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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1521.  セプテンバー ほぼ一日間の山荘での出来事だけに絞った作劇は、チェーホフの舞台劇をそのまま映画化したみたいな感じです。ミア・ファローを含めて出演者がみな上品でレベルの高い演技を見せてくれます。あまり起伏のないストーリーと思いきや、後半にちょっとしたサプライズが用意されているところなんか、さすが短編小説の名手でもあるウディ・アレンの本領発揮というところでしょうか。アレンの映画の中でも、出来はともかくとしてもっとも小品ではないでしょうか。[ビデオ(字幕)] 6点(2012-12-27 22:31:49)

1522.  ファニーとアレクサンデル 《ネタバレ》 ベルイマンの映画を大して観たわけではないけど、これは自分にとっては初めての“色つき”ベルイマンです。クリスマスパーティに始まり赤ん坊のお披露目パーティで終わる、これはもう素晴らしい人間賛歌ではないでしょうか。夫が孕ませたメイドを平気な顔で家族の一員として迎えるグスタフの妻をはじめ、この愛らしいエクダール家の面々がもう最高です。死んでからも亡霊となって現れるオスカル、このヤール・キューレという俳優の演技には心を揺すぶられました。ラスト、アレクサンデルの背後から現れたのはオスカルだと思っていたら、なんと司教の亡霊だったというのはサプライズだったしゾッとさせられました。 ふつう巨匠と呼ばれる映画監督でもたいがい晩年は力量が衰えるものですけど、ほとんど遺作といってよいほどの本作がこれほどの傑作とは、ベルイマンは恐るべき人です。[DVD(字幕)] 9点(2012-12-26 22:18:25)

1523.  シャッター アイランド 《ネタバレ》 ディカプリオ、熱演なのは判るけど、あの眉間にデス・ヴァレーみたいに深い皺を刻む演技がそろそろワン・パターン化してきています。『J・エドガー』でも同じ様な表情だし、こりゃ当分続きそうだ(笑)。 R・ロバートソンの音楽が素晴らしくこの物語にマッチしていて、冒頭のディカプリオたちが病院に入ってゆくシーンなんか、なんと言うか背筋がゾクゾクしましたよ。警備隊長とディカプリオがジープに乗って病院に戻るシーンで、あまりにミエミエなブルーバック合成が使われているのでとても奇妙に感じたんです。私はあまりオチを考えずに映画を観るスタイルなのですが、これはディカプリオの妄想世界を暗示させる伏線の一種だったんですね。まあしかし、スコセッシの力量は別にしてもあまりにお話しが陰惨過ぎましたね。こんな映画を撮ったので、スコセッシは「お願いだから娘に見せられる映画を創って」と奥さんに怒られ、『ヒューゴの不思議な発明』が製作されたと言うのは笑ってしまいます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-23 21:49:11)

1524.  アリア(1987) 《ネタバレ》 K・ラッセルの『トゥーラン・ドット』を目当てに鑑賞。古代エジプトの宮廷みたいな登場人物たちの怪奇な世界は、実は交通事故で瀕死の女性が観た夢だったといういかにもケンちゃんらしい映像は、そのチープさが魅力で面白かったです。この映画に参加した10人の映画作家の中で、妄想ワールドとしてはずば抜けていました。でももっとも衝撃を受けたのはD・ジャーマンの『ルイーズ』で、もうそれは素晴らしい映像詩です。 オペラに関心がない人でも、これは観て損は無い至福の映像詩集です。本作はアマゾンの中古DVDで50,000円(!)の値が付いているのにはびっくり、でもレンタル落ちの中古ヴィデオとはいえ10円で手に入ったのはとてもラッキーでした。[ビデオ(字幕)] 8点(2012-12-19 22:21:28)

