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プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1261.  怪談(1964) 《ネタバレ》 小林正樹の映画と言うとモノクロというイメージが強いんですが、これが彼の初めてのカラー作品なんですね。黒澤明もそうでしたが、長くモノクロで撮ってきた映画作家はカラー作品に移行すると色の使い方には拘るもんですよね。とにかくこの映画は色彩設計と美術にはもう凝りまくってます。シンプルなんだけどとても斬新、邦画の映画美術の頂点に位置すると言っても決して過言ではないでしょう。『雪女』の眼玉が浮かんでいる様な空と鮮やかな夕陽、『耳なし芳一の話』の日本画の大家に実際に描かせた壇ノ浦合戦の絵、当時の邦画としては空前の製作費を美術費に惜しげもなくつぎ込んだというのは本当でしょう。 “怪談”と言っても決して今で言うホラーではなく、純日本的な「物のあわれ」や「諸行無常」を追求したエピソードが選択されているところも小林正樹らしさが出ています。それでもそれなりの出演者を揃えていますから、グッとくるところはキチンと押さえています。『茶碗の中』での中村翫右衛門が最後に狂ってゆく演技はさすが名優と感服いたしました。でもいちばんゾッとしましたのはやはり『耳なし芳一の話』でしょうね、なんせ芳一をお迎えに来る亡者があの丹波哲朗なんですから(笑)。 [DVD(邦画)] 8点(2014-07-29 22:19:52)《改行有》

1262.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 タイムトラベルものとなると異様に燃えちゃう自分ですが、この映画は実はタイムトラベル自体には大した意味を持たせていないと思います。もうどなたかが書かれていますけど、殺害ターゲットを過去に送るというのは意味がないですよね、死体だけ送れば済むことじゃないですか。好意的に解釈すると、その未来社会では国家権力が何らかの手段で人の生死を完全に把握する社会なのかもしれませんが、この映画では未来社会の描写がほとんどないのでそこまで肩を持つこともないですね。 未来から送られてくるのがブルース・ウィリスという時点で、もうこれは『12モンキーズ』だよねということはバレバレだし、そこに『ターミネーター』みたいな人探しをさせるとなると、なんかどこを観ても昔の映画のデジャヴ感がハンパなかったです。あのサトウキビ畑ですら『フィールド・オブ・ドリームス』やってると感じちゃうぐらいですから困ったものです。そしてそこにサイキック・チャイルドが出てくるとなると、これはブライアン・デ・パルマの…、もうキリがないので止めときます(笑)。 ラストのオチだけは、シンプルでしたが意外と観られないパターンでもあるので評価したいと思います。あと、あの子役の演技はけっこう怖かったですよね、この子これから大物になる予感がします。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-27 18:34:55)

1263.  怪獣王ゴジラ 《ネタバレ》 実はゴジラ出現と東京の惨状を傍観(?)して死にかけたアメリカ人記者がいたんです、という風にレイモンド・バーを無理矢理ねじ込んだ全米公開版ゴジラです。いきなり瓦礫に埋もれて血を流すレイモンド・バーが映されるところから始まり、山根恵美子がボランティアをしている病院に彼は搬送されます。この後バーは記者会見場や国会の委員会場などに背後霊の様に出現してゆくのですが、思ったより違和感がない繋ぎ方かと思いました。このアメリカ人、恵美子や山根博士と芹沢博士とは旧知の間柄という設定なのがかなり強引で、彼らと会話するシーンではミエミエの代役を肩越しに撮って、そこまでして頑張る必要があったのかはあえて考えないようにしましょう(苦笑)。でもこの三人には英語の吹き替えまでしているのに、可哀そうなのは宝田明でこのアメリカ公開版では無視同然の扱いをされちゃってるんです(笑)。彼の出演シーンが一番多くカットされてるし、まるで端役扱いでした。 とにかく一番笑わしてくれるのが大戸島のシーンで、バーの横に立つ島民(というか怪しげなアジア人)の着てる半被らしきものに何やらカタカナが書いてあるんです。良く見るとそれは「ルシイル」という文字でした(爆笑)。バーたちが大戸島に一泊するのがテントというのも脱力ものシーンですが、実際の『ゴジラ』の準備稿にも山根博士たちがテントで一夜を過ごすというシーンがあったそうで、笑っちゃったら失礼に当たるかも。でもレイモンド・バーがバーチャルな存在のくせに「エミコ、エミコ」となれなれしく呼ぶのだけは許せないなあ(笑)。[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-07-27 17:50:29)

