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1261. ジキル博士とハイド氏(1931) 《ネタバレ》 原作はスティーヴンソンの名作「ジキル博士とハイド氏」、ジキル博士とハイド氏の違った人格の二重生活を扱ったものだが、私にはいまいち内容がピンとこなかった。しかし、この映画は実にわかりやすくコンパクトに描いていると思う。 昔はジキル=善、ハイド=悪というとらえ方が一般的で、ジキル=偽善、ハイド=正直や、ジキル=紳士、ハイド=野獣にもなった。それが淀川さんの解説(全面ネタバレに近い)によって、人間そのものが善良で抑制心を持つ面と本能のままに自由に生きたいという面の二面性を持つものであり、その悲劇を主題にした映画だった。 この名作は数多くの映画や舞台劇、ミュージカルから少年少女向けのお話まで、数多くリメイクを生んできた。映画に限っても、フレデリック・マーチだけでなく数多くの名優が演じてきたが、さすがに彼は主演男優賞をとるだけあってすばらしいし、映画も大変わかりやすい。 ところでこの映画見るとどうしても「フランケンシュタイン」を思い出してしまうのは私だけかな。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-30 01:28:44)《改行有》 1262. 愛の奴隷(1994) チリ・クーデターやその後の軍部独裁政権をテーマにした映画は少なくないが、その中でも屈指の社会派ドラマである。横行する醜い国家警察権力に対して、見ざる・聞かざるの環境で育った主人公イレーネが、レジスタンス活動家の写真家と恋に落ち、ジャーナリストとしての使命に目覚める。彼女の目を通して描かれる軍部の拷問や虐殺は、陰険そのものだ。 この映画の原題「Of Love and Shadows」のLoveは、恋人同士の愛だけではなく、人間愛、家族愛、祖国愛といった大きな愛を指している。そしてShadowsは闇すなわち独裁政権の闇なのだ。これがまたどういういきさつで「愛の奴隷」という誤解を生むような邦題になったのだろうか。大いに不満。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-28 23:11:26)《改行有》 1263. 上海の伯爵夫人 代表作「日の名残り」を初め数々の賞に輝いたカズオ・イシグロ氏の脚本だけあって、実に見応えのある映画だ。上海事変という日本軍の中国侵略を背景に、地元中国の人のみならず、上海に難を逃れて人たちの運命をも描いているが、歴史劇とロマンスのバランスもとれている。 盲目になったジャクソンが戦乱の街をさまようなどやや無謀とも思われる筋書きもあるが、ドラマだから許そう。しかし中国が舞台なのだからもっと中国人を活躍させて良かったのでは・・・。映画ではその他大勢に扱われいる。 この映画はロシア風、中国風、欧州風と音楽や舞踏など、いろいろな文化が入り交じり、混乱の中国をうまく描いていて、もっと評価されてよい映画だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-27 22:03:47)《改行有》 1264. 千羽鶴(1969) 1968年日本人では初となるノーベル文学賞を川端康成が受賞した。大映はそれを記念し、小説「千羽鶴」を15年ぶりに増村保造監督でリメイクすることを決定。オリジナルは吉村公三郎が監督し、木暮実千代や乙羽信子、杉村春子など昭和を代表する女優たちによって演じられた映画だ。(名作かどうか未見でわからない) 今回は川端の受賞もあったが、もうひとつ理由は病に倒れていた市川雷蔵の復活の意味もあった。だから同じ映画会社の同じ脚本家(新藤兼人)であっても、シナリオは相当雷蔵を意識したものだったらしい。しかし、雷蔵の菊治は実現しなかった。再び病に倒れてしまったからである。急遽代役が立てられ平幹二朗の出番となった。 そういういきさつがあるので、京マチ子、若尾文子という二大女優と釣り合いがとれなかったというか、平幹二朗に不向きな演出となったらしい。雷蔵だったらと思わせるシーンがいくつもあったとか。そんなこんなで雷蔵ならば高得点だったのにと惜しまれる映画だ。