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141.  忍びの国 《ネタバレ》 最近、中村義洋監督の映画をよく見ていて、最新作である本作を思い切って劇場で見た。(時間が空いたので、というのも大きいが。)主演が嵐の大野で、嵐のファンじゃないと厳しいかもと思いながら見始めたのだけど、大野演じる主人公の無門が唐突にカメラ目線をするというアイドル映画であることを意識させる演出はあるものの、あまりそこは気にならなかった。でも、「ゴールデンスランバー」などでシリアスなストーリーの中にユーモアを入れることの多い中村監督だが、本作では少しふざけすぎている気がして映画としてどっちつかずの印象になってしまっているし、大野演じる無門がちょっと強すぎてあまりピンチに陥るようなシーンがないのもアクション映画としてのカタルシスに欠ける気がする。またこの無門が主人公としては人間的魅力に欠ける人物に描かれているのはどうなのよという感じであまり好きになれない。同じ和田竜原作の「のぼうの城」の主人公は魅力的に思えたのだが、これは単に役者だけの問題ではない気がする。無門とヒロイン・お国(石原さとみ)のドラマが弱すぎるのだが、何も考えずに見る映画としてはこれでいいのかなと思っていると、ラスト近く、お国が殺されるシーンに至って急に泣かせモードになるのには正直呆れた。ここで泣かせに走るならこの二人のドラマをきっちりと描いておかないとダメだろう。中村監督はこういうドラマ部分を描くのもうまいという印象があるんだけど、どうしたのだろうか。無門役の大野は中村監督の希望だったそうだが、この役に大野が合っているのかそうでないのか見ても正直よくわからなかった。お国を演じる石原さとみは「シン・ゴジラ」のエージェント役よりは良かったと思うものの、あまり時代劇が似合う顔立ちでもない気がする。出てきてすぐに死ぬ役に國村準や満島真之介を起用しているのはなにか勿体ない気がした。(とくに國村準がすぐに死ぬ役なのはちょっとビックリ。)その中であにやんさんも書かれているように鈴木亮平と伊勢谷友介の存在感は光るものがあったと思う。個人的には特につまらなかった映画というほどではないが、やはり和田竜原作なら「のぼうの城」のほうが面白かった気はするし、まだこれが見るのは6本目くらいなんだけど、中村監督の良さもあまり出ていないような気がする。[映画館(邦画)] 5点(2023-12-31 17:57:46)

142.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 都はるみがマドンナ役で出演している。本人同様演歌歌手の役(役名も京はるみ)なので全編都はるみのプロモを見ているようだった。[地上波(邦画)] 5点(2023-12-30 18:41:52)

143.  黒い十人の女 《ネタバレ》 見たのは6年くらい前。当時、市川崑の映画を見たのは「四十七人の刺客」に続いてこれが2本目。全体的にお洒落な雰囲気でかなり面白かった。山本富士子の使う「そうざんしょ」、「あら、あーた。」などの言葉まわしが印象的。岸恵子をこの映画で初めて見たんだけど、日本にこんなかっこいい女優がいたのかというくらいカッコよかった。中村玉緒は猫のようなイメージで今現在の姿が嘘のようである。岸田今日子も「学校の怪談2」でやっていたろくろ首の印象が強かったので、あまりの若さに驚くばかり。ラストの船越英二は可哀想すぎる。2002年に市川監督自らがリメークしたテレビドラマも見たけど、やはりこっちのほうが面白いと思う。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-12-30 18:38:23)

