みんなのシネマレビュー |
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1421. ゲット スマート 《ネタバレ》 コメディもスパイもアクションも、どれもすっきりとまとまった作品。ただ、すっきりまとまりすぎて、それぞれのジャンルがパンチに欠ける内容になっちゃってます。 アクションとして見ると迫力に欠ける。スパイものとして見ると、コメディ要素がハラハラドキドキをジャマしてる。コメディは本筋のストーリーを崩さないように気を使っているのか、爆発力に欠けます。 つまりは、映画としてのバランスは凄く良いんですが、この映画には『ウリ』がない気がします。 その作風はそのまんま主人公にも反映されていて、『おとぼけ』と『格好良さ』が半々。それは結構好きなキャラなんですが、いまいちなシーンもちらほら。 例えば、飛行機からの脱出シーンでは、その直前に『テロリストに間違えられて拘束される』という失敗コメディをやってます。その直後の飛行機脱出で、『格好良さ』を演出してくれれば、そのギャップで爽快な気分にもなれたでしょう。ですが、ここで再び役立たずなところを見せちゃうので、笑えないどころかがっかりします。で、仕事ができんくせに、エージェント99に対しておしゃべりなのもあんま好きじゃない。 まあ、いいや、そういう足手まといキャラでいくわけね、と思ったら、多少体さばきが良かったり、分析官の能力を活かしたり、機転を利かせて監房から脱出したり、ちょっと実力があったりもする。名誉挽回的ストーリーは好きなので良いんですけど、見方を変えればキャラがどっちつかずと言えます。 どうせなら、おとぼけで失敗もするけれど、戦闘能力は1級品とか、スマート専用の秘密兵器がたくさんあるとか、思いっきりスーパーマン的要素を持たせちゃったほうが、アン・ハサウェイとくっつくラストにも説得力がでると思うんですよね。 そういった意味で、退屈はしませんでしたが、ふりきれていない作品でした。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-05-07 00:52:14)(良:2票) 《改行有》 1422. 夜のピクニック 《ネタバレ》 長い。随分前に原作を読みましたが、これは原作を読んだことがなければ、退屈極まりないんじゃないかな。特に前半。 そもそもこの原作は登場人物、とりわけ貴子の心情描写がメインの作品。とても映画向きの題材とは思えないんですよね。これを映画=エンターテイメント作品にしようと思ったら、監督をはじめとしたスタッフの、『センス』『力量』『工夫』、あらゆるものがかなり高いレベルにないと面白くならないと思うのです。でないと、この作品の、特に前半のように、ただダラダラとしたイメージしか見えてこない結果になります。 それにこの内容で2時間は長いって。内容を見ても、必要な尺だったとは思えません。このストーリーであれば、どんなに長くても90分以内にはおさえて、その限られた時間の中で必要な回想シーンや、主要人物同士のコミュニケーションを上手く取り入れてほしいです。雰囲気作りに時間を無駄にかけすぎです。 とはゆっても、原作を読んでいると、味わい深い作品であることも確か。登場人物に思い入れがある分、映画の世界に入り込みやすいです。ですので、これは映画単体の評とは言えませんが、一見平坦に見える『夜のピクニック』にも盛り上がるポイントはいくつかあります。 『ラスト20kmの自由歩行スタートのシークエンス』 『回想シーンでの、貴子の母親の告白』 『杏奈の弟が終盤に落としていく爆弾発言』 などなどです。 ただこれらはすべて後半に集約されていますから、前半1時間はまじでだるいです。原作読んでいても、30分過ぎたあたりでもうだるいので、原作読んでいない人には苦痛でしょう。 ・・・せめて、もうちょっと早く歩いてくれないかな![DVD(邦画)] 6点(2018-05-05 11:53:58)(良:1票) 《改行有》 1423. 愛しのジェニファー 《ネタバレ》 いやー、すごいですね。なかなか気持ち悪いじゃないですか。 