1264.  てなもんやコネクション 《ネタバレ》 大槻ケンヂの著書で「とってもヘンな映画」と紹介されていた記憶がありましたが、このたびご縁がありまして鑑賞させていただきました。 前半は言ってみれば波茶滅茶ロードムービー。香港のスラムに住むボンクラ兄ちゃんがクイズ番組で日本旅行をゲット。ところが大阪の代理店がインチキ業者で、通訳の姐ちゃんはド素人・食事は立ち食いうどん・宿はカプセルホテルともうほとんどサギみたいなもんです。おまけに車上荒らしにあって旅券と有り金全部を持ってかれて無一文、西成のオッサンたちにカンパしてもらって憧れの東京ディズニーランドにようやく向かうことが出来たが、車の底には泥棒のおばちゃんがしがみついていた。通訳のミスでTDLならぬ浅草花やしきに連れてかれるが、ここで入場500万人目記念で当たった景品が何と香港旅行ご招待! と、ここまではすこぶる好調で傑作コメディと呼んでしまいたいぐらいです。西成のあいりん地区でロケしていて出てくるのはちょっと危ない素人のオッサンばかりで、この監督の無鉄砲ぶりには感心しました。 さてこの映画が奇想天外なことになってくるのは、後半の香港に舞台が移ってからです。ボンクラ兄ちゃんがなぜか通訳の姐ちゃんと泥棒おばはんを連れて香港に帰ると、旅行中に日本の土建屋が実家周辺の地上げを始めてました。ここら辺から、なぜか室田日出男が画面に登場するんです。衣装が泥棒おばはんと何故か一緒、それもおばはんが映るカットがあると次のカットは同じ衣装の室田日出男が女装もせずにおばはんと同じキャラを演じているんです。大槻ケンヂの著書によれば「おばさんはこれより『男と女の二人一役』になります、よろしくね❤」という説明字幕が出たそうですが、DVDではそんなもんどこにもなく、予備知識がなかったらもう自分の頭がどうかしちゃったのかと不安になること必定な映像体験です。真偽のほどは不明ですが、室田日出男が監督とトラぶって途中降板しちゃった名残りなんじゃないかというのがネットなどでは有力な説で、たしかに彼の名前はエンドロールにも出てきません。たとえそうであったとしても、はじめから二人一役が監督のプランであったと考えた方が自然な様な気もするし、謎は深まるばかりです。はっきり申して後半の失速ぶりは痛いですが、近藤等則のサントラは絶好調でこれをお楽しみに鑑賞してみるのもいいかもしれません。[DVD(字幕)] 5点(2014-07-25 19:41:45)

1265.  フロム・ヘル 皆さんの評判は芳しくないけど、えーっそうですかね、自分はそんなに悪くないと思いますし、けっこう好きかも。時代ものでジョニー・デップが刑事で難事件に挑むってのは『スリーピー・ホロウ』と被りますが、この映画の監督というか脚本にティム・バートンみたいな才気と黒いユーモア感覚がないところが不評の元なんだろうなと思います。でも“エレファントマン”ジョン・メリックまで登場する造りこまれた19世紀末ロンドンの雰囲気とは好きですし、脇を固める味のある助演陣もいい仕事してると思います。原作があのアラン・ムーアですから、ウィリアム・ガル卿の卒中で不自由な肢体とかジャックが出した手紙の件とか、けっこう辻褄の合わないことも目立ちますけどね。 まあこの映画の一番の難点は、ファンには怒られるかもしれませんが、デップが19世紀の英国人にとても見えないところでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-21 22:07:22)

