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プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1361.  ECHO エコー 《ネタバレ》 (ネタバレありますので、未見の方はご注意ください) エコーの正体は霊能力者だった母親を軸とする音声記録。その発生源は、屋敷の地下。屋敷を買い取りたがっていた村長の台詞「あの辺は穴が多くて」から、屋敷の下にも不法投棄された農薬(タール状の液体がドラム缶詰めされたもの)が眠っていると推測されます。母親の「土地に問題がある」発言も、この事実を裏付けます。この附近一帯、土壌汚染が進んでいる。某人気ホラーでは井戸水に怨念が留まったように、本作では投棄された農薬に母親からのメッセージが蓄積されたのでしょうか。石床を壊した事で溜まっていた音が一気に溢れ出し屋敷が倒壊した。ちなみに主人公が音声を聞き取れたのは、霊能力者の血を引いていたから。以上が物語の外郭を自分なりに整理したものです。こうしてみると、推測・憶測に依る部分がほとんどです。エコーの規則性は判然としないし、不法投棄の真相も不明。“一杯の水で死んだ”とはどういう事?謎ばかりです。ただ、これは“筋立てがいい加減”なのではなく“編集が行き過ぎて意味が通じなくなった”のではないかと思われます。元のシナリオ自体は悪くなかったのではないかと。そう感じるのは、脚本以外の出来がとても良いからです。陰影の付け方、手持ちカメラの使い方など画作りは上質で、“紐が張り巡らされた部屋”等インパクトある仕掛けも冴えています。それに控えめなBGMも素晴らしかった。恐怖演出を音楽に頼ると、どうしても安っぽい印象になりがち。本作のようにBGMを使わないことで緊張感を煽る手法をサスペンスはどんどん活用して欲しい。雰囲気は抜群です。これで中身が伴っていれば傑作だったのに。惜しかった。[DVD(字幕)] 6点(2010-04-01 21:11:08)

1362.  小森生活向上クラブ 《ネタバレ》 軽いけど深い、笑えるけどシャレにならんブラックコメディ。軽快なBGMが物語のトンデモぶりとよく合っています。キャスティングは豪華だし、人物造形も悪くなかった。上等な『世にも奇妙な物語』という感じでした。『タクシードライバー』のトラヴィスよろしく、正義の名において悪人に制裁を加えていく主人公。彼の下に集う信奉者たち。そのグループの名は小森生活向上クラブ(KSC)。初めは自身の正義で殺す相手を選んでいたのに、いつの間にかKSCの意思に動かされていく小森の姿は、恐ろしくも滑稽でした。法律という枷を脱いで楽になったと思ったら、また違う束縛を受ける羽目になる。結局、人はコミュニティから逃れられない。それに、“正義”という言葉を恥ずかし気も無く使う人間を信用してはいけないと、つくづく思いました。私の正義とあなたの正義が同じことなど在り得ない。多くの人間が妥協できる基準が、あえて言うなら正義だと思う。国際社会の正義、国家の正義、会社の正義、KSCの正義、そして私の正義。全部違う。どれが本物?どれも本物。利権という言葉とどう違う?その程度のもの。正義は振りかざした時点でその価値を失うと思う。宗教、権力、恋愛。何でもそう。強い力に身を委ねたくなるのは人情だけど、自分の頭を使わないのは危険で愚かなこと。KSCの会員は小森の正義を借りて、自らの欲望を満たしました。仮初めの自分がやったこと。だから現実味が無い。まるで栗山と忍成のキスシーンくらい、全てがニセモノの人生です。彼らを哀れみ軽蔑しつつも、栗山千明嬢の○兄弟にはなってみたいと思ったオレってダメ人間ですか。そうですか。自分の正義が借物だったと知り、小森の自我は崩壊しました。代りに登場したのが奥方のアイデンティティ御殿。これから小森は、その宮殿を間借りして生きていく。現実逃避の脳内引きこもり生活は、まだまだ終わらない。安心楽チン、めでたしめでたし…んなわきゃない!終幕の後日談は、入れたくなる気持ちは判るけど我慢して欲しかった。砂上の楼閣が崩れるのは当たり前ですから。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 20:09:23)