冒頭、ジェニファーとの出会いのシーンで、ラストまで読めてしまうという、まさに『あるある』ホラー。だけど最後まで目が離せない、わけのわからん迫力があります。この映画を一言で言うなら、『ジェニファーが強烈』。これに尽きます。 ジェニファーは動物ですね。好きになったオスは家族。それ以外は食料。もし人間が動物としての本能だけで生きたらこんなに恐ろしいことになっちゃうぜって感じでしょうか。 飼い猫を食べちゃうシーンから、ショッキング映像シリーズは過激さを増していきます。エイミーがピークかなと思いましたが、ラストにもう一押し。活け造りとは、いやはやまいった。『悪魔のいけにえ』ファミリーですぐレギュラーになれますね。『クライモリ』ではトップに立てるかも。 そして、怒涛のエンディング。わかっちゃいたけど、わかっていたからニヤリとしてしまうラスト。 大変良く出来ている、かどうかはわかりませんが、力作なのは間違いありません。 顔はともかく半分以上はジェニファー裸なんで、鑑賞はお一人様をオススメ。 で、面白いんだけど、あんま好きじゃないタイプのプロットなので、6点で。[DVD(字幕)] 6点(2018-04-28 03:54:12)《改行有》 1424. 虫おんな 《ネタバレ》 まさに虫おんな。アンジェラ・ベティスは結構ホラーでは重宝されているようですね。確かにこの人が画面に出ていると、それだけで何か良くないことが起こりそーな予感がします。 さて、ホラーとしてはなんちゃないストーリー。でも面白い。 枕の中に得体のしれない虫がいる。それに気付かず頭を置いちゃうなんて、ちょっとぞっとします。目の付け所が絶妙。 ただ、クライマックスがいかにもなモンスターパニックになっちゃったのは拍子抜け。こーゆーのは、やっぱ正体出ちゃうまでの不穏な空気が楽しいですね。例えば、ミスティの耳がぐちゅぐちゅになっているのなんか、最高にぞくぞくしました。 で、ラストはもはやハッピーエンド的なバッドエンド。いくらでも続編が作れそうな終わり方。それに、これもひとつの幸せのカタチなのでしょうか。 同僚の男の人だけが可哀想でした。[DVD(字幕)] 6点(2018-04-28 03:42:26)《改行有》 1425. イントゥ ザ ブルー 《ネタバレ》 サルベージを題材としたサスペンスアドベンチャー。海中の映像がきれいなので、水族館が好きな人は楽しいと思います。 サメなんかも結構泳いでいて、これがCGなのかどうかはわかりませんが、本物だとしたら俳優さん達の度胸が凄い。私はCGの見分けがへたくそなので、どんな作品でも実写を見ているかのように楽しめます。この作品も、本当にダイビングをしているかのように楽しみました。 さて、ストーリーですが、前半は海ん中でいろんなもん拾いまくって、飛行機見つけちゃったりして、アドベンチャー的ワクワク感が楽しい。で、飛行機の中でコカイン見つけたあたりから、次第に不穏な空気に。サスペンスよりになっていきます。 後半のストーリー展開は、個人的にはいまいち。特にアマンダとブライスが勝手にコカインひきあげて、密売組織のレイエスに売りつけようとしたあたりから、話がごちゃごちゃしてきます。このあたりは、脚本が練られていないのか、演出がよくないのか、いまいちわかりにくくて話がとびとびで、ストーリーに入り込めません。ベイツがレイエス殺しても、『何で?』って感じにしかならなくて、サプライズがサプライズになっていません。要は、サスペンス的面白さがいまいち機能していないように感じるのです。 また、ブライスがなかなかのクソヤローなのも、この作品では多分マイナス。アマンダも同様。ジャレッド、サム、ブライス、アマンダの4人が、なんだかんだ言いながら互いを思いやって、協力して、機転やアイデアで危機を乗り越えていくようなストーリーだったら、もっと好意的に見られたかも。 サメがからむシーンはホラー要素もあり、なかなかの迫力。一つ一つのシーンは結構良かったりするので、もう少し後半どうにかならなかったのかなーと、思っちゃいます。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-04-14 14:20:12)(良:2票) 《改行有》 1426. 