1525.  爆弾を抱く女怪盗 《ネタバレ》 数ある新東宝プログラム・ピクチャーには「ヒーローが菅原文太の映画は地雷である」というある確固たる法則があります。というわけで、またまた地雷を踏んで爆死してしまいました(笑)。 伯爵令嬢の高倉みゆきが何故か怪しい集団のボスになって、戦中に父を殺して財産を横領した沼田曜一に復讐すると言うお話しです。高倉みゆきは新東宝女優の中では珍しく東宝や松竹でも通用する様な気品を持っています(演技力は別の話ですが)。他にも三原葉子や三条魔子も出ていますが、ファンの意表を突くようにお色気シーンはほとんどありません。それどころか、三原葉子は沼田曜一の愛人としていつものファム・ファタールぶりを見せていたのに、なぜか中盤から姿を見せずに映画からフェード・アウトしてしまいました。別に本作に限ったことではないのですが、新東宝は素人が脚本を書いたとしか思えない様な映画が多いのには呆れます(まあそこが楽しみとも言えますけど)。 『爆弾を抱いた女怪盗』という題名の意味はラストまで観てようやく判りましたが、正しくは『爆弾に括りつけられた女怪盗』なんです。でも普通この映画にこんな題名つけるでしょうか、これも新東宝テイストなんです。[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-17 23:50:16)

1526.  マドモアゼル 《ネタバレ》 中年になってから急速に容色が衰えてしまったJ・モローですが、そんな彼女がその妖艶ぶりを最後にスクリーンに残したのがこの映画ではないでしょうか。教壇に立っているときのいかにもオールドミスといった堅苦しさと、森の中で愛欲に溺れる艶めかしさは同じ女性とは思えないほどの落差があります。少年を睨みつけるラスト・ショットの恐ろしい顔、まさにこれぞ女優というところでしょうか。音楽をまったく使わない演出なので、森の中の自然が奏でる音が実に効果的なんです。大リーグの試合では日本のように鳴りものを使った応援をしないのでボールがバットに当たる音が鮮明に聞こえますよね、そんな感じの鮮明なサウンドでした。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-13 00:49:06)

1527.  デリンジャー(1973) 《ネタバレ》 ジョン・デリンジャーはW・オーツの映画史に残るような当たり役、実物の写真と見比べてみればそっくりぶりが良く判ります。対するメルヴィン・パーヴィスはB・ジョンソン、これはパーヴィスにはちょっと老け過ぎているのが難点ですかな。つまり『ワイルドバンチ』のゴーチ兄弟が敵味方に分かれて死闘を繰り広げるわけです。 ベイビー・フェイス・ネルソンたちが一味に加わってからの暴れっぷりは凄まじい限りで、中盤の隠れ家で繰り広げられる銃撃戦は並みの戦争映画を凌駕しています。ダンディーなデリンジャーと、自分が新聞の一面に載らないと言っては怒り手入れで民間人が死んでも意に介さないパーヴィス、どっちがどっちだか判らない“天使と悪魔”ぶりです。殺伐としながらも詩情が随所に感じられる実録ギャング映画の傑作です。[DVD(字幕)] 8点(2012-12-11 20:31:13)(良:1票)

1528.  ワイルドシングス 《ネタバレ》 〈警告!伏せ字ではとうてい無理だから以下大ネタばれさせますので、この映画をこれから観る人はご注意願います。〉 首謀者はN・キャンベルで、まずM・ディロンを脅かして計画を立て始める。K・ベーコンを仲間に加える様にM・ディロンを操ったのもN・キャンベル。K・ベーコンはキャンベルが主導権を握っていることには気づいていない。D・リチャーズはベーコンが一味に加わっていることは知らなかった。ここで問題なのは、K・ベーコンになにをさせたかったのかがイマイチ不明なこと。キャンベル殺しのトリックでは、リチャーズとベーコンの両名とも騙されている。ベーコンは裁判後に独自に捜査して三人がグルだということを上司や同僚にアピールしている。ディロンはキャンベル殺しがリチャーズの犯行だと同僚刑事に信じさせようとするけど、もしリチャーズが逮捕されたらディロンがやったと白状しちゃう可能性が高いんじゃないの? ということは、ベーコンにリチャーズを殺させるお膳立てを創るために小細工をしていたと言うことになるけど、あまりにご都合主義がすぎるのではないか?  と、いろいろ思い返してみましたが、やっぱりK・ベーコンがやっていることは辻褄が合わないんです。いろいろ楽しめる作品であることは確かですがね。最後においしいところを持っていったB・マーレーの飄々とした演技は面白かった、実はこいつが本当の黒幕だったりして…[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-09 19:26:57)

