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プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345678
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121.  ソルト え?まじ?そんなのあり?お塩姐さんオイタが過ぎますぞ!ろくろく変装もせずに葬儀会場に紛れ込むあたり、逆に惚れた。[DVD(字幕)] 5点(2011-03-13 19:55:43)

122.  ヒア アフター 期待して鑑賞したものの、よく分からなかったというのが正直なところ。監督の意図が分からなかった。僕が死後の世界というのにピンと来ない(興味が無い)せいもあるかもしれない。絶対に分からないから考えるだけ無駄だ。監督の保守的でまじめな作り方は好きなので、この点数だが、正直に言って失敗作だと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2011-03-13 19:54:00)《改行有》

123.  英国王のスピーチ 吃音の英国王と言語専門家の心の交流という目の付け所は素晴らしく、アカデミー作品賞も受賞したため、期待にあふれて鑑賞したが、そこまでの感動は得られなかった。もっと面白く出来たはずの作品。当時のイギリス史をざっと理解していないと、ヨーク公と兄との確執などはちょっと唐突感があってわかりにくいかもしれない。王室という下手にいじれない題材のせいでちょっとつくりが保守的に過ぎる嫌いもある。 ただし、コリン・ファースとジェフリー・ラッシュそれにヘレナ・ボナム=カーターの競演はさすがで、主演男優賞は文句なしと思う。逆にあとの二人が受賞を逃したことが驚きだ。 会話の矯正というとどうしても「マイ・フェア・レディ」を思い出すが、やはりあの作品には及ばないと感じた。まあ、あれは主演がオードリーだから贔屓目もずいぶん入るのだけど。[映画館(字幕)] 7点(2011-03-13 19:32:33)《改行有》

124.  再会の食卓 《ネタバレ》 ベルリン映画祭で脚本賞を取った映画。上京して鑑賞した。歴史の荒波に翻弄され、若くして離れ離れになった夫婦が40年の時を経て上海で再会する。お互いへの愛を持ち続けながらも、別離の間に積み重ねられた年月がもたらすしがらみから彼らは逃れられない。想いが強ければ結ばれるほど人生は甘くない。 邦題どおり食卓を囲むシーンが多いが、これらのシーンがこの映画の面白さの主要な源泉だろう。誰が誰に料理をよそうか。誰が誰にお酌をするか。誰が先に食べるか。誰が遠慮するか。登場人物たちの心理が行動に反映され、彼らの関係性が濃密に描かれる。脚本賞もうなずける。建築中の高層マンションでの会話シーンやラスト付近の送別の宴でのにわか雨など印象的なシーンが多いし、あのシーンを幕切れに持ってくる巧みさには思わず唸ってしまった。ナナ(孫娘)を登場させて、時代によって変わるもの、変わらないものというテーマを浮かび上がらせるテクニックもうまいと感じた。 僕は鑑賞中、深い深い悲しみに襲われ、涙がとまらなかった。メインキャスト3人の経験した運命の残酷さ、彼らの悔しさやもどかしさを思うと嗚咽をこらえるのがやっとだった。この映画には極端に良い人、悪い人は出てこない。再会を除いてはドラマらしいドラマは無い。抒情性を廃し、写実に徹しながらも、人生の機微を鮮やかに捉え、人間と人間の結びつきを丁寧に映し出すこの作品はとても愛おしく感じられた。人生にきちんと向き合った気持ちの良い作品だ。「日の名残り」が大好きな僕には特に堪えられなかった。[映画館(字幕)] 9点(2011-02-24 21:59:17)(良:1票) 《改行有》