1363.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 最初のうちは、おバカな展開に戸惑いました。その場しのぎとはいえ、映画の中身を自家製のニセモノにすり替えるなんて、常人の発想じゃない。ただのバカじゃない大バカです。でも「人生万事塞翁が馬」。リメイクとして人気を博してしまうぶっ飛び加減が、不思議と心地よかった。ジェリーが言うように、確かにみんな(自分も含めて)、電磁波に脳みそヤラレちゃってるかもしれない。ただし、手始めが『ゴーストバスターズ』というヌルさは絶妙だし、ブレイクのキッカケがチンピラ兄ちゃんってとこは“らしい”と思う。荒唐無稽の中にも説得力が感じられるあたり、抜かりないです。ラスト。自主映画の上映会には映画の素晴らしさが溢れていました。映像や音響の迫力は、劇場鑑賞の魅力のほんの一部。映画の本当の目的は“みんなで観ること”だと知りました。そういう意味では、スポーツ観戦やコンサートと変わらない。ただし、映画はライブじゃありません。演者が目の前にいなくても、それと同等の感動を味わえるのは、製作に携わった人たちの想いがフィルムを通じて伝わってくるからだと思う。ちょっとした魔法です。映画を観た思い出が、自分という物語の1コマに変わるなんて素敵です。すいません。ちょっとキザでした。他人と感動を共有するのが嬉しいのは、人が孤独だから。自分の気持ちは自分にしか分らない。この気持ちを相手に伝える術がない。そんな不安と寂しさをいつも感じているから、周りが自分と同じ気持ちだと“想像”できるだけで、幸せなのだと思う。隣に人がいることが在り難い。そして暖かい。それが、映画がこの世に生まれた意味かもしれないと感じました。映画を観てこんなに優しい気持ちになれたのは初めてです。無性に泣けて仕方がなかった。みなさん、映画館に行きましょう。一緒に笑い、泣きましょう。そして最後に、シガニー・ウィーバー出演してくれてありがとう。[DVD(字幕)] 9点(2010-03-23 19:19:03)(良:2票)

1364.  ゼラチンシルバーLOVE 《ネタバレ》 永瀬の写真(作品)を見て「アートってヤツですか」と鼻で笑う役所。永瀬は監督自身を投影するキャラクターゆえ、監督がこの映画を指して「所詮他人には理解されない自己満足品ですよ」と自嘲しているものと推測されます。ただ、半分は謙遜だとしても、もう半分には写真家としての強烈な自負が隠されている気がしました。「美しいと感じるものを撮っている」という永瀬の言葉どおり、監督は本作に好みの画を詰めたのだと思います。濃い陰影の深みあるカット、開始25分間役者の台詞無し等、写真家らしい“拘り”が随所に感じられました。タイトル(銀塩カメラの意)からも自身の生業に対するプライドが窺える。監督の色が出ている映画は支持したいです。ただし、その拘りを技法だけでなく、物語の芯に通して欲しいとも思いました。気になったのは、ゆで卵の茹で加減。毎回同じだけ火にかけているのに、固ゆでだったり半熟だったり。半熟でもハードボイルドでも構いませんが、一定の茹で加減であることが重要と考えます。彼女の心の内を“黄身の硬さ”で量らせて欲しい。スタイリッシュな様式に凝るのもいいですが、より大切なのは人物の内面だと思います。壁一面に貼られた自身の写真を見て嫌悪の表情を垣間見せる女。それは、何処にでもいる女の顔。プロフェッショナルの冷酷さもなければ、男の想いを受け止める懐の深さも無かった。それが監督の主張なら構いませんが、そう判断するだけの手掛かりがそれまでの描写に隠されていたとは思えません。自分には作品の本質が見えなかった。物づくりにおけるコダワリの意味を考えさせられた映画でした。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-20 17:54:24)