1529.  怪談累が渕(1957) 《ネタバレ》 脚本やプロットがちょっと狂っているケースが多い新東宝のプログラム・ピクチャーですが、怪談噺は古典が原作なので秀逸な作品が多いのです。この映画は圓朝の『真景累ヶ淵』の前半部を脚色した中川信夫の初怪談映画です。深見新左衛門に斬り殺されたあん摩宗悦の娘お累が、知らずに新左衛門の息子新吉と恋仲になります。お累は三味線のばちが当たって出来た傷が化膿して顔半分がふた目と見られない醜い姿になってしまいます。これは仇の息子と出来ちゃった娘に宗悦の怨霊が呪いをかけたと解釈してよいかと思います(なるほど、罰が当たったというわけですね、落語らしい駄洒落です)。このお累の顔のメイクがなかなか凄くて、楳図かずおの怪奇漫画に出てくるような感じです。お累はばあやから新吉の素性を知らされたうえに傷が悪化して悶死してしまうのですが、新吉は最後まで自分の親が何をしたかも知らずに物語が終わってしまうのがミソなんです。この新吉という男が絵に書いたような色男で、奉公先のお久というお嬢様からもモーションをかけられてお累を見捨ててしまいます。この噺は大村陣十郎という悪徳浪人はいますが、お累・新吉・お久の三人は特に悪いことをしたわけではないのに、三角関係のもつれからみんな死んじゃうところが哀れを誘います。お累がお久への嫉妬に苦しむさまや優柔不断な新吉のだらしなさ、怪談噺の枠を超えてドロドロした愛欲劇として観ても面白いです。新東宝ピカイチの怪談女優である若杉嘉津子の妖しいまでの美しさをご堪能ください。[DVD(邦画)] 7点(2012-12-06 20:57:11)

1530.  女死刑囚の脱獄 《ネタバレ》 新東宝随一の名匠である中川信夫も量産されたプログラム・ピクチャーを数多く撮っています。中川信夫と言えば怪談・ホラー・時代劇の監督というイメージが強くて、こういう現代を舞台にした犯罪アクションものは果たして彼の撮りたかった題材とは言い難いところです。 父親殺しの尊属殺人罪(むかしはこういう罪がありました)で死刑が確定してしまったお嬢様が、婚約者の力を借りて脱獄して冤罪を晴らすというのがストーリーです。このお嬢様役が、新東宝社長の大蔵貢に「妾を女優にしてやった」という歴史に残る大妄言を浴びせられて映画界から消えていった、いまや伝説の女優である高倉みゆきなのです。『天皇・皇后と日清戦争』で昭憲皇后を演じたこともあり“皇后女優”とも呼ばれた彼女、品がある顔つきであまり露骨な役はフィルモグラフィには無い新東宝女優としては珍しい存在です。それだけ大蔵貢には大事にされていたみたいです。ちなみに大蔵が彼女に言い寄ったのは事実ですが、“妾発言”はまったく相手にされなかった腹いせだったと言うのが真相だそうです。 この映画でも、レズの女囚に迫られるぐらいで高倉みゆきのお色気シーンはいっさいなし。死刑確定しているのに独房でなく雑居房に入っているなどかなりいい加減な脚本ですし、殺人事件の真相もかなりのハチャメチャぶりで、これではさすがの中川信夫も腕の振るいようがなかったでしょうね。[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-03 21:28:08)

