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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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161.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 ~Die Hard~頑強に抵抗する。思いつくイメージはゴキブリ。テロリストが悠々と通路や部屋を動くのに対し、マクレーンはダクトの中やエレベーターの隙間を煤まみれになって這いずり回る。ピッタリなタイトルだ。 リムジンに初めて乗るジョンが助手席に乗るのが面白い。この映画を単体作品と考えると、話し相手が欲しくて寂しいから助手席に乗ったと解釈できるし、シリーズものとして考えると、頼んでもいないリムジンに警戒している用心深い性格にも見える。最後はホリーと後部座席に乗るのも、どちらに解釈しても納得できる結末。上手いな。 そもそもホリーとの関係はどうなのか?私は悪いのはジョンだと考える。 日本の社風だからとジェナロ姓で働くが、本社はともかく直属の高木社長にはきちんと「夫はジョン・“マクレーン”」と伝えている。高木は彼女の立場を理解しているし、不仲の夫にリムジンを用意するくらいの立派な人物だ。 ちなみにナカトミの会長の名前はオズ。日本の古風な映画監督・小津安二郎と、エコノミックアニマル・日本だけに金の単位のOzも掛かっていると思う。…ってオズの魔法使を観て思いついた。 よりを戻したいホリーに対し、ジョンはカリフォルニアに着いても家に連絡入れてない。パーティだと言うのにラフな格好で来るし、パーティ中はシャワー浴びて部屋で一人でくつろいでる。なんか高木社長に失礼だ。家に泊まるよう誘うのもホリーから。ホリーも夫より仕事を選んだ負い目もあるんだろうけど。ジョンは卑屈で心の狭い内弁慶な人みたいだ。 ハンスの最後、会社からもらった腕時計をジョンが外す結末も、仕事より夫婦愛を選んだ象徴的なシーン。シリーズ化して2人は別れたが、単体として観ると、とても素敵なハッピーエンド。 ジョンのヒーローらしくない口の悪さ。窓際の自分に気が付かないパウエルに「スティービー・ワンダーかよ!」は酷いけど面白い。 この時パウエルが「雪よ降れ~雪よ降れ~」って歌ってる時に死体が降ってくる演出、これも酷いけど面白い。 音楽繋がりで、もしかしたらだけど、この映画の音楽は全部、クリスマス・ソングやニューイヤー・ソングがベースになってる?今回初めて気がついたけど、トニーが電話線を探すシーンの不気味な音楽、よく聞くと『Winter Wonderland』なんだ。…他のは知らんけど。 今回気がついたもう一つ、ジョンがガラスの散らばる部屋から逃げるけど、ダメージを減らすため片足だけを犠牲にしてる。片足ケンケンしたのか、大ジャンプしたのか… TVの学者「これをヘルシンキ・シンドロームと言います」キャスター「スウェーデンの?」学者「…フィンランドです」ディレクター「…(ストックホルム)」ボインのポスター。違うほうのジョンソン。トゥインキーの味。こういう小ネタも面白い。 今から33年前の映画で、当時はタバコ喫煙やカセットテープが現役なのと、携帯がない事を除けば、時代を感じさせない映像とアクション。 ちなみに戦後43年目の作品となると、公開からどれだけ年数が経ったか、思い知らされる。 たぶん今から10年後も、アクション映画の代表作として君臨しているだろう。[レーザーディスク(字幕)] 10点(2021-06-04 00:18:52)《改行有》

162.  ネバーエンディング・ストーリー 《ネタバレ》 ~Die Unendliche Geschichte~果てしない物語。 オープニングの美しさ。リマールのテーマソングがまた良くて“懐かしいあの頃”に引き戻す。 さぁ!ファンタジーの世界に旅立とう!…って、小さい頃に何回か観たはずなんだけど、アトレイユがどんな冒険をしたか全然覚えてなかった。 ロックバイター、暴走カタツムリ、象牙の塔には顔が幾つもあるやつ、魚人間?魅力的なクセの強いクリーチャーたちがたくさん出てくる。…でも特に何もしてなかったんだな。 異世界“ファンタージェン”や世界を滅ぼす無“ザ・ナッシング”の素晴らしいネーミングセンス。日本語訳も頑張っていて、極め付けは女王“幼心の君”こんな綺麗な名前どこから思いつくんだろう?透き通るような容姿とともに忘れられない。 美しいという表現が相応しいアトレイユ。戦士というには若すぎるけど、暴力(武器)を使わない冒険物語にはベストマッチだったと思う。最初から孤独な旅だっただけに、相棒のアルタクスが沼に沈むときは悲しかったな。 ラッキードラゴン・ファルコン。パペットは表情豊か。でも今見ると特撮がかなりキツい…と言いたいところだけど、当時から微妙な出来の特撮だった。 空を飛ぶ爽快なシーンだけにちょっと残念。邪道かもだけど、ここは今の技術で上手いことしたほうが良いのに。って思う。 母親の死とイジメで気持ちが沈んでるバスチアンが、ファンタージェンの滅びゆく現状とリンクしているようで面白い。 多感な時期に出会う物語って、結構すんなりとその世界に入り込めたりするんだけど、バスチアンが飛び込んだ本屋のご主人が、本の世界の面白さを伝えてくれる。 最後の、ファルコンでいじめっ子に仕返しするところはよく覚えていて、綺麗な音楽をバックにバスチアンがファンタージェンを飛ぶまでは良いけど、なぜ現実世界にも来たのか、子供心にあのシーンをどう整理をつけようか困った記憶がある。 リアルタイム世代じゃなければ、もう少し評価が下がったかも。[地上波(吹替)] 6点(2021-06-02 13:29:02)《改行有》