1266.  男が血を見た時(1960) 《ネタバレ》 CSで放送されたものを鑑賞したのですが、いくら新東宝のレアものとはいえあまりの画像の劣悪さには往生しました。気になるのはフィルムの痛みもさることながら、ブチブチとカットが飛んでいるところです。たぶん全篇で5分は切れているんじゃないかと思いますが、70分少々の上映時間ですからこれは影響は大ですよ。内容はまあ新東宝お得意の電気紙芝居みたいなものですが、どうせ新東宝の珍品を流すなら『九十九本目の生娘』や『地平線がぎらぎらっ』あたりにしてほしいなあ。 主演は松原録郎で、たぶんこの人は新東宝二枚目男優の中でもっとも影が薄かった存在だと思います。彼の代表作と言うと、やはり伝説のカルトTVドラマ『恐怖のミイラ』ということになりますかな。このドラマは新東宝の倒産直後ということもあり、三条魔子とか若杉嘉津子そして三原葉子といった旧新東宝のメンバーが大挙ご出演されているそうです。この映画ではオートバイのカミナリ族に入ってくるブルジョワのボンボン息子で、カミナリ族とは今で言う暴走族の元祖みたいなもんです。自分はバイクには詳しくないのですが、登場するバイクはどうもモトグッチあたりの外国製が多かったみたいです。カネがない新東宝のことですからバイクの走りなどスクリーン・プロセスも使わずただ映すだけですが、カメラが並走して撮っているのでかえって迫力がある画になっているのは怪我の功名ですかね。 ラストは新東宝お得意の女を賭けての対決、もちろんバイクのスピード競争です。明らかに『理由なき反抗』あたりを意識してはいますが、中身も取り柄もない映画でした。[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-07-19 01:01:10)

1267.  怒涛の兄弟 《ネタバレ》 邦画では時代劇の流れを汲んで公儀やお上(今で言うところの国家権力)をヒーローとするドラマツルギーが存在しますが、それにしても公安調査庁の課長が主人公という設定はかなりの珍品です。公安調査庁の課長(中山昭二)には大学生の弟(松本朝夫)がいて、こいつが左翼思想にかぶれて秘密結社(たぶん共産党)の一員となります。この組織、活動資金を稼ぐために会社まで創って密輸に励みます。その社長の悪事が秘密結社のボスにばれ、指令を受けた弟は社長を射殺して裁判にかけられますが、最後は母親の愛によって魂は救われるという、いわば任侠時代劇によくある母子ものをそのまま現代に持ってきただけの古臭いお話しです。だいたい法廷で「裁判長様、私の話を聞いてください」と傍聴席の母親が不規則発言をして、それがそのまま証拠として採用されるなんて、この脚本書いた人世の中の仕組みが判ってるのか非常に疑問です。当時の共産党は武装闘争に走って非合法化される寸前まで追い込まれていた時期でしたが、映画の中でそれらしいモデルとはいえ悪の組織として描かれているのは非常に珍しいことで、さすが新東宝です。 まあ語るほどの価値もない愚作なんですが、みんな時代劇みたいな芝居をしている中であまりにバタ臭い前田通子が浮いていたのが印象的でした。[CS・衛星(邦画)] 2点(2014-07-17 22:39:34)

1268.  北陸代理戦争 《ネタバレ》 松方弘樹の豪快な暴れっぷりは確かに見ものですけど、盃のことなどシーンが変わるとまるで正反対の言動になるなどこの人物の行動原理が意味不明なんです。たしかに生身の人間は矛盾に満ちた存在だし実話ベースなことも判りますが、これが笠原和夫が書いた脚本ならもっと上手に処理していたろうなと感じます。まあとにかくこの主人公、得意技が“生き埋め責め”というわけで、やることが無茶苦茶ですわ。どうやって撮ったのか想像してみると楽しいですが、あの西村晃はマジで埋められてるとしか思えません。少なくとも頭に降りかかる雪はどう見ても本物で、こんなベテラン俳優になんという仕打ちをすることやら(笑)。主人公の懲役を挟んだ数年にわたる物語なのにどのシーンも冬で雪景色というのは、プログラム・ピクチャーなんでまあしょうがないでしょう。ストーリー自体は簡潔というか殺伐とし過ぎてて、まるでワイドショーの再現フィルムのロング・バージョンみたいです。ラストも「えっ、こんな終わり方でいいの?」という感じで、これが東映実録ヤクザ映画の掉尾を飾るというか深作欣二最後のヤクザ映画かと思うと、ちと寂しいものがあります。[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-07-15 20:37:37)