1531.  グレート・レイド 史上最大の作戦 《ネタバレ》 太平洋戦争中、フィリピンのカバナトゥアン捕虜収容所から処刑寸前だった500人を150人のアメリカレンジャー部隊が救出した実話の映画化です。原作である『ゴースト・ソルジャー』の訳者あとがきには、「現在スピルバーグ監督トム・クルーズ主演で映画化が進行中」となっていましたが、ずいぶんとスケール・ダウンしてしまったみたいです(笑)。まあ題材からして日本未公開だったのはしょうがないですが、確かにこの映画の悪役帝国陸軍は非道の限りを尽くしています。たとえれば『007/ダイ・アナザー・デイ』の北朝鮮兵、『ランボー/最後の戦場』のミャンマー政府軍みたいなもので、とくに憲兵隊長の役者さんは顔が怖すぎ。映画自体は正統的な演出でまあまあ盛り上がるのですけど、やはりそれには鬼畜日本軍の悪役ぶりが寄与しているのは確かです。マニラで抵抗運動のフィリピン人が病院で銃殺されるところなんか、ロッセリーニの『無防備都市』を彷彿とさせます。日本側の視点で描かれるシーンは無いですが、悪役ぶりを際立たせるためか史実より日本軍の装備や物量が大げさになっているのは気になりました。 それにしてもこの太平洋戦争での捕虜虐待は紛れもない事実だし、言い逃れは出来ないでしょう。日露戦争や第一次世界大戦での模範的な捕虜待遇を考えると、20年あまりでなんでこんなに帝国陸海軍は堕落してしまったのか情けない限りです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-02 01:43:53)

1532.  マリリンとアインシュタイン 《ネタバレ》 うーん、正直言ってようわからん。てっきりマリリン・モンローとアインシュタインがふたりだけで繰り広げるシュールな対話劇だと思っていましたが、モンローの亭主のディマジオは出てくるは、そしてマッカーシー上院議員(らしき人)まで何故か絡んでくるという展開。各人の過去ショットが挿入されるけれどあまり効果的な使われかたとも思えない。T・カーチスのマッカーシーもどきなんて、果たしてこのストーリーに必要なのかと首を傾げてしまいました。モンローとアインシュタイン会話にはやたらと二人の時計が意味深なのですが、アインシュタインの時計がずっと8時15分でそれが広島に原爆が投下された時刻だということに、最後にやっと気がつきました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-29 21:10:21)

1533.  マンボ・キングス/わが心のマリア 《ネタバレ》 A・バンデラスのハリウッド・デビュー作ですが、この映画のオーディションに来た時には英語が全然話せなかったそうです。とにかくこの映画の見どころは、セサールとネスター兄弟の熱いパフォーマンス、とくにA・アサンテが見せてくれる一世一代の熱演でしょう。マンボ・キングスがデビューするステージで魅せるアサンテのカッコよさにはもうほれぼれしてしまいます。私は『我が心のマリア』と言う曲は大好きで、オスカー主題歌賞にノミネートも納得の名曲だと思います。歌うアサンテにちょっと声量が不足しているのが残念ですけど、本職が歌ったらもっと素晴らしいのではないかな。 キャストもキューバンミュージックの大御所たちがぞろぞろ出ているし、D・アーネス役に息子のD・アーネスjrを使うなんて感涙ものです。まあ言ってしまえば典型的なミュージシャンの栄光と挫折物語なんですが、全篇に溢れるパワーはぜひ評価したいところです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-25 23:34:18)

1534.  人魚伝説 《ネタバレ》 かつて邦画界のあだ花だった海女映画が、20年の月日を経て究極の進化形となって甦ったと言う感じです。原作は劇画なんだそうですが、本家新東宝の海女映画も青ざめるようなお話の壊れっぷりは、もう暴走機関車みたいです。『八墓村』状態のラスト45分は、白戸真理のぶっ飛んだ暴れっぷりがあまりにバカバカしくもう笑うしかありません。銛が一本であんなに人を殺せるわけないだろ、ふつう猟銃か日本刀を使わせるんじゃないかよ、などと文句を垂れるのは所詮虚しいこと。激しい運動のためほとんど過呼吸になりかかっている白戸真理の姿は、もう演技ではなく素のままを撮ったとしか思えませんでした。 そしてある意味とても貴重なのは、白戸真理が“洋上の飛田新地”として有名な渡鹿野島へ逃げるところでしょう。あの伝説的な島は実在するのです。むかし独身寮の旅行で渡鹿野島へ行く計画を立てたら、会社にバレて総務部長から大目玉を喰らった苦い思い出があります(笑)。[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-11-22 18:56:04)

