みんなのシネマレビュー
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113

1361.  ベースボールキッズ 《ネタバレ》 (物語の核心部分に触れていますので、未見の方はご注意ください。)   序盤は少年野球ドラマの王道をいく展開。野球下手っぴのお荷物少年がジャッキー・チェン映画バリの特訓を経て実力を身につけて行く過程は丁寧に描かれており、好感が持てました。でも気になる点がちらほら…。少年達が挨拶の際に帽子を取らないのは何故?特訓の約束をして待ちぼうけを食らった金田くん。何時間もただベンチに座っているのに違和感あり。努力家の彼なら、時間を無駄にしないのでは。ディテールは今一歩と感じました。でも大筋は外していないと思ったのですが…終盤にきて物語の方もおかしな方向へ。野球以外の要素でドラマを盛り上げようとする魂胆がいけません。不良少年のリンチの件は、まるで安普請のチンピラ映画のよう。それに最悪だったのが金田くんを殺したこと。彼を試合に出さない為の仕掛けが必要なのは理解できます。でもそれ以上に「お涙頂戴」要素の方が強い。安易な作話にガッカリします。さらに決勝戦。下手っぴ君の落球で試合に負けるのは、流れとしては妥当です。でも今回のエラーは彼に非はありません。責められなくて当然。“失敗を責めない”という状況を作らないと、少年たちの心の成長を描くことになりません。“一見定石通り”の脚本ながら、出来上がった物語が不細工なのは何故か。必然を積重ねることで、定石ははじめて定石と成りうるのだと思います。残念です。[DVD(邦画)] 5点(2009-02-13 21:28:44)

1362.  ウルトラヴァイオレット(2006) 何度となく「あなたの想像を超えた世界」なるアナウンスが入りますが、正確には「あなたの知らない世界」が正しい(懐かしの昼のワイドショーみたい)。何のことはない、説明していないから解らないのですが…。ファージの能力も、彼らのイデオロギーも爽快なくらい謎。小出しの情報で何となく世界観は見えてきますが、理解した頃には物語は終わっている。ただ、説明過多よりはこれくらい不親切なほうが好みなので、個人的には問題なし。CGバリバリのモーターアクションよりも、ミラ・ジョヴォビッチの肉体アクションを楽しむ作品です。[DVD(字幕)] 5点(2009-02-10 23:49:18)

1363.  観察 永遠に君をみつめて 《ネタバレ》 「人の良心は何処からやってくるのか?」昔そんなテーマで話を聞いた覚えがあります。曰く、良心とは“心の内にある強い父親像”のこと。親に叱られて社会のルールや倫理規範を身につけていく子供。いつしか自分で善悪の判断がつくようになるのは、親の基準が身に付くから。心の中の父親(母親、祖父母等)が叱ってくる。他者の良心をコピーするという意味です。真偽の程は知りませんが、なかなか説得力がある。「子は親の鏡」なんて言い方と同じでしょうか。さて、本作の主人公、茂樹の場合。父親(小倉一郎)は子供とお友達感覚。息子のストーカー行為を知ってなお容認する姿勢。なるほど、主人公の中の良心がこの父親をコピーしたのなら、行き過ぎた性癖を許してしまうのも納得です。一方、人との距離感が分らないという弥生。集団生活の経験不足がうかがえます。また親の愛情も十分に受けていない様子。「見守って欲しい」は、本来親に対して求めるもののはず。彼女の人物造形にも説得力があります。主役2人の伴侶も、何処にでも居るタイプ。キャラ設定は確かです。だから御伽噺にリアリティが生まれるのだと思います。面白かった。個人的な価値観を持ち込むなら、弥生はド変態。茂樹は大馬鹿モノだと思います。特に茂樹には本気で腹が立つ。奥さんには絶対に秘密を隠し、誤魔化し通せ!泣いて詫びて縋り付けと思う。でも茂樹と弥生の関係だけを見れば、コレで恋愛物語として成立してしまうのだからホント嫌になる。ちなみに茂樹が弥生の想いに早い段階で気づいていたらという“もしも”。2人は幸せになれたのだろうか。勿論結果は誰にも判らない。でも茂樹はずっとそんな事を考えながら、この先の人生をやり過していくのだと思う。それが彼に科せられた罰だ。[DVD(邦画)] 7点(2009-02-07 22:28:44)

