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プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1801.  SHORT PEACE 『武器よさらば』、そういえば昔ヤングマガジンかなんかに載っていたのを読みましたよ。あのころの大友克洋は『童夢』も描いていたし、この人の才能が満開に近かった時期ではなかったかな。それがこうやって30年の月日が過ぎてアニメになって甦るとは感無量です。彼の画はとてつもなく緻密だから、これぐらいの短編の尺が製作側としてもちょうど良いんじゃないでしょうか。いかにも大友らしいオチが微笑ましいとも言えます。他の三篇は時代設定が戦国時代や江戸時代という最近の彼の趣味が反映している感が強いですが、『武器よさらば』との組み合わせは映画としてはどうなのかなと首をかしげるところがあります。でも個人的には『火要鎮』の独特の世界感がツボでした。 大友克洋と言えば『気分はもう戦争』や『童夢』のアニメ化が実現する可能性はないんでしょうかね?やっぱり『童夢』はあまりに画が凄すぎて無理かもしれない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-02-27 23:38:10)

1802.  封鎖作戦 《ネタバレ》 もし私が“若いころから容貌が変わらなかった俳優ベスト10”というランキングをするなら、間違いなくベスト1の称号を奉るのはトレヴァー・ハワードです。彼ほど生涯顔つきが変化しなかった男優は他にいないんじゃないでしょうか、ということは若いころから恐ろしく老けた顔だったわけですけど(笑)。 この映画の原題は“Gift Horse”、これは第二次大戦中にまだ参戦していなかった米国が英国海軍に貸与した中古駆逐艦のことを表しています。第一次大戦中に建造されたレトロな艦で、平甲板で煙突が4本もついていて“four-pipers”などとも呼ばれていました。この中の一艦の艦長に任じられたのがトレヴァー・ハワードで、彼は戦前に衝突事故を起こして海軍を退役させられた古傷を持っています。任務は船団護衛ですから地味な物語展開で、前半はこのオンボロ艦との悪戦苦闘ぶりがメインで、沈没船とは衝突するわ防潜網をスクリューにからませるて立ち往生するわでほんといいとこなしです。旧帝国海軍ならこの艦長は間違いなくクビでしょうが、船団護衛に猫の手も借りたい英海軍はそれどころじゃないってわけです。興味深いところは艦長を含めてこの艦の乗組員はほとんどが招集兵であることで、戦闘艦には現役兵しか乗せなかった帝国海軍とはこれまた違いますね。この乗員の中にはリチャード・アッテンボローがいます、50年代に撮られた英国戦争映画には必ずと言っていいほど彼がわき役で出演している感じがするぐらいです。 ストーリーは後半からガラッと変わってこの駆逐艦が特殊作戦に加わってフランスのドイツ軍港に突入することになります。これはサン・ナザール軍港に突入して艦ごとドックをふっ飛ばした「チャリオット作戦」の史実に基づいています。つまりこの映画のHMSベントレーという駆逐艦は、実はこの作戦で戦史に名を遺したHMSキャンベルタウンだったというわけです。偽装のために煙突を二本に減らしたり突入後は艦長以下の生き残りが捕虜になって終わるところなんかは史実通りですけど、作戦名や細かい部分は架空になっています。当時はまだ戦後まもなくなので、こういう特殊作戦については機密解除になっていなっかったからなのかと推測されます。そういう事情もあってか、この突入作戦をメインに出来なかったので牧歌的ですらある前半部との継ぎはぎ感はけっこう半端ないですね。まあそこら辺にこの映画の味があると言えなくもないんですけどね。[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-02-11 22:39:10)