125.  ウォール・ストリート 《ネタバレ》 国内の予告編はイマイチだったけど、海外の予告編は印象的な音楽と絶妙にマッチしていて期待感はいやがうえにも高まるばかり。で、実際に観て、映画が終わった瞬間、「うーん」と何ともつかない声でうなってしまった。そしてエンドロールが終わるまで呆然としてた。 何が拙かったんだろうなあ。意味不明なラストかな。何で急に主役2人が仲直りしたのか全くわけが分からなかった。1億ドルを返してもらっても娘は喜ばないはずでは?むしろ、拝金主義に嫌気がさしてた側ではなかったっけ?あのシーンでお金以外に彼女の気持ちを融かす何かがあったのかなあ。サッパリだった。赤ちゃんの使い方もよく分からない。主人公は取引材料として赤ちゃんのエコー動画をゲッコーの元に持ち込むんだけど、ゲッコーはそれを1回断って結局ラストで受け入れる(受け入れたのか?)。「これだけは受け入れられない」みたいなことを最初言ってなかったか?どういう心境変化があったのかがわからない。もしかしたら和訳が拙いのか?DVDが出たら再鑑賞必須だ。 「わが子を食らうサトゥルヌス」とか絢爛豪華な小道具も特に要らなかった。もっとシンプルな人間ドラマが見たかった。ゲッコーかっこいい!と言っていたかった。カネ対ココロの行き着くところを描いて欲しかった。残念な出来と言わざるを得ない。 いや、でも役者陣の演技は良かった!特にキャリー・マリガン!「わたしを離さないで」に期待が膨らむ。シャイア・ラブーフも、もちろんマイケル・ダグラスも、ワル顔ブローリンも良かった。だから点数は5点です。だからこそ脚本の不出来が気になる。[映画館(字幕)] 5点(2011-02-11 00:56:56)《改行有》

126.  ザ・タウン 《ネタバレ》 アカデミー賞作品賞や監督賞のノミネートも取り沙汰された作品ということで期待して鑑賞したが、それほど強烈な個性を持った映画とは感じられず、些か残念だった。色々と考えさせられるテーマを取り扱った前作(「ゴーン・ベイビー・ゴーン」)に比べると、脚本の面白さにおいては少し劣っている印象を受ける。 しかしながら、骨太なクライムサスペンスに仲間との絆やロマンスといった要素を盛り込みながら、全体を2時間にうまくまとめたベン・アフレックの監督としての技量は間違いなく進歩している。FBIの捜査に手ぬるさが目立つのは少し気になるが、アクションシーンの緊迫感は素晴らしかった。また、空撮やロケを多用して、チャールズタウンという街と彼らの紐帯を印象付ける演出もよく活かされていたと思う。 演技面でも主人公が新しい人生に踏み出せないもどかしさや主人公が親友か運命の女性かという究極の選択を突きつけられるあたりの役者陣の演技はさすがだ。所詮銀行強盗であり、同情の余地が無いはずである主人公たちの気持ちに寄り添えるような気がするのは、彼らの演技力に負うところが大きい。レベッカ・ホールのナチュラルな演技にも好感が持てる。 筋立てや構成に斬新さはないものの、全体的なバランス感から7点とする。次作にも期待したい。[映画館(字幕)] 7点(2011-02-06 14:48:19)(良:3票) 《改行有》

127.  ソラニン 《ネタバレ》 青春バンドものとしては悪くなかった。登場人物の年代が10代ではなく20代なので、それなりに自分の思いを投影しながら観ることができた。自分の才能への信頼感と不信感、定職に就いていないことの焦燥感、つまらない日々の仕事に対する徒労感などなど、登場人物の気持ちはリアルで親しみやすかった。 しかしながら、これらの感情はすべて既存の映画で描かれた20代の若者の感情の最大公約数でしかないと言うこともできる。特に、レコード会社でのやり取りは本当にくだらない。何の躊躇もなく冴木の提案を断るのはあまりに子供じみている。あとは演技面だが、宮崎あおいの感情を我慢しているときのあのたまらなく愛おしい表情がイマイチ好きになれなかった。泣く前も笑う前も同じ表情というのが、何となく観ていて怖かった。ラストの歌の歌唱力については、特に問題があるとは思わなかった。「ソラニン」という歌自体に特に思い入れを感じなかったせいもあるが…。彼女がブルーハーツの歌を口ずさむ近年のCMには本当に我慢できないが。[DVD(邦画)] 6点(2011-02-06 10:56:15)《改行有》