1365.  おろち 《ネタバレ》 門前家を去る間際、おろちは言います。『あの姉妹を化け物にしたのは門前家の血ではないわ。化け物を生んだのは人間の執念』。美しい姿を映画のフィルムに焼き付ける女優という仕事。絵画の中の母も決して年を取ることは無い。門前の女はずっと“永遠の美”に縛られて生きてきたのだと思う。叶うはずの無い祈り。祈りは執念に変わり、皺と弛みは醜い痣に変わった。老いに対する恐怖が、門前の女に掛けられた呪いです。そしてその呪いは体だけでなく心も蝕んだ。姉妹の秘密を知ったときの理沙の心情は如何ばかりか。彼女の憎悪は、和沙の何に対して向けられたのか。姉が門前家の呪縛の外にいた事実よりも、姉が母の愛情を一身に集めた理由に妹の心は砕けたのだと思います。最初から自分は“見捨てられた子”だった。母・門前葵は自身の想いを、血を別けた子ではなく、他人の娘に託したのだから。門前葵は自身の複製を作ることで永遠の美を望んだとも言えます。恐ろしい。恐ろしいが、これが人間の性だとも感じます。門前葵に共感はしませんが、彼女の思考は少し理解できる。そしてその真実を一草ではなく理沙に告げた点に、彼女の母の一面を垣間見た気がします。木村佳乃も中越典子も、自分が今まで観た作品の中では出色の出来。作りは、ややステレオタイプな印象もありますが、梅図かずお原作であることを考えればコレくらい分かり易くていい。おろちは、ちょっと喋り過ぎ。漫画と違って繊細な表現が可能な映画の特徴を活かして欲しかったと思います。音楽も素晴らしく、邦画ホラーという括りなら、十分な佳作かと。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-14 19:54:55)(良:1票)

1366.  パコと魔法の絵本 中島監督の前作『嫌われ松子の一生』のテイストを色濃く継承している本作。CGを多用したエフェクトも、色彩豊かな背景も、一見してパワーアップしています。見た目は華やか。でも作品としての力強さは前作に遠く及ばないと感じました。何故か。それは“人を描くこと”が不十分だからです。奇抜な衣装を纏い、どキツイメイクを施した“誰かさん”が、なにやら喋っている。そんな印象。パコ以外の人たちが、どんな表情をしていたのか思い出せません。顔は心を映し出す鏡。役者の表情をきちんとカメラが捉えなければ、どんな熱演をしても報われない。特にヒドかったのが小池栄子。牙と眼鏡で表情を殺しておいて、一体彼女にどんな演技をしろというのでしょう。本作の人物造形は舞台仕様だと思います。後列の客席まで役者の感情を届けるためには、衣装やメイクで情報を単純化するのは有効な手段です。でも映画はお客全員が特等席。舞台と同じ遣り方では大雑把過ぎます。繊細な感情を伝えられる映画の強みを活かさなければ、映画である意味がありません。しかも本作はピント外れな方向に力を注いでしまった。前作が素晴らしかったのは、中谷美紀演ずる松子の想いが、観客の胸に届いたからです。CGの装飾に観客は涙した訳ではありません。監督は其処を見誤ったのではないかと。ケーキの価値は、デコレーションの豪華さにあらず。スポンジ部分の旨さで決まる。監督には役者の技量を信じて欲しかった。幸いな事に、本作の演者はみな芸達者でした。手足を縛られた状態でもいい仕事をしてくれています。それなりの感動が味わえるのは、彼らの頑張りのお陰だと思います。正直、本作は失敗作だったと思う。監督にとって痛恨の一作ではないか。ただし、実写とCGキャラクターの融合を図った試みは評価したいです。次作での軌道修正を期待します。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-08 19:47:52)(良:3票)

1367.  ヒトリマケ 《ネタバレ》 かつて日本版も放送され、世界各国で人気を博しているTVバラエティ『サバイバー』のフォーマットに『ライアー・ゲーム』のエッセンスを加味したような本作のゲーム『ヒトリマケ』。アイデアは悪くありませんが、脚本が力不足でした。展開は淡白で面白みに欠け、結末のサプライズも弱いです。投票に勝つための戦略性もほとんど見受けられません。そして何より、本作を通じて何を伝えたいのか分らなかった。ゴッドタンキス我慢選手権で芸人の素の感情を演出した手腕を本作でも期待したのですが、不発に終わったようです。また本職外の芸人俳優を大挙起用したことも、作品の質の低下に繋がっています。スピードワゴン井戸田潤と安達祐実をあのような配役で共演させた“オモシロ”は買いますが、それだけが見所では物足りないです。エンドクレジットで確認できる“友情出演”の数は、おそらく映画史上最多でしょう。[DVD(邦画)] 3点(2010-03-05 18:26:08)