163.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 ~WarGames~最後“s”がつく。ジョシュアにとって、チェスも三目並べも全面核戦争も、たくさんあるゲームの一つに過ぎない。 オープニングからいきなり始まる全面核戦争のシミュレーション。ミサイル基地の扉の分厚さが核の恐ろしさを物語る。 デビッド、Fの子をAにするのはマズいだろう。まだコンピューターが普及してない時代だから、先生たちも成績を手書きで控えてる可能性大だぞ。 でもこんな当時から、マイコンオタクの仲間がデブとガリなのが面白い。あと“ユーザーアカウント”って言葉、こんな昔からあったんだ。 核司令基地の見学ツアー。本当にありそうな“そのボタンじゃない!”ジョーク。突然の核攻撃の緊張感と、あくまでゲームなデビッドの対比が面白くて怖い。 一般の人には馴染みのない地味なマイコン画面を垂れ流すのでなく、ブラウン管モニターには操作するデビッドが映り込む。これ特撮だと思うけど、どうだろう?画面上で起きていることと、デビッドの感情も伝わる上手な演出。 あとジョシュアの声。デビッドの部屋のスピーカーからしか聞えないハズだけど、基地でも同じ声で話す。これも、見る人にわかり易くする上手な演出。 三目並べから核戦争に勝敗が着かないことを学ぶジョシュア。モニターに映される核戦争の映像が無機質で怖い。あぁ日本にも落ちてきた。 「奇妙なゲームです。唯一の勝つ手段が、ゲームをしないことです。もっと面白いゲーム、チェスをやりませんか?」 これが今の時代だったら、遥かに進化したコンピュータが人間に余計な気を使って、適度に盛り上がる演出を加えて、核戦争を始めるかもしれない。[地上波(吹替)] 7点(2021-05-27 16:28:53)《改行有》

164.  続名探偵ホームズ2/ドーバーの白い崖 《ネタバレ》 ~『ミセス・ハドソン人質事件』のつづき~ こちらもハドソン夫人が主役。これはちょっと評価落ちます。 名探偵ホームズはイタリア国営放送との契約で、まず6話分が作られたそうです。 『青い紅玉』『海底の財宝』『小さな依頼人』『ソベリン金貨の行方』『ミセス・ハドソン人質事件』『ドーバーの白い崖』だったと思います。順不同ですが全部TV版で放送されてます。 今回はハドソン夫人特集という意味で2作品が選ばれたと思いますが、劇場未公開の『小さな~』や『ソベリン~』の方が、原作のイメージが強く、ホームズの推理が事件解決の糸口になっていて、面白かった記憶があります。(…といっても小学生当時の感想、うろ覚えですが) 本作はアクション面が強く、動きの大きさは面白いんだけど、今ひとつホームズである必要性が感じられない。 過去3作の“犬なんだけど大人で人間臭い登場人物”感が若干薄れ、“擬人化動物の当時の流行りモノのアニメ”臭が出てる。 最後の方のマリーが拳銃を回すところとか、モリアーティたちが爆発して飛んでいくところとか、今までとちょっと異なる感じ。 ウィキを見ると、この回には近藤喜文が関わっていません。 『海底の財宝』も近藤さん抜きですが、あちらは宮崎監督の個性が存分に発揮された印象が強く、他作品では宮崎&近藤の強力タッグで面白く出来たんじゃないかなぁ?と。勝手に思ってます。[映画館(邦画)] 5点(2021-05-27 11:56:05)《改行有》

165.  続名探偵ホームズ1/ミセス・ハドソン人質事件 《ネタバレ》 ラピュタの同時上映で鑑賞。TV版はそれより前に放送していたんだな。忘れてる。 こちらのレビューも併映された『ドーバーの白い崖』とは別作品扱い。今回はモリアーティ教授一味とハドソン夫人が主役。 モリアーティが空気穴を気にする台詞を入れるとか「私の殺人は成功したことがないんだ」とか、銀行襲撃の妄想とか、キャラクターの魅力を引き出すのが上手いなぁ。 レストレード警部、犬らしく手紙の匂いから犯人を割り出すけど、美術館でホームズやモリアーティの雑な変装を見破れないとか、「原作読んでないのか!」なんてセリフも優秀なんだか無能なんだか、上手にいい加減で笑える。 前2作に続いて高いクオリティなので、出来ればエリソン夫人、モロアッチ教授バージョンで観たかった。 ~『ドーバーの白い崖』につづく~[映画館(邦画)] 7点(2021-05-27 11:55:23)《改行有》