1269.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 自殺願望に取り付かれた少年が主人公ということで本作はカルト的な評価が高いのですが、観てみれば判る通り中身は男が成人するときに体験する通過儀礼をシュールに描いています。将軍の伯父さんの話を聞いて興奮するシーンもありますが、ハロルドは自殺という自分の死に憧れているだけじゃなく、本当は他人を切り刻むことの方が興奮する実に危ない奴なんです。ここら辺はベトナム戦争にのめり込んでいた当時の米国の精神風土を反映させていることが良く判ります。そんなハロルドがナチス絶滅収容所の生き残りである(たぶん)モードとの交流で浄化されてゆくストーリーは、なんと美しいことでしょうか。アメリカン・ニューシネマに関わった映画作家は沢山いますが、やはりハル・アシュビ―がもっとも洗練されていたんじゃないでしょうか。彼の撮ったニューシネマは、どれもお約束通りの悲劇的な終わり方をするけど、同時に強い希望の光が射しているのが私は好きです。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-12 21:24:03)

1270.  ミス・ブロディの青春 《ネタバレ》 最近はハリ・ポタのミネルバ・マクゴナガル先生のキャラが定着しちゃった英国を代表する大女優マギー・スミスですが、彼女にオスカー主演女優賞をもたらしたのがこの映画。この当時すでに彼女は35歳だったのですが、とにかくこの人の若いころの美貌は今や伝説となっています。たしかにこの容姿は誇り高きミス・ブロディを演じるにはピッタリですね。 このブロディ先生がまた完全に飛んじゃってます。とても女学校の教師とは思えない鮮やかな色のスーツの着こなし、彼女のシークエンスでは全部異なった衣装で登場するという念の入れようです。崇拝する女生徒を親衛隊のように引き連れて闊歩し授業ではムッソリーニを称賛しちゃう、とても感情移入出来る女性じゃないけどカッコ良いことは確かです。 このブロディ・ガールズのリーダーで、彼女を裏切って退職に追い込むのがパメラ・フランクリン。彼女の眼鏡っ娘ぶりはかつて彼女のファンだった自分には堪らないんですが、なんとオール・ヌードまで見せてくれたのにはビックリしました。『巨大生物の島』あたりからもう映画出演してないみたいでして、もう引退しちゃったのかな。 ほんわかムードの序盤からブロディ先生がだんだん追い込まれてゆき、それに反比例するようにパメラ・フランクリンの存在感が大きくなってゆくという展開は、舞台劇の映画化だけあって見事です。ロナルド・ニームの監督としての力量を見直しました。[DVD(字幕)] 8点(2014-07-09 23:20:57)(良:1票)

1271.  ビバ!マリア 《ネタバレ》 全世界の若者が「造反有理」「革命無罪」と叫んでいた頃らしさに満ち溢れた革命ファンタジー。そこにジャンヌ・モローとブリジッド・バルドーというおフランスの二大名花を引っ張ってきたというところが、この映画の最大の功績でしょう。モローとバルドーと言うと同じセクシー系ながらも対照的なキャラなので、かえってそのコンビネーションの妙が愉しめます。やはりバルドーはこの頃が美の全盛期で、もう熟しきった果実という感じです。それに引き換えモローにはかなりおばさん風味が隠しきれなくなっていて、それまでジャンヌ・モローの美を最大限に引き出してきたルイ・マルもさすがにお手上げということでしょうね。その迷いはラブコメなのかアクションなのかどっち着かずの脚本にも現れていて、革命劇の成り行きもあまりインパクトを感じさせられません。もっともゴダールあたりに言わせればマルなんて思想性のないノンポリみたいなものなんで、単純な革命お伽噺と割り切った方が良いでしょう。 全篇にエスプリの効いた小ネタのギャグで繋いでいて、そこら辺は『地下鉄のザジ』を彷彿とさせてくれます。でもさすがに爆弾で首を吹き飛ばされてしまう神父の最期、ちょっとやり過ぎの感があります。[ビデオ(字幕)] 5点(2014-07-08 20:37:01)(良:1票)