144.  陸軍中野学校 《ネタバレ》 戦時中に実在した日本のスパイ養成所である陸軍中野学校を舞台にした増村保造監督の映画で、雷蔵晩年の現代劇での代表作となるシリーズの1作目。雷蔵演じる三好(常盤)次郎が本当にクールでカッコよく、増村監督が脚本に参加していた「ある殺し屋」でもそうだったけど、時代劇だけではなく現代劇でもじゅうぶんに魅力を感じることのできる俳優だとあらためて思う。モノクロというのも効果的で、これが映画全体の緊張感と重厚感を高めていて、中野学校の講習シーンなどどこかドキュメンタリータッチのような雰囲気を出すことに成功している。増村監督らしさもよく出ていて、クライマックスの次郎が恋人の雪子(小川真由美)を殺すシーンはもちろんだが、なんといっても女性のマネキンを使っての講習とかいかにもな感じの描き方をしていて、個性がちゃんと出てるのが良い。一方でその後の芸者を使っての実習シーンは彼らをスパイに仕立て上げる中野学校の中心人物である草薙中佐を演じるのが加東大介のためか、どことなく社長シリーズを思い出してしまい、少し浮いて見えてしまったのはちょっと残念。でも、この中佐役の加東大介自体は思ったより違和感がなかったのは良かった。(でも確かに少しこの俳優の人の良さが出てしまってる気はするが。)次郎の中野学校での生活と並行してヒロインである雪子が次郎を捜すストーリーが描かれていて、雪子視点で見るととても悲しい結末なのだが、出来ればこの部分をじっくり見たかった気がして、今になって見るとむしろその方が増村監督らしさはもっと出たのではと思ってしまうし、小川真由美には悪いのだが、やっぱりこのヒロイン役は増村作品の顔である若尾文子の方が合ってるかなと自分も思う。(2023年5月13日更新)[DVD(邦画)] 7点(2023-12-30 18:36:27)

145.  BALLAD 名もなき恋のうた 《ネタバレ》 「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を実写化した山崎貴監督の映画。アニメを実写化する場合、多くはそのアニメの最初からというパターンが多いと思うのだが、この映画はシリーズの中でも人気と評価の高い劇場版の作品を実写化しており、アニメの実写化の着眼点としてはけっこう悪くない感じはする(でも山崎監督なら鉄人兵団を実写化した方が向いてそう。やってほしくないけど。)のだが、あえてオリジナルを久しぶりに見返してから本作を見るとやっぱりかなり厳しいと言わざるを得ない出来になっていて、既に散々書かれているが、「クレヨンしんちゃん」のアニメだからの一言で済まされる部分がそのまま実写化されていて不自然な部分が多く、また本来子供向けであるはずが大人が見ても唸るようなリアリティと見ごたえのある作品になっていたオリジナルと比べても合戦シーンなどにリアリティがなく、子供向け、いや子供だまし感が強く、見ていて少し退屈。それにオリジナルで好きだったシーンがけっこうカットされてたのも残念。その中でも原恵一監督がタイトルにしようとまで拘ったという又兵衛の異名のひとつである「青空侍」が登場しないのが非常に残念で、これによってラストシーンが変更されているが、このラストが非常に弱く、余韻が残らない。せめて「青空侍」は残しておくべきだったのではと思う。オリジナルよりも又兵衛と廉姫の恋愛に重きを置いているためか、もう一つのドラマである少年と又兵衛の友情を描いた部分もすごく薄みに感じる。(恋愛部分も深みは感じないが。)と良いとこなしの映画のように書いているが、ひろしに相当する人物の職業をカメラマンに変えたのは正解で、敵陣にうって出る前の夜にみんなで写真を撮るシーンはけっこう良かったし、印象的で、又兵衛の「これで生きた証が残せた。」というセリフも心に残る。ここだけは本当にあざとさを感じず素直に良いシーンだと思った。それからもう少し書かせてもらうと、又兵衛に仕えることになる野武士ふたりはオリジナルで声を担当していた雨上がりをそのまま起用していても良かったような気がする。[DVD(邦画)] 5点(2023-12-29 15:46:48)