[映画館(邦画)] 6点(2012-05-27 10:42:18)《改行有》 1265. 欲望(1966) 抽象画を見て感心する人もいれば、何だこりゃわからんという人もいる。この映画もまさしくそれだろう。 途中で見るのを止めようかと思ったが、音声解説とそれ用の字幕があることに気づき、後半は解説付きで見た。すると急に興味深く見ることができた。邪道かも・・・ この映画を思ったのは、真実とは何か、自分が見たことか、自分以外の誰かと複数で見たことか、それとも写真で撮ったものなのか。写真にしてもなくなってしまえば・・・。 結構考えさせられたり想像させられたりした映画だった。[DVD(字幕)] 5点(2012-05-27 00:12:02)《改行有》 1266. 3人の逃亡者 こういうコミックな逃走劇は他にもあったと思うが、それらのどの映画と比べても軽妙でタッチが良くおもしろい。米国映画だと銃をぶっぱなし派手なアクションになるところが、この映画ではきわめて上質である。それもそのはず元はフランス映画、脚本家でもある監督自身が米国に作り変えたからだそうだ。 欲を言えば、あの女の子がどうして怖そうなおじさんに心を開いたのか不明なちころだが、ま、謎のままにしておこう。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-26 22:03:11)《改行有》 1267. 若草物語(1994) K・ヘプバーン、ジューン・アリソンと続いて、ウィノナ・ライダー主演による三度目の「若草物語」 映像は新しいだけあってとても美しく、音楽もまたたいへんすばらしい。キャストも豪華で過去の「若草物語」と比べ何一つ劣っているものはないように思える。 それでも私が過去の作品より好きになれないのはなぜだろう。三度目という理由もあろうが、この映画はたくさんのシーンを細かくつなぎ合わせたためにメリハリが少なく、今ひとつ盛り上がりに欠けるように思うからだ。欲だろうか。[DVD(字幕)] 7点(2012-05-26 06:53:47)《改行有》 1268. いま、会いにゆきます 見ているときは、突っ込みどころがたくさんあるような映画に思えた。しかし見終わった後はそれがすべて消えていた。それは決して理屈で解消されたわけではなかったのに・・・。 後半どんどん感情が高まっていって最後は涙ぼろぼろだった。でもそれは切ないとか悲しいという涙ではなかった。究極の愛というか、何か心に響くものを感じたからだった。 結子さんに惚れてしまった。佑司くんがとてもかわいかった。獅童さんがとてもうらやましかった。 自分でもまさか10点をつけるとは信じられない映画だった。 [DVD(邦画)] 10点(2012-05-25 16:25:40)《改行有》 1269. 世界の中心で、愛をさけぶ TVドラマが良かったので、映画をDVDで鑑賞。TVと映画の違いに戸惑いながらも、高校時代の亜紀と朔太郎はなかなか良かったと思う。長澤まさみはとてもかわいかったし、森山未來には青春映画らしい新鮮さがあった。それに比べると現在のサクはえらくめそめそしているし、柴咲コウの律子って誰なんだ?という感じであまり好きではない。[DVD(邦画)] 6点(2012-05-25 11:17:23) 1270. チキ・チキ・バン・バン 「メリー・ポピンズ」を見た後はこれ「チキ・チキ・バンバン」! 夢があって楽しくっておもしろさ満点。明るく健全なホームコメディ・ミュージカル。子どもの心にもどって我を忘れて見た2時間余、テーマ曲の「チキ・チキ・バンバン」がいつまでも耳に残って、歌い出したくなる気分だった。[映画館(字幕)] 8点(2012-05-25 05:35:01)(良:1票) 1271. セブン 暗く醜い映像が続き、見る意欲をそがれる。七つの大罪といってもピンとこないし、ただ猟奇的としか言いようがない。[DVD(字幕)] 2点(2012-05-24 19:57:40) 1272. エイプリルの七面鳥 エイプリルの悪戦苦闘の物語かと思いきや、意外と淡々としたドラマの流れ、80分という短かさで終わる。(カメラのシャッターが切れるのは異常に長いが) 特にラストの場面は、えっどうなったの?という気もしたが、見終わった後の感動が実に良い。