1364.  ダブリン上等! 《ネタバレ》 手持ちカメラの多用や、ハイセンスを装うクレジットは鼻につきます。監督に非はないけど、邦題のセンスもダサいです。でも脚本は上等でした。濃いキャラの面々をきちんと描き分け、絡んで団子にならないさじ加減で各人の人生の糸を交差させる。上手いと思います。身から出た錆で窮地に陥る者もあれば、アクシデントで人生を狂わされる人もいる。いずれにしても、思い通りにならないのが人生です。石を投げつけてくるクソガキは、“人生の落とし穴”あるいは“不確定要素”といったところでしょうか。彼が基点となって、それぞれの人生が動いていく。“女を殴る”最低の行為をしたチンピラにはキツ過ぎるお仕置き。自分勝手な連中にも罰が与えられました。銀行マンは終身刑ですか。ご愁傷さまです。でも結果的には、ほとんどの者が好転したと見て良さそう。バス運転手も車椅子の王様になりましたしね。ずっと自分と向き合うことを避けて来たヒゲ娘。ギブスで固められた心の傷。ずっと外す勇気が出なかった。それだけ重症だったのも理解できますが、腐らせてしまったらお終いです。痛みに耐えて、次ぎのステップに進まなきゃ。辛い目にあった彼女には、いっぱい幸せになってもらいたいです。一方、ソース男の方は納得がいかない。あれだけダダをこねて、迷惑かけて、最後にヨリを戻してハッピーって何?腹立たしい。いや羨ましい(笑)。でも、あの2人が上手く行くとは限らない。「禍福は糾える縄の如し」は実証済みです。人生ままならぬから面白い。でしょ?[DVD(字幕)] 7点(2009-02-04 18:54:01)

1365.  ユーロトリップ 《ネタバレ》 渋谷を闊歩するスモウレスラーと忍者。女は全員ゲイシャガール。そんな日本が舞台の映画を観たらどうでしょう。きっと腹を立てるより、笑ってしまう気がする。あまりにもバカバカしくて。本作で描かれるヨーロッパ諸国のトラベルエピソードも似たようなレベルです。ハッキリとギャグに寄っているので素直に笑える。1%のリアルに基づいたファンタジー。ですから初対面のメル友とヤるために旅行に行って、本当にヤッちゃうウソみたいな展開もアリなんだと思います。締めも甘々の夢物語。個人的にはDVD特典の「もう一つのエンディング」の方がベタでしっくり来ますが。[DVD(字幕)] 6点(2009-02-01 18:47:39)(良:1票)

1366.  巨大毒蟲の館 久々に味わうこの脱力感!『北斗の拳』を鑑賞した時に極めて近い感覚です。ココが変、コレを直してと指摘する気が失せる凄まじさでした。ある意味パーフェクト。土台から、骨組みからして並みの映画とは違います。壁紙のセンスを問う前に、まず白アリを駆除しましょうというレベル。でもね、まるっきりアレな訳じゃない。おっぱいはちゃんと出てきた。おっぱいはイッパイ。貧乳率は異様に高いけど、顔は企画モノ女優っぽいけど、エロ日照りの時に文句を言う馬鹿はいません。それに「おっぱいが出てくる映画に悪い映画は無い」って誰かが言ってましたし。ちなみにDVD特典は本編鑑賞を省略できる完成度ですので、お忙しい方はそちらをどうそ。[DVD(字幕)] 2点(2009-01-30 22:39:07)

1367.  約三十の嘘 《ネタバレ》 「一つの嘘を隠すためには、三十の嘘を用意しなければならない」。嘘を隠す為の嘘にも、やっぱり嘘を用意しなければならない訳で、要するに嘘は嘘で塗り固められていくということ。いずれ行き詰るのは目に見えている。嘘を生業にする詐欺師たちにとっては大いなる不安。だから「確かなもの」を掴みたい。何か?当然「お金」でしょう。お金は嘘をつかないから。でも、それにしてはオカシな事だらけです。3年前の裏切り者を何故またチームに引き入れたのか?意味のない売上金の管理ルールを作った理由は?ハナから「お金」以外の価値観が見え隠れしています。中谷に至っては、再三「チームが大事」と口に出してしまっている。これでは、オチで驚きが生まれません。まずは“詐欺師=お金至上主義”という図式を明確に提示する必要がありました。巨乳ちゃんのスキル無くしては成り立たない詐欺計画にするとか、お金を一元管理する合理的な説明を用意するとか。典型的な詐欺師像が覆るから、中谷の惨めなお願いが感動に変わる。巨乳ちゃんの涙に意味が出てくるのだと思います。またご指摘の方もおられるように、列車内を一歩も出ないのはミステリーの王道スタイル。観客は本作のジャンルを勘違いしています。こちらは余計なミスリードでした。役者がみな熱演していただけに惜しい作品です。[DVD(邦画)] 5点(2009-01-27 18:24:39)

