していた。 だからこそその直後の悲劇が痛ましいが、陽気なジュリア寄りだったジョンがミミの元に戻ってきた時には安堵を覚えた。 冷静なミミの方が自分のために「息子」を愛しているのではないように感じていたからだろう。(抑え目のK・S・トーマスがすばらしい) ジョンはその「母」からも巣立って仲間と共に音楽の道をゆく。 アート系の女性監督がアーロンによってマザーにされるというオマケもついた、映像感覚的にも優れた青春映画。[映画館(字幕)] 8点(2011-03-08 00:00:01)

119.  かえるくんとマックス 子どもとペットの映画ならよくあるけど、ちびのマックスを田舎の自然の中に置いたのがGOO! この小さな作品がたくさんの賞をもらったのも、キッズムービーとして出来がいい以上に審査員の方々が子供時代を思いだしたからかも、原っぱ森や川べのいきものたちに心をときめかせたあの頃を。 背がのびて地面からの距離が遠くなるといつの間にかはなれてしまった友だちにもう一度あえたようななつかしさで、のどの手術で入院したお兄ちゃんとの約束を果たそうと「カエルの卵」(原題)をさがす旅に、少女ジェシーも巻きこんでの冒険が楽しく緑がまぶしい。 青いつなぎのマックスとピンクでまとめたイエッサの関係も子どもらしい緊張をはらんだもの。 おばあちゃんが焼いてくれるパンケーキもおいしそう(つーかクレープだね!) オランダって遠い国な気がするけど、これを見たらそうでもないかなって。 水ぬるむ春は新しい命が生まれる季節、見つけたらそっと見守りたい。[DVD(字幕)] 6点(2011-03-01 00:00:00)

120.  ポリス/インサイド・アウト ミュージシャンのドキュメンタリー映画は少なくない。 コンサートに行けなくてもライヴに接することができる等の利点があり、07年のポリスの限定的なリユニオンを機に出されたこの作品もその1本だけれども、メンバー自身が自分たちの成長を撮った記録というのは他に例がないのではないかと思う。 ドラマーでありポリスのファウンダーでもある唯一のアメリカ人、スチュアート・コープランドがスーパー8で撮り続けた映像は経年劣化もあり粗いが、当時を直に伝えるフッテージの数々はファンには感慨深いものがある。 意外なほどステージが少ないのは「シンクロニシティ・コンサート」等の優れたライヴソフトが既にあるからだろうし、ツアーの移動やスタジオ・レコーディング時にひろった彼らの映像が中心。 初期ではバンやバスでの移動だったのが専用機に変わっていくのはそのまま彼らの急成長ぶりをあらわしつつ、バンドが大きくなるのはいい事ばかりではなく分散を招く要因にもなるのをも感じさせるが、一回り年長の小柄なギタリスト、アンディ・サマーズの大人の茶目っ気が多くのバンドが陥りやすい悲壮感からポリスを遠ざけていたのもまた事実であろう。 撮影者であるスチュアート自身の映像は少なくライヴの際にはマネージャーである兄のマイルスが撮っていると思われ、一番の悪たれはスティング。 罪もないアンディに襲いかかったりファンの女の子を抱きすくめたりと、カメラの前でもストレス発散をいとわない。 移動列車内で彼の横に同じプロデューサーを使っていたXTCのアンディ・パートリッジが座っていたりするのも意表を突かれるし、PV撮影現場では両方の素材をシンクロして多元的に見せたりとスチュアートが監督としての腕をふるう。 ロックバンドという呼び方が不似合いなほど個性的だった彼らの曲をコラージュした軽快で小気味よい時間は70分余と短いが、時を経て思いがけずポリスを内側から見る機会を与えられた。[DVD(字幕)] 8点(2011-02-19 23:59:58)

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