166.  翔んだカップル オリジナル版 《ネタバレ》 昨年夏以来、二度目の鑑賞…だけどストーリーの起伏が少なく、この映画の盛り上がりドコロが掴めなかった。 勇介と圭が喧嘩して、仲良くなって、また喧嘩する。その間の、例えば勇介が反省して謝るとか、穴埋めをして許されるとか、仲直りと言うか二人が距離を縮める努力的なものが見えず、単にほとぼりが冷めた、時間が解決したかのように思えてしまう。 原作はきっと、この辺も丁寧に描かれているのかもしれないが、映画だとダイジェスト的にしか伝わってこなかった。 二人の同棲(学校的には単に同居じゃないか?)について、かなり後半に親友のハズの中山に同棲していることを伝えたが、序盤に先輩が圭を覗きに来たり、一緒に住んだりしてたので、中山や杉村さんには、とっくに同棲を伝えてるものだと思って観てしまったから… 杉村のマンションに圭が乗り込んできて、クシャクシャにした紙(試合までの注意)を渡すシーンとか、かなりの修羅場で緊張感が出ていた。勇介と圭とは対象的に、杉村のオトナな対応も凄くイイ。 坂を下る自転車、勢いそのままに激突。交差点で突然落語を始める中山。クジラのアドバルーン。序盤の薬師丸ひろ子の幼いパジャマ姿と、最後の方の「私、きれい?」の大人びた(背伸びした)スリップ姿のギャップ。最後の延々続くもぐら叩き。杉村から圭に受け継がれる集中のポーズ。印象的なシーンが結構あるが、一番グッと来たのはスナックで勇介と絵里(かな?)が酔っ払って“ケンポン”するところ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-05-26 22:30:26)《改行有》

167.  探偵物語(1983) 《ネタバレ》 赤川次郎の原作自体が、薬師丸ひろ子をイメージした作品だって聞いた記憶があるが、このタイトルからして、相手役は松田優作をイメージしていたんだろうか? 探偵事務所に所属しているけど単独行動・孤立無援な辻山は、個人事務所だけど仲間とワイワイな工藤ちゃんとは、人物像が真逆と言うか… 本で見るとナルホドってなるかもだけど、実際画で見るとかなり無理があるトリック殺人。ものすごい偶然が重なってたどり着く推理。都合よく置いてあるペンダント。ゆるく楽しむのが正しい観方なんだろう。 事件解決からが見応えがあって、辻山の部屋での長回しが素晴らしい。というか、ここから先だけでも良いんじゃないか?って思ったりする。 今まで直美を“調査対象の子ども”として、一歩引いた距離で扱ってきたが、ホテルの話を聞き、落胆の表情を見せる辻山。 「ずっと一人で寂しかった!」「…一人で居て寂しくないやつなんていないよ」直美を大人としてみて本心を話す。 「帰ります」と2回。背中に向けて投げ捨てるような告白の言葉。そんな事解ってるから振り向きもしない辻山。 アイドル映画の告白シーンなのに、重苦しく物哀しい。切ないテーマソングの入り方もイイ感じ。 空港での別れのシーン。エスカレーター逆走から手を重ねて無言のキス。 キスの後も名残惜しそうにしがみつき、胸に頭をくっつける薬師丸ひろ子の演技は素晴らしい。 …ただディープキスにしたのはどうだ? 欧米の映画に比べて日本の映画界が劣っていると考えている松田優作が、ちょっとやり過ぎてしまったんじゃないかと思うんだけど。どうだろう。 普通のキスで良かったんじゃないかな。話題作りにはなったと思うけど。 もう一回ちょんとキスして、小さく手を降り去っていく直美。しばらく後に小さく手を振り返す辻山。 棒立ちの松田優作と、ディープキスのあとだけにホンワカした音楽がちょっとシュール。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-21 11:04:34)《改行有》

168.  愛と青春の旅だち 《ネタバレ》 ~An Officer And A Gentleman~紳士及び士官に…。意味は『ザ・シネマ』というサイトのコラムに詳しく書かれています。 フォーリーがメイヨのコインは右側に入れるのに、次のデラ・セラのコインは左側なのは何でだろう?って思ったけど、その説明もコラムに書いてあって、そうだったんだ!!と、とても参考になったので、興味があれば探して見てください。 メイヨは親が親だけに、愛とか面倒で、女性に対する付き合い方がアッサリしているのも解るが、ウォーリーはスーザンという婚約者が居て(…とは言え死んだ兄の元カノという複雑な関係だが)、訓練期間中の遊びでリネットと付き合う。 妊娠を機に海軍を辞めるけど、家系と子供のためで、リネットのためではない。妊娠が嘘とわかっても結婚を申し込むが、愛というか、自分に退路が無くなったからにも見えた。 リネットは、士官のお嫁さんになって世界中を回る夢があるから、アッサリとプロポーズを断る。どちらもお互いを愛していた訳じゃなかったんだな。 フォーリーに人間性を批判されてシゴかれて、徐々に人間らしい行動を取るメイヨ。ペリマンにピカピカのバックルをプレゼントするところがいい。 ポーラは生まれてすぐに海軍の実父を亡くしていて、それで士官の彼氏に憧れがあるのか。自分の中の理想が高め。朝食のときに花を置いて 『見て見て、お花よ。こういう女、憧れるでしょ?』ってやるのが可愛い。 純白の制服姿で工場に行き、ポーラをお姫様抱っこで連れて行くメイヨ。 『君が憧れる士官になったぞ、みんな見てるぞ、こういうの、憧れるだろ?(オレは恥ずかしいけど)』ってお返し。 淑女の理想を叶えることが『紳士及び士官に相応しい行為』だから。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-15 14:22:36)(良:1票) 《改行有》