1368.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》 クゥを無力な小動物ではなく、怪物(妖怪)として描いたところが、本作のポイントと考えます。しかしクゥの“危さ”を、主人公家族は認識していません。観客も同様。拾ってきた犬と似たような感覚です。この無防備さ、無自覚ぶりが、実に人間らしいと感じました。相撲で妹を放り投げたり、カメラを念力で壊したり、その恐るべき能力はきちんと示されています。でもその事実を誰も本気で受け止めていない。だからリスク管理もせずに、クゥをテレビカメラの前へ立たせてしまう。一歩間違えば、どんな惨事が起きてもおかしくなかった。河童を家族の一員に受け入れた家族の善意にウソはありません。それが人間の素晴らしさだと思います。でも正しい判断だったワケでもない。クゥはいわば「自然」の象徴。生命を育む母であると同時に、無慈悲に命を奪う残酷さも併せ持っている。とても人間がコントロールできる代物ではありません。適正な距離を保ち、敬意を払い、お付き合いさせていただくのが筋。かつて人と河童が共存していた時代は、そういう関係が成り立っていたのでしょう。人間は遣りたい放題でここまで来た。繁栄もした。でもそれがいつまで続くのか。「力任せでは勝てない」。主人公がクゥから教わった相撲の秘訣は、いろんな事に当てはまりそうです。クセの無い絵柄は、飾りが無い分テーマと純粋に向き合えます。これは長所。でも反面、魅力に欠けるとも言えます。原監督は、絵力で勝負するタイプでない事は承知していますが、それにしても華がない。キャラクターデザインも然り。ここを改善できれば、更なる飛躍が期待できる監督だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2009-01-23 22:29:17)(良:1票)

1369.  L change the WorLd 《ネタバレ》 原作も映画にも思い入れが無かったので、本作がスピンオフの体裁を整えていない事はこの際不問にします。それでも、本作単独で評価してコレはいただけない。“FBI”や“地球の浄化”等、規模のデカイ単語が虚しく響きます。だってスケールちっちゃいですもの。“change the world”なる壮大な副題をつけるなら、それなりの世界観を構築しなくては白けてしまいます。例え賑やかしだとしても、悪の秘密結社にショッカーは必要。FBIは何時から自営業になったのか。決死の逃亡劇がサイクリングって何?まさしく「羊頭を掲げて狗肉を売る」が如し。観客を、デスノートファンを楽しませようという気配りが感じ取れません。そういう映画は好きじゃない。[地上波(邦画)] 1点(2009-01-20 18:56:01)

1370.  スクールウォーズ HERO 《ネタバレ》 自分は山下真司主演の大映ドラマをリアルタイムで観た世代です。でもうちの学校は、校内暴力はほとんど無かったと記憶しています。BE-BOPハイスクールに感化されたであろう短ランは流行っていましたが。自分はノーマルの学ランに“つぶしていない”鞄。どちらかと言うと真面目タイプでした。いや臆病だったのかもしれません。完全燃焼した青春ではなかった。ツマラナくは無いけど、もっと後先を考えずに行動しても良かったかなと。なので、本作に出てくる子供たちを見ると羨ましい。ラグビーに心血を注ぎ、負けて悔しいと泣ける無防備さ。リスク管理は不可欠だけど、過ぎると身動きが取れなくなる。下手に小賢しいより、バカになってチャレンジする方が幸せなんだと、今になって思う。子供は未熟なのでバカで当たり前。でも分別ある大人がバカになれるのはスゴイこと。ですから山上先生のように損得勘定抜きで動ける人間を心から尊敬します。物語的には3年生が卒業した時点で、「学校を立て直す」当初の目的が、ほぼ達成されています。ゆえにクライマックスで得られるカタルシスが目減りしているのが惜しい。フーローの件も、同じく勝利の余韻を打ち消す作用があり、ラストで失速した感は否めません。それでも鑑賞後、十分な満足感が得られるのは、照英の熱演があったればこそ。実は『魁!!男塾』での、彼の吹っ切れた演技を見て本作の鑑賞に至ったのですが、予想通り素晴らしかった。バラエティ畑での「熱血バカ」というポジションは松岡修造が独占していますが、俳優界では照英が今や第一人者。表裏を感じさせないキャラクターは貴重。これからの活躍に期待したいです。[DVD(邦画)] 7点(2009-01-17 19:56:35)(良:1票)