1368.  ハンサム★スーツ 《ネタバレ》 (モロバレあります。ご注意ください。)塚地のドタバタよりも、北川の女心に興味津々でした。塚地に愛を告白された北川は、一旦はその申し出を断ります。両思いだったのに何故?それは自分の美しい容姿ではなく、中身を見て欲しかったから。そこで彼女は一計を案じます。別人のブスに成りすまして、改めて彼に近づく。もし不細工な自分を受け入れてくれたなら、それは中身を見てくれた証。でもよく考えれば変な話です。北川と大島は、塚地にとっては別人。単純に北川への想いを断ち切り、大島を選んだだけのこと。それって北川にとっては寂しい事じゃないのかな。さらに引っ掛かるのは、真相を明かしても塚地は怒らないであろうという彼女の目論み。“中身が同じならブスより美人がいいでしょ”という価値観が透けて見えます。“容姿は関係ない”という割には不遜な考え方では?女心はワカランです(と言うより、鈴木おさむがワカラン)。恋愛物語として釈然としない。ではどうだったら腑に落ちたかというと、大島ブスーツを脱いだとき森三中の村上が出てくれば良かったんですね。それなら掛け値無しに、見た目より中身です。どんでん返しとしてもアリ。でもそんなラブストーリーは見たくない(苦笑)。それにしても塚地は不甲斐無い。もし自分が塚地だったら北川にこう言ってやりますよ。「俺は本気で君に惚れたんだ。容姿とか性格とか問題じゃない。人を好きになるってのは、その人を丸ごと好きになることなんだ。人の気持ちを値踏みする君には分らないだろうね。北川も大島もどっちも愛していたけど、サヨナラだ」くぅ~ッ、言って見てえ~(元18KIN今泉風)。でも絶対言わないです。だって美人とお付き合いしたいんだも~ん。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-02 19:41:20)(笑:1票) (良:1票)

1369.  インモラル -凍える死体- 《ネタバレ》 重苦しい雰囲気のサイコスリラーを予想していたのですが、ノリは意外なほど軽かったです。手分けして聞き込みをするのに、誰が何処を受け持つかの打ち合わせは無し。危険を察知していながら、敵に背後を取らせるボンクラぶり。犯人も小物でした。ちょっとシリアスなTV2時間刑事ドラマ。演者のレベルはオリジナルビデオ級です。パッケージとタイトルから受ける淫靡な要素も含めて、過度な期待は禁物です。以下余談。メインの4人の女性警官のうち赤井英和の娘が出ているのですが、これが何というか存在感が無い。プロポーションは抜群ですが、顔の印象が弱いのです。髪型も含めて地味な女を演出したものと推測しますが、この華の無さは女優をやるにはキツイのでは。[DVD(邦画)] 4点(2010-02-27 20:27:10)