幻影師アイゼンハイム 《ネタバレ》 相思相愛の二人は、アイゼンハイムの一世一代のトリックにより、死を偽装し、自由を得、幸せに暮らしました。めでたしめでたし。 いやー、気分爽快なハッピーエンドですね。 でも念のため、もう一度振り返ってみましょう。 身分の違う二人。若いときに切り裂かれた二人の仲。そんな二人が15年後に再会。一人は立派な幻影師に。もう一人は皇太子の妃候補に。 そんな二人が立てた計画。『そうだ。ソフィは皇太子に殺されたことにしちゃおうぜ。そしたら自由じゃん。ついでにその罪を皇太子に着せちゃったら一石二鳥じゃない。』で、潔白の皇太子に眠り薬を仕込んだ挙句、本当に人殺しの罪をなすりつけ、自殺に追い込んじゃうっていう、トンデモ恋愛ドラマ。超怖いテロリストカップル。立派な国家反逆罪。ウール警部はラストで真相に気付いたみたいだけど、すんげー喜んじゃってます。いいのか、それで?テロリストの片棒かついで、無実の皇太子を自殺に追い込んじゃってますけど?結局のところは『嫌なヤローは皇太子であっても死ねばいい。』ってことなんでしょうか。 もしこの作品を、皇太子主人公で、全く同じストーリーで、音楽変えてやったら、かなり後味悪いサスペンスになりますね。視点を変えるだけで大分変わるようです。映画としては、まあ面白かったからいいですけど。 ただ不満点はあります。もっといろんな奇術を期待していたので、パターンが少なかったことがちょっと物足りない。特に後半はずっとワンパターン。死んだ人間を呼び出すっていうイリュージョンが延々と続くだけ。 それから、成年になってからのアイゼンハイムとソフィーが、若いときの二人の魅力に負けています。若き日の二人が超絶美形すぎるのか。でもそれだけではなくて、若き日の二人のほうがミステリアスな雰囲気が描けていてよかったです。[DVD(字幕)] 6点(2018-04-12 13:42:19)《改行有》 1427. アサルト13 要塞警察 《ネタバレ》 冒頭10分でいきなりひきこまれます。この緊張感。このスリル。これは何気に掘り出し物をみつけたのかも、と期待感が膨らみます。 でもピークだったのはここまで。中盤からラストにかけて、つまり本筋のストーリーは割と単純な立て篭もり系アクション。奇をてらう演出もなければ、心が高揚するようなアクションもありません。手堅くまとまった王道のサスペンスアクションとお約束の展開をただ楽しむだけ。 取り囲んでいるのが汚職警官達。そして警官である主人公が手を組むのが犯罪者たち。本来は敵同士であるはずなのに、一緒に手を組んでピンチを乗り切ろうとするのは好きなシチュエーション。こーゆー『呉越同舟』的なノリって好きです。 もうこのまま多少おバカ路線でも良いから、爽快な逆転劇を見せてくれれば良いんだけど、そーはならない。にぎやかし担当だと思っていた容疑者二人が、急にオバカキャラを捨てシリアス路線に、あげく早々に裏切って逃げ出したうえ殺されちゃうのが、ちょっと期待していたのと違います。犯罪者と警官が手を組むからこそ生まれるユーモアやカタルシス的なものがほとんど感じられなくて残念。 さらには、気の良さそーな引退じーちゃんが、がっつり裏切ったり、ヒロイン的立ち位置だった人が無残に撃ち殺されたりと、後味の悪い演出も多々あり。とは言え、それに見合うだけの本格的クライムアクション、ってほどでもないんですよね。だから、ストーリーは薄いのに、演出は重いっていうバランスの悪さを感じる作品でした。退屈はしないですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2018-03-25 12:52:55)(良:1票) 《改行有》 1428. トム・ヤム・クン! 《ネタバレ》 以前見たタイ映画と構成はあまり変わらないです。キャストも一緒?アクションは相変わらず凄いです。 ただ、シーンとシーンがぶつ切り。映画としてのつくりがめっちゃ粗い。ぶつ切りすぎてストーリーは頭に入ってこないし、ストーリーが頭に入らないと感情移入もしづらい。感情移入できないまま繰り広げられるアクションは、視覚的な面白さこそあれ、驚きや興奮は感じづらくなります。 