1803.  ヒトラー暗殺、13分の誤算 《ネタバレ》 『ヒトラー最期の12日間』を撮ったオリヴァー・ヒルシュビーゲルが、ヒトラー暗殺未遂事件である“ビュルガーブロイケラー爆破事件”にスポットをあてて再びヒトラーものに挑戦です、もっともヒトラー自身はほんの一瞬しか登場しませんけど。 田舎の工員だったゲオルク・エルザ―という男がヒトラーが毎年演説するミュンヘンのビヤホールに爆弾を仕掛けますが、見事爆破には成功したが13分早くヒトラーが退出してしまったために暗殺には失敗した事件です。冒頭でエルザ―はあっさり逮捕されてしまい事件をクライマックスにしての緊迫感をあおるようなストーリーテリングではなく、ゲシュタポがエルザーを取り調べる過程がこの映画のメイン・プロットということになります。エルザ―は割とあっさり自白してどうやって事件を仕組んだかを回想するわけですが、実は彼の単独犯行でした。史実通りなんですけど、確かにヒトラーまでもが背後の陰謀組織の存在を疑ったのは納得できるほど、この男の行動は不思議です。共産党シンパなのに敬虔なクリスチャンというだけでも矛盾していますが、人間の心の中なんてそう簡単に割り切れるものじゃないのも確かでしょう。その辺りは余り突っ込んだ描き方をしていないところがあり、自分としてはちょっと不満です。この映画の脚本の肝は、取り調べるゲシュタポ高官のアルトゥール・ネーベとエルザ―のやり取りにあるのは間違いないでしょう。このネーベという人は、映画のラストでもふれられている様になんと1944年のヒトラー暗殺未遂事件に関与して処刑されているんです。もっと驚くことはエルザ―自身も終戦1か月前までざっと6年近く処刑されなかったということでしょう。こうなるとヒトラーの考えることですから謎としか言いようがありません、「俺を殺そうとしたエルザ―が死ぬときは、自分も死ぬときだ」とでも思っていたのかな? 最近ドイツではエルザ―の記念切手が発行されたりして英雄扱いなんだそうですが、なんか「ドイツ人よ、ちょっとおかしくないか?」って気がします。結局彼が仕掛けた爆弾ではナチ党員とはいえ普通の人が死んだだけなんですから、こうなるとテロリストと英雄の違いとはいったいなんなんだろうと悩んでしまいます。彼を英雄視するのは、民主的な選挙でナチスに政権を取らせてヒトラーを国民投票で総統にしてしまったドイツ人の後ろめたさの現れかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-24 21:49:28)

1804.  SPY/スパイ 《ネタバレ》 最近ブレークしているメリッサ・マッカーシー、こないだ刑事役をこなしたんで予想通りの女スパイ役が回ってきました。ジェンダーレスなヒロインが流行っている昨今ですから当然といえば当然。CIAの後方支援OLが現場に出てゆきスパイとして意外な大活躍をするというのは誰でも考え付きそうなプロットで、内容もいろんなスパイ映画やアクション映画の軽いパロディをちりばめて引っ張る安定のコメディです。ジュード・ロウは最初の登場シーンからその後の展開が読めるベタさで、彼自身も「遊びで出演してます」と言い出しそうなリラックスというか軽い演技ですね。相変わらず役作りもしないでいつものまんまの無精ひげキャラのジェイソン・ステイサムの方が、仕事のし過ぎでパンチ・ドランカーになってしまったようなドジなエージェントで妙に可笑しかったです。主演のメリッサ・マッカーシーははっきり言って日本じゃ人気が出そうもないタイプですけど、このおばさんの軽い下ネタをちりばめたしゃべくりはなかなかの迫力です。最後まで引っ張ったIDネタはベタですけど笑っちゃいます。でもなんで彼女が銃を撃たせたら百発百中なのかは、マジで謎です(笑)。 さてメリッサさん、次はどんな危険な職業を演じるんでしょうか、消防士か兵士あたりかな?[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-21 22:38:33)

1805.  ラストベガス 《ネタバレ》 『ハング・オーバー』シリーズの後期高齢者版かよ、って思って観始めましたが、さすがにあれほどバカバカしく弾けてはないしそこそこ品よくまとめましたって感じです。なんてたってこの4人のオスカー俳優を揃えたってところはすごいもんです。デ・ニーロとマイケル・ダグラス、デ・ニーロとモーガン・フリーマン、この組み合わせは今まで観たことないし、4人目にケヴィン・クラインを持ってくるところがまたセンスがイイですね、まさに夢の競演(ちょっと渋いんですけど)でしょう。 脚本自体は映画学校の生徒が書いたような臭さがありますけど、それでも終盤にかけては名優たちの渋い演技のおかげでグッときましたね。それしても、マイケル・ダグラスとメアリー・スティーンバージェンが乗る高層ホテルの天辺から落ちるコースター、観てるだけでもマジで怖かったです(笑)。[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-13 22:26:55)