映画に長たらしい説明や解説は必要ないのだと気づかせてくれる良い映画だ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-24 08:44:24)《改行有》 1273. 秘密と嘘 数々の映画賞に輝いた名作である。マイク・リー監督の代表作でありながら、見る順序が逆になって「人生は、時々晴れ」や「ヴェラ・ドレイク」より後になってしまった。それだけに、家族の絆や人間愛をテーマとする彼独特のスタイル(ヒューマニズム)を身にしみて感じ取ることができた。こういう映画はハリウッドでは作れないのだろうか。[DVD(字幕)] 9点(2012-05-23 20:33:07) 1274. マリリン 7日間の恋 マリリンを演じたミシェル・ウィリアムズがすばらしい。セックス・シンボルと讃えられ持てはやされたモンロー、天真爛漫な面を見せるかと思うと演技で悩み自室に閉じこもる。そういった様々な顔を巧みに演じている。 ミシェル・ウィリアムズはマリリンをやりたくて志願したらしい。その意欲が映画にも現れている。それに対してコリン役はちょっと地味で魅力が今一歩。ジュディ・デンチなど脇役陣も蒼々たるもの、その中にあってハリーポッターで子役を演じていたエマ・ワトソンがびっくりするくらい美しく成長していた。 [映画館(字幕)] 7点(2012-05-23 16:26:37)(良:1票) 《改行有》 1275. 眺めのいい部屋 おおよその流れはわかっても、映画の本題がいまいちピンとこなかった。後半、ジョージやセシルその他周囲の人への嘘が続く。真実はラストの眺めのいい部屋か。 それにしても冒頭のプッチーニのオペラから始まり、フィレンツェの美しい風景、記念物や絵画と続く優雅さ。そしてピアノは、ベートーヴェンに始まりシューベルトからモーツァルトへと続く、音楽好きの私には申し分ないが・・・。 上品な流れの中に、フレディがジョージとの初対面で「水浴びしませんか」は新鮮、モザイクが入る展開になる。それに対してセシル鼻持ちならぬ態度は対照的で、ダニエル・デイ=ルイスもこういう役もするのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-22 19:36:13)《改行有》 1276. 星願 あなたにもういちど ファンタジーは好きだしこの映画も悪くないんだけど、もっとさりげない感じの方が好き。製作する側が泣かせようと力んでしまうと空回りになってしまうのでは・・・。点字の日記など、材料はとても良いのだけど。[DVD(字幕)] 6点(2012-05-21 19:17:53) 1277. あずみ どこがおもしろいのやら。強くてかわいい女の子を登場させて、人気を集めようとする意図が見え見え。仲間同士で戦って戦力を半分にするなんて・・・。[DVD(邦画)] 2点(2012-05-21 16:53:20) 1278. 羊たちの沈黙 緊迫感は大変素晴らしいが、グロテスクで残酷、人がどう言おうと私は大嫌い。 気分がずいぶん悪くなった。題名の意味するところ(羊を抱いて逃げる話)など、わかりにくいシーンが多すぎる。[DVD(字幕)] 2点(2012-05-20 22:28:34) 1279. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM> 他の刑事コロンボと違って若い! それもそのはず第1作、後の老練な手法と違ってずいぶん強引で直線的。対する犯人のレイ・フレミング博士が完璧なほど落ち着き払っている。そうなると弱点は・・・となるのはやむを得ない所か。思いこみという心理作戦を逆手にとるのは鮮やか。[DVD(吹替)] 6点(2012-05-20 11:50:25) 1280. 陽暉楼 宮尾登美子の小説はまったく読んだことはないのだが、前年の鬼龍院花子の生涯が良かったので見ることに・・・。知名度では前作に一歩譲るが内容は堂々たるもの、遊郭や芸子をリアルに描き、女の愛や生き方など感じるものがある。女優たちの熱演は見事、けんかにも迫力がありすさまじい。 [映画館(邦画)] 7点(2012-05-20 06:29:54)《改行有》
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