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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
121. バンド・オブ・ブラザース<TVM> 毎回冒頭に流れる生存者へのインタビューが,エピソードに重みと説得力を与える。エピソード形式・トータル10時間の大作だが,迫力のある戦闘シーンと深い人間描写とで観る者を全く飽きさせない。最近の戦争映画といえば「悲惨さ」とか「戦いの中の愛」みたいなテーマばかりで食傷気味だったのだが,「バンド~」は戦争という極限状態だからこそ生まれる、お互いを思いやる気持ちや誠実さなどに焦点をあてており好感を持ってみることができた。確かに「ウインタース小隊が勝利の喜びに満ちていたその裏では,目を背けたくなるような現実があったのではないか?我々は,戦争というものに対し無邪気過ぎないか?」という指摘はあり得るだろう。だが私は思うのだが,例えそのような悲惨な事実が戦時下にあったとしても,同時にこのような馬鹿正直というか,能天気なくらいにまっすぐな姿があったことも,また戦争の真実なのではないか。だとするなら,やはりそういう戦争映画は作られるべきだと思うし,その担い手はアメリカをおいて他にはないのではないかとも思う。とまれ「バンド」は,最良の戦争映画のひとつである。もし,これを読んだあなたが未見であるなら自信を持って勧めたい。9点(2003-12-25 12:45:34) 122. アニマトリックス 1つ1つのエピソードに個性があって,思ったより楽しめた。特に短距離送の話が好きだな。私はアニメマニアでもなく,かといってマトリックスに思い入れがあるわけでもないのだが,それが却って良かったのかも知れませんね。 6点(2003-12-24 15:21:16) 123. キル・ビル Vol.1(アメリカ版) 「ヤッチマイナ!」の号令一下,タランティーノがやりたい放題やってしまった(ように見える)映画。おもしろがり体質の方は楽しめるが,正直あざとい。タランティーノは好きだから1回だけ許すが,こんなコトばかりやってると怒られるぞ。知らないぞ。6点(2003-12-24 13:45:32)(笑:1票) 124. ダンサー・イン・ザ・ダーク いかにもラース・フォン・トリアーらしいドロドロの1品。現実世界を撮る手持ちカメラの映像と,固定カメラ?による妄想ミュージカルシーンを対比させ,現実の不安定さと妄想の強固さを演出する手法が面白い。ストーリーは勝手読みを駆使してセルマがイエス・キリストでビルがユダ,カトリーヌ・ドヌーブがヨハネ?ということで自分の中で決着させた。トリアーがキリスト教の信者かどうか知らないが,「奇跡の海」も相当宗教色の濃い映画だった(ように思える)し,なにより私にとってはセルマの子供云々は客を納得させるためにムリヤリつけたした理由という感が否めなかったから。彼によるキリストの現代的解釈とみれば,セルマが自分勝手なわりに皆に愛されていることと,彼女の過剰な妄想癖と刑死が腑に落ちる。生理的な不快さ満載の映画だけれども,こういうのも映画の魅力のひとつだと思う。ただし,私の知人にはすすめないが。 6点(2003-12-24 13:02:25) 125. ラスト サムライ 《ネタバレ》 「誇り」というテーマを,重厚な美しい映像と迫力のあるアクションを対比させて仕上げるのがE・ズウィックらしいところ。なかでも重量感あふれる戦闘シーンはド迫力で,霧の中から騎馬武者達が現れるシーンは鳥肌が立つほどだ。さらに,冒頭とラスト,アメリカと日本それぞれの文化を象徴するウインチェスター銃と日本刀をオルドレンに持たせた演出には「なるほど」と思わせられた。歴史考証のデフォルメについては私は気にならなかった。日本史の知識が全くない観客をターゲットにする以上,この程度はやむをえないのではないか。むしろ,あの時間で明治の元勲を連想させるキャラクターを作り上げたことと,ここまで日本をマジメに描いたことのほうを積極的に評価すべきと私は思う。渡辺&トム・クルーズについては皆さんと同意見。ただ,真田広之は悪い意味で気になった。彼は存在感がありすぎるので,あの役ではどうにも中途半端。印象に残るわりには「結局あの人は何なの?」という感。彼は主役をやるか自分を殺すかどちらかだと思う。また,小雪は大柄すぎて小柄なトム・クルーズに合わせるのは辛そう。とはいっても全体的にはよく出来た映画であり,見て損はない。ただし,傑作か?と言われるとそれは疑問。8点(2003-12-24 11:12:37)(良:1票)
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