みんなのシネマレビュー |
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1341. 原爆の子 単純明快に生み出されたものほど、そのインパクトは絶大である。この作品は、「広島の庶民(主として子供たち)のその後」に明確な視点を定め、そこからぶれず、あるがままの状態を飾らずに描出することに集中している。だからこそ、その内容は、実感と共感を生み出し、心に残るものとなっているのである。ただし、どうしても気になるのは、主人公も家族を亡くしたという設定であるにもかかわらず、その背景が感じられないこと。何となく、第三者的視点のような雰囲気を感じないでもない。[DVD(邦画)] 6点(2008-12-04 03:37:12)(良:1票) 1342. 世界大戦争 《ネタバレ》 事前の勝手な予想で、途中で大規模な戦争が起こり、その後はそれに対する人々の変化や行動が表されるものと思っていました。なので、なかなか何も起こらず、ひたすら実生活を追い続ける構成に面食らってしまいました。しかし、最後の執拗な破滅の映像がもたらすインパクトはやはり強烈です。今だったら誰も考えつかないようなストレートな字幕のメッセージもさらに強烈。[DVD(邦画)] 6点(2008-12-01 02:49:31) 1343. P.S. アイラヴユー 《ネタバレ》 ヒラリー・スワンクにこんなラブストーリーは似合わんだろ・・・と思っていたのですが、やはりこの人の演技は一級品でした。夫を亡くしたヒロインの情念というか、執念というか、そういう深いところでの感情を存分にスクリーン上に表現しています。どろどろしてます。そうかと思えば、カラオケバーでくるくる踊りながら歌っちゃうというのもびっくりしました(しかも選曲がプリンスの"Gett Off"!)。ストーリー自体は、手紙のとおりにやっていったらいろいろ解決しました、というストレートなものですが、スワンクの存在感が他の類作とは一線を画しています。冒頭の10分間の夫婦の会話ですべてを見せ切るシークエンスが何とも強力。[映画館(字幕)] 6点(2008-10-22 02:38:09) 1344. ココシリ 《ネタバレ》 この題材を映画化したという志の高さにおいてまず大いに価値があるし、全体を通じて不必要な会話を落とした原始的な描写がもたらす生々しさも強力。軽々しくパトロールの成果が上がらないのも、現実の厳しさを伝えてくれる。ただし、部下も置いといて食料や燃料の欠乏を認識しながらさらに山奥へ乗り込んでいく後半は、どこまで事実に即しているのかな?と思わないではない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-22 02:33:19) 1345. 男たちの挽歌II 《ネタバレ》 最後の分かりやすい盛り上がりとシャープなアクションで得をしている気はしますが、人間ドラマとしての描写は前作の方がずっと上。それに、展開がやたら慌ただしく、かつ作為的な部分があるところも目につきます(ホーがキットを撃つシーンなんて、そのシーンを撮りたいために無理矢理入れ込んだような感じ)。私は前作の方が好きです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-05 02:54:54) 1346. イン・ザ・ベッドルーム この徹底したローテンションな雰囲気は嫌いではありません。ラストのさりげなく閉じられるインパクトもなかなか強烈です。が、貧乏くさそうなカメラとすぐ暗転したがる編集には苛々させられて、せっかくの素材をこねくり回しているうちに質を落としてしまったという感じでした。尺ももっと短くできたはず。[DVD(字幕)] 6点(2008-09-16 00:16:21) 1347. チップス先生さようなら(1969) 《ネタバレ》 主役2人のキャラの強さで大分得をしていますね。これだけでつまらない作品にはならないという感じ。ただし、せっかくその2人が躍動しようとしても、テンポの悪さによって間延び感を感じさせる結果になっている。110分くらいでもまとめられたんじゃない?最後の通知が来たときの一連のシーンでの「間」は強力でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-09-12 02:38:00) 1348. コキーユ ~貝殻~ 《ネタバレ》 98年製作とは言われないと分からないほどの単純朴訥な作品。ロマンスの描写は最も重要な一瞬の部分にとどめ、それ以上深追いしていないのが、作品の純度を高めている。だから、心の中に誰もが持っている郷愁感が湧き起こってくるのです。台詞が説明台詞ばかりだとか、ラストの締め方が強引だとか欠点はいろいろあるのですが、ハイキングから朝の温泉に至るまでの各シーンの美しさで許します。点数も甘め。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-09 03:56:02) 1349. ペレ 《ネタバレ》 冒頭、「安売りはしない。安売りはしない・・・」と呟きながら、あっという間に誰もいなくなって一番酷いところに連れて行かれる下りなんかは、切れ味の鋭い描写に息を飲みました。が、その後は、いろんな人が脈絡なくいろんなことをしているだけであって、そんなに面白いところは見あたりませんでした。とはいえ、登場人物の多くを最後まで泥まみれ藁まみれ埃まみれで押し通し、使用人生活の厳しさを映像上もリアルに反映させた徹底ぶりにはインパクトがありました。それにしても、スウェーデンとデンマークの間で移民なんてことも行われてたんですね。勉強にもなります。[DVD(字幕)] 6点(2008-09-08 03:33:32) 1350. 日蔭のふたり ストーリーはかなり凝っているので、じっくりと時間をかけて表現すればひたれる世界になったのであろうが、2時間に押し込んでしまったために、あまりにも慌ただしく必要最小限の描写になったのは残念だった。なので、ただ2人がくっついたり離れたりしているだけという印象を受けます。やりとりの間に出てくる言葉だけではなく、それを裏付ける2人の「生活」をきっちりと追ってほしいところでした。それでも、(例のシーン以外にも)印象的な場面はいろいろあったので+1点。