1806.  殺人遊戯 《ネタバレ》 村川透も二作目の監督とあって、前作よりは多少こなれてきた感もあります。『遊戯』シリーズの鳴海は名前と松田優作が演じるというだけが共通でそれぞれが別キャラみたいなもんですが、たしかに本作では『探偵物語』の工藤そのまんまというイメージが濃いですね。鳴海が使うマグナムは発砲音が『ダーティハリー』なみにグレードアップしてきましたが、他の拳銃は相変わらずショボい音です。まあとにかく鳴海はこの映画でも人を殺しまくりますけど、殺される雑魚キャラたちがひどい。さすが東映だけあって、撃たれたリアクションが大昔の時代劇の斬られ役みたいなオーバーアクションの連続で失笑させられます。さすがに佐藤慶や中島ゆたかの殺され方は堂に入っていましたが、そのあたりで使われるスローモーションはあんまり意味がないような気がします、単に尺を稼ぐためだったんでしょうかね。 前作に続いて鳴海の行動原理は理解不能で、何を考えているのか全然伝わってきません。もっともあまり深く考えて書かれた脚本じゃないのは見え見えなので、そんなこと突っ込んでもしょうがないですね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-12-22 23:50:58)

1807.  ガガーリン 世界を変えた108分 《ネタバレ》 ストーリーテリングは伝記映画としては王道というか極めてオーソドックスです。感じとしてはソ連版『ライトスタッフ』という雰囲気もあります。でもその視点にはまるで旧ソ連の時代の映画のようなところもあり、西側を「敵」と呼んだりボストークの成功を喜ぶ市民の描き方がとっても臭かったリします。あといろいろと初めて聞くような事実も盛り込まれていて、もし西側に着陸した場合に「敵」の手に渡らないようにボストークには爆薬が仕掛けられていたなんてびっくりです。でもガガーリンの帰還方法はマジで驚愕ものです。大気圏突入後に射出座席で脱出してパラシュート降下していたなんて初めて知りました。これって、もし水面に着水しちゃったらどうするつもりだったんでしょうかね、たぶん溺死でしょう。たしか私の子供ころはカプセルとともに着地したってことになってましたけど、調べてみるとそれはソ連が発表したウソだったそうです。 ガガーリンは史上初めて地球を宇宙から観た人類なんですから、その体験の意義をもう少し突っ込んで描いても良かったと思います。たとえ「そこに神はいなかった」が本当の感想だったとしてもね(“地球は青かった”という有名な言葉はジャーナリズムがこれまたでっち上げたものらしいです)。[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-16 22:35:33)(良:1票)

1808.  赤裸々な事実 《ネタバレ》 スキャンダル雑誌の編集者にネタをつかまれて脅迫された名士たちが被害者同盟を組んで編集者を殺そうとするけど、なかなかこの男がしぶといというか名士たちがかなりのドジ揃いでちっとも上手くゆかないというお話。ネタを掴まれた4人は人気芸人・保険会社社長・女流推理作家・モデルといった顔ぶれですが、はじめは4人とも互いを知らずバラバラに動きます。また編集者を殺そうとするのはそのうちの芸人と推理作家で、社長とモデルはただあたふたしてるだけ。という接点のない4人がついにグループを結成して奇想天外な行動に出るまでの過程がなかなか可笑しいです。ピーター・セラーズは芸人役でお得意の変装芸を駆使して笑いをとりますが、変装と言っても後年の破天荒なやつとは違って髭をつけて老けるぐらいのものです。そのセラーズを意外なことに喰ってしまったのが保険会社社長のテリー・トーマスで、正直彼の方が面白かったといえます。 ラストに仕掛ける大作戦がちょっと奇抜でそこからの展開だけはスピーディなんですけど、中盤までがかなりもったりし過ぎていたのは良くなかったですね。そして期待していたブラック風味もかなり薄味だったところもマイナスだったと思います。[DVD(字幕)] 5点(2016-12-09 23:47:58)