169.  レインマン 《ネタバレ》 チャーリーはシンシナティの実家から逃げて、今はロサンゼルスで働いている。 アメリカの地図を見ると生まれのオハイオ州は右上の方にあり、今いるカリフォルニア州はそこから一番遠い州。 この距離がチャーリーの気持ち、父との距離の現れだろう。父から何度か電話はあったが、出なかったチャーリー。 チャーリーがどのような経緯でロスに来たかは描かれていないが、飛行機で3時間の距離だそうだ。 それを陸路を3日も掛けて進む。大嫌いな父の車で、忘れ形見の兄を連れて。 自分が逃げ出した、避けてきた家族との距離を噛み締めながらの行程。 自閉症のレイモンド…自閉症の中のサヴァン症候群と言うそうだが、公開当時は大きなくくりの自閉症自体への理解も乏しかったためか、サヴァン症なんて言葉、後から知ったっけ。 レイの視線を表現したカメラワークが面白い。流れる電柱や道路の白線を見る目線。旅行の目的は観光地の絶景でも、行程の大半はレイが見るような“どうでも良いもの”を見てる。 この映画を見る少し前、たまたま修学旅行(人生初の長期旅行)で、行程の大半をレイと同じような“どうでも良いもの”を見ていた事に気がついて、一緒にアメリカを横断している気になれた。そんな個人的思い入れで、今でも一番大好きなロードムービー。 少ないお小遣いでLD買って、サントラCDも買って、今まで20回は見た映画だけど、カジノのブラック・ジャックの勝ち方がどうにもわからない。レイを使ってどうすれば勝てるのか…山に残っているカードが解っても、次にどのカードが自分に来るのか、どう解るんだろ?[ビデオ(字幕)] 10点(2021-05-09 13:07:55)《改行有》

170.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 決して完成度の高い映画ではないんだけど、不思議な魅力がある。 ただそれは、この時代、この映画に少しでも触れた人でないと、魅力的に感じないものかもしれない。 薬師丸ひろ子。映画界から生まれたトップアイドル。何でか知らないがブリッジで登場する。 …当時はトップアイドルでも、今の容姿端麗なアイドルたちを見ると、なんかこう、子供っぽいと言うか、やっぱり時代を感じてしまう。 効果的だったり無駄だと思えたりするワンカットカメラ。暴走族のバイクを借りて走り出す流れとか、最後の方の屋上で豆粒みたいな二人が塔婆なんかを焼くシーンは印象的だった。 原作未読だが、映画を見る限りマユミの存在が後半、投げやりというか、適当になった感がある。 泉の父とマユミの愛人関係。佐久間とマユミ。太っちょとマユミの親子の関係。こんなに多くの絡みがあるが、効果があったようにも思えず… ただ、親子のネタバラシが出た頃には、映画自体の方向性がおかしくなっていたので、仕方ないのかもしれないけど。 あの宗教団体とか秘密基地とか、変な拷問とか、着替えてリゾートブランチとか、実は歩けましたとか、太っちょのくだりが色々ブチ壊している。 良く言えばこの映画の不思議な魅力かもしれないが、必要性はあったのかなぁ?あの辺、丸々バッサリ… 浜口物産で、超有名な『カ・イ・カ・ン』からは、高品質なバイオレンス映画として見応えがある。 というか太っちょの秘密基地を考えると、奇跡的とも言える出来栄え。 『カ・イ・カ・ン』のとき、破片が頬に当たって実際に出血したのは有名だと思うけど、そこから政が撃たれてからの展開。 頭を撃ち抜かれる萩原の生々しさ。アイドル映画なのに。 政を抱く佐久間と泉。威嚇射撃をする泉。この時の2丁拳銃の構え方、威嚇の仕方がリアルで格好いい。 素人らしくピョコピョコしながらも、腰が引けつつも後方に視線と銃口を向ける。アイドルとは思えないほどの名演技。 エンディング。時代を感じるナレーションと、意味不明な路上ゲリラ撮影。変な画だけど、テーマソングの癒し効果が相殺してくれる。[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-04-24 22:09:17)《改行有》