146.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 大林宣彦監督のファンタジー映画と言えば尾道三部作など若者を主役にした作品を思い浮かべがちだが、本作では40歳の脚本家を主人公に彼が体験するひと夏の不思議な出来事を描いていて、尾道三部作などとは一味違った雰囲気ではあるが、同時にそれとは違った魅力もあり、いかにも大林監督らしいメルヘンチックな大人のファンタジーになっていて、20年ぶりに見たが、やはり良い映画だと思った。主人公の原田(風間杜夫)が出会う死んだはずの両親(秋吉久美子、片岡鶴太郎)が幽霊であることを最初から明示しているのはやがて別れが来るということも示していてその時点で切なさがあるし、初めて見たころはあまり感じなかったが、今見ると現在主人公と同じ40歳である自分があと両親と過ごせるのはどれくらいだろうとか、亡くなったあとにこの映画を見たらどう感じるだろうかということをつい考えてしまう。原田が両親と会っているシーンはどこかノスタルジックな雰囲気で描かれているのも良く、父親と野球をするシーンや、母親の作ったアイスのくだりなど、そういう両親とのやりとりが見ていて微笑ましく、思わず顔がほころんでくる。しかし、それだけにやはりすき焼き屋での別れのシーンは分かっていても泣けてくる。消えゆく両親が息子にかける言葉にも泣かされるが、両親が消えてしまった後の「ちっとも食べなかったじゃないか」という息子の呟きがなんとも切ない。両親役の秋吉久美子と片岡鶴太郎の演技が素晴らしく、本作はまさにこの二人あっての映画だろう。平行して描かれる原田と桂(名取裕子)のエピソード。とくにクライマックスの桂が正体を現すシーンはさっきまでの雰囲気とガラリと変わってしまうこともあり、初めて見た時は違和感が激しかったのだが、今見るとそうでもなく、桂は両親とは対照的に呪縛霊のような描かれ方をしているが、頻繁に両親に会いに行く原田を見守るような存在として描かれていたのではと考えると、このクライマックスの桂の見せ方のハデさもあまり気にならなくなり、(やり過ぎ感はやっぱり感じてしまうけど。)意図としては見せ方の違いはあれど両親と同じような感じを狙っているのではと感じるようになった。そう考えると賛否両論ありそうなこのクライマックスも悪くなかったかもしれない。ちなみに原田と桂が話しながらテレビで見ている映画は木下恵介監督の「カルメン故郷に帰る」。本作の脚色は市川森一だが、原作は木下組出身の山田太一なので、(未読なので原作に「カルメン故郷に帰る」が出てくるかは分からないのだが。)思わずオマージュだと感じてしまった。(2022年7月18日更新)[DVD(邦画)] 8点(2023-12-25 00:35:12)

147.  GHOSTBOOK おばけずかん 《ネタバレ》 小学生に人気の児童書を映画化した山崎貴監督の映画。山崎監督は現在ではすっかり泣かせ映画の巨匠みたいになっているが、本作は紛れもない夏休みの子供向け映画になっていて安心して見ていられるし、山崎監督のデビュー作が同じく子供たちの冒険を描いた「ジュブナイル」であったこともあり、原点回帰の映画ともいえ、本来はこういう作品にこそ手腕を発揮する監督なのではと思えてくる。(本作でも「ジュブナイル」で主役を演じていた遠藤雄弥と鈴木杏が主人公の両親を演じていたり、主人公の家にテトラが置いてあったりして山崎監督の「ジュブナイル」への思い入れを感じられる。久しぶりにまた見たいなぁ。)主人公たち三人と新しく赴任してきた新米の代用教員(新垣結衣)が迷い込んだ異世界でクラスメイトの少女と出会う展開は「学校の怪談」の岡本綾を思い出してなんとなく結末が読めてしまうものの、その予想を外してくれたのは嬉しかった。図鑑の試練で主人公たちがおばけたちを図鑑に集めていくのはこの年になって見ると微笑ましくもあり、どこか懐かしさも感じることができた。最後のおばけであるジズリが最強というのも王道的で、最後はしっかり盛り上げていて本当に子供を飽きさせないつくりになっているのが良い。図鑑坊のキャラも可愛らしいが、この図鑑坊がカレーを食べるシーン(このカレーがおいしそう。)はやっぱり三丁目の夕日を意識してるんだろうなぁ。それにしても本作を見ると山崎監督が三丁目の夕日で変に評価されてしまったのは果たして良かったのかなとも思え、「ジュブナイル」、「リターナー」の後に同じ路線でもう一本やっていたら、映画監督として今とは違う道もあったのではと感じてしまう。[DVD(邦画)] 6点(2023-12-13 22:03:13)

148.  男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 ジュリーと田中裕子が結婚するキッカケとなったシリーズ確か30作目。いつも通りで可もなく不可もなく普通に楽しめる。[地上波(邦画)] 5点(2023-12-07 19:10:48)