128.  デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~ 常識人と非常識人の感覚のずれが巻き起こす騒動をロードムービーとしてコメディタッチでお届け!下ネタ、ゲイネタ、人種ネタ、ありとあらゆるネタ使いで執拗に笑いを取りに来る主役コンビはそのミスマッチぶりも相俟って非常に強力。ガリフィナーキスは本当に芸達者だし、ダウニーJr.のキレた演技が妙にリアルで笑える。脇役のジェイミー・フォックス、ジュリエット・ルイスの出演にもにやけてしまった。 ただし、劇中の一部で、常識人の考え方の酷薄さや冷淡さを浮き彫りにし(置き去りのシーン)、非常識人の情動を美しく描いて(トイレのシーン)いるのは面白かったが、欲を言えば、もっと根底的な「誰もが共有できる常識」を疑わせるような視点も欲しかった。「ハングオーバー!」の徹底的なおちゃらけ振りが中途半端になってしまっただけという印象が残るのは残念だ。腹を抱えて爆笑できたシーンはそれほど多くなかった。 笑わせるなら笑わせる。考えさせるなら考えさせる。そのメリハリが少し曖昧になってしまっている。 [映画館(字幕)] 6点(2011-01-30 15:54:04)(良:1票) 《改行有》

129.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 これは傑作。前評判が高すぎて、肩透かしも覚悟していたが、これなら文句無し。最も勢いのある業界を舞台にした人間ドラマという意味では、現代の「ウォール街」にも似ている。 まずは冒頭のマークと恋人エリカの高速おしゃべりから一気に引き込まれた。天才だから論理的ではあるが、同時にオタクであるが故にあまりにも歯に衣着せない、相手に対する配慮が足りないマークの怒涛のおしゃべりを堪能できる。本物のマークがしゃべっているところを見たことがないので迫真なのかどうなのかは分からないが、ジェシー・アイゼンバーグのリアル(そう)な演技はさすがだ。 登場人物を絞ったのも正解。マークと友人のエドゥアルド、ショーン・パーカー、ヴィンクルヴォス兄弟くらいを押さえておけば、だいたい理解できる。マークはもちろんその他のキャラクターもきちんと立っており、取り違えることは無い。全編を通じて会話量が物凄く、もっと英語が理解できれば!と何度も思ったが、キャラ立ちのおかげである程度字幕に集中できるのはありがたい。 ラストの盛り上がりに欠けるという意見もあるようで、それには納得できる。ただ、確かにクライマックスというわけでは無いが、マークと若い弁護士とのやり取りやその後のマークの行動は「天才の孤独」を象徴していて感動的だった。しかも天才なだけではなくとてつもなくお金があると、さぞかし生きにくいだろう。 最後に、本筋とは関係ないが、ハーバードの学生生活で一番驚いたのは「クラブ」(男性限定の排他的なサークルみたいなもの)の存在感。理不尽な入会試験がある閉鎖的な組織にもかかわらず、マークの友人エドゥアルドをはじめ、皆名門クラブに入りたいようで一生懸命なのが日本と比べて著しく異なっていてびっくりした。フリーメーソンとか結社系には欧米人は弱いのだろうか。日本人よりもよほど集団主義的だと感じた。[映画館(字幕)] 9点(2011-01-15 23:29:00)(良:2票) 《改行有》

130.  アンストッパブル(2010) 《ネタバレ》 暴走した電車を止める。ただそれだけの話です。オチもクソもありません。大丈夫です。デンゼル・ワシントンですから。きっとSTOPPABLEです…。 最初、仲が悪くてその後仲良くなる凸凹ヒーローコンビという構図が王道なら、本社の運行管理部長は何も分かってなくて現場の操車場長のほうが頼りになるという「現場至上主義」な構図も王道。フーターズを除いては王道なので、そのシーンで一番興奮してた。今度上京したら絶対に行こう。フーターズに。 それにしてもアメリカ人ってちっとも仕事しねえな!発端となった怠け者二人は言うに及ばず、ヒーローもやたら電話してるし、注意されるとふてくされる。あのヒーロー面してた長髪のおじさんも最初は食堂で仕事をサボってただろうが!人事の仕事をしている者としてはこれは見逃せない。お母さん、日本の現場はまだまだ健全ですよ! ただ、上映中ずっと手に汗を握りまくっていたことは秘密だ。悔しいことに。これでは6点をつけざるを得ないではないか。映画館で観るかさもなくば・・・な映画。[映画館(字幕)] 6点(2011-01-15 00:10:29)(笑:2票) 《改行有》

