みんなのシネマレビュー |
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1221. 最後の晩餐(2013) 《ネタバレ》 今まで観た中で、最も涙した映画の一つ。 結論に死がからむ映画が嫌いなので、敢えて、この点数で。 感涙度はハンパなく、それでいてなかなか深い話。 大切な人を先に亡くすのは辛いが、そこに救いが描かれているのが秀逸。 大切な人は残念ながら先に亡くなってしまったが、その人と過ごした時間と、その記憶はずっと残る。 まさにそれこそが、遺された人にとっての、最大の救いで、それを描いた本作は、素晴らしいの一言に尽きる。 自分自身も、大切な人をもっと大切にし、もし先に亡くなることがあっても、一緒に過ごすことのできた幸せ、一緒に過ごした記憶、それを大切にして前向きに余生を過ごしていきたいと思った。[DVD(字幕)] 7点(2016-09-25 00:47:09)《改行有》 1222. アラモベイ 《ネタバレ》 後半のアクションシーンはご愛嬌で、描いている内容は、とても奥深い。 ベトナム戦争が残した障害は計り知れず、アメリカの罪深さを、辛辣に描いた社会派映画である。 戦争が殺しと哀しみしか生まない。 それは戦争が終わった後も、なお続いている。 言いたいことはよく伝わってくるが、とにかく救いがないし、真面目過ぎる内容なので、息が詰まった。 映画として楽しめるかどうかは微妙。[DVD(字幕)] 6点(2016-09-18 00:26:08)《改行有》 1223. ブッチャー・ボーイ 《ネタバレ》 ニール・ジョーダンって、こんなに解りにくかったっけなぁ・・・というのが、まず第一の感想。 少年に降りかかる、不遇な出来事を描いているのだけは理解できたが、つながりが悪い印象。 出来事が、つらつらとただ描かれていく。 描き方が悪いのか、私の理解力が足りないのか。 いずれにしても、一つ一つのエピソードが、すんなりと頭に入ってこなかった。 少なくとも言えることは、もっと明快に理解できたとしても、面白い内容ではないということ。 かと言って、ど肝を抜かれる様なエピソードも無く・・・ この少年の不幸な生い立ちを散々見せて、結局、何を言いたかったのか。 その部分も理解できない。[ビデオ(字幕)] 3点(2016-09-14 23:00:02)《改行有》 1224. IP5/愛を探す旅人たち 《ネタバレ》 爺さんに不思議な力があるところ、これがイカン。 こんな不思議な力は要らんのです。 普通に、愛を探す旅として描けば、悪くなかったはず。 最後も変に青年と看護婦が、うまいこと結ばれすぎ。 これも要らん。 ただし、相変わらずブルーを基調とした映像は、素晴らしく美しい。 そこだけ。[ビデオ(字幕)] 4点(2016-09-12 02:33:18)《改行有》 1225. たそがれの維納 《ネタバレ》 豪華な衣装や建物、クラシック音楽に包まれ、雰囲気がとても華やかでよい。 とても自由な感じがする世界が描かれていて、今からみても、楽しそう!と思える。 深夜まで続く夜会に、男女が触れ合うダンス、口説き口説かれ合う男女、そして美味しそうな料理とお酒。 現代に勝るとも劣らない、この時代ならではの享楽を感じることができた。 時代を超え、場所を超え、描かれるその世界にドップリと浸る。 それこそが、映画特有の魅力なんだろうなぁ。 いいなぁ、映画って![DVD(字幕)] 6点(2016-09-11 02:35:28)《改行有》 1226. 熱砂の秘密 《ネタバレ》 ビリー・ワイルダーの映画は、とても映像が美しい。 技術的な美しさではなく、映画の中に吸い込まれる、ワイルダー特有の何かがある。 内容的には、ドイツを敵視し、イギリス側を正当化している。 この点に関しては、アメリカ映画的であり、独善的で苦手。 本作は内容的に好みに合わなかっただけで、ワイルダーには、ますますハマりそうだ。[DVD(字幕)] 5点(2016-09-11 02:20:15)《改行有》 1227. 地獄の英雄(1951) いやー、これは地味に傑作!! 少々長く感じたのはご愛嬌、終盤に迫り来るサスペンス風味は独特の魅力あり。 音楽もそれを盛り立てる。 カーク・ダグラスが渋かっこいい。 アゴの割れ目が凄い。 そして、今も存命なのが凄い。 これって、隠れた傑作。 ジャーナリズムに対して、徹底的に皮肉を込めて描いている。 