1809.  最も危険な遊戯 《ネタバレ》 初期の松田優作といえばなんといっても『遊戯』三部作ということになりますが、思うに『最も危険な遊戯』というタイトルは邦画史に残るカッコよさでしょう。たぶん邦画で初めて44.マグナムを使ったアクションだと思います。当時流行っていたモデルガンをそのまま使っていたんだと思いますが、あの発砲音のチープなところは何とかしてほしかったところです。マグナムだけじゃなく時おり出てくる自虐的なセリフやラストの鉄板腹巻きを観ても、松田優作はこの映画でハリー・キャラハンというかイーストウッドを目指していた感じがします。でもイーストウッドを遥かに凌ぐ身体能力があるので、彼独自のアクション世界が構築されていると思います。彼が病院に忍び込むシークエンスで、見張りの背後の塀に猫みたいに上ってくるシーンがありますが、普通に考えれば音や気配で気づくでしょうが優作ならあり得るんじゃないかと思わせる説得力があります。あと車を延々と走って追いかけるところも、彼なら許されるんじゃないですか。 ストーリーも粗削りというか雑の一言ですが、やっぱ見どころは田坂圭子でしょう。東映の悪いところで女性の描き方はこれまた雑なんですけど、彼女のヌードは眼福でした。本作だけで女優をやめてしまったそうで、調べてみるとその理由については真偽不明の噂がありますが、これだけってのはちょっと残念ですね。[映画館(邦画)] 5点(2016-12-07 18:11:34)

1810.  不思議な世界・未来戦争の恐怖 《ネタバレ》 リチャード・レスターといえばケン・ラッセルといい勝負ができる英国映画界の鬼才ですが(もっともレスターは米国人ですけど)、そのフィルモグラフィの中でももっともカルトで奇天烈なのが本作でしょう。自分もいろいろと映画を観てきましたが、本作はその奇妙さではベスト5にランクインできる珍作です。 なぜか核戦争が起こってしまってロンドンは核ミサイル直撃されて文字通り蒸発、まあ世界大戦じたいは2分30秒で終結してしまったそうですが。そういう設定なので壊滅後のロンドンは地表には車の残骸や食器が散乱するほとんどなんもない荒地で、どっかのゴミ捨て場みたいなところロケしたみたいです。映画の雰囲気はそういえば『不思議惑星キンザザ』に似ているとも言えますけど、登場人物の奇天烈さと薄汚さははるかに凌駕してます。もう出てくる連中がヘンな奴ばっかり、そして見せられるギャグは下らないを通り越してシュール過ぎ、さすがに訳が判らず全然笑えません(でもBBCニュースのキャスターのくだりだけは傑作)。しかし放射能の影響で人間が部屋や家具といった無機物や動物に変化してしまうというのは、なんかカフカ的な不条理が感じられてちょっと面白かったです。登場人物の中でもラルフ・リチャードソンはなぜか“部屋”に変身しちゃいます、それにしてもサーの称号を持つ名優なのにこの人けっこう前衛的というかヘンな映画によく出てますよね。ローレンス・オリヴィエやジョン・ギールグッドに比べるとその傾向は顕著で、けっこう茶目っ気がある人だったのかもしれません。 本作はもちろん本邦未公開、本国でもあわやおクラ入りされかけたといういわくつきで、さすがのリチャード・レスターも好き勝手に撮ることはできなくなって以降は単なる職人監督としてしか映画界で生きることができなくなりました。それを思うと、我が愛するケン・ラッセルは死ぬまで好き勝手し放題できて幸福だったんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 5点(2016-12-03 23:21:15)

1811.  俺達に墓はない 《ネタバレ》 松田優作と岩城滉一がコンビ、この関係は『傷だらけの天使』のショーケンと水谷豊みたいな感じです。岩城滉一がおカマというかバイセクシャルであるという設定も似ていますね。でもこの映画の松田優作はとぼけたセリフ回しはしてますがかなりの悪人です。冒頭からヤクザの事務所を襲撃するのに必要な銃を調達するために爆弾騒ぎを起こしてデパート強盗をやらかします。相棒の岩城滉一がと事務所に突入すると、金庫のやばいお金にに目をつけていた志賀勝に先を越されて2000万円持ってかれてしまいます。これが縁でコンビを組んだ優作と志賀勝とのけ者にされた岩城滉一が、次の6000万円強奪を巡って三つ巴の争いを繰り広げるというわけです。 Vシネマのご先祖にあたる東映セントラルフィルムの作品ですから、緩いところは満載です。志賀勝がヤクザの車から逃げ出すところなんか、「そんな間抜けなヤクザはおらんやろ!」と遠慮なく突っ込ませていただきました。低予算なんでとうぜん街頭ロケ多用なんですが、すれ違った通行人が「今のは松田優作だ」とあきらかに気が付くリアクションまでそのまま使われていて、ほとんどゲリラ撮影だったみたいです。でも当時の東映セントラルの作品には欠かせないカー・アクションだけはなかなか力が入っています。主役とは言えないにしても、これほど志賀勝が活躍(?)する映画は初めてのような気がします。全体的にハードボイルドというにはちょっと圧が低いような感じですし、あの結末は予想外としか言いようがないもので、ある意味予測不可能なストーリーだったんじゃないでしょうか。 それにしてもあの東映セントラルのマークは久しぶりに観たけど懐かしいですね、場末の便所臭い名画座なんかでこのロゴを何回観たことでしょうか。青春の思い出です。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-11-30 21:40:20)(良:1票)