149.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 近未来が舞台の映画なので荒唐無稽なのかなと思っていたら、案外そうではなく現実の世界でも起こりうるようなストーリーだったのでけっこう面白く見られた。でも最後のほうで普通のアクション映画になってしまったのがちょっと残念。これは余談だが、ジェームズ・クロムウェル演じる博士の声を日本語版で演じているのは大木民夫。だから彼の「コンピューターの中にゴーストがいる。」云々のセリフが「攻殻機動隊」の荒巻が言っているようにしか聞こえなかった。[ビデオ(吹替)] 7点(2023-12-04 17:45:32)(良:1票)

150.  クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦 《ネタバレ》 劇場版シリーズ第7作。今回初めてノーカット版を見たが、確かに間延びしていてテンポが悪く、ストーリーだけ見るとちょっとイマイチな感じがするものの、通常子供向け映画で絶対テーマになりそうもない温泉という題材や、マニアックなギャグの応酬など「クレヨンしんちゃん」らしい作品になっていてとても楽しめたし、久しぶりに見たのもあるが懐かしさも感じることができた。YUZAMEの巨大ロボットの進撃シーンは怪獣映画のパロディーになっていて、陸自の戦車隊が「怪獣大戦争」の音楽を鳴らしながら進むシーンと、直後の巨大ロボットがゴジラの音楽をスピーカーから流して陸自を威嚇するシーンは今見てもついすごく笑ってしまう。でも、巨大ロボットの進撃によって避難勧告の出た春日部の住人(いつものクレしんの脇役メンバー)の描写はリアリティがあり、真に迫ったシリアスなものになっているのは良かった。(劇中のテレビで一つだけ報道特番をやっていないチャンネルがあるのもこだわっていて好き。「アイアムアヒーロー」で同様のシーンを見た時、このシーンを思い出した。)そしてゲストである丹波哲郎の使い方も「クレヨンしんちゃん」らしく「ジェームズ・ボンドと一緒に風呂に入ったことがある」というセリフにやはり爆笑。「007は二度死ぬ」からのネタだが、本当に本作や同時上映の「クレしんパラダイス!メイドイン埼玉」を見ると原恵一監督をはじめとしたスタッフに映画好きが多かったことが分かるし、この頃の劇場版シリーズの自由さも感じられる。(野原一家が巨大ロボットにシェーをさせるシーンも「怪獣大戦争」ネタ。原監督は小学生時代に怪獣少年だったと聞いたことがあるが、それも納得できる。)アカマミレが風呂嫌いになった理由もバカバカしいが、それも楽しい。エンディングが本作のために作られたタイアップの新曲ではなく、登場人物ほぼ全員で歌う「いい湯だな」というのもこの映画にすごく合ってる。(2023年12月3日更新)[DVD(邦画)] 8点(2023-12-03 23:25:19)

151.  クレしんパラダイス! メイド・イン・埼玉 《ネタバレ》 「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」の同時上映作品となる水島努監督(監督デビュー作。)による短編オムニバス。久しぶりに見たがギャグアニメとしての「クレヨンしんちゃん」の良さが短い中によく出ていてやっぱり面白く、またそのギャグ一つ一つがとてもさえていて、少しも退屈することなく楽しめた。やっぱり印象に残るのは以前見たときもそうだったのだが、「ひまわり あ GOGO!」。蝶を追いかけるひまわりをその視点のみのワンカットで描いていて、手塚治虫の「ジャンピング」の影響も見られる実験的な作品だが、躍動感もすごくあり、これぞアニメならではと感じさせるものになっていて見ごたえじゅうぶん。この話にはひろしの流血シーンもあり、水島監督の本郷みつる監督や原恵一監督との作風の違いも垣間見ることができる。そして、やはり強烈なインパクトを残しているのが「私のささやかな喜び」。ミュージカル仕立てなのだが、みさえの便秘解消の喜びを表現した歌の完成度が高く、みさえの嬉しさがよく伝わってくるし、ちょっと感動的ですらある。その歌に乗せて「サウンド・オブ・ミュージック」や「タイタニック」といった洋画のパロディー(「タイタニック」の例の有名なシーンのパロディーが男女逆になっているのは今見ても笑える。)も「クレヨンしんちゃん」らしくて楽しかった。そして締めを飾るぶりぶりざえもんが実にぶりぶりざえもんらしかったのも良い。(2023年11月30日更新)[DVD(邦画)] 8点(2023-12-03 23:23:28)