その皮肉の徹頭徹尾ぶりに、ビリー・ワイルダーの執念さえ感じた。[DVD(字幕)] 8点(2016-09-08 00:47:05)《改行有》 1228. 愛の奴隷(1976) 《ネタバレ》 何を主張したい映画なのか、最後まで理解できず。 革命というものに翻弄される人々を描いていたり、サイレント映画のトップ女優のプライベートを描いていたり。 終わってみて、結局、どの部分に反応したら良かったのか、解らず終い。 何度か鑑賞すれば、もっと深く理解できるのかもしれないが、そこまでの魅力は感じられなかった。[DVD(字幕)] 3点(2016-09-04 10:50:49)《改行有》 1229. 母たちの村 題材がなぁ・・・真面目過ぎるなぁ。 とにかく女子割礼反対!にこだわり続ける。 アフリカの雰囲気を楽しむ映画というより、女子割礼という風習を批判する、社会派的な映画だった。[DVD(字幕)] 5点(2016-09-04 01:06:06)《改行有》 1230. 山羊座のもとに 《ネタバレ》 ヒッチコック作品の中では異色作。 あまりヒッチコックらしさを感じられない作品だ。 登場人物達は、皆キャラが立っているのだが、肝心のストーリーに切れ味がない。 何だか、ぼんやりとしている。 夫婦間の信頼と疑い、絶妙な人間関係を描いている点は評価できる。 夫婦の間に、間男が割り込んでくるが、結局、夫婦は仲良くなって終わり、という意外な展開。 他人には分からない夫婦間の深い結びつき。 その結びつきの深さが、最後の意外な展開に活きてきて、説得力を持たすことに成功している。 こういった人間関係がドロドロとしたドラマは、ヒッチコックには不向きだと思うが、こんなヒッチコック作品が一つくらいあっても、いいのかな。 出来が良い作品ではないかもしれないが、ヒッチコックの新たな一面を発見できる作品だ。[DVD(字幕)] 5点(2016-09-04 00:58:36)《改行有》 1231. てなもんやコネクション 山本政志監督らしい作品。 だけど、他の山本作品に比べると、明らかに失敗作。 ごった煮はいいけれど、支離滅裂で、ただ長いだけ。 風変りな人は、相変わらず沢山出てくるが、どれも生理的に受け付けなかった・・・ 釜ヶ崎の突入ロケだけが見物。 これだけは素晴らしい![DVD(邦画)] 3点(2016-08-24 02:19:52)《改行有》 1232. カップルズ 台北を舞台に、淡々と繰り広げられる物語。 つまらなくはないが、面白くもない。 一昔前の台湾映画の特徴か。 台北の夜市は、やっぱり定番。 映像の美しさを、あまり感じられなかったのが残念。[ビデオ(字幕)] 6点(2016-08-22 02:09:40)《改行有》 1233. パリの大泥棒 ベルモンドは魅力的だが、内容的に少々、退屈感あり。 泥棒稼業の内幕を描いており、興味をそそられた部分はあった。[ビデオ(字幕)] 4点(2016-08-21 02:10:13)《改行有》 1234. 罪の手ざわり 《ネタバレ》 名匠と言われるジャ・ジャンクー監督による、4話から成るオムニバス。 雰囲気は悪くないが、ストーリーにそれほど魅力がない。 第1話 炭鉱夫が村の不正を正そうとするが、結局かたっぱしから撃ち殺して終了、という話。 これの良くないところは、撃ち殺しまくった後の姿が描かれていないこと。 つまり、殺人の後必ず来るであろう、逮捕や死刑といった責任の部分が欠落している。 これはもはや、殺りっぱなし、投げっぱなしで、やり逃げみたいな内容である。 第2話 退屈な村の生活に嫌気がさした男が、憂さ晴らしも兼ねて人を殺しまくる、という話。 ヒットマンのごとく人を鮮やかに殺しまくるが、ヒットマンっぽくないのと、不自然に殺しがうまくいき過ぎている点が、難点。 リアリティを欠いている。 第3話 不倫を続けた女が報われないまま、更に人を殺してしまい、不幸のどん底に落ちていく、という話。 これはもはや勝手にしろい!と言いたくなる内容。 不倫するのも自己責任だし、もう少し地道に生きていけばいいだけの話である。 第4話 仕事もうまく行かず、仕事も辞めるハメになった若い男が、怪しいお店でウェイターになるも、うまくいかず自殺にいたる、という話。 とにかく救いがない。 ただし、現代中国の底辺を生きる若い男の、行き場のない絶望感が、リアルに描かれている点は良い。 ある意味、一番良かった話かも。 