131.  キック・アス 《ネタバレ》 悪がはびこる世の中に正義の鉄槌を下すべくコスプレしてヒーロー活動を開始する主人公(キック・アス)だが、有名になり過ぎてマフィアのボスから目をつけられてさあ大変。といういかにもコミックっぽいストーリーだけを予備知識に鑑賞した。基本的にはコメディかと思って観ていると、意外とハードなバイオレンスシーンやアクションシーンも多いのが予想外だった。ただ、このおかげで映画にメリハリがついて、結果としてはとても良かったと思う。 まず、軽快なストーリー展開やユーモアあふれる台詞回しが素晴らしい。ビッグ・ダディとヒットガールの親子関係って、シリアスに映すととんでもなく辛気臭くなりそうなんだけど、そこはコミックだけに、うまくエンタメに昇華させている。また、主人公と友人や父親との関係、マフィア親子の関係など、巧みな台詞回しや構図で人と人との心理的な距離感が表されていた。 演技面では、ヒットガール役のクロエちゃんがまずとにかく可愛くて可愛くて仕方が無い。「童貞ウォーズ」に出演していたプラッセのオタク演技も堂に入っていてにやついてしまう。オタクの動き方の特徴って洋の東西を問わないね!しかし、中でも最高だったのはニコラス・ケイジ。嬉々として、というかノリノリでビッグ・ダディを演じていてかなり笑えた。こういうちょっとブチ切れた役はまさにはまり役だ。 あとは、音楽も良い。ガツンと来る爽快感のあるロックチューンを中心に選曲されているが、個人的にはヒットガールが敵の本陣を衝くときに流れる「荒野のガンマン」にシビれた。やっぱりバイオレンスはウェスタンの心意気を受け継いでいないと面白くない。初心を忘れない選曲が泣ける。 ただ、最後にひとつだけ。近年すごい勢いで娯楽映画の暴力描写がエスカレートしている気がして、内心ハラハラしてしまう。原作のアメコミからして凄いらしいので、しょうがないっちゃしょうがないのだけど、そんなにやらんでも…という気もする。マフィアによる指切りとか人間電子レンジのくだりは無くても良いんじゃないかと思う。隠せば良いというものでもないかもしれないが、映画の本筋からしてそれほど必要なシーンとは思えなかった。どこが肝になったか知らないが、とにかくR指定になってしまったのは残念だ。これくらいでR指定かよ!という弁護をしたくもなるが…。 多少のグロに耐えられる人なら絶対面白いよ、この映画!必見![映画館(字幕)] 8点(2011-01-09 21:14:40)(良:3票) 《改行有》

132.  トロン:レガシー こういうレビューは良くないかもしれないけど、「六本木ソルジャー」さんとまったく感想が同じです。2つ下のレビューをご覧ください。本当に仰るとおりです。そして、奇しくも点数も同じ。初めて体験したIMAXにはちょっぴり感動したけど、それは映画の実力じゃないしねえ。 あ!ダフトパンク出てた!でもこれも別に加点要素ではない。音楽だけじゃ映画は救えない。[映画館(字幕)] 5点(2011-01-05 23:41:37)《改行有》

133.  ロビン・フッド(2010) うーん、歴史アクション大作とすれば文句は無い出来なんですが、やっぱりロビンフッドには義賊的な立ち回りを求めてしまいます。一部の登場人物以外、脚本はすべてフィクションなので、腹も立たないのですが、ロビンがイギリスの未来を担ってフランス軍と戦っちゃうような展開は正直期待していなかったです。やっぱり緑の衣装に身を包んで敏捷に森の中を駆け巡り、愉快な仲間達と共に弓矢で悪代官を悩ませる昔ながらのロビンフッドが観たかった。まあ、だとしたらごっつい体のラッセル・クロウは絶対にはまり役じゃないですけど(この映画でははまり役!)。 キャストでは誰が良かったかって、やっぱりケイト・ブランシェットでしょうか。この年でツンデレして許されるのは世界広しといえども彼女くらいでしょう。可愛すぎ。彼女の出演作をもう一度きちんと観直してみたいと思います。他には悪役のマーク・ストロングとジョン王のオスカー・アイザックも良かった。 それにしてもこの監督は相変わらずズレた独裁者を描くのが好きですね。「グラディエーター」の皇帝とジョン王のキャラが被りすぎじゃないかと思いました。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-21 22:12:42)(良:2票) 《改行有》