1272.  フェイズIV/戦慄!昆虫パニック 《ネタバレ》 この知る人ぞ知るカルト映画が遂にDVD化され気楽に観ることが出来るようになりました。良い時代です。 「蟻を調教して演技させた」というウソ臭いエピソードは聞いていましたけど、観終わってひとこと、「これはホントに演技しているとしか言いようがない…」。生き残った蟻が死んだ蟻を並べてゆくシーンがあるのですが、まさかこんなシュールな映像を見せてくれる映画があったとはただただ驚嘆するばかりです。またどアップで映し出される蟻の姿がもう凄い迫力で、まるでエイリアン・モンスターみたいです。そう言われれば女王エイリアンを中心にしてコロニーを造る生態は、モロに蟻の世界のメタファーなんですね。ですから、昆虫アレルギーというか虫嫌いの方はこの映画を避けた方が無難でしょう。 監督はタイトルデザインの巨匠、ソウル・バスです。意外ですが、長編はこの映画だけですが短編映画は何本も監督していて、オスカーの短編映画賞も受賞しているんですね。でも本作ではパラマウントには受けが悪くてラスト10分をカットされてしまったそうです。それはマイケル・マーフィとリン・フレデリックが蟻に管理されて人類が異質なものに進化してゆくところが描かれていたそうで、「なんでカットしちゃったの!」と悲鳴を上げたくなるような気分です。[DVD(字幕)] 8点(2014-07-05 20:55:17)

1273.  青春デンデケデケデケ 《ネタバレ》 ハリウッドではハイスクールのプロム(卒業ダンスパーティ)をテーマにした青春映画がひとつのジャンルになっていますね。邦画ではいわゆる“学園祭映画”というジャンルが相当しますが、本作こそがこの“学園祭映画”の始祖になるんじゃないでしょうか。 まず芦原すなおの原作小説が、まるで大林宣彦が映像化することを想定して書いたんじゃないかと思えるほど、大林ワールドにピッタリなんです。地方の県立名門高校の高校生活がとてもノスタルジックで、経験者には世代を問わずとても懐かしく感じるでしょう。 そして全篇を彩る讃岐弁ワールド! 中でも「あんじゃるー!」のインパクトは強烈でして、いまだに心の中では使わせて頂いています(気色悪い、という様な意味です)。登場キャラの中ではやはりお寺の息子・合田富士男くん、高校生のくせに既に名僧の貫禄ですがあの口八丁ぶりなら営業マンやってもトップとれます。彼を演じたのは大森嘉之という俳優でこの後あまりパッとしない映画歴ですけど、本作に関してはまさに鬼神の様な演技でした。 主人公の甘ったるいナレーションやカメラに話しかける手法にはけっこう抵抗ある人が多いでしょうが、実はこれが原作小説の雰囲気を良く表現している事は確かです。誰もが経験した高校生活からノスタルジーを引き出す技に関しては、やはり大林宣彦はピカイチだと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-07-03 23:59:52)(良:1票)

1274.  戦略大作戦 《ネタバレ》 文字通り画に描いた様な痛快戦争映画。思えば、こういう痛快戦争映画というジャンルは本作を最後に滅亡しちゃった感じですね。マカロニウェスタン顔負けに敵味方ともバタバタ死人の山が築かれますが、ケリーと仲間たちにとっては将軍の勲章稼ぎに狩りだされるぐらいなら、お宝を狙って敵弾に倒れる方が悔いのない死に方だということで、とても判り易い。それでもあのラストのオチは、今の眼で観ても新鮮というか奇想天外ですね。 ユーゴスラビアでロケされたというのも珍しいですが、そのおかげで色々レアな兵器が観れるのは貴重です。大戦型のシャーマン戦車も博物館に残っているのが大部分という頃なのに、稼働する実車を使ってるのが贅沢ですね。そしてあのタイガー戦車、ソ連のT‐34戦車を改造したものでかなり頭でっかちなプロポーションなんですが、正面から観るとまさにタイガーという面構えです。この改造車両は「戦略タイガー」と呼ばれるほどで、たぶん『プライベート・ライアン』に登場するタイガー戦車もこの「戦略タイガー」のアップデート版のはずです。このSS部隊の指揮官はチラッとしか画面に映りませんが、何とイヴ・モンタンなんです。ノン・クレジットなんですが、なんで彼がこの映画に関係しているのか謎です。[映画館(字幕)] 8点(2014-07-01 23:39:03)(良:1票)