1535.  愛についてのキンゼイ・レポート 《ネタバレ》 近親者がまだ生存している人の伝記映画は撮るのが難しいですね。キンゼイ研究所はまるで乱交クラブみたいで、やっぱ相当な変人だったことは確かです。『ビューティフル・マインド』ほどじゃないけど、この映画のキンゼイ博士はこれでもかなり美化されていると言う指摘もあるそうです。でも、ドキュメンタリーや記録映画とは違って、伝記ものは本質的には実在人物をテーマにしたフィクションなのであり、俳優の演技とドラマの内容で評価すべきものでしょう。その観点からはあまり成功したとは言い難いですね。 しかし史実通りなんでしょうけど、キンゼイ博士の調査手法は統計学的には意義があったんでしょうか?支援していた大学の学長が「彼のレポートは大学の宣伝になった」と図らずも言うシーンもありましたが、結局マスコミを騒がせたけど実は学問的にはあまり価値がなかったとほのめかしている様に感じました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-21 18:31:26)

1536.  ボーダー(2008) 《ネタバレ》 デ・ニーロとパチーノ、これが最後の共演であると願いたいところです、と言いたくなってしまいました。両名優が『ヒート』以来の対決だと言うのに、メジャーではなくインデペンデント系映画だというのもまた驚きです。テーマも昔から何度も見せられてきた“街の掃除屋警官”もので目新しさは無し。『ヒート』とは真逆の結末と言うのも両雄のバランスを取っているつもりなんでしょうかね。この映画の脚本のユニークなところは、“名前のトリック”とも言うべきトラップを使っているところでしょう。デニーロ=ターク(愛称)=トム・カワン(本名)、パチーノ=ルースター(愛称)=デヴィッド・フィスク(本名)、ラストまでお互いどころか周囲の者まで愛称でしか呼ばないのでややっこしいです。外国映画の役名は覚えにくいよな、と感じているのは自分だけじゃなかったんだと気がつかされました(笑)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-11-19 21:45:19)

1537.  クルーシブル 《ネタバレ》 この作品、後味の悪さは自分が今まで観た映画の中では五本の指に入りますね。文豪アーサー・ミラーが自作の戯曲を脚色しているので、もう何と言うか、息もできないぐらいの重々しさに圧倒されました。D・デイ=ルイス、W・ライダー、J・アレン、P・スコフィールド、それにしてもこの顔触れはドンピシャのキャスティングとしか言いようがありません。 中世の魔女狩りには魔女と断罪して相手の権力や財産を奪うと言う面が強かったのですが、この北米植民地での魔女狩りはなんか毛色が違います。最終的に被告に死刑を宣告するのはP・スコフィールドなんですが、彼はよそ者の行政官でセイラム村にはなんの利害もありません。この人物が劇中ではいちばん不気味ですよね、何を考えているのか判らないんですから。村人を告発するヒステリー娘たちの言い分はなんでも採用するのに、W・ライダーが牧師の妻が魔術を使ってると讒言したときは鼻であしらって相手にしない。明らかなダブル・スタンダードで、きっとこの判事はほんとうは魔女なんて信じていなかったと思われます。じゃあなんで、という疑問は浮かびますが、ここにこそ清教徒信仰の深い闇があるのではと思います。 こういう連中の子孫がWASPとして現代のアメリカ合衆国を牛耳っているのかと思うと、嫌になっちゃいます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-16 19:38:51)(良:1票)

1538.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 引っ切り無しに流れるJ・ドリュリューの音楽と詩的ではあるが少々過剰気味のナレーションはこの当時のトリュフォーが良く使った手法で、これは好き嫌いが分かれるところでしょう。このナレーションは美しい修辞のセリフが好きなフランス映画の伝統を引き継いでいて、日本語に訳されていてもなんかいいですよね、言葉遣いが。 男女の三角関係がテーマの映画は多いけど、こういう風に三人がそれぞれ他の二人を愛するというのはなかなかユニークです。J・モローはもう完全に気まぐれな女神で、ジュールとジムは彼女に仕える祭司みたいなものです。とくにジュールは女神さまを満足させるためにジムを同居させてSEXまでさせちゃうなんて、普通に描いたらドロドロものです。そこをトリュフォーはコメディっぽく撮っているのは上手いと思います。 J・モローは不思議な女優で、監督がL・マルとトリュフォーでは雰囲気が全然違うんですね(個人的にはマルの映画のモローの方が好きですけど)。ストップモーションで表情を固定したり、歌を歌わせたり、鏡に向かって化粧を落としてゆくのをじっくり撮ったりして、いかにもトリュフォーらしく彼女をフィルムに残しています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-12 22:44:47)