1812.  1984(1984) こんなに有名な原作なのに、いままで映画化されたのは50年代のハリウッド映画と本作だけというのは意外です。でも影響を受けた映画となるともう数知れずで、『未来世紀ブラジル』なんてもう完璧な『1984年』のパロディですからね。 さて『1984年』の唯一の完全映像化作品となる本作ですが、名優リチャード・バートンの遺作でありまたわが国で初めてヘアー解禁された劇場公開映画として知られています。ジョン・ハートにリチャード・バートン、陰鬱なストーリーには持って来いの二人ですからこの映画のキャスティングとしてはハマりすぎです。ヒロインはほとんど無名の地味な女優だし、これじゃ気分が上がる要素は皆無ですね(笑)。また全体主義体制の社会がマジで「こんな世界に生まれていなくてほんとに良かった」と安堵させられる代物で、昔のソ連や東欧諸国ではこんな映画を上映したら処刑か収容所送りは間違いなしでしょう。“ビッグ・ブラザー”はスターリンのカリカチュアとして有名ですけど、物語の中では実在するのか不明な存在として描かれているところはなかなか深いものがある思いました。 でもね、この映画を観て愉しめるかというと、それは全くの別問題。いろいろ考えさせられることも多かったですが、気分が落ち込んでいるときに観てはいけませんよ。[ビデオ(字幕)] 5点(2016-11-12 22:18:59)(良:1票)

1813.  バッド・テイスト 素人感丸出しの俳優たちの下手な演技にまるでカーペンター親父みたいにチープな音楽(でもラストに流れるロックはちょっとカッコよかったな)、おまけに画面には女優が一人も登場しないといういかにもマニアが撮った自主製作映画という風情です。エイリアンもどっかのゆるキャラみたいな不格好さで、後半の救出劇はSWAT対テロリスト、というよりも好きものが集まってサバゲ―をやってる感じでしょうか。でもスプラッター描写だけは半端なくて親玉エイリアンを人間串刺し殺法で始末するところなんかは、こんなこと思いつくなんてやっぱピージャクは頭がおかしいとしか言いようがないです。完全に狂ってるデレクをあんだけ嬉しそうに演じてるのを観ると、これが後年オスカー総なめする大作を撮る人になるとは想像すらできないですよ。やっぱピージャクはオタクの輝ける星です。[ビデオ(字幕)] 5点(2016-11-08 23:36:50)

1814.  ローヤル・フラッシュ 《ネタバレ》 舞台は19世紀半ばの各地で革命騒ぎが煮えたぎっていた頃のヨーロッパです。アフガン戦争で、攻められた砦の中でひとり生き残ったがために英雄と勘違いされて有名人になった軽騎兵フラッシュマン大尉が主人公。その主役を張るのがマルコム・マクダウェルですが、意外なことにリチャード・レスターの映画に出演したのは本作だけだったんです。そこにビスマルクやローラ・モンテスそしてバイエルンのルートヴィッヒ狂王など実在の人物を絡めた、この頃のレスターがハマっていたドタバタコメディです。ビスマルク役がレスター剣劇には欠かせないオリヴァー・リードでございます。でもリチャード・レスターはこういうアクション・コメディの演出が下手というかはっきり言ってセンスがなく、最後までなんかモタモタしたまま行ってしまった感が強いです。『三銃士』あたりから始まった傾向ですけど、この監督は大掛かりなお話よりもこじんまりした世界でのシュールな笑いじゃないと本領発揮ができなかったみたいです。こういうところは、あのぶっ飛んだケン・ラッセルの方が上手だったと思えてなりません。 高貴な方のそっくりさんが登場というヨーロッパ王室ものの定番プロットもあり、途中から二役のマルコム・マクダウェルはそれなりに頑張っていたかと思います。この人が善玉というかヒーロー役を演じたのは70年代のこの時期だけだったみたいで、それ以降悪役やアンチヒーローに特化したのは正解だったんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 5点(2016-10-09 22:06:06)