中盤くらいから、いろんな敵が現れては消え、現れては消えを繰り返します。学生の頃ゲーセンではまっていた『ダブルドラゴン』や『ストリートファイター』を思い出します。テイストが凄く似ています。そう、この作品って、かなりゲームっぽいです。昔ゲーセンで、アクションゲームの上手い人のを皆で見ていたりしたけれど、そのときの感覚を思い出します。子供の象を助けに「トム・ヤム・クン」の店に乗り込んだときのシークエンスなんか、最高にゲームゲームしています。映画的な面白さとは違いますが、それはそれで面白い。 ですので、カンフー映画が好きな人には楽しめる作品。ゲーセン、ファミコン世代にもウケが良いと思います。が、映画好きな人には辛いんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2018-03-17 11:30:40)《改行有》 1429. グラン・トリノ 《ネタバレ》 良い映画というのはわかるのですが、ゆっくり淡々とした流れの前半が正直退屈。アクションやサスペンスを期待しているわけではありませんが、ドラマならではの面白みがもう少しほしい。 また、序盤は可愛げのない孫達や、そんな子供に育てた息子夫婦に若干いらいら。それに、後半への布石とは言え、若い神父に対するウォルトの態度がなかなかひどい。なんか不愉快な気持ちにばかりさせられます。 タオ一家との交流が始まってからは、しだいに温かい空気になっていきます。タオやスーとのふれあいによって、ウォルトの冷え切った心が少しずつほぐれていく様子は、ありふれているけど微笑ましい。 その一方で、偏屈で偏見のかたまりだったウォルトが、隣人と打ち解けていく『これ』といったエピソードが足りない気はします。おばあさんの荷物を拾ってあげるタオや、親しげに話しかけてくるスーだからこそ打ち解けられたのかもしれないが、やはり説得力に欠ける気がしました。 ラストの終わり方は意外でしたね。ドラマとしての深みが出ます。余韻も生まれます。それまでのストーリーとのバランスだってとれている気がします。ただですね、時代劇をいっぱい見て育った世代としては、「てめえら、いい加減にしやがれ。皆殺しじゃー。おらー。」ってな感じで、とにかくケタ違いの強さを見せ付けて悪党どもを粉々にして欲しかったのが正直な気持ち。周りからどんな批判を受けよーと、『目には目を』ってわかりやすいケリのつけ方が好きなんです。 つまりは、この作品は『娯楽』ではない、だから性に合わない、ということですね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-24 04:25:53)《改行有》 1430. ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 真面目でおかたい社会派サスペンスドラマ。実話ベースらしく、淡々と物語は進んでいきます。 緊張感あるプロットと画作り。そしてニコラス・ケイジが主演。更にはブリジット・モイナハン、ジャレッド・レト、イアン・ホルム、イーサン・ホークと脇を固める役者の存在感もすごい。それぞれがエヴァ、ウィタリー、シメオン、バレンタインとして重要な役割を担っていて、物語に『厚み』『深み』があります。 旧ソ連の叔父さんとの闇取引。国際警察の執拗な追跡とガサ入れ。アフリカのとある独裁国家との駆け引き。そのどれもがある種のユーモアと潜在的な恐怖をないまぜにした独特の緊張感で描かれます。はっきり言って映画の完成度はかなり高いと言えるでしょう。 ただ、肝心なのは、私が『武器の密輸』になじみもなければ興味もないので、あまり物語りに入り込めなかったことです。もっと言うなら、『ちょっと今そんな気分じゃなかった。』ってゆーね・・・。それに後味が悪い映画ってのはどーにも好きになれませんでして。ホラー映画の後味の悪さってのは平気なんですが、こーゆードラマっぽいやつの後味の悪さってなんか残るんですよね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-26 12:06:57)《改行有》 1431. アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 「ずっと怒っていないと死んじゃう」という予備知識だけあって、以前から気になっていた作品。