171.  名探偵ホームズ2/海底の財宝の巻 《ネタバレ》 ~『青い紅玉』のつづき~ 青い…で描かれるロンドンの街並み、群衆の動き。海底…で描かれる戦艦の水兵たち、砲の動き。砲撃と爆発。 子供向けの作品だけど、作画やストーリーに手を抜かない姿勢がこの2作に込められている。 この当時は『大人の鑑賞にも耐えられるアニメ』なんてジャンルはなく、あくまでターゲットは子供だけだったのに、この作画クオリティ。 共同制作のイタリアに日本アニメの底力を魅せつける意味もあったかもしれないが。 戦艦のシーンで延々と流れる軍艦マーチ。時々チリン・ジャラジャラ…ってパチンコかい!遊んでるけど、ふざけてない。 キャラの見せ方が上手く、たった23分×2の作品なのに、メインキャラの性格がしっかりわかる。 ゲストのポリィにしてもライサンダー兄弟にしても、人じゃないけど怪鳥や潜航艇といったゲストメカも、1話のみの登場(TV版はあまり覚えていないので、たぶん他の回には出てこないと思う。)なのに、魅力が込められている。 これだけ短時間で密度が濃いにも関わらず、山盛りサンドイッチの調理や、飛行船のイギリス周遊など、本筋とは特に関係がないシーンだけど、宮崎作品らしいシーンをしっかり入れているのが凄い。 個人的な思い入れが強いため。とは思うけど、やはり宮崎監督の、一番脂が乗っていた時期の作品。 素人に声を当てさせたり、独り善がりな芸術性が出てなくて、監督の個性と商業作品としてのクオリティが共に高く出ている名作。[映画館(邦画)] 8点(2021-04-17 18:56:24)《改行有》

172.  名探偵ホームズ1/青い紅玉の巻 《ネタバレ》 懐かしい。劇場で続けて2回観て、TVシリーズで1回。今回は久々の視聴になる。まさかまた観られるとは… 正直、当時10歳の自分には、本命の風の谷のナウシカより、同時上映のコッチのほうが面白かった。 ここでのレビューは『海底の財宝』とは別作品の扱いなのね。 後年TV版を観た時、名前が微妙に違うので違和感を感じた記憶がある。 モロアッチ教授だったのにモリアーティ教授と呼ばれてたり、エリソン夫人がハドソン夫人だったり。 なんか、TV版はニセモノだって、そんな認識だった。 TV版の作画の甘さも気になった。ホームズやモロアッチ、エリソンの顔が人間臭かった。 恐らく制作第一話だった本作は、登場人物の顔が長めで犬っぽさが強い。やっぱこうでないと。 ウィキによると、この回はTV版の第5話だったそう。 モロアッチとの初顔合わせで「シャー(ベ)ック・ホームズ」と名乗る。ここがなんか、格好いいんだ。 当時の雑誌で『シャーロックと名乗った上に、後から(ベ)の音声を乗っけた』みたいな事が書いてあったけど、劇場では気が付かなかったな。 TV版では「ホームズ!」としか名乗らなくて、長年消化不良だったけど、ついに当時の劇場版を観られて感激。 劇場版初期の声が広川太一郎じゃなかったのも、今回初めて知った。 ~『海底の財宝』につづく~[映画館(邦画)] 8点(2021-04-17 18:54:36)《改行有》

173.  ダーティハリー5 《ネタバレ》 ~The Dead Pool~…って名前のゲーム。 ダーティハリー・シリーズとは思えないくらい、方向性が異なった映画。 中国系の相棒がカンフーを使うとか、ロック歌手の歌を結構な時間流すとか、この映画の見どころがシリーズらしくない。 そもそもガンズンの歌をロック歌手のジョニーが歌うけど、どういう設定だろう?あの世界ではジョニーの歌なのか? 最大の見所がたぶんラジコンカーとのカーチェイス。路面を這うようなカメラは結構迫力もあって、それ自体は面白いんだけど、やはり観ていて『あれ?いま、ダーティハリーを観てるんだよな?』ってなってしまう。 最後が愛銃M29じゃなく、より強力な銃でもなく、銛なのもどうだろう?シュワちゃんやスタローンでなく、キャラハンが銛を撃つ姿を観たい人がどれだけ居たろうか? キャラハンを主役にして撮りたい映画が思いつかない中、他にどうしても撮りたい映画があって、お金を集めるためにキャラハンのキャラクターを使ったのかな?って中身。シリーズを通して、これが最後の作品になったのも残念。たぶん作りたい映画が興行的にハズレた場合、このくらいのクオリティの6や7がポコポコ作られていた可能性もあったかもしれない。 3部作(1,2,3)+スピンオフ(4)で完結とするか、もっとプロットをしっかり練り込んで、最終作として5を作るかしてほしかった。 今回シリーズをぶっ通して再鑑賞したけど、5の評価だけは今も当時も上がらない。 アルバート・ポップウェルが出ないからかもなぁ。[ビデオ(字幕)] 3点(2021-04-03 19:16:07)《改行有》