134.  シャッター アイランド レオナルド・ディカプリオの力演や作品の持つ重厚な雰囲気により、何とか観られる映画には仕上がっているが、肝心のオチに謎解きの爽快感がないので、それほど面白い映画とは呼べない気がする。 「小さな鍵を一ひねりするだけで、巨大なドアが開き、全てのシーンが意味を帯びてくる」というタイプの映画(「アイデンティティー」や「ユージュアル・サスペクツ」など)には及ばないと思う。ディテールにまで及ぶトリックや登場人物の視線などにより、幾重にも伏線が張られた脚本はある意味で秀逸ではあるが、もう一度観て細部までトリックを把握していかないといけないのはしんどい。僕としては、ラストで、「ああ、なるほどね!」と納得して、スッキリした気分で家路につきたかった訳なのである。 緻密なミステリーが好きで、何度も同じ作品を観かえすのが苦にならない人には理想的な映画だが、僕にはちょっとしんどい。うまくできてはいるが、何度も観かえす気力はない。尺自体、ちょっと長すぎるしね。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-24 10:53:07)《改行有》

135.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 やっぱりアクション映画はこうでなくちゃ!「細けぇこたぁいいんだよ!」という完全な開き直りで、ひたすら派手なアクションときれいな風景で観客を楽しませてくれる。それにしてもキャメロン・ディアスは老けたなあと感慨に浸る暇もなく、舞台は変わるわ敵は変わるわで大忙しだった。冒頭の飛行機の中のシーンやブルックリンそしてカリブ、アルプス列車での死闘、ザルツブルクからセビーリャまでリアリティを無視して世界を股にかける007ばりの嘘くささが痛快。 キャメロン・ディアスはコメディエンヌの面目躍如だし、意外とトム・クルーズの無敵の勘違い野郎ぶりも悪くなくて、2人の掛け合いに上映中笑いっぱなしだった。Without me! With me!とか名台詞もあるし。トム・クルーズ扮するロイ・ミラーの褒めて伸ばす指導により、ジューンがどんどん強くなっていくのも面白い。 それにしても、西部劇からサスペンス、ラブ・ストーリー、心理もの、そしてこういうアクションコメディまで作れるマンゴールド監督はなかなか多彩な才能を持つお方のようだ。敵はすごい勢いで死んでいくが、見に行って決して嫌な気持ちになることはない快作だ。2人の立場が逆転する爽快なラストも、お約束だが嫌いじゃない。劇場で観てよかった。[映画館(字幕)] 8点(2010-10-10 20:18:43)(良:3票) 《改行有》