思いの外自分の中で期待値が上がっていたのか、見た感想は『なんか普通。』。怒っちゃいるんだけど、思っていたほどには怒っていない。むしろ相手のほうがすんげー怒っています。だから、せっかくの設定、アイデアがそれほどうまく機能していない気がします。 また、アドレナリンを出す方法は、『怒り』以外にもいくつかあるようで、それもちょっとルールがあいまい。ルールが曖昧すぎるせいで、いまいち映画の世界に入り込めません。それに、つなぎとつなぎが雑なので、雰囲気で無理矢理状況を理解しなければならないシーンもあります。ちょっと作りが粗い。 冒頭からノンストップでいきなり本題に入り、スピード感あふれるノリとアクションにも関わらず、後半のエレベーターのシーンではあくびが出ちゃう始末。やっぱりあくびが出ちゃうようじゃアクション映画としてどうなん、ってことになります。バカになりきれないバカ映画は凡作。凡作ながらも味があってちょいちょい面白くて、悪くはないんですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-10 13:43:03)(良:1票) 《改行有》 1432. ゾンビ自衛隊 《ネタバレ》 B級感満載の映像。安っぽい演出。緊張感の無い音楽。棒読みのセリフ。どれをとっても『ザ・B級』。キング・オブ・B級。いや、もうC級くらいかも。 ですがこの作品、おっと思わせるようなゴア描写や、迫真の演技があったりします。確かに、自衛隊の隊長の演技はそーとーひどい。けど主役を演じた渡瀬やメガネ君の演技はなかなか良かったと思います。 また、要所要所でジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』へのオマージュを感じるようなシーンもたくさん。ゾンビ作品への愛を感じます。 よってこの作品、安っぽいうえにハチャメチャながらも、いたって真剣に作られているので、妙に見応えのある作品になってます。 真っ二つにされる宇宙人。ぺらぺらしゃべる青年将校ゾンビとの一騎打ち。ラストのUFO大襲来に富士山の噴火と、確かに苦笑と失笑もたくさんある。だけどその一方で、クソB級と捨てきれない愛すべきB級ゾンビ映画に仕上がっているのは間違いありません。 最後に個人的な好みを言うと、『奥歯スイッチを入れてからの友里』はもう少し強くても良かったんじゃないかな。[DVD(邦画)] 6点(2017-12-04 01:45:05)(良:1票) 《改行有》 1433. サマータイムマシン・ブルース 《ネタバレ》 タイムマシンを使って一日前に戻るドタバタコメディ。 タイムトラベルもドタバタコメディもやや苦手。それでも手に取った理由は、ここでの評価が高かったからです。それに、好きな俳優さん達が出ているというのも理由のひとつ。 で、見た感想は、一言で言うと、飽きはしないけれど映画的な面白さが足りません。伏線を回収してすっきり、という感覚も弱い。 たった2日間の出来事。せめて、過去に戻ることの必然性がもう少し強調されていれば良かったかもしれません。どちらかというと、タイムマシンは舞台設定の一つにすぎず、散りばめてある小ネタを楽しむような作品みたいです。『ハリキリスタジアム』とか、『ヴィダルサスーン』とか。 つまらなくはないし、悪くはないのですが、観終わった後の満足感は低いです。[DVD(邦画)] 6点(2017-11-30 14:35:13)《改行有》 1434. 告発のとき 《ネタバレ》 こーゆーマジメな作品にこんなことを言うのは間違っているのかもしれませんが、映画としてのパンチに欠けます。 『無許可離隊した息子』『そんなわけないと探し出す父』『死体で発見される息子』『非協力的な軍警察』『タイトル「告発のとき」』だからてっきり軍の不祥事を明るみに出そうとした息子が暗殺されて、それを麻薬組織の仕業に見せかけた、陰謀系サスペンスだと思い込んじゃったわけです。実際は全然違って、『戦争帰りの兵士達。