1370.  ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ 《ネタバレ》 大谷の小説の一節に在るように、タンポポは“純情”の象徴。地を這い、風雨に耐え、一輪の花を咲かせる。それは健気に尽くすサチの姿に重なります。坊やにあげるように言われて貰った桜桃を、子供に遣らずに口にする父と母。桜桃は、“自分勝手”あるいは“欲望”といった意味合いでしょうか。大谷の生き様に似ている。タンポポと桜桃、純情と自分勝手、サチと大谷。両者は対照的です。でもこれらを区別する事に意味はありません。「健気な人だ」「あいつは身勝手だ」は、人の性質の一面を切り取ったに過ぎない。大谷ほど純情な男はいないし、弁護士に体を差し出したサチの行為は身勝手です。椿屋夫婦も、旋盤工の若者も、弁護士も、情婦も、みんなそう。純情で、そして身勝手者。それが人間の本質だと思う。だから、みんな苦しむのです。そんな中で際立つのは、やはりサチの存在感。痛々しくて観ていられないと思う反面、眼に焼き付けなければいけないとも思いました。その引力の源は彼女の覚悟。損得勘定は勿論、道徳さえも関係ない。其処に理屈はありません。その決意こそが愛だと思う。社会的背景を考慮すれば、当時の女性にはそういう生き方しか無かったとも言える。でもそれ以上に、自分は男女の性差を意識します。「私たちは、ただ、生きるしかないのよ」そうつぶやくサチ。最悪を受け入れる強さに、男は畏怖するのです。どう足掻いても男は女に勝てないことを知る。ラストはそっと手を握る男と女。番の桜桃のようでもあり、2人で一輪の花のようでもありました。松たか子は、彼女のキャリアの中では間違いなくベスト。浅野忠信がこんなに上手いとは思わなかった。脇を固める役者は芸達者揃いで文句なし。ただし、広末涼子だけは例外。演技力もさることながら、乳を見せなかったのが大問題です。サチと弁護士との情交を一切見せぬ演出を際立たせるためにも、大谷と彼女の濡れ場は艶かしい方がいい。必要な乳はケチったらダメ。広末よ乳を出しなさい。乳を出しなさい。大事な事だから2度言いました。[映画館(邦画)] 8点(2010-02-24 18:27:57)(良:1票)

1371.  イン・ハー・シューズ 《ネタバレ》 姉は妹に恋人を寝取られて失意のどん底。妹は姉に酷い仕打ちをしたことを悔い、さらに仕事が定まらない。2人とも最悪の状態です。実害を受けている姉の方の気持ちは分かり易い。でも妹の心情も理解できる。弁護士としてキャリアを積んでいる姉。誇らしいと思う反面、羨ましくもある。姉は自分が望むものを持っています。血が繋がっているからこそ嫉妬を感じる。それは姉も同じ。妹の美貌と若さに苦いものを感じる。疎ましく思い合っています。これでは上手くいくはずがありません。そんな2人の状況を変えたもの。それは祖母であり、恋人であり、老人ホームの教授でした。彼らは彼女たちに新たな見方を与えた。「あなたは自慢したいほど美人よ」「君はとても頭がいい娘だね」たった一言で人は変わる。もちろん2人のスキルに変化はありません。でも見方を変えるだけで、こんなにも自信が持てる。活き活きしてくる。キーアイテムは靴。多くの靴に出会うこと。それは多くの人と出会うことの例え。素敵な靴ってどんな靴?良い靴を見つけるにはどうしたらいい?豊かに生きるためのコツが本作には隠されています。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-21 23:21:40)(良:3票)

1372.  光る 《ネタバレ》 2人の主役AYAと麻子について。AYA役の浜田文子は、日本人ルチャドールのパイオニア、グラン浜田の娘という業界のサラブレッドであり、設定同様日本女子プロレス界のビッグネームです。さらにフリーランスの期間があり、あまり好敵手に恵まれなかった印象もあります。つまり現実の浜田文子と劇中のAYAは境遇が似ているのです。その事を踏まえてみると、彼女の言動が妙に納得できました。自尊心が高く身勝手。そして世間知らず。実際の浜田文子がどうかは知りませんが、プロレスラーのイメージサンプルとしては合っている。もう一人の主役、麻子の方はドラマパート担当。観客は彼女に感情移入して物語に臨むことになります。ところがこちらの出来が良くない。妹の難病設定は無理矢理だし、親父の立ち位置はあやふや。麻子自身の想いも伝わって来ません。その結果、彼女の人生のドラマと試合が重ならず、もどかしい思いをしました。現役女子プロレスラーも俳優陣も演技力が不足しており、観ていて辛かった。その粗を隠すためにモノクロ映像にしたのではないかと勘繰りたくなります。白黒からカラーへの切り替わりは、主役2人が“光った”証だと思いますが、あんなしょっぱい試合で満足出来るなら、プロレスラーを辞めたほうがいい。試合シーンは映画のクライマックスとしても、純粋にプロレスとしても、つまらないものでした。大好きなプロレスを扱った映画ゆえ好意的に捉えたかったのですが、今回は無理でした。ごめんなさい。そして残念です。[DVD(邦画)] 2点(2010-02-21 19:59:34)