136.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 アクションが長すぎる。途中で飽きた。血みどろで凄惨なアクションを撮りたいのは分かった。でも、やっぱりその長さには限度があると思う。十三人も人がいて、それぞれの死に様を描こうとするから無理が生じている。しかも皆死に様は大して変わらない。多数に取り囲まれて、切り刻まれて、泥の中を這いずり回って死ぬだけだ。正直言って退屈である。更には、「七人の侍」の菊千代とかぶる伊勢谷友介に至っては死んだはずなのに生きていたりするから、尚更違和感が生じる。 そもそもこの映画がチャンバラの様式美を追求しているのかリアリティを追求しているのかが全くわからなかった。同じ刀で何人も切れるかと思えば、多くの刀を使いながら人を切っていく場面もある。どっちかに統一していないから、描写が中途半端になっている。 また、伊勢谷友介扮する山男が出てくる必要性もわからない。話の焦点があいまいになっただけという印象だ。劇場ではけっこう笑いが取れていたので、コメディ担当としては一定の役割を演じられていたのかもしれないが、そもそもこの映画にそれが必要だったとは思えない。「万民のため」vs「主君のため」の二元論の戦いに一石を投じるのは悪くないが、そもそもの彼のポリシーがはっきりしない(単なる陳腐な「アンチ武士」「しがらみからの自由さ」だけでは存在の必要性が弱すぎる)ので、いまいち彼に共感することができなかった。 前半は決して悪くなかった。特に役所広司が両腕両脚を切り落とされた女を前に笑うシーンなどは出色だと感じた。怒り、もしくはそこから来る何かしらの衝動に駆られて笑うという体験は僕もよくある。彼の演技が本作で最も優れていたと思う。松方弘樹の円熟した台詞回し、太刀捌きにも惚れた。しかし、総合して観ると「七人の侍」をはじめとした「従来の」時代劇の価値観から一歩も踏み出せていない本作には特に製作される意義が見つからない。個人的には、襲撃が失敗に終わり、最後に半兵衛が斉韶を斬るという筋立てが理想ではなかったかと思う。 いくらチャンバラを凄惨に描こうとも、それだけでは時代劇に新しい視座を導入したことにはならないであろう。「駅馬車」から「荒野の用心棒」、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」更に「ブロークバック・マウンテン」に到達したアメリカ西部劇に対して日本の時代劇はこれでいいのか。むしろ昔の時代劇のほうが殺陣の迫力は伝わる。[映画館(邦画)] 4点(2010-09-26 21:47:24)(良:6票) 《改行有》

137.  さんかく 《ネタバレ》 観ているこっちが恥ずかしくなるくらい、オトコの心理に踏み込んだ傑作。この監督のものは全部観たい。 百瀬はどの男の心にも潜んでいるはずだ。愛車に対する異常な入れ込み具合。そして、彼女である佳代に対して、その改造費用を110万円と偽るセンス。10万円の部分がリアルとでも考えたのだろうか。佳代しか騙せない何とも不毛な嘘である。後輩に対してはやたらとでかい態度を取るくせに、影では逆に馬鹿にされている。ダメでイタい男の典型を演じている高岡蒼甫はなぜかハマり役だ。ちょっとタレ目のところが、とどのつまりはお人よしである百瀬のキャラにぴったりなのだろう。 一方、このイタい男・百瀬に入れ込む佳代のイタさも相当なもの。百瀬のくだらない嘘には騙される。マルチにはまり、百瀬に捨てられると泣き喚き、挙句の果てには犯罪まがいの行為まで。そもそもけっこう可愛い美容部員なのに、ダメ男の百瀬に入れ込んでいる時点で「ちょっぴりイタい」なんてレベルじゃない。 この2人の同棲先に佳代の妹である15歳の桃ちゃんが夏休みにやって来る。男のロリコン心を最高にくすぐるキャラ設定が絶妙だ。舌足らずなしゃべり方、子供っぽいストレートさ、「女」意識の萌芽、キスへの抵抗感。自分に対する言い訳を繰り返しながら、桃への思いを募らせる百瀬。最高に滑稽で哀れとしか言いようがない。しょうもない言い争いから、佳代と別れる彼の姿は若者の持つ「軽薄さ」を体現している。冷徹に登場人物の「イタさ」を抉り出すとともに、それをやわらかく包み込むような視線で見守る監督の視線が心地よい。 ラスト付近、佳代を前にしてしゃがみこむ百瀬には共感を通り越して、自分が見えた。佳代の微笑に心が熱くなった。そして15歳でも十分ストライクゾーンに入ってしまうという余計なことを知ってしまった。[映画館(邦画)] 8点(2010-09-25 19:15:43)(笑:1票) (良:3票) 《改行有》