1815.  何かが道をやってくる 《ネタバレ》 “Something Wicked This Way Comes”といえば最高傑作と評する人もいるぐらい名高いレイ・ブラッドベリの長編小説ですよね。確かにダーク・ファンタジーですけど、これをディズニーが映画化しちゃったというのは微妙でした。ちょっとジュブナイルによりすぎてしまって、原作の持つダークさが薄れてしまっています。監督が怪談ものを撮らせたら凄腕のジャック・クレイトンですから、もうちょっと何とかならなかったのかと思ってしまいます。でもパム・グリア―姐さんの魔女だけはなかなか色気があってよろしかったです。 噂によると本作は現在ハリウッドでリメイクが撮影中とか。監督は『高慢と偏見とゾンビ』の脚本家なんだそうですけど、どうせならティム・バートンかテリー・ギリアムに撮ってほしかったところです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-01 20:41:37)

1816.  宇宙からの脱出 《ネタバレ》 ジョン・スタージェスがこんなハードSFも撮っていたとは知らなんだ。まるで翌年に起こるアポロ13号事故を予言するかのような内容にはちょっと鳥肌ものです。 まず印象深かったのが、主任管制官を演じるグレゴリー・ペックです(ロン・ハワードの『アポロ13号』ではエド・ハリスが演じた役どころですね)。はっきり言ってこの管制官は驚くほど非情ですね。ペックがかつて演じた『頭上の敵機』のサヴェージ准将みたいなキャラというとわかりやすいでしょうけど、いやそれ以上の恐ろしいキャラです。前半のやり取りを観てると、この人始めっから救出に行くことは考えずこの事故をどうやって発表するかとか官僚的な対応しかしません。デヴィッド・ジャンセンの出した救出プランもデータを観ただけで不可能と却下しますし、大統領直々に懇願されてようやく動き出す有様です。まあ現実のNASAでも熱い松岡修造みたいな人間はそうそういるはずもないですし、これがリアルというものなのかもしれません。 前半はそういう不愉快な登場人物のせいもありあまり盛り上がりませんが、ハリケーンの目をぬって救出艇を打ち上げてからは俄然緊迫感があふれてきてスタージェスらしさが出てきます。酸素残量が救出艇が到着するまで持つかというサスペンスは最後の方では「到着まであと6分」を完全に映像とシンクロさせていて、まさにハラハラドキドキです。でもネタバレが過ぎちゃうのであまり詳しくは言えないんですけど、“酸素の残量を持たせるためにとられたある秘策”はとても後味が悪かったとしか言いようがありません。この辺りはキリスト教的な倫理観なんでしょうかね。 アカデミー賞をゲットしていますけど、宇宙空間で逆噴射したら炎が噴出したり船外作業したら音がしたりと特撮の科学考証はイマイチでしたね。判りやすくしたつもりなんでしょうけど、すでに『2001年宇宙の旅』が世に出た後ですからねえ…[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-09-17 23:42:11)

1817.  モンティ・パイソン・アンド・ナウ 《ネタバレ》 モンティ・パイソンは高校生のころにTV放映されていましたけど、しょうじき観るのが怖かったです。だってテリー・ギリアムのアニメーションがシュールすぎてあまりに不気味でしょ。友達にも同意見が多かったと思います。たぶんモンティ・パイソンに影響受けたと思うのはご存知『ゲバゲバ90分』ですが、こっちはギリで小学生でも理解できたかなと思います。その『空飛ぶモンティ・パイソン』の初期シリーズのネタをそのまんま映画として撮りなおしたのが本作。久しぶりに観たモンティ・パイソンはまあなんというか、いくら東京12チャンネルとはいえ良く地上波で放送できたもんです。本国じゃBBCで放送してたってのがまたすごい(とはいえ後期シリーズではけっこう検閲されてそうです)。しかしながら使われているギャグの中に「バカ歩き省」や「スペイン宗教裁判」という超有名なのがなかったのはちょっと失望でした。でも「死んだオウム」「木こりの歌」あたりからの後半20分は怒涛の勢いで圧倒されました。 やはりモンティ・パイソンは吹き替えで観るのが最高です。ラストのテリー・ギリアム吹き替え古川登志夫の「洒落だよ、シャレ!」の捨て台詞がまた素敵です。[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-09-14 21:07:50)