1371.  クレーマー case1 《ネタバレ》 クレーマーやモンスター・ペアレンツを扱ったTVショーが最近増えています。それだけ権利意識の強い人間が身の回りに多いのでしょう。苦々しく感じる視聴者の気持ちをコメンテーンターが代弁し、カタルシスを得るという仕組みです。本作も同じ方針かと思いきや、全く違いました。クレーマーの主張は常軌を逸していますし、対応するお客様担当もプロには見えません。折角タイムリーな題材を選んだのですから、まずはリアリティのある「クレーマーVSプロの苦情処理」で観客を楽しませて欲しかった。サイコサスペンスへ移行は、その後で良かったと思います。オチについては、演出が露骨なので早々にネタバレしているのが残念。録音もクオリティが低いです。柏原の痛んだ髪の毛は、業務の過酷さを物語っているよう。あれが役作りだとしたらスゴイと思う。[DVD(邦画)] 3点(2009-01-13 21:58:13)

1372.  地球最後の男 オメガマン 《ネタバレ》 (『アイ・アム・レジェンド』のネタバレを含みます。一応ご注意ください。)リメイクの『アイ・アム・レジェンド』と同じ世界観かと思いきや、全然違いました。『アイ・アム~』の“奴ら”はもはや人間とは思えません。凶暴な野生動物。アスファルトジャングルでのサバイバルといった趣です。一方本作の敵は人間。会話が成り立つ。生活様式や倫理観が違うだけです。それなのに相容れない事の不思議。少年はそれが理解できません。治療で光を取り戻す道は見つかった訳だし、それを拒むなら共生の道を探せばいい話。それが正論です。でも残念ながら現実は違う。それぞれの利益・主義主張を通すために、殺し合いも辞さないのが人という生き物。重火器を忌み嫌う彼らも、先の戦争から肝心なことを学んでいません。間違いなく人間。そして愚かなままです。主人公のラストの死に様は、まるでキリストのよう。旧世代の贖罪は叶ったのでしょうか。どうせなら、アルファの出現までを匂わせてくれたら、味わい深いものになったと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-10 22:52:39)

1373.  俺たちフィギュアスケーター 《ネタバレ》 スポーツサクセス系物語をベースにしたコメディ。定番のプロットを利用しているので、観易いと思います。ただ設定として苦しいのは、主役2人がハナから世界トップレベルのアスリートだということ。腐っても鯛です。今さら特訓して云々という次元じゃない。ですから“アイアンロータス”なる秘儀の習得というお題目を用意したワケですが、コレがマズかった。首チョンパはいけません。それまでの雰囲気と合っていない。ブラックも過ぎたら醒めてしまいます。このあたりの感覚は大切にして欲しいところ。死の危険性に言及するのは構いませんが、それは包帯グルグル巻きとギブスで足りる。「オイオイ関係ないところまでケガしてるよ」なんてツッコミが楽しいんですよね。とは言いつつ、ウィル・フェレルの濃さには笑えたし、愛しのナポレオン・ダイナマイト君が出ているので、個人的にはアリということで。[DVD(字幕)] 7点(2009-01-07 20:52:14)

1374.  降霊<TVM>(1999) 《ネタバレ》 役所と風吹がリビングを行き来する場面。霊が映り込むでも、恐怖を煽るBGMが流れている訳でもありません。でも無性に不安になる。役所が動く度に画面にリビングの鏡が映り込みます。たったそれだけなのに気が気じゃない。西日が差し込む部屋。陽の光が作り出す陰影。生ぬるい空気感が、自分以外の存在を喚起させる。でもだからといって、何が出てくるのでもありません。結局のところ“恐怖”とは、自分の心が創り出している事がよく分かる。経験や知識を拠り所とする内的要因です。観客の内にある“恐怖の素”を引き出すのが、黒沢監督は抜群に上手い。裏目を引き、堕ちていく夫婦の姿が恐ろしいのも同じこと。主人公夫婦と同じ過ちをしかねない自分自身に怯えるのです。オカルトの要素は無くても問題なかったでしょう。初出のTVドラマでこのクオリティには恐れ入ります。良作。[DVD(邦画)] 7点(2009-01-04 22:09:59)(良:1票)