心を病んだ結果の成り行き殺人』でありました。もちろんそれはそれで良いのですが、もったいぶったミステリーの結果としては、いささか物足りないです。。。ただ、少しずつ真相が明らかになる戦争ドラマとして見ると、見応えのある作品です。後味は決して良くありませんが。 『子供をはねたことに苦悩する青年』が『捕虜を面白半分で拷問する狂人』に変わってしまう。だからあだ名を『ドク』と名づけ揶揄する友人達もやはり狂人。『戦争帰りの夫に怯える妻の相談を適当にあしらった結果、殺されてしまう妻』のエピソードがスパイスとして効いている。『今回はたまたま自分が刺した。翌日だったら刺されていたのは自分のほうだったかもしれない。』『イラクは異常だった。でも今はイラクに戻りたい。』などなど、心が壊れてしまった戦友たちの言葉が痛々しい。息子だけでなく、心を病んでしまった兵士はこんなにもたくさんいるという現実。ですがその伝え方があまりにも淡々としすぎているため、心に響いてこないんです。 超シリアスなお話も良いんですが、多少の脚色、演出は必要だと思いました。 息子や若い兵士たちの心からの救難信号を息子たちに代わって上げる逆さの星条旗。これ以上ないラストですね。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-28 04:27:16)(良:1票) 《改行有》 1435. 妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 評価が低かったのであまり期待していなかったのですが、序盤から中盤にかけてはかなり面白いです。 子供向けながらもホラーテイストが感じられる雰囲気と音楽。特に神木君演じるタダシが大天狗の山に初めて行くときの緊張感はなかなか。更にはタダシが妖怪たちから驚かされるシークエンスは、子供っぽくもエンターテイメント性抜群で楽しい。モンスターや妖怪、CGによる演出が好きな私にとって、大好きな展開です。 で、『そんなに悪くないじゃん。面白いじゃん。』って見ていたのですが、後半~終盤にかけて、なるほどと思いましたね。最も盛り上がるべき最終決戦まで前半と同じか、それ以下のゆるいノリでは、そりゃあ盛り上がりませんな。 また、せっかく東京という大都市を舞台にしたのに、タダシや佐田以外の人間の存在が全く感じられないのも痛いです。 タダシのお姉さんや大天狗などがどうなったのかも全然出てきません。映画というか、物語としてのレベルが後半になっていくほど下がっていくわけですから、世間様から厳しい評価を受けるのも納得です。 『妖怪+マシーン』でターミネーターの出来損ないみたいなやつができるっていうアイデア、ビジュアル、まさに『日本漫画』っぽくて好きです。それだけに、妖怪たちとのバトルがほとんど描かれなかったのが残念。 クライマックスも、妖怪たちはお祭り騒ぎに終始するものですから、やたらシリアスモードのタダシ君たちのほうが茶番に見えてしまうのが悲しい。 極めつけはラスト。タダシ君が大人になってからのエピソードは蛇足の極み。いろんな意味で脱力するだけで、絶対要らないシーンです。[DVD(邦画)] 6点(2017-11-19 15:25:48)《改行有》 1436. マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 え?実話?みたいな終わり方なんですが、実際はどうなんでしょう。実話だとしたら、釈然としないあの終わり方にも一応の納得はできるというものですが。 それにしても前半がだるい。クリーシーとピタの心の交流や絆を描くために必要だというのはわかります。とは言え、尺に頼りすぎ。限られた時間のなかを、作り手側の工夫や演出で、共感させてほしいものです。 中盤、ピタがさらわれてからが、かなり面白いです。次から次へと悪党を芋づる式に釣り上げていく様子は痛快。復讐の仕方も徹底していて良い。クリーシーの怒りが伝わってきます。ただし、ピタが生きていたとなると、多少話は変わってくるかもしれません。もちろん誘拐に加担した人々は、ピタが生きていたとしても、ピタを救い出すために殺されちゃうのは致し方ないのでなんとも思いません。