152.  幸福の黄色いハンカチ 映画見て感動して泣いた初めての経験がコレだった。見て良かったと思えた日本映画も初めて。武田鉄矢と桃井かおりのコンビも最高だった。これを見て以降、どちらかと言えば苦手だった日本映画も見るようになった。まさに日本映画史上に残る名作。2014年11月24日追記 高倉健が亡くなって2週間。思えば、初めて日本の俳優の良さというものを感じたのはこの映画の健さんだった気がする。また、今になって考えると刑務所から出所して自分を待っているかも分からない妻の元へ帰る男という役柄はまさに健さんにピッタリな配役で、この役を高倉健が演じるからこそ、この映画は後世に残る名作となったのだと思う。冒頭で健さんが食堂で醤油ラーメンとカツ丼を頼むシーンが印象的なのだけど、先日、醤油ラーメンとカツ丼を昼食と夕食に食べ、あらためてこの映画の健さんに想いをはせた。83歳という高齢での死ではあるけれど、なんとなくまだ死なない気がしていたので非常に残念で惜しい。謹んでご冥福をお祈りします。[地上波(邦画)] 10点(2023-12-03 12:32:43)(良:1票)

153.  アウトレイジ 最終章 《ネタバレ》 前作で完結とうたっておきながらまだ続きがあるような終わり方だったのでどうかなと思っていたら、やっぱり出たシリーズ第3作。しかし今回は今までと比べるとかなりおとなしく、このシリーズの魅力の一つであった激しい罵り合いや殺しのシーンも迫力やインパクトに欠け、印象に残るシーンも少なく盛り上がらないし、逆に前作からの数年間で病気をしてしまった西田敏行と塩見三省が見ていて痛々しく感じた。とくに中田を演じる塩見三省は前作で迫力のあるドスの利いた演技を見せていただけにあまりの変わりようにビックリ。たけし映画としてもかなり平凡な出来で今まで感じたことのないようなやらされてる感じがして物足りなかった。それに本作のあとしばらくしてたけしの事務所独立騒動が起こったが、そのあとになって本作を見るとやはりたけしは乗り気がしないまま作ってしまったと思えてならないし、シリーズとしても三本全部見て最初の作品が一番面白かったという、シリーズものにありがちな感想になってしまう。やはり映画監督としてのたけしには好きなように映画を作っていてほしいと思う。それでもラストの虚無感は既成感はあるものの、やっぱりこういうところがたけし映画らしさを感じる部分ではある。「アキレスと亀」以来久しぶりに大杉漣がたけし映画に出ているのが嬉しく、やっぱり大杉漣はどんな作品に出ていてもたけし映画に出てるイメージが強く、本作でも堅気から先代(神山繁)のあとを継いだ花菱会の会長を演じているが、その勢いだけの小物というキャラが良く合っていた。結果的にこれが大杉漣にとって最後のたけし映画出演になってしまったのは残念だが、やっぱり大杉漣は寺島進と並んでたけし映画に無くてはならない存在だったと思う。あらためてご冥福を。そして独立したたけしが今後、どんな映画を作るのか、ちょっと気になるし、不安ももちろんあるが、楽しみでもある。[DVD(邦画)] 6点(2023-11-25 11:08:07)

154.  生きものの記録 黒澤明が「七人の侍」の次に発表した作品。娯楽大作だった前作とは逆に静かな社会派の良作。当時35歳で老人役を初めて演じた三船の老けブリが見事。黒澤監督は晩年にも「八月の狂詩曲」という反核映画を作っているが、やはりこちらのほうがいい出来だと思う。「ウルトラQ」を思わせる不気味な音楽(早坂文雄の遺作)とラストシーンが印象的だった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-11-24 21:49:57)