1373.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 前作の不満“仲村みうは何故脱がないのか?”が、僅かながらも解消されている点が、本作唯一の長所です。それ以外は全ての要素で前作を下回りました。もうアクションでもサバイバルでも、何でもない。B級バイオレンスがチープ過ぎて、ギャグっぽく見えてしまうのは珍しくありませんが、本作のようにはっきりおふざけモードに逃げているのは意外と少ないかもしれません。それも一つの楽しませ方ゆえ否定はしませんが、どうせやるなら徹底して欲しい。手裏剣一つで人の頭を切り落とす度胸とセンスがあるなら出来るはずです。とりあえず全員の乳首に真っ赤なお花を咲かせてみませんか。話はそれからで。(余談)まさかずきゅーぶりっくさん、どうもです。それにしても、Ⅰでズッコケたはずなのに懲りずにⅡを観て、さらに感想まで書いているレビュワーさまの勤勉さには頭が下がります。今のところ、2作連続レビュー率100%。案外、愛されるタイプのバカ映画なのかもしれないですね。[DVD(邦画)] 2点(2010-02-18 18:58:15)(良:2票)

1374.  制服サバイガール I 「エロ・グロ・ナンセンス」には違いないのですが、どの要素も薄いです。C級グルメは健康度外視。味が濃くてナンボです。化学調味料で舌がヒリヒリしたって、辛過ぎて偏頭痛がしたって、味が濃ければオカズにはなるんです。そういう意味で、本作はその価値を見失っていると感じます。バイオレンス描写は『水戸黄門』レベル。血しぶきは大幅カットのECO仕様。お子様と地球には優しいかもしれませんが、スプラッターホラーを期待している観客には優しくない。特撮で経費を節約した分、おっぱいポロリのサービスでもあるかと思いきや、パンチラひとつありゃしない。仲村みうなんて、ずっと服を着たままでした。江頭がスーツを着込んでいるくらい奇妙な光景です。植物ゾンビに物理攻撃は効かない設定なのに、頑なに武器を手放そうとしない主人公たちも意味不明です。いや、これはナンセンスだからいいのか。どうもⅡに続きそうなエンディングですが、本作以上に評価が悪い次作を見るべきかどうか迷います。なんて言いつつ、もう観ちゃてるんですが。[DVD(邦画)] 3点(2010-02-15 19:25:29)(良:1票)

1375.  彼岸島 物語の導入部を観て思い出したのは、名作アニメ『ガンバの冒険』です。仲間を救うために殺人鬼の住む島へ乗り込む設定がよく似ています。でも決定的に違うのは悲壮感の有無です。本作にはまるでありません。もちろん『ガンバ』だって子供向けアニメ。ノリは軽い。ですが、根底には並並ならぬ決意が秘められていました。それが物語の厚み。ハナからピクニック気分で死地に赴く主人公たちに感情移入など出来ません。漫画が原作ゆえ、設定にリアリティを要求する気はありませんが、登場人物の心情に真実味は欲しいと思いました。役者はみな(上手いかどうかは別にしても)真面目に演技をしていただけに残念です。壮絶な世界観を再現する気構えが無いのならば、この原作に手を出してはいけなかった。ソードアクションはまずまず。邪鬼(オニ)は1体だけでなく、原作同様、様々なバリエーションが見たかったです。[映画館(邦画)] 5点(2010-02-09 20:46:43)(良:2票)