1539.  世界大戦争 《ネタバレ》 ■「明るく楽しい」「不偏不党」がモットーである東宝が、SFとは言えよくぞここまでデスパレートな映画を製作したものだと感心します。あの当時は汚い核兵器である水爆の威力がほぼ頂点に達していた時期なので、あれだけ盛大にICBMを撃ちまくったらそりゃ死の灰が降り注いで全人類が滅亡するでしょう。ハリウッド映画ではよく“核戦争後の世界”というテーマがありますが、そう言えば邦画では皆無ですね。島国日本では水爆2~3発おとされたらもう逃げ場がないですし、放射能の恐ろしさを世界一に理解している国民ですから、当然です。■僧籍を持つ松林宗恵が監督ですから、根底には仏教的な無常観が感じられます。世界情勢の激変に巻き込まれてゆくフランキー堺親子という徹底的に庶民目線の作劇は、東宝特撮映画には珍しく乙羽信子が出演してることもあり、まるで新藤兼人が脚本を手掛けた様な印象です。二階で泣き叫ぶフランキー堺のシーンはあまりにも有名ですが、宝田明と星由里子が無線で「コウフクダッタネ」と交信するシーンでは観るたびに自分は不覚にも泣いちゃいます。流れ星みたいにミサイルが国会議事堂の上に飛んできてからの地獄絵図は、緻密なカット割りも功を奏して未だに強烈なトラウマとなっています。■この映画と言うか東宝という会社の限界は、「戦争は政治の継続である」と言われているのに、政治がまったく描かれていないところでしょう。ワルシャワ条約陣営を「同盟国」NATO陣営を「連邦国」と言い換えて国籍マークや軍服まで架空のものを使い、何をそこまで遠慮しなければならないの?と言いたいぐらいです。航空機や潜水艦などは当時の両陣営の実物をけっこう正確に摸しているのに、“ミグ”を“モク”と言い換えることまでしています。もちろん、アメリカやソ連と言った言葉はまったく出てこないので、なんで第三次世界大戦が勃発したのか理解不能です。登場する政治家は日本政府だけで、山村聡はじめ貫禄ある顔ぶれですけど、まるでバチカンかダライ・ラマみたいなご託宣を発するだけでどう見ても単なる傍観者でしかない。戦後の日本と言う国の国際的な位置づけからすると、この描き方もある意味リアルということでしょうか。■この映画が当時の観客にあまりに強い衝撃を与えたので、東宝は翌年に超能天気な『妖星ゴラス』を製作したんじゃないかと個人的に思っています。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-08 02:42:02)(良:1票)

1540.  ラスト・ショット 《ネタバレ》 いま話題の『アルゴ』と同じ様なプロットですけど、思うにアメリカの捜査機関は映画製作をダシにした引っかけ作戦がけっこう好きなんじゃないでしょうか。おとり捜査自体が認められない日本では想像もつかないお話しですけど。 ちょっと脚本の出来が悪すぎですねー、見せたいのが、素人のA・ボールドウィンがプロデューサーに化けることでまき起こるドタバタなのかマフィアをはめるスリルなのか、どっちつかずなんですよ。マフィアを引っかけるのにあんな大掛かりなトラップが必要なのか説得力がないし、そのマフィアたちも全然迫力がない連中であっけなく捕まっちゃうし、もの足りません。T・コレットやJ・キューザックと言ったけっこう大物女優を使っているのに、彼女たちのキャラがとても下品なので監督の演出意図に首を傾げたくなりまた。レストランでT・コレットがコップにオシッコをためるシーンなんて、もうどこが面白いんだよと突っ込みを入れたくなりましたよ。[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-11-06 23:31:00)

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