ただ父親はどうでしょう。確かに悪いことに加担したかもしれませんが、その動機は『借金まみれの家庭を守るため』というもの。せっかくピタが生きて帰れても、父親が死んでいたんじゃピタがかわいそうですよ。 それに、クリーシーの過去にいったい何があったのか、さんざんもったいつけておいて結局教えてはくれないのですね。過去のエピソードを明かしてくれないと、どれだけクリーシーがピタによって魂の救済をされたのかが伝わっきません。それってこの映画のいっちばん大事な部分だと思うんですけどねぇ。 と、ゆーわけで、気になる部分がなきにしもあらず。更にはラストがしっくりこなかった。ということで、やや辛口評価です。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-08 01:41:52)《改行有》 1437. ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 復讐劇のストーリーとしては、悪くないと思います。 銃乱射の責任をすべて銃器メーカーに押し付けようとするスタートに疑問を感じていましたが、オチを知って納得です。 過去に別件の銃乱射事件で姉を亡くした妹。恋人を奪われた彼氏。更には被害にあった町が銃器メーカーを相手に集団訴訟を起こすが、敗訴。町は破産。その悲劇の根源となっているのが、銃器メーカーと、フィッチの違法な陪審員操作。だとすれば、その両者を完膚なきまでに叩きのめすストーリーに、本来であれば溜飲を下げ、この上ないカタルシスを感じることでしょう。ですが実際はそこまでの感情は湧きません。 原因の一つとして、前置きがちょっと長すぎたかもしれないです。もったいつけすぎと言っても良い。ニックが陪審員になるまで、結構な尺をとっています。更には情報過多な割りに、物語が進んでいる感じがしないので、疲れます。もちろん、前半部分が大事であることは間違いありません。要は『テンポ』と『バランス』の問題だと思います。 もう一つの要因は、『原告側を勝訴に導く』という肝心の部分に、これといった工夫が全然なされなかったこと。フィッチに買収されている陪審員の失言を引っ張り出すなんてやり方が、うまくいったから良かったようなものの、これでは不確定要素が多すぎて敗訴になっていた可能性だってあります。 よって、『法廷』を舞台とした人間ドラマとしては面白いと思いますが、『法廷もの』、『知的サスペンス』としては、長い割りに物足りない。消化不良です。 ただし、ストーリーと人物配置を理解したうえでもう一回見たら、評価が変わるかもしれません。2回目見たほうが面白いんじゃないかな。もう見ないけど。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-04 10:25:16)(良:1票) 《改行有》 1438. ディセント 《ネタバレ》 いろんな意味で怖い作品。イギリス映画ならではの陰湿な雰囲気が映画のテイストに合っている気がします。 ただのモンスターパニックかと思っていたのですが、ちょっと違いますね。平常時ではお互いを気遣いあう仲良し6人組み。それが非常事態では自分を優先し、それぞれが勝手な行動に出てしまう、そういう危うさも描いています。 中盤までは、結構ダラダラ。やや退屈。洞窟が崩落して退路を断たれたあたりから緊迫感が急上昇。更に正体不明のモンスターが現れてからストーリーが加速して面白くなります。 マイナスポイントその1。仕方がないことですが、舞台が洞窟なので、基本画面が暗く見づらい。今何が起こっているのかわかりづらい。 マイナスポイントその2。『怖がらせる』というよりかは、『驚かせる』演出を多用しているのがちょっと気に入らない。突然大きな音を出せば誰だってビックリします。ホラー映画の常套手段として否定はしませんが、それに頼り切った演出はどうかと思います。 個人的に面白かったのは、ジュノやサラの女ランボー化ですね。ちょっと強すぎる気もしますが、二人が覚醒してモンスター相手に互角以上の戦いを繰り広げるのはちょっと爽快です。 で、個人的にはこーゆーテイストの映画って、『あと少しで脱出できる。』