女優陣のインパクトも強い。 総評すると、やっぱりジャ・ジャンクーは不思議な魅力に溢れていた。 そしていまだパワーも感じる。 この作品はイマイチでも、次の作品、また別の作品を観てみたいと思わせる何かがある。 ジャ・ジャンクー監督にしか出せない、独特の映画的雰囲気も素晴らしい。[DVD(字幕)] 7点(2016-08-18 22:59:51)《改行有》 1235. ルー・サロメ 善悪の彼岸 《ネタバレ》 シーンとシーンのつなぎ方に違和感があった。 それと内容がつまらない上に、やや尺が長い。 つまみ食いの様に挿入される、オゲレツなシーン。 特に男同士がフルチンで絡みあうシーンは苦痛。 特に感銘を受けずに終わった。[ビデオ(字幕)] 4点(2016-08-14 00:06:32)《改行有》 1236. 現代人 《ネタバレ》 恋に狂った男の顛末を描きつつ、汚職にまみれた現代社会をも風刺した作品。 今から見れば“現代人”という言葉の用い方が、逆にハッとさせられた。 お役人の汚職は、おそらく現在も陰で平然と行われているだろうし、無くなりはしない。 だけど、本作のように、問題提起することは大切だ。 利己的な人間が渦巻く現代社会において、信じられる物。 それは、本作で描かれた、「愛する人への一途な想い」だけなのかもしれない。 現代にも通ずる話で、決して色褪せない内容。 むしろ、腐りきった現代社会は、今も変わらず、進歩もしていないということか。[ビデオ(邦画)] 6点(2016-08-10 00:44:08)《改行有》 1237. 汚れた顔の天使 《ネタバレ》 ギャング映画は好きな方だが、この作品はどうもイチマチ感が拭えない。 おそらく主人公のロッキーに、それほど魅力と迫力を感じなかったからだろう。 神父の真面目キャラも、こういう作品には邪魔としか感じない。 死ぬ直前に、ああいう演技ができる、そこのインパクトはまずまず。[DVD(字幕)] 5点(2016-08-09 00:21:54)《改行有》 1238. お熱い夜をあなたに 《ネタバレ》 軽妙洒脱、確かにそういう類いの映画。 だけど、面白くもない。 気軽に観られる良さはあるけど、主人公がここまでおっさんだと、魅力がない。 この作品、見所は違った場所にあったような気がする。 要するにトップレスシーン。 あれだけ巨乳の女性が脱ぐとなれば、かなりの衝撃・・・が、当時はあったのかもしれない。 だけど、それだけ。 それ以外は、おっさんが活躍する、時代遅れなコメディにしか感じなかった。[DVD(字幕)] 3点(2016-08-09 00:15:16)《改行有》 1239. 狂気の行方 ヴェルナー・ヘルツォーク作品としては、異色作。 なぜなら、ヘルツォーク作品はパワフルで、ぶっ飛んだ内容の作品が多いからだ。 本作は、他のヘルツォーク作品と比べると、それらの要素が薄い。 おそらくそれはデヴィッド・リンチ色が入っているからだろう。 ヘルツォークの個性をリンチが潰したというか、正確には、二人の個性がぶつかり合い、それぞれの個性を打ち消し合ってしまった感じかも。[DVD(字幕)] 5点(2016-08-05 00:52:52)《改行有》 1240. 11'09''01/セプテンバー11 観るのが遅すぎた。 さすがに自分にとって、9.11は遠い記憶だった。 そして、アメリカという国が好きでない私には、不向きな作品だった。 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品が目当てで本作を見たが、そこは流石の出来栄え。 映像のインパクトと、お手前の音楽の使い方なんぞ、ずば抜けている。 後に、この監督がアカデミー賞で注目を浴びたのは必然だと思う。 にしても、この作品、なかなか際どい主張をしている。 それは、9.11という同時多発テロに対して、必ずしも批判的な姿勢を取っていないということ。 勿論、倫理上、テロ行為を肯定するような直接的な表現はされていないが、随所にアメリカの自業自得と言わんばかりの表現が、いくつかあったように思う。 そんな際どい主張を、スレスレの危うさでやってみせた本作は、なかなかの問題作のように思う。[DVD(字幕)] 5点(2016-08-05 00:51:26)《改行有》
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