1376.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 (ネタバレ含みます。未見の方はご注意ください。なお原作は未読です。)石神の行動が理解できません。彼のアリバイプランは、DV夫の遺体隠滅が絶対条件。それなら最初からDV夫の遺体の始末だけで済む話ではないかと。殺人そのものを無かった事にするのが、最も合理的な遣り方です。石神が要らぬトリックを弄しているように見えるのはマイナス。彼の自己犠牲の価値も失われます。謎解きミステリーに過度なリアリティを求める気はありませんが、犯人の行動に理由付けは欲しい。より大切なのはトリックの実行性ではなく、必然性と考えます。ミステリーとしては物足りないです。ただし石神と花岡靖子のドラマ部分は見応えがありました。堤も松雪も流石の熱演。とくに靖子の心情が興味深かった。石神への感謝と謝罪の念は当然のこと。彼の好意に甘えて罪を逃れようとした気持ちも理解できます。自分はともかく、娘だけは守らなくてはいけないから。でもそれが、本当の意味で娘を救うことになるのか。何度も自問自答を繰り返したはずです。その間も主導権は石神に握られている。負い目は人を動けなくします。彼女たちは刑罰の免除と引換えに、生き方を決める権利を失いました。極めつけは石神の身代わり出頭。しかも彼は自分たちの為に新たな罪を重ねたという。もう娘云々ではなく、靖子自身の心が耐えられない。だから彼女は出頭した。石神の献身は一切の見返りを求めていません。でも純粋であるが故に花岡親子を苦しめた。もし石神が靖子の恋人だったら、あるいは娘の父親だったら。彼の“好意”は受け入れられたかもしれない。彼女らは献身の見返りに、石神へ愛情を注ぐことが出来るのだから。結局、靖子は石神の想いを拒みました。その謝罪の言葉は、石神の耳にこう聞こえたのではないか。「あなたと私たちは他人です」。これが石神の嗚咽の正体だと感じました。[DVD(邦画)] 6点(2010-02-06 19:27:15)(良:4票)

1377.  口裂け女0 ~ビギニング~ 《ネタバレ》 映画『口裂け女』は秘かなお気に入りシリーズ。2作目は近年の邦画ホラーでは上位に食い込む秀作だと思うし、評判の悪い1作目も結構楽しめたクチ。そこで3作目となる本作。「シリーズ最高傑作」というキャッチフレーズに若干以上の不安を覚えたものの、DVDパッケージの美少女に釣られて鑑賞しました。しかし悪い予感ほど当たるもの。残念ながらシリーズワーストの出来でした。とくに期待していた都市伝説の解釈部分がサッパリでした。「私キレイ?」「100メートルを○秒で走る」「ポマードと3回唱えると助かる」等のオイシイネタをまるっとスルー。幽霊・怨念系のありきたりなアプローチにガッカリしました。中心となる筋立ても散漫で分り難く、役者のレベルも総じて低い。0に斜め線が入った「ビギニング」マークは、口裂け女の顔を簡素に図案化したものと推測していましたが、登場する口裂け女のビジュアルとリンクする訳でもなく…。久々にトホホなホラーでありました。トホホラー。[DVD(邦画)] 3点(2010-02-03 19:12:50)

1378.  アバター(2009) 《ネタバレ》 “アバターはイチローである”。自分は本作をそう結論付けました。『アバター』は言わずもがな最新3D映像が最大のウリ。その圧倒的な画力によって観客は異郷の惑星パンドラを体感します。世界の美しさに息を飲み、スピード感溢れる極上のアクションに酔い痴れます。本当に素晴らしい。ただ、脚本は普通だと感じました。良くも悪くもない。ナヴィたちは人間に比べて遥かに優れた能力と豊かな文明を有しています。主人公じゃなくても生まれ変わりたい。ミイラ取りが特上ミイラになっただけの話です。命を賭した主人公にその資格はありますが、冷静になれば結構身勝手ではないかと。ナヴィ=アメリカ先住民族と見立てられる設定ですが、ナヴィ=クジラと見ることも可能です。だとすれば主人公は、某エセ環境保護団体と変わらない。同種族間の侵略行為と異種族間の闘争では意味合いが全く違います。意思疎通が可能な人間とナヴィの関係は、丁度その中間くらいと捉えるのが正しい気がします。主人公の微妙なスタンスを把握しておかないと、人間が一方的に悪いと感じてしまう脚本なので注意が必要だと感じました。心情的にはナヴィを応援したいですが、主人公には最後まで人として生きて欲しかった。ただし、鑑賞中はそこまで思考が回らない。映像の感動に引っ張られて、物語も非の打ち所が無いように感じてしまう。ここで冒頭の結論に戻ります。イチローは国民的ヒーロー。それは彼がプロ野球選手として活躍したからで、人間性は関係ありません。本来は。でも現実にはそんな区別はなく、人間イチローが丸ごと素晴らしいと評価される。もちろん評価は総合点ですから、得意分野で点数が稼ぐのは構わない。本作の評価もそれと同じと考えます。世界興行収益の記録を塗り替え、観客を劇場に呼び戻した本作の功績は絶大です。この人気を一過性の流行に終わらせるか、映画復興の呼び水と出来るかは、後発の映画に懸かっている。ただし視覚効果のインパクトは必ず薄れます。爆発力があるほど、飽きられるのも早い。3D特需の今こそ、求められるのは良質な脚本だと思います。[映画館(吹替)] 8点(2010-01-31 19:25:51)