174.  ダーティハリー4 《ネタバレ》 ~Sudden Impact~不意の衝撃。 4作目にしてアルバート・ポップウェルはハリーの相棒刑事になった。これは覚えていたわ、悲しい最後も覚えてた。しかし友人の出張先になぜ犬を届けるか。 今作はハリー・キャラハン・シリーズのスピン・オフの趣で、主人公はジェニファー。犯人側の心情が撮られたのは初めて。 舞台はサンフランシスコから、架空の街サンパウロに移る。キャラハンは出張でこの町に来ている。 『??俺たちって誰だ?』「スミスと、ウエッソンと、俺だ」カッコイイ。 復讐の相手を見つけるジェニファー(寄り)→事件のフラッシュバックの流れは、キル・ビルにそのまんまインスパイアされてると思った。 ジェニファーの描く自画像と、メリーゴーランドのユニコーンの顔が似てる。銃を手に復讐の為だけに生きる空っぽの自分と、ハリボテで出来た一角獣がダブったんだろうか? タイトル回収は最後のキャラハンの心変わりの事かもしれない。自分があんなこと言ってしまうなんて…的な?ジェニファーには、妹に復讐完遂を伝えたあとは、ぜひキッチリ自首してほしい。 今回、サンフランシスコから飛び出したり、途中から武器をオートマグにしたり、犯罪を見逃したり、最後に歌が流れたり…意欲的に新展開を盛り込んでいるが、この方向でのシリーズ延命はしなかった。色々反響があったのかもしれない。[地上波(吹替)] 6点(2021-03-31 23:52:09)《改行有》

175.  居酒屋兆治 《ネタバレ》 何が面白いかって聞かれると、居酒屋周辺の人達の生活模様というか、ちょっとしたエピソードを集めたお話で、盛り上がりとかそういうのでなく、全体の空気感とかが合うか合わないか?かも知らん。結構好き。 旧友の岩下との絡みがとても良い。1万円貯金のシーンで英治の頭をポカリ。もうその辺からの自然な演技というかアドリブと言うか、こんな楽しそうな健さんが観られるのが嬉しい。こういうのが田中邦衛の人柄だったり、ベテラン俳優さんの力なんだろうな。と思う。 釣りのシーンでも岩下との絡みが出てくるが、酒飲んで「コレ飲んで寝るぞ~!!」って、ふだん寡黙でペコペコしてる英治が大声になるのが良い。田中邦衛凄い。きっと小林稔侍は鉄道員で、こういう健さんの友達役をやりたかったんだろうな。 相場先生を囲んでのシーンも好き。目玉焼きが3つの話。ご褒美らしいから、次の日の朝なんだろう。夫と私と子供の分で3つ?大変だなぁ…大滝秀治、高倉健、小松政夫…きっと向こうの世界で同じように楽しくやってんだろうなぁ。 造船所の社長が趣味に金を使っての独りリサイタル。シュールだな。 秋本が奥さんの代わりに金属バット抱いて寝る話は泣ける。 それを話の一部だけ聴いて扇風機のことを悪く言う河原も、良い具合に悪いやつで良い。実際にこういう人いるし。 河原に殴られて事件にしなかった英治、河原を殴って警察に捕まる英治。なんか不条理だけど、こういうことも結構あるかも。 英治の年齢がかなり高齢(50歳くらい)に見えるけど、高校野球のエースだった話をちょくちょく持ち出すなら、もう少し若い設定(30代なかば)なのかもしれない。子供も小さいし。 20年くらい前に始めて観たっけか?あの時より今回のほうが楽しめた。10年後観たらもっと楽しめるかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-03-07 19:42:59)《改行有》

176.  男たちの挽歌II 《ネタバレ》 前作に引き続き、連続で見ました。 壮絶な死にざまを見せたマークの瓜二つの弟、ケン登場。 週刊少年ジャンプで無理矢理引き延ばされた連載を沢山見てきた世代なら、素直に受け入れられる。余裕。 ペギーをあっさり殺す展開。一度死にかけたキットを完全復帰させて殺す展開。こんなのもジャンプで見た見た。 娘を失い精神を病むルン。必要性はイマイチ解らないけど、熱の入った演技だった。ジャンプだったら尺稼ぎってところだが。 最後の屋敷での銃撃戦はものすごい。手榴弾で大爆発。そしてザコ敵の命の安いこと。まさにジャンプの王道だ。 どうして当時の香港映画が、ここまでジャンプ・ジャンプしてたのか、解らない。当時見ていたら印象も違ったろうか? 「銃を下ろせ!」「良いから米食え!」「…食った方が良いぞ」は面白かった。 あと、報酬を受け取らずにケンと一騎打ちした殺し屋、カッコいい悪役だった。[CS・衛星(字幕)] 4点(2021-02-11 22:06:37)《改行有》