ってわかっていたほうが、よりハラハラできると思うんです。この作品にはそれがありませんね。あまりにも八方塞がりな状況すぎて、『希望的観測からくる緊張感』といったものを感じられなくて残念です。[DVD(字幕)] 6点(2017-10-23 14:03:26)(良:2票) 《改行有》 1439. ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 映像に迫力があります。音楽も良い。見応えがあります。 アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンやベインのビジュアルが好きです。また、新しく登場する戦闘機がしびれます。バットマンシリーズは『メカ』や『武器』、とりわけ『乗り物』で楽しませてくれますね。 バットマンだってヒーローものにはちがいありません。圧倒的なパワーを見せてくれるパフォーマンスは、やはり興奮するものです。 ストーリーはどうでしょう。個人的には、はっきり言って面白くありません。なにしろ防戦一方。状況は悪くなるばかり。バットマンに頼れる味方が少ない。前作のような『チーム感』に欠ける。キャットウーマンには騙されるし。ベインにぼこぼこにされるし。アルフレッドは出て行くし。破産するし。この作品を見ると、前作までのバットマンをとりまく環境の暖かさがいかに大切だったかがよくわかります。 それに、この内容で160分というのはあまりにも長い。 前作では、そのエンターテイメント性の高さから、長さを全く感じませんでした。それは、面白かったのと同時に、映画を完成させるのに必要な尺の長さだったからだと思うのです。 今作の脚本で、本当にこの尺の長さは必要だったのでしょうか。 描きたいものを詰め込むだけなら、誰でもできると思うんですよね。無駄をけずり、必要なものを残し、限られた時間の中で見せようと試行錯誤された映画が好きですね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-30 14:54:16)(良:3票) 《改行有》 1440. 下妻物語 《ネタバレ》 ときどき『思い込み』が暴走するクセがある自分。『幼妻』『美人妻』などは聞いた事があるが、『下妻』とはいったい・・・?エロティックコメディ?いや、でも主演は深田恭子だし。まさかね・・・。って、まさかの『地名』かよ! とゆー勘違いで始まった下妻物語。『内容が全然ないよう』の前半が個人的に結構きついです。桃子、桃子の父、母、イチゴ、出てくる人が変な人ばっか。マンガ原作・・・。知らんかった。だからこんなコテコテのキャラになっちゃうわけですね。現実感がないわけです。 中盤以降はストーリーが意味を帯び始めるので、ちょっと面白くなりますね。桃子が刺繍の才能を認められる話。イチゴがチームを抜ける話。そして桃子とイチゴ、社会から阻害された二人が友情を育むメインストーリー。どれも悪くないと思います。特にヤンキー漫画全盛期を生きてきた世代にとっては、こーゆーノリって理屈抜きに面白いんじゃないでしょうか。 生きてきた環境、趣味嗜好、価値観、そのすべてが全然違う二人。共通点は『二人には友達がいない』ということだけ。そんな二人が少しずつ友情を育んでいく様子は、確かに心地よいものがあります。 桃子とイチゴ。自分の生き方、ポリシーを貫くブレない姿勢が、次第にかっこよく見えます。確かに、こーゆー人達は、大衆に迎合しない。だから、友人もできづらい。でも、友人がいないことと孤立していることは、厳密に言うと違うと思います。桃子やイチゴみたいなタイプは、本人達が気付いていないだけで、実は周りの人達からは一目置かれていたりするから面白い。それをわかりやすくドラマ化してくれたような作品ですね。 個人的には、凄く良い面と、全く好みに合わない面を併せ持つ本作。映画として凄く面白いかと問われれば微妙。人に勧めるには、ちょっとクセが強すぎる作品です。 [DVD(邦画)] 6点(2017-09-22 06:54:02)(良:1票) 《改行有》
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