1379.  クレーマー case1 《ネタバレ》 クレーマーやモンスター・ペアレンツを扱ったTVショーが最近増えています。それだけ権利意識の強い人間が身の回りに多いのでしょう。苦々しく感じる視聴者の気持ちをコメンテーンターが代弁し、カタルシスを得るという仕組みです。本作も同じ方針かと思いきや、全く違いました。クレーマーの主張は常軌を逸していますし、対応するお客様担当もプロには見えません。折角タイムリーな題材を選んだのですから、まずはリアリティのある「クレーマーVSプロの苦情処理」で観客を楽しませて欲しかった。サイコサスペンスへ移行は、その後で良かったと思います。オチについては、演出が露骨なので早々にネタバレしているのが残念。録音もクオリティが低いです。柏原の痛んだ髪の毛は、業務の過酷さを物語っているよう。あれが役作りだとしたらスゴイと思う。[DVD(邦画)] 3点(2010-01-26 22:51:31)

1380.  口裂け女2 《ネタバレ》 「100メートルを3秒で走る」「ポマードと唱えると助かる」等、口裂け女伝説の荒唐無稽なディテールを上手く取り入れた脚本に、まずは拍手を送りたい。でもコレは前作でもやっていること。本作が前作を遥かに凌ぐのは、「恐怖」を主軸とした多様な感情の誘発に成功している点だと思います。来るべき悲劇に備えて、序盤はあくまで穏やかに。ささやかな幸せが丁寧に描かれます。「私きれい?」という有名な台詞や“針を口に咥える”描写等、不穏な空気を演出するスパイスがさり気無く効いています。これらは終盤の伏線も兼ねており、センスの良さと堅実な仕事ぶりが窺えます。事態を劇的に転換させる男の凶行。家族を、未来を、平穏な生活を、奪われる瞬間を目の当たりにして感情が定まりません。惨劇後、生き残った当事者2人の様子がまた秀逸。こういう壊れ方のほうがリアルだと思いました。最大の恐怖は、姉2人の選択。保身のためにある決断を下します。その思考は禁断の果実。「お腹の子のために…」「これからの生活のために…」罪悪感を減らす言い訳なら、幾らでも出てくる。それに非常事態に正常な思考が働かないのも在りそうで怖い。我が身を姉たちに置き換えた時、同じ過ちを犯さないといい切れない自分に戦慄します。自身の心の醜さに気づくことが一番恐ろしい。悲しくも怖いお話でした。なお忘れてならないのが、ショッキングシーンの扱い。どんなに残虐性の高い描写も、何度も出てくれば必ず慣れます。ですから少ないチャンスを効果的に活かすが上策。本作はその術を心得ていました。必須とも言える口裂け女の笑い顔など、たった1度しか出てきません。(惜しげもなくこのシーンを使用している予告編は、本編の前に観ないようご注意ください!)感心しきりの作品ですが、惜しむらくは三姉妹の人選でしょうか。本作で表現される心情は、単色の喜怒哀楽では区切れないものばかり。もう少し複雑な感情を表現できる女優さんなら、尚一層作品の質は上がったと思います。脚本の仕掛けや刺激的な要素が無くとも怖いホラーは作れるという良い見本です。[DVD(邦画)] 8点(2010-01-26 22:47:45)(良:3票)

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