1275.  GODZILLA ゴジラ(1998) 《ネタバレ》 私を含めた全世界のゴジラファンを激怒させた問題作。ゴジラを「核実験の死の灰を浴びて突然変異したイグアナ」と設定した時点で、もうこれはゴジラのリメイクじゃないですし、そもそもゴジラの名称を使わせたこと自体が間違ってます。 ローランド・エメリッヒが監督と聞いただけで危ないと心配してましたが、ここまでひどいとは予想を超越してました。元祖『ゴジラ』が名作と今でも語り継がれるのは特撮だけじゃなく本編の人間ドラマがしっかりしていたからで、ところがこの映画に出てくる人物はみんなバカばっかりでもううんざりです。その中でも特にひどかったキャラがこの二人です。一人はあのバカ女レポーター・オードリーです。演じたマリア・ピティロはこの役で見事にラジー賞をゲット。この人ここまでは割と順調にキャリアを積んでいたのに、本作以降はメジャーな作品どころか映画出演自体がほとんど無くなっちゃったのはちょっと可哀想かな。そしてもう一人はエバート市長。有名な映画批評家ロジャー・エバートがモデルで、『インデペンデンス・デイ』を酷評された腹いせに監督がコケにしたというのは有名なエピソードです。市長役の俳優はロジャー・エバートにそっくりですし、金魚のフンみたいな市長の側近ジーンもロジャー・エバートとコンビを組んでる批評家ジーン・シスケルに瓜二つという念の入れよう。この不愉快な市長が本作で唯一の悪役みたいなもんだけど、ここまでやるとはエメリッヒという人執念深くてけっこう嫌な性格みたいですね(笑)。 まあこの映画は怪獣映画じゃないですよ、笑えないコメディ映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 2点(2014-06-29 20:44:07)

1276.  アジャストメント 《ネタバレ》 観始めてからしばらくすると最近観た映画にすごく良く似ている様な気がしてなりませんでした。良く考えたら、『ルル・オン・ザ・ブリッジ』でした。しかし比べてみると、主人公の行動が恋人に及ぼす影響が真逆なんですね。『ルル・オン・ザ・ブリッジ』は決して褒められる映画というわけではないですが、同じラブストーリーとして観ると文学的な香りが強くて本作よりははるかに出来が良かったと思います。 帽子を被ったおっさんたちが天使で神さまが“議長”というのは、判り易いというか単純な発想とも言えます。全ての人間の運命を管理して調整するなんて、何と言うか天使という仕事も超ハードワークですね。でもそんな苦労を無にしてしまうあのオチ、テレンス・スタンプ可哀そう(笑)。それにしても最大の?は、あのハリーなる天使がなぜマット・デイモンを手助けするのかということなんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-06-27 22:57:42)

1277.  ひばりが丘の対決 《ネタバレ》 怪談映画のマエストロ中川信夫が撮った、ちょっと変なテイストの映画です。いちおうアクションというジャンルになるとは思うんですけど、なんかヘンなんですよね。 『カルメン故郷に帰る』をパクった様なプロットで、北海道の山奥が舞台という設定なんですが、たしかに山奥だけどどうも北海道らしくない風景で、本州のどこかでロケしている事は間違いない。新東宝の予算で北海道ロケなぞ出来るわけないでしょ(笑)。この“カルメン”が久保菜穂子で、この山奥が故郷というわけじゃなく失踪した兄を捜しに浅草からはるばるやって来ました。職業はもちろんストリッパーです。たしかにこの映画の久保菜穂子はすこぶるチャーミングでして、彼女の新東宝でのフィルモグラフィの中でもっとも輝いているキャラだと思います。彼女が歌い踊るシーンが2つありますが、湖畔で見せてくれるダンスは♪アンパーヌプリヌプリコ、エッパーウ♪なんて何語か判らん歌詞が妙に頭に残りました。 でもカップルは馬車で駅と村を往復する仕事に命をかける高島忠夫と郵便局長の娘矢代京子の方なんです、久保菜穂子は引き立てキャラなのに彼女の方が目立っちゃってます。高島忠夫はちょっとオツムが弱いのかと思うほど茫洋としたキャラで、なんかこの人の容貌にピッタリの役です。 三人組の脱獄囚が後半に登場、こいつら村の家に押し入って強盗殺人、おまけに矢代京子を人質にして逃走。そしてクライマックス、霧が立ち込める峠で三人組と高島忠夫の対決となるわけですが、ここで見せる高島のアクションが鈍重極まりないのはご愛敬です。 どうも『ひばりが丘』というのはこの峠の荒れ地のことみたいなんですが、劇中そんな地名はまったく出てきません。もちろん、西武新宿線の駅がある街でもありません。まあこの題名を見て、まさか北海道の山奥が舞台の映画だと思う人は誰もいないでしょうけど(笑)。 中川信夫の現代劇映画は、どのジャンルでも共通してなんかヘンなテイストを持っているんですよ。まあその頂点にあたるのが『地獄』なんでしょうけど。[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-06-26 23:45:41)