177.  男たちの挽歌 《ネタバレ》 今回が初見。ほほう、タイトルが三つも… ~英雄本色~本物の英雄。 今回が初見。裏社会の住人だが家族思いのホーと、チャラいマーク。父との約束でこれが最後の仕事という所で捕まってしまうホー。一人復讐を果たすマーク。レストランでクルクル回って敵を撃つ。 ~A Better Tomorrow~より良い明日。 出所からカタギになる努力をするホーだが、弟キットは冷たくあしらう。一方足を怪我して落ちぶれたマークは、かつての部下シンの下で運転手をしている。兄のせいで父が殺され、出世も出来ない刑事キットは、手柄を立てようと躍起になっていた。昔を思い出し再起を図りたいマークと、キットの未来のために自分を犠牲にするホー。ホーとマーク、そしてキットはシンと最後の戦いの舞台へ。 ~男たちの挽歌~『挽歌』は葬式の時の悲しみを歌った送歌、エレジー。 …後付けの邦題を除いても、ちょっと欲張りすぎている気がするタイトル。 序盤のレストランのガンアクションがクライマックスと思っても良いくらい、今見ても格好いい。 最後の決戦、何故かマークは普通に走ってるけど、もうストーリーとかどうでもよくて、女性の持つ美しさで映画が作れるように、男の持つ男らしさで映画を作っても良いじゃないかって映画。 画面が切り替わるとき、コンマ数秒『一時停止』みたいになるの、何だろう? ピーター・ガブリエルが映画『バーディ』に作った曲が頻繁に流れるけど、サントラに入ってるのかな?版権とかどうなって…[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-02-11 21:40:57)《改行有》

178.  ガンジー 《ネタバレ》 いきなり本題からそれるけど、北斗の拳でガンジーを模したであろう“無抵抗の村”というのが出てくるが、拳王に論破・一蹴される。ガンジーの無抵抗イメージを誤解釈してた人も多少居たんじゃないかな?と思う。ガンジーの非暴力・不服従はむしろ、拳王の焼印を拒否して鉄板に向かうリンの行動が近い。 映画は、暗殺から始まり、若き頃の南アフリカの公民権運動まで遡り、人生を捧げたインド独立運動から、最初の暗殺場面と、ガンジーの生涯を走馬灯のように振り返る。宗教家・思想家だと思っていたけど、本職は弁護士だったんだな。 暴力に対し暴力を使わない戦い。非暴力は有名だけど、非協力が彼の武器だということが判った。イギリスから服や布を買うのを拒否し、塩を自分たちで作る。イギリスにとってインドは儲かるから価値があり、何も買わない、儲からない、言うことを聞かないインドは支配下に置く価値がなくなる。あれこれと植民地のメリット、独立のデメリットを話すイギリスに「それはインドの問題だ」と突き放すバプーは素直に格好いい。 当時欧米の列強国が世界を支配していたが、ヨーロッパだけでなくアジアや中東もゴチャ混ぜになっていたインドは、世界の中心、人種の縮図だったと思う。そんなインドの独立には太平洋戦争が大きく影響していると思うが、日本のことはあまり触れられていない。戦後、国を立て直すのに忙しいイギリスが、インドから手を引く形で独立が成立するが、今度はパキスタンの問題が出てくる。 宗教を超えた一つの国家を目指し精一杯の譲歩をするバプー達。少数派イスラム教徒を守りたいジンナーは「それはパキスタンの問題だ」と譲らない。イギリスの国旗に変わりインド、パキスタンでそれぞれの国旗を掲げて独立の式典が行われるが、バプーの住まいの国旗掲揚台にはどこの国旗も掲げられていなく、独りただ糸車物欲や宗教観をを動かすバプーの姿が印象深く描かれていた。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-01-30 13:37:06)《改行有》