155.  近松物語 《ネタバレ》 あまりスター俳優を自分の映画に起用したがらなかった溝口が唯一、長谷川一夫を主演に迎えた作品。見る前はどういう仕上がりの映画なのか不安な面もあったが、見事に芸術的な映画になっていた。個人的にあまり好きではない長谷川一夫もこの映画では流し目やドアップもなく、あくまで一役者として芝居をしていてとても良い。それに映画全体が非常に美しく、処刑場に向かうラストの長谷川一夫と香川京子の晴れやかな笑顔も感動的だった。[CS・衛星(邦画)] 10点(2023-11-24 19:55:26)(良:2票)

156.  ラッシュアワー3 《ネタバレ》 シリーズ第3作。1作目や2作目を見たのがもう10年以上前(ジャッキー・チェンの主演映画を見るのも10年ぶりくらい。)で今更見るのもどうかと思ったが、そんなにつまらなくはなかった。相変わらずジャッキーとクリス・タッカーのコンビのやりとりは見ていて楽しい(ただ、クリス・タッカーは山寺宏一の吹き替えも相まってやたらうるさく感じるのがやはり気になる。)し、50代を迎えたジャッキーのアクションも衰えをあまり感じさせないのがうれしい。今回は悪役で真田広之が出ていて、明らかに80年代にジャッキーや真田広之のアクションに魅了された世代が主なターゲットといった印象だが、ジャッキーはともかく今の真田広之はアクション俳優というイメージよりも演技派俳優のイメージが強いせいか、この共演は個人的にはイマイチ盛り上がらず、せめて真田広之がJACにいたころに実現していたほうがよかったのではと思ってしまった。工藤夕貴の使い方もなんかもったいない。でも、この二人の吹き替えが別人なのは思ったよりも気にならなかった。このシリーズ、4作目はもうないだろうな。[DVD(吹替)] 5点(2023-11-23 22:20:03)

157.  007/ゴールドフィンガー 《ネタバレ》 シリーズ第3作。かなり久しぶりに見たけどこの初期の007シリーズの中ではスペクターも絡んでおらず敵のゴールドフィンガーも分かりやすい成金男という風なので、ちょっと物足りない向きもあるが、単発作としては見やすい感じ。今見ても金粉を全身に塗られた死体やオッドジョブの仕込み帽子のインパクトはすごいし、今回からオープニングに流れるようになった主題歌もやはり好きだ。でも、話自体はちょっとイマイチな感じがして、ボンドもこんなに女好きだったっけというくらい出会う女性を口説くのはっちょっとどうなんという気がしないでもない。ショーン・コネリーは年を取った後のほうがやっぱり好きなのだが、もうこの頃になるとボンド役が板についてきた感じはする。金庫室でのボンドとオッドジョブの対決は緊迫感と迫力もあり、見ごたえももちろんあるのだが、これがクライマックスになってしまって、その後の(タイトルにもなっている)ゴールドフィンガーの最期がとてもあっけなく感じた。時限爆弾が止まった時の数字が「007」というのは今見ても笑ってしまうし、緊迫したシーンの後で洒落が効いていて、けっこう好き。(2023年1月27日更新)[DVD(字幕)] 6点(2023-11-23 18:32:56)

158.  007/ロシアより愛をこめて 《ネタバレ》 シリーズ第2作。以前見たときはシリーズ最高傑作といわれている作品とあって期待しすぎてそれほどでもない感じだったのだが、改めて見てみると「ドクター・ノオ」よりは工夫があるつくりになっていて、シリーズ最高傑作というのにはやっぱり疑問符があるものの、以前に見た時よりも面白かった。ボンドガールのタチアナは前作のハニー・ライダーよりも魅力的だし、悪役のロバート・ショーも存在感があり、やはりこういう映画は主人公と対等な悪役の存在があってこそ面白くなる。しかし、タチアナがボンドに寝返る展開があっさりしすぎているし、ボンドとグラントの列車内での戦いも緊迫感があるわりに決着はあっけなく、このあたりをもう少しなんとかしてほしかったかな。それにグラントを倒してからが少し冗長に感じてしまった。シリーズで初めて主題歌がついた作品で、このシリーズの主題歌はオープニングに流れるというイメージが強いが、本作ではエンディングに使われているのが異色で、それが見終わって深い余韻を残すことに成功していると思う。シリーズ最高傑作だとは思わないが、本作はシリーズを軌道に乗せたという意味で重要な作品ではあると思う。(2013年9月4日更新)[DVD(字幕)] 6点(2023-11-23 18:31:25)