1375.  アメリ 《ネタバレ》 アン・シャーリーが善なる空想家なら、アメリは厄介な妄想娘といったところでしょうか。ただ妄想するだけなら害はありませんが、悪戯癖には困ったものです。やり過ぎのお仕置きや、他者の人生に介入するような真似は褒められた話ではありません。ですが、これも人生の“スパイス”と考えれば少しは許せるというもの。旅するドワーフに感化された父親は引きこもりから抜け出たようですし、“ほとんど病気”の2人はめでたく(?)結ばれました。美味しい料理にも、楽しい人生にも、スパイスは欠かせません。気になる彼に仕掛けた恋のトラップなんて微笑ましいです。でも、スパイスが過ぎたら料理は台無しになってしまいます。それに香辛料だけではお腹は満たされません。ずっと自分の人生と向き合う事を避けてきたアメリは、ルノワールの絵の中の「水を飲む娘」と同じと言えます。心ここに在らずだから、真ん中にいるのに存在感が薄いのです。本気でぶつからなかったら、自分の人生を手に入れられません。やがては絵描きのおじいさんのように、他人の絵を模写する事で大切な時間を使い切ってしまいます。やはり絵描きは、”自分の絵”を描かなかったらウソだと思います。おじいさんは、アメリにそうなって欲しくないと願ったのではないでしょうか。勇気の一歩はいつでも踏み出せます。でもそのタイミングは無限ではありません。疾走するバイクの如く、時はあっという間に過ぎていくのです。2人乗りが出来たアメリは幸せを掴んだ様子。もちろん一人乗りだって気持ちが良ければそれで構いません。大切なのは、納得できる人生を歩むこと。やらない後悔より、やって後悔。失敗だって人生のスパイスに違いありません。本作で描かれている様々な人生のかたちは、観客に優しくその事を問い掛けている気がします。[DVD(字幕)] 9点(2009-01-01 00:00:01)

1376.  ロスト・チルドレン 《ネタバレ》 世界観に圧倒されます。色使いも魅惑的。これはもう絶賛させてください。右脳が喜んでいるのが分かります。キャラクターも秀逸。心根の優しい大男に窃盗団の美少女。子供をさらうクローン軍団の面子もかなり濃い。自分の大好物、“世界観”と“キャラクター”の出来は文句なく10点級です。今まで本作をスルーしてきた自分に大後悔。ただ残念ながら満点ではありません。左脳の方は退屈したから。最初の20分が辛かった。我慢して観ていれば面白くなる事は経験上確信しているのに、観るのを止めようかと思ったほど。世界観を披露することに熱心で、脚本で観客を楽しませる作業が疎かになっていると感じます。ストーリーの輪郭が見えてからも“ファンタジーだから”でお茶を濁す展開が散見されます。惜しい。本当に惜しいです。「機雷の刺青男」、「一つ目族」、「窃盗団の男の子たち」等の味のあるアイテムが、有効活用されていません。各パーツが有機的に連動し、働いてこそ物語が魅力的なものに変わるのに。それでも、これだけ楽しめれば大満足です。スゴイ映画に出会えて幸せです。(余談)本作で興味を持ったので、ジェネ監督の『デリカテッセン』を観ようと行きつけのレンタルDVD屋へ。でも未入荷とのこと。結構著名な作品だと思うのですが残念。『死霊の盆踊り』は2本も仕入れられているのにね(苦笑)。[DVD(字幕)] 9点(2008-12-31 17:44:48)

1377.  ヴィクティム 《ネタバレ》 【あらすじ】で記入したのが物語の導入部。なかなか面白そうな設定です。本作のウリとなる部分でもある。ここからどう物語を広げてゆくかお楽しみ。でも、あまりパッとしません。足枷となるのが、誘拐される“前”の男の状況が判然としないこと。それなりに説明はありますが、彼元来の“人となり”が具体的にイメージ出来ない。同棲相手が言う「彼は変わった」が、どの程度なのか掴めない。この不具合が後々まで尾を引きます。まずオカルト路線へのミスリード(あえてそう言いましょう)が効果を発揮しません。そもそも有名な心霊スポットが現場。怪しさ満点。そこで霊に憑かれたと言われても、逆に眉唾じゃないかと疑いたくなる。終盤、中核となるエピソードについても同様の理由から驚けない。男の狂気が如何ほどなのか分かりません。何だかんだ言いつつ霊云々は本作の目玉なので、その線が消えてしまうと求心力が失われます。後半はTVレベルの刑事ドラマのようでした。物足りないです。そんでもって最期の最期でちゃぶ台返し。もう観客の興味は其処に無いのでは。出だしで観客の気を引いたのはいいけど、後が続かなかったという印象です。[DVD(字幕)] 3点(2008-12-30 23:29:43)