1278.  アダムス・ファミリー(1991) 昔東京12チャンネルで放映してたアニメ版が好きだったので、「うわ―懐かしい、キャラそっくりじゃん」と感心したのですが、確認してみるとアニメ版にもオリジナルにも似ていない、それぞれのキャラををデフォルメしたって感じなんですね。周りのキャラはともかくとしてアダムス親子4人については、特殊メイクで顔を造ったというより単にメイクを濃くしただけでこれだけイメージピッタリになりました、というところでしょう。もうキャスティングの妙というか、たまたま同時代にこの4人がいたところに映画の神様が微笑んでくれたって言う感じです。だってもうラウル・ジュリアは死んじゃったしクリティーナ・リッチは成熟しちゃったしアンジェリカ・ヒューストンは・・・、つまりこのメンツではもう続編は撮りたくても撮れないってわけです。 ホラー・コメディとしては良く出来ていると思いますが、特徴的なのはミュージカル要素が濃厚だったことでしょう。ラウル・ジュリアの『マムシカ』をはじめダンスシーンがゴス調の舞台に良くマッチしています。近年、『アダムス・ファミリー』はブロードウェイでミュージカルになって大評判なんだそうです。それを考えると、この映画なかなか先見の明があったわけですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-24 20:09:02)

1279.  ザ・ディープ(1977) 《ネタバレ》 さてこの映画、公開当時もロバート・ショウやニック・ノルティを目当てで観た人はまさかいないでしょう、そりゃジャクリーン・ビセットの透け乳目当てに決まってますよね。ところがこのお目当てのシーンは冒頭だけ、2時間の上映時間中でも彼女の水中シーンは二つしかないというのはがっかりだった事でしょう。せめて新東宝の海女映画ぐらいのサービスがあっても罰は当たらなかったでしょうにね。悪党が狙っているのが海底に沈んでいるモルヒネのサンプルというのも、ちょっとなんだかなあという感じです。サスペンスの盛り上げ方も冗長の一語で、鬼才ピーター・イエーツが監督してるとはとても信じられない凡庸な映画です。彼がここまでヤル気を無くしてしまったのも、ピーター・ベンチリーの原作小説自体がスカだったのが大きな原因でしょう。『JAWS』の原作者として一世を風靡したベンチリーだけど、『JAWS』にしたって小説としては凡庸で、歴史に名を残せたのもひとえにスピルバーグの天才の賜物です。しょせんこの人は一発屋だったということでしょう。[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-06-21 21:51:19)

1280.  アダプテーション 《ネタバレ》 “Adaptation”という言葉には“適応”の他には“脚色”という意味もあり、チャーリー・カウフマンが味わった既存の小説を脚色するという事の苦しみ、いわば脚本家版『81/2』というのがこの映画の醍醐味となるんでしょうね。それをスパイク・ジョーンズと組んで映像化しているのだから一筋縄でゆく訳がないです。この人の頭の中はどうなっているんだと感嘆させられるのは、双子の弟ドナルドはなんと架空の人物なんですよ。ライティング・クレジットに名を連ね、仲良くオスカ-にノミネートまでされた人物が実在していないとはちょっと凄いお話しですよね(アカデミー賞史上、架空の人物がノミネートされたのは後にも先にもこれだけ)。エンド・クレジットに“in loving memory”なんて弔辞まで出されたら、もう完璧に騙されます。 この双子をニコラス・ケイジが熱演というか怪演しており、こうやって観ると「ニコジーはヘンな奴だけど、やっぱ名優だよな」と再認識させて頂きました。性格が正反対の双子をメソッド演技で同一人物が演じる、やってるニコジーは頭がおかしくなりそうだったでしょう。ハゲで引っ込み思案のデブ中年、ハリウッド・スターでこんなキャラを演じられるのは、ニコジー、あなたしかいない! それにしても弟ドナルドが書いた『3』という脚本、なんか面白そうじゃないですか。映画化して欲しいな。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-19 22:53:18)

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