[DVD(字幕)] 6点(2008-08-29 03:57:03) 1351. バリー・リンドン しつこいナレーション、説明台詞、起伏も必然性もない展開、役作りのされてない演技と、負のポイントばかりが目につくのですが、ラストまで見るうちに強引に納得させられました。というか、キューブリックに体力負けしました。ダラダラしているところが後から思い出すと何となくいい感じで印象に残っているという、困った作品。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-08-25 02:50:46) 1352. フォロー・ミー 《ネタバレ》 元は舞台用の脚本ということで、やはり、その場でのやりとりをカメラを通じて延々と見せられているだけという印象は否めない(ポイントを絞れば、半分以下の時間でまとめられるはず)。ただし、男女関係・夫婦関係において、いろいろ訊いたり問い質したりしたくなるのを抑えて、じっと相手と呼吸を合わせ、相手を理解することの重要性を正面から単純明快にずばりと提示しているのは、今見てもインパクトが大きい。この観念は現在でも通用する普遍性を有していると思う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-08-21 04:29:49) 1353. フォーチュン・クッキー 《ネタバレ》 導入部からは普通のドタバタコメディの予感がしてくるのですが、豊富に仕込まれた笑い所の数々と、カーティスとローハンの息の合ったやりとりによって、予想以上の作品となりました。特に、カーティスが実に楽しそうに演技をしていて、こっちまで楽しくなってきます。ただし、母→娘の理解のベクトルは描写されているのに比べ、その逆の方向の描写が弱いのが少し残念。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-12 03:15:50) 1354. ベジャール、バレエ、リュミエール 何の予備知識もなく見てしまったので、どのシーンにどういう意味があるのかよく分からないところが多かったです。が、各ダンサーの引き締まった動きや、どの場面でも情熱とエネルギーあふれるベジャール氏のパワフルさは印象的でした。普段見ることのないジャンルだったので、とりあえず好奇心は満足できました。[DVD(字幕)] 6点(2008-06-12 00:59:35) 1355. 恋のためらい/フランキー&ジョニー 《ネタバレ》 前半は地味で起伏のないやりとりが続くだけなのですが、2人の感情が動き出す後半が良い。ベッドインしそうになって、途中で止めて、でもやっぱり・・・なんてじっくり見せてくれるのがいいですね。ラストの朝の光も、作品の優雅で穏やかな着地に貢献し、印象を上げています。ただ、120分弱はやっぱり長かったと思う。全体的に、カメラの切り替わりが妙に速いのもちょっと残念。[DVD(字幕)] 6点(2008-06-10 03:03:17) 1356. ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 何となく鬱蒼とした、幸福感の感じられない村の映像と、凝っているように見えて作り物っぽさも漂っている衣装・美術関係、そしていかにもなそれっぽい音楽。これらすべてがオチのためのミスリードだというオタク魂が何とも心地よい。謎の設定が大風呂敷を広げすぎという気もするが、この作品では末節の問題です。また、それとは別に、村ができあがった理由についても、過剰な犯罪被害者保護の傾向への皮肉めいたものが感じられて興味深い。[DVD(字幕)] 6点(2008-06-02 02:17:08) 1357. ザ・リバー 《ネタバレ》 地道に生活する農民という無名の人々の存在にスポットを当てた点は評価できますが、作中でもその生活にさしたる変化があるわけではなく、ひたすら苦労話を見せつけられるだけなので、見ていて心が晴れるものではない。地道に生活する主人公だからこそ、それをきちんと讃えるような作品であってほしかったのですが。ただし、カメラと音響はこだわりが見えて優れていたと思いますので、そこに+1点。[DVD(字幕)] 6点(2008-05-21 03:45:25) 1358. トップ・シークレット 《ネタバレ》 私のツボは、留置場の「20分間」と、見上げたらただのブーツだったってとこ。ZAZのギャグって、そこそこ面白いんだけど、前振りとか落とし方をもう少し丁寧にやれば、もっと爆笑できるのにといつも思う。それにしても、ヴァル・キルマーのインチキっぽいアイドル歌手のはまりぶりはなかなか新鮮でした。[DVD(字幕)] 6点(2008-05-19 02:18:54) 1359. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 最初の15分間で、下積み時代の孤独な発掘作業をすべて表現している手腕は見事。また、その後も、画面内に余計なものを登場させず、ひたすら荒涼たる平原での地味な発掘をじっくりと見せてくれる。ダニエルの表現力、存在感は、いささかも低下することはなく、150分以上ほとんど出ずっぱりながら、テンションがまったく途切れていない。他方、ポール・ダノは良い俳優だとは思うが、ダニエルとの完全一騎打ちバトルというのはさすがに荷が重かったのではないか。主人公の静かなる狂気に対抗し、これを裏打ちするためには、神父もまた別な方向からの狂気を示していなければならないが、そこまでは遠く到達していなかった。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-06 04:43:07) 1360. ヴェロニカ・ゲリン 《ネタバレ》 このような強靱な意志と前向きな目的のある主人公をケイト・ブランシェットに演じさせれば、それだけでつまらなくなるわけがありません。警察や勤務先で何か言われたときにさっと切り返すときの表情もいいし、撃たれたり殴られたりしたときの弱気オーラの表現も見事です。ただ、93分はいかにも短すぎですね。特に序盤の進行がえらく速く感じます。ケイトももっといろいろ演技したかったのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-03 02:22:20)
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