179.  機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 《ネタバレ》 初見は劇場公開時、人生初の単独上映観賞作品。 新規作画多数。新設定でナンバリングされたガンキャノンが2機に。ギレンに美人秘書が、ララアの軍服、セイラの入浴シーンと見どころが多い本作。 オープニングのキャメル艦隊戦、スクランブル発進の慌しさに対し静かな音楽、やけに落ち着いたアムロと鳥肌モノの演出が映える。 ただ、初期の第2次世界大戦みたいな世界観から、ニュータイプが連呼されてオカルトっぽさが増してきたのと、登場人物がほとんど軍属で、戦場が舞台になっているので、サイド6編はあるけど、一般人目線での楽しみは少なく思う。 “白い奴”。敵が恐れる程の怪物となったアムロは、行方不明だった父と再会するが、父は自分や母への関心をすっかり失っていた。 守るべき人も故郷もなく、ようやく出来た愛する人を殺してしまったアムロは、自分の能力を戦争を終わらせるため、ザビ家を倒すために使うことにする。 一方ララアを失い、アムロにも勝てなかったシャアにとって、キシリアを殺すことは目的ではなくなっていた。ザビ家を倒すことよりニュータイプの未来を見てみたいというのはシャアの本音だったと思う。 若者が社会で突出した能力を発揮すると、自分よりちょっと劣るが有能だった先輩に、突然ヤキを入れられることがある。最後にシャアがアムロに挑んだ白兵戦がそれかもしれない。『究極のセールスマンは、落ちている石ころすらも売れる』と言うが、言い換えると『商品・売り物に依存しない』と言う意味らしい。ガンダムの操縦能力だけがアムロの考える自分の存在理由だったから、それを使って世の中の為に戦争を終わらせ、ララアのもとに行く。まるで社会人が、退職後のハワイ旅行だけを楽しみに休みも取らず会社のために命を削るようなもの。戦争の元凶が滅び、アムロは父の作ったガンダムを捨て、母に会いに行ったコア・ファイターすらも捨てて、生きて帰るべき所、自分にとって本当に大事なものを見付けられたエンディング。『ビギニング』そして『めぐりあい』と、挿入歌のタイミングも神がかっている。 アムロの脱出を誘導するカツ・レツ・キッカ。戦場で能力に目覚めたという解釈が一般的だろうか?彼らはこの誘導以前に、Ⅱでガンダム工場の爆弾を全部外したり、アムロに爆発のタイミングを叫んだり、脱走するコズン少尉を先回りしてトラップ仕掛けたり、そもそもⅠのサイド7で一緒に行動していた親が死んだのに、この歳の子どもがピンピン生きていたことも、彼らこそが本当の意味(殺し合いの道具じゃない)での生まれながらのニュータイプだったからだと思う。ジオン・ダイクンが提唱し、両軍が研究している謎の新人類ニュータイプ。アムロら少年少女が、悩み苦しみながら覚醒する能力。でも次世代の幼い子どもたちは、当たり前に、生まれながらのニュータイプ(しかも無自覚)だった。というのがこの作品最大のオチだと思う。 『宇宙世紀0080、この戦いの後 地球連邦政府とジオン共和国との間に終戦協定が結ばれた』 TVと共通のナレーションが、戦争の終わりをアッサリと伝える。これでガンダムの物語は終わった。その後は戦争(グリプス戦争とかネオ・ジオン紛争とか)の無い、ニュータイプの作る平和な世界が生まれた。 …だけど再放送から爆発的な人気になり、アニメを見ない大人までも巻き込んで社会現象になる。ガンプラ、グッズ、SF考察、コスプレ集会。そんな中で作られたこの三部作映画の最後、富野監督から英語のメッセージが入る。 ~そして、今は皆様ひとりひとりの未来の洞察力に期待します~ という意味だそうだ。大人にまで広がったこのブームは、監督には予想外だったんじゃないだろうか?少年少女の成長のために作ったものを、大人の事情でほじくり返して、また作らされる。自分の意図しない売れ方は面白くなかったに違いない。 だとしたらあの英文は「みんな誰でもアムロみたいなニュータイプになれるんだよ」と言う優しい言葉というより、「さぁガンダムブームは終わったよ。アニメに夢中になるのはやめて、学校や会社で頑張るんだよ」という、歪んだ社会現象に対する監督からのメッセージに思える。 当時は今以上に英語が生活に浸透してない時代。辞書片手に英語が読める歳になったら、俺の言いたいこと解るだろう。というメッセージ。 だから、富野喜幸(本名)が作りたかったガンダムは、ここで終わり。 以降作られる富野由悠季(ペンネーム)のガンダムとは、切り離して観てください。[映画館(邦画)] 9点(2021-01-09 20:03:54)《改行有》

180.  機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 《ネタバレ》 一作目の同時上映で観賞…Ⅲ公開直前のリバイバル上映だったようだ。ガンダム工場で子供達を捕まえる工作兵が怖かった。 今作はモビルスーツも登場人物も沢山出てくる。ミハルのエピソードは重要だけどアムロが脇役になるなど、単体の映画としては散らかってる印象。地域もあっちこっちに移動して忙しいが、地上編のダイジェストとしては上手にまとまっている。 アムロはモビルスーツ戦の経験と能力を積極的に役立てようと努める。ガンダムの操縦能力が自分の価値と考えての行動だが、ブライトとの考え方の違いから、脱走してしまう。15歳でバイク盗んでも歌になるくらいなのに、ガンダム盗むとか… 戦場以外の場所で敵と会い、何のために彼らと戦うのか考えるアムロ。グフは倒したが、ラルに自分の能力で勝てたのではないと言われる。人としてラルに勝ちたいと願うが、戦場ではそれは叶わなかった。 自分を好きだと言った敵の女性、良き先輩、憧れの人を失ったアムロの前に、かつての強敵シャアが現れる… 社会人で言うと、がむしゃらに経験を積んだ新卒が独り立ちし、自・考・動する辺りが本作。会社や社会を見る余裕が出てくると、努力を認めない上司とか、会社への不満とか、気になる異性とか、ライバルの力量なんかも見えてくるもの。 オデッサ作戦辺りまでを丁寧に描いて一作とした方が良かったように思う。シャアを出さないと女性客が入らないと考えたのかも? 主題歌『哀戦士』のタイミングは素晴らしいけど、『風にひとりで』はちょっと何度も掛かりすぎかな。[映画館(邦画)] 7点(2021-01-06 23:55:39)《改行有》

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