1818.  原子怪獣現わる 《ネタバレ》 怪獣映画の古典中の古典ですが、恥ずかしながら今回初鑑賞となりました。米国が水爆実験に成功した直後の映画で、初めて核と恐竜を結び付けた映画として記憶されています。とはいってもその核の知識は恐ろしく低レベルで、だいたい北極で水爆を爆発させたらおそらく氷のほとんどが溶けるか蒸発してしまって大変なことになっちゃいます。そして核兵器の実験をまるで科学の進歩みたいに描く神経は不愉快極まりなしです。まあ50年代のアメリカ映画にそんな文句を垂れてもしょうがないですけどね。ストーリーライン自体は後年の映画に影響を与えていることからわかるように、オーソドックスです。リドサウルスの造形と特撮は、さすがハリーハウゼンの仕事だけあって当時としては高レベルだと思います。原作はレイ・ブラッドべリの短編小説『霧笛』だそうですが、灯台が襲われるシーンあたりが原作の痕跡なんでしょうか。機会があれば『霧笛』も一度読んでみたいです。[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-08-06 23:56:40)(良:1票)

1819.  火線地帯 《ネタバレ》 脚本は石井輝男が書いていますけど監督はしてません。 “ライン・シリーズ”と言っても秘密売春組織がプロットになっていることと石井輝男が監督で三原葉子が出演していること以外に共通点はなく、そういう意味では純粋ないわゆる“ライン・シリーズ”とは言い難いところがあります。 ストーリーは100丁の拳銃の闇取引をめぐる陰謀に巻き込まれるチンピラ・コンビと謎の男天知茂を軸に展開します。今回の天知は軽妙なコメディ・ロールといった役柄で、この人はけっこう器用な役者だったんだなと感心します。ギャングのボスには何と田崎潤が起用されていて、その愛人はご存知三原葉子というわけです。彼女はいつものお約束の“X星人キャラ”、つまり悪の組織の一員だけど寝返って最後は命で償いをする、ってやつです。新東宝では悪の親玉には大友純(今回は敵対組織の親玉)の様ないかにもな俳優たちがキャスティングされるのが通例ですが、さすがに田崎潤だと風格がありますね。でも彼じゃあなんか立派すぎて見えてしまって、あまり悪辣な感じがしなかったですね。そうなんです、この映画については新東宝に独特な安っぽさや登場人物の奇妙さが消えていて、妙にふつうの映画っぽいんですよ。まあ同時期の日活の無国籍アクションに近いレベルまで倒産間際になってやっとたどり着いたかな、という感じですかね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-28 22:47:33)

1820.  黒線地帯 新東宝のいわゆるライン・シリーズの中では、『黄線地帯』ほどのインパクトはないけどそれでもかなりテンポも良くて一般受けしただろうなと思います。考えてみると、三原葉子は天知茂と組むといい味が出るんですよね。これは石井輝男の脚本の功績であるのは間違いないです。この映画でも、天知茂が演じるトップ屋の軽妙で歯切れの啖呵は、聞いていて実に愉しいです。でも所々で急に天知の喋りが畏まった説明セリフになるところがあり、そこら辺は石井だけじゃなくて宮川一郎も脚本に参加していたからなのでしょうか。中盤にあるバーのシークエンスでは、言葉が喋れないホステスやモロにオカマと判るホステスが出てくるという不思議な空間で、いかにも石井輝男ワールドといった感じがして面白かったです。またカメラにもけっこう力が入っていて、新東宝にしては珍しく陰影のはっきりした画で登場人物のアップを撮っていて、石井輝男という人はけっこう画作りに拘った面も有ったんだなと再認識させられました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-26 22:11:00)

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