159.  キングコング(1976) 《ネタバレ》 見るのは25年ぶりで3度目だったのだが、今回は初めてノーカット・字幕版を見た。昔テレビで吹き替え・カット版を見た時は感じなかったのだが、あらためてノーカット版で見てみるとオリジナル版とほぼ同じ内容なのに2時間以上あるというのがちょっと長く感じてしまった(ピーター・ジャクソン監督版は3時間以上あるのだが、長さはあまり感じなかったように思う。)し、オリジナルとは違って(登場人物の名前もオリジナルとは違っている。)島に行く目的が映画撮影のためではなく、石油採掘に変わっているのにヒロインは乗っていた船の沈没で漂流していたところを偶然助けられた女優という設定がまどろっこしく、これだったら最初からヒロインは採掘メンバーの関係者として最初から船に乗っているとかの方が自然だったろうにと感じてしまう。ジャクソン監督版でも踏襲された人間味のあるコングだが、少し愛嬌があり過ぎる感じで、ヒロインと惹かれていくというのを描くにしてももう少し恐怖感が欲しかったところで、肝心のコングの動きもなんかしょぼく、いくら70年代とはいえもう少しなんとか出来たのではないかと思ってしまう。それに、ヒロイン役のジェシカ・ラングがこれがデビュー作というのはさすがにかわいそうな気がする。島でコングが戦う相手が巨大な蛇だけというのもオリジナルやジャクソン監督版を見た後だと物足りないが、このシーンは東宝の「キングコングの逆襲」での海蛇との対決シーンをオマージュしているのかなと思った。ラストの舞台はエンパイアステイトビルからワールドトレードセンタービルのツインタワーに変わっていて、これはたぶん話題性を狙ったものだと思うが、個人的にはツインタワーが出る映画と聞いて真っ先に思い浮かぶのはやはり本作。昔テレビで本作を見た時は数年後にテロ事件でこのビルが崩壊するなんて思いもしなかったなぁ。(2023年9月18日更新)[DVD(字幕)] 5点(2023-11-23 17:02:46)

160.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 今までずっと見たかった映画ではあったが、リメイク版2作と東宝で作られた日本版2作を既に見ていることと、80年前の特撮がいかにも古臭そうな印象だったため、なかなか手が出ずにいたが、そんなことを考えるのがバカバカしくなるほど素晴らしい映画だった。登場するキングコングや恐竜たちはストップモーションでリアルに表現されていて、恐怖感もちゃんと出てて、もうそれだけで感動的だし、着ぐるみやCGによる特撮と違ってストップモーションによる特撮は見慣れていないが、トリック撮影初期の段階でここまでのものができていたとは。これが円谷英二監督などのちの特撮映画の製作者たちに与えた影響が大きいことは有名な話だが、実際に見てみてなるほどと思わされた。リメイク版は2作ともヒロインのアンが徐々にキングコングに惹かれていく展開があり、本作でもそうだろうなと思っていたのだが、それがなく、アンはキングコングに対してひたすら悲鳴をあげるのみというのがビックリした。だが、それがかえってリアルだ。ドラマ性を極力廃したシンプルな構成なのも良かったが、それでもアンを抱えてエンパイアステートビルに登ったキングコングが無残に殺されてしまうという結末はやはり初代である本作から既にどこか哀愁を帯びていて印象に残り、なにかやるせなさを感じさせる。そしてなによりもやはり当時はゼロに近い状態から始まったに違いない怪獣のリアルな表現という命題に果敢に挑戦しそれを見事にやってのけたスタッフたちはまさに賞賛されるべき偉業を成し遂げていて、きっと裏で大変な工夫と努力と苦労があったことは想像にかたくない。また、ここから今につながる怪獣映画の歴史が始まったのかと思うと感慨深いものもある。怪獣映画が大好きな自分にとっては10点以外はつけることができない。本当にもっと早く見ればよかったと見終わって素直に思ってしまった。[DVD(字幕)] 10点(2023-11-23 16:52:21)(良:2票)

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