138.  悪人 《ネタバレ》 原作既読だから7点だが、未読なら6点以下になる。この映画の一番の欠点は原作の「分かりにくさ」を排除しすぎた点だ。原作では祐一はもっと「分かりにくい」人間だ。自分を捨てた母親との葛藤やうまく女性との関係を築くことができない性格が原作ではもっと描かれており、それがラストにつながっていく。「俺はそんな人間じゃない」という彼の言葉が生きてくる。更に言うと、原作には最後に祐一の独白があり、それもまた誰が「悪人」なのかということを考える上で興味深い内容になっていた。 この映画では誰が「悪人」かが比較的「分かりやすく」描かれている。露骨ではないが、誘導的な部分もある。「パレード」もそうだが、吉田修一の作品の魅力は「突き放し」にあると思う。それが十分に描かれていないのは残念だ。原作のように人間の持つ善と悪を冷静に浮かび上がらせることができなかった。久石譲の抒情的な旋律も少しオーバーで、上記の視点から見ると、逆効果になっている印象を受けた。 ただし、140分という比較的長尺の作品でありながら、全く長いと感じなかったのは監督の巧みなカット割と俳優陣の熱演によるものだろう。主役二人の頑張りも清新で良いし、脇役も味が出ていた。全員の演技が良かったと言い切れる映画は珍しい。方言についても、福岡出身の僕からすれば、特に不自然ではなかったように思う。 総合すると、原作を視覚的に「補強する」映画としては素晴らしいが、果たしてそれで良いのか?という疑問も残る映画。惜しい作品だ。[映画館(邦画)] 7点(2010-09-20 23:12:06)(良:1票) 《改行有》

139.  特攻野郎Aチーム THE MOVIE 《ネタバレ》 輸送機から戦車で湖に着水!って聞いて「ちょwww」ってならない人には向かない映画だと思う。僕はなるタイプだから結構楽しめた。序盤からご都合主義で無駄にテンションが高いハリウッドアクションが怒涛の勢いで畳み掛けてくる。大体、場所が「メキシコのどこか」っていうアバウトさからしてシビれる。なんとなくメキシコっぽいところで、敵役がスペイン語しゃべってればそれは最早メキシコなのだ。で、メキシコは汚職とバイオレンスでできてる国なのだ。こういう大雑把な考え方でも全然ついていける映画もたまには悪くない。 あとは、主役4人の魅力が最高。フェイスやBAの「成長」を裏テーマに据えているのも悪くない。個人的には成長しないマードックが大好きなのだが。 それだけに、終盤の失速が惜しい!コンテナがガンガン落ちてくるのは、それなりの迫力だが、同時にCGが丸わかりでちょっと気持ちが萎えた。リンチも馬鹿すぎるしなあ。頭を使わないもっとはじけたラストがよかったのに。[映画館(字幕)] 6点(2010-09-06 22:52:12)(良:1票) 《改行有》

140.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 すさまじい完成度のアニメ映画。子供が笑い、大人が泣くポイントをきちんと押さえていながら、カッチリ作りこんだという優等生的な嫌らしさを全く感じさせない。3にしてシリーズ最高傑作が生まれた。 本作は、テーマを「仲間の大切さと持ち主への忠誠心」の分かりやすい一点に絞り込み、それに勧善懲悪の要素を加えるという非常にシンプルな構成になっている。この明快さのおかげで、限られた時間の中で、うまく遊びの要素も取り入れることが可能になっている。個性豊かな玩具達のキャラクターが制限時間内で遺憾なく描けている。1と比べるとウッディもバズも成長したなぁ(バズは一時退行するが(笑))と感じさせるシーンも多く、成長物語としても秀逸だ。 ちなみに3Dで鑑賞。特にこのアニメは遠近感がはっきりしているシーンが多いので、3D向きだと感じる。また、吹替で観たのもよかった。せりふが多いし早口なので、字幕では追いきれなかっただろう。 同じアニメ映画でも、日本では作れないジャンルの作品だと感じた。日本のアニメは、全般的にもっと複雑で陰影の濃い世界をシリアスに写すのが得意だが、ディズニー(ピクサー)はその真逆を行く。分かりやすいテーマに、絶妙なユーモアや擬人化により笑いのスパイスを振りかけて、観た後に素直に笑える映画に仕上げてくる。僕はどちらかというとこういうアニメが好きだ。アニメはやっぱりこうじゃないと![映画館(吹替)] 9点(2010-08-29 19:35:38)(良:1票) 《改行有》

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