1378.  椿三十郎(2007) 確か『美味しんぼ』で、「フグの白子」の代用食材探し対決がありました。山岡が用意したのはタラの白子。対して、海原雄山が持ってきたのは本物のフグの白子。タラはフグの偽者に過ぎないと指摘します。この勝負自体はアンフェアもいいところですが、本作を観ると雄山の言い分も頷けます。このリメイクもフグの代わり。最初からオリジナルに近づける事しか考えていない。これでは永遠に本物には届きません。でもフグがタラよりも劣っているなんて誰が決めたのでしょう。タラにはタラの持ち味がある。工夫次第では、フグの白子以上の満足を得られる料理が出来るかもしれないのに。新しい別の“本物”を目指さなかったらリメイクの価値は薄いと考えます。椿を「抜き身」と称するオリジナルの名台詞。でも織田三十郎は、そうは見えません。なら無理してその台詞を使わなくていいのでは?ラストの椿VS室戸のように、オリジナルと勝負しなくちゃ面白くありません。たとえ惨敗だとしても。体裁を保つ判定“負け”狙いでは、観客の心は掴めません。[地上波(邦画)] 6点(2008-12-29 19:46:15)

1379.  やじきた道中 てれすこ 《ネタバレ》 小泉今日子と言えば、30代男性にとってある種のカリスマ的なアイドル。演技力や歌唱力ではなく、ビジュアル(それも顔のみ)でファンの心を鷲掴みにした王道のアイドルです。そんな彼女も今や四十路。もちろん、今でもその美貌は並ではありませんが、黒木瞳や吉永小百合といった怪物には及びません。“若さ”という輝きは失われました。「旬の過ぎたアイドル」。そんな彼女が演じたお喜乃も「薹が立った女郎」。失礼ながら現実の彼女と被る。何となく物悲しい。しかし腐っても鯛です。いや、熟成されたワインとでも申しましょうか。その深み、味わいは極上です。さすが一時代を築いただけの事はある。モノが違う。愁いを帯びた佇まいから漂う色香に惹きつけられます。お喜乃が魅力的であることが本作を成立させる上での最重要ポイント。小泉はベストキャスティングでした。加えて中村勘三郎に柄本明といった渋い旨みの出る役者を脇に揃えたのですから、もう間違いない。題材も落語や昔話で馴染みあり。予想どおり手堅く楽しめました。[DVD(邦画)] 7点(2008-12-28 21:59:05)(良:1票)

1380.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 粗い脚本にまずビックリ。評価の高い作品という予備知識があったから尚更です。有り得ない、おバカと言っていい展開がチラホラ。人物の描き方も極端です。例えば千葉真一。ストレスのかかるポジションなのは分りますが、それにしてもテンパリ過ぎ。あれはプロの態度じゃない。新幹線乗務員もやるべき事をやってない。肝心の警察は問題外でした。観ていてじれったい。そんな中、魅力的だったのが宇津井健です。普通なら、無事に事態を収められた事で満足するところ。でも彼はそう思えなかった。爆破の可能性を払拭できないまま、新幹線を止めた選択が許せなかった。100%の安全は有り得ません。リスクは必ず付きまとう。最新のシステムを搭載した新幹線が凶器になり変わったように。でも100%に近づける努力はするべき。それが人命を預かる仕事の責務。1500人の命の重みを感じながら職務に当たっていた宇津井の感覚は正しい。ただ、最悪の事態を想定した「ゼロ地点」での停車という判断も誤りではありません。あの状況下ならやむを得ない。停車を指示した国鉄幹部はもっと大きな母数の命の重みを感じていたのかもしれない。それぞれの立場で、「最善」の捉え方が違うのは興味深いです。豪華スター競演の熱気ある映画でしたが、完成度は今一歩と感じました。「さよなら0系新幹線記念」で1点加算させていただきます。[DVD(邦画)] 7点(2008-12-27 19:57:07)

030.13%
1110.49%
2311.37%
3994.38%
41587.00%
541218.25%
649722.01%
749221.79%
836616.21%
91446.38%
10451.99%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS