みんなのシネマレビュー |
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1821. 大帝の剣 映画監督「堤幸彦」に対する自分の評価は、決して高いものではありません。『トリック』や『ケイゾク』等テレビドラマは抜群に面白いのに、映画だとサッパリという印象です。何故か。堤作品の真骨頂はキャラクターの面白さだと思います。山田奈緒子&上田教授や柴田・真山刑事ペア等、まず愛すべきキャラクターありきの作品。十数話かけて人物を育てられる連ドラならともかく、短い尺で勝負しなければならない映画向きの監督では無いと思います。本作はどうか。大味なストーリーに整合性は求められていません。監督の得意分野、キャラで勝負できる作品でした。でも残念ながら不発。主要キャラはイマイチ。特に姫様。サブキャラにしても遠藤憲一や力也など、面白い役者が揃っているのに特殊メイクで魅力を殺されています。これが堤幸彦クオリティと言ってしまえばそれまでですが、どうも腑に落ちない。テレビドラマはホントに面白いので、映画でも頑張って欲しいです。ホントにお願いします。『20世紀少年』大好きなんですから。[DVD(邦画)] 5点(2008-08-05 19:00:15) 1822. ナンバー23 《ネタバレ》 近代化前ならいざ知らず、アンゴルモアの大魔王がついぞや現れなかった21世紀に『23の呪』と言われても、ピンと来ないというのが本音です。オカルト系ホラーなら納得出来ますが、作品の雰囲気はいたって通常サスペンス。これではオチに期待できません。案の定の結末にカタルシスは在りませんでした。ただ引っかかるのは、妻があの本を何故夫にプレゼントしたのかということ。こんな偶然ってあるのかな?こっちの方がよほど謎めいている気がします。23番投稿、失礼いたしました。[DVD(吹替)] 5点(2008-07-27 23:23:23)(笑:2票) 1823. 巨乳をビジネスにした男 《ネタバレ》 実録、イエローキャブ(現サンズ)野田社長物語。どこかで聞いたようなエピソードの積み重ねでしたが、それなりに興味を持って観ることができました。業界話、苦労話は面白いもの。社長が所属タレントから慕われている理由も分かった気がします。でも何か物足りない。もっと泥臭くて濃い“野田義治”を観たかったです。ちなみに、巨乳タレント(の水着)をわんさか拝めそうなタイトルですが、ほとんど無し。もっとも自分はこれっぽっちも期待していませんでしたので、ガッカリせずに済みました。本当に本当に良かったです。[DVD(邦画)] 5点(2008-07-25 19:22:23)(笑:2票) 1824. パーフェクト・ストレンジャー(2007) 《ネタバレ》 筋立ては至ってシンプルですし、真相へ繋がるヒントも数多く出されています。だのに、何となくごちゃごちゃしている印象。その結果、どんでん返しのカタルシスが目減りしていると感じました。もったいない。物語の主軸を明確にして、スッキリと見せる工夫が必要だと思います。もっとも本作最大の難点は、疑惑の男ヒルが全然悪そうに見えないこと。B・ウィリスの配役に難アリ。[DVD(字幕)] 5点(2008-07-13 19:45:55) 1825. エボリューション これぞB級映画!脚本が粗いです。説明不足や強引な展開が散見されます。ただ、腹立たしい要素も無いので、リラックスして観るにはいい映画です。ところで本作のシンボル、三つ目のスマイルマークって何処かに出てきましたっけ?[DVD(字幕)] 5点(2008-06-24 21:26:13) 1826. デス・プルーフ in グラインドハウス 監督が愛情と郷愁を込めて作った“ザッツB級”映画。例えるなら駄菓子だと思いました。大人にとっては懐かしの味。駄菓子の特徴は、欠点がそのまま長所だということ。曰く、品質が悪い、安っぽい、栄養価が低い、子供騙し…。けなすことならいくらでも出来ます。でも好きな人にはソコがたまらないポイント。だから本作は批判を受け付けない作品だと思います。文句を言ったほうが負ける。でもあえて言いましょう。本作は『う○い棒』だと。その心は…味は濃いけど中はスカスカ。でも好きなんだよな、チーズ味。[DVD(字幕)] 5点(2008-06-12 19:33:43)(笑:1票) (良:1票) 1827. それいけ!アンパンマン ゴミラの星 《ネタバレ》 『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』の映画シリーズは、子供向けでありながら、大人の鑑賞にも堪え得るというコンセンサスを得ていると思います。自分も大ファンです。魅力的なキャラクターとブレのない世界観、それに優れた物語性が人気の秘密だと感じます。そこで『アンパンマン』。キャラクターの知名度や人気は先に挙げた2作品に劣るものではありませんが、映画としての評価はあくまで“幼児・子供向け”の範疇。でもそれは本シリーズのコンセプトを考えれば正しいですし、設定やストーリーの甘さが、逆に面白いと感じます。ハマるとちょっとクセになるかも。本作もまさしく、そういうアンパンマン映画には違いないのですが、少々路線を間違ったと思いました。大人に迎合するような安易な感動を追っているように見えました。ゴミラの選択した行動は自己犠牲。アンパンマンの精神に沿うものです。でも命を捨てる選択を簡単に是として欲しくない。子供向け映画だからこそ、そう思います。アンパンマンは、いつまでも「小さな子供に安心して見せられる」作品であって欲しいと思いました。(2009.8.8追記)ヤーダ姫…(泣)ダメ。ゼッタイ![DVD(邦画)] 5点(2008-05-29 19:23:30)(良:1票) 1828. 屋根裏の散歩者(2006) 《ネタバレ》 主演の嘉門洋子は、成人向けの劇画世界から抜け出たようなルックス。エロい。それはもう絶品です。エロスをセールスポイントにしている某姉妹や花とスネーク女優なんて目じゃないです。隣にいてもおかしくない日常感がたまりません。「エロティック乱歩」のシリーズ名に相応しいキャスティングだと思いました。雰囲気だけなら満点を献上したいくらいです。でも残念ながら楽しめたのは映画がスタートする前まででした。いざ始まると、パっとしない展開が続く。嘉門の演技もサッパリです。なにより残念なのが主人公のキャラ設定。彼女に知性は要らないと思います。でも全く無いのも困りもの。危機管理能力ゼロは、ヤリ過ぎだと思いました。ハラハラドキドキする前に呆れてしまう。原作小説のエッセンスだけ取り出して映画化する本シリーズの手法はどうなのか。オイシイ所取りなので、もっと面白くなってもいい気がしますが…。[DVD(邦画)] 5点(2008-05-17 22:37:21) 1829. 隣のヒットマンズ 全弾発射 《ネタバレ》 ブラックユーモアは、なかなか好調。でも期待していたテンポとは少し違う。前作を知らなければ、本作単独のコメディとして楽しめた可能性大ですが、前作のファンとしては、どうもいただけない。それはキャラクターが魅力に欠けるから。とくに主人公。情けないけど男気のあるオズに感情移入したいのに、うまくいかない。本作の彼は、情けなさばかりが際立っています。かつての彼なら、もっと必死になったと思う。ましてや妻は身重。もっとお父さんには頑張って欲しかったです。オチも何だかスッキリしない。お金より幸せを選んだ前作の感動がスポイルされている。前作が好きならば、本作は観ないが吉かと存じます。[DVD(字幕)] 5点(2008-04-09 22:49:29) 1830. 一億の猫 《ネタバレ》 率直に言って、すごく惜しいと思いました。途中面白くなりそうな匂いは何度もありました。遺産をめぐっての心理戦や計略策略方面に走ってもいいし、姉妹の絆を確かめ合う人情路線を目指しても面白そう。でも本作はどちらにも手を出して、どちらの要素も中途半端になってしまった印象です。60分の尺でまとめるならば、焦点を絞らないと厳しいと思います。女優陣は豪華で実力もありそうなのに、みな大根に見えたのは不思議。でも吉井怜ちゃんの美人ぶりには思わずニヤリでした。[DVD(邦画)] 5点(2008-03-26 19:20:32) 1831. ROSS ロス 《ネタバレ》 記憶を奪われ、見知らぬ地にいきなり放り出される女。ここは何処?何があったの?私は誰?いきなり極限状態から物語は始まります。ウン、面白そうです。彼女の身になって、僅かな手掛かりをヒントに事の真相に迫っていく…なんて展開を期待したのですが、違った。概ねこの事件を引き起こした側の視点で物語は進行します。これでは謎解きという感じではありません。観客が事態を掴めていないだけ。せっかく面白い設定なのにもったいないと思いました。オチは納得ではありますが、もう少し驚きが欲しいと思いました。悲劇で衝撃を与えるのは意外と簡単な気がします。[DVD(字幕)] 5点(2008-03-20 19:02:59) 1832. ジャンパー 《ネタバレ》 離島住まいのため、映画館で映画鑑賞できるチャンスは年に何度もありません。後ろめたさを感じつつも、旅先のホテルに妻と幼子を置き去りにして、深夜のシネコンへ足を運びました。レイトショー狙いです。作品選びの最重要ポイントは、ズバリ「眠くならないこと」。昼間の行楽に加えて前日の睡眠時間は2時間ほど。つまらなければ爆睡する可能性大です。三木聡監督の『転々』にも惹かれたのですが、作風に一抹の不安を覚えて回避。なるべく派手で、娯楽性の高い作品を、ということで本作を選びました。売りの“ジャンプ”は確かに爽快でした。世界各国の観光気分も楽しめましたし、加速度的に瞬間移動のスケールがでかくなっていくのも見応えがありました。でも脚本は芳しくない。「だから何?」「それでどうした?」というような展開が延々と続きます。ジャンプの法則性も見えてこないし、サスペンス要素も弱い。ビクッとしてはガムを噛み、眼を擦って腿をつねる繰り返し。なんとか最後まで辿り着けましたが、危く記憶をジャンプさせるところでした。[映画館(字幕)] 5点(2008-03-18 21:13:08) 1833. YAMAKASI ヤマカシ 《ネタバレ》 ヤマカシ7人の超絶アクションを期待していたのですが、やや肩透かし。確かにザイルも無しにマンションの壁を昇り降りするのはスゴイけど、スペシャルと言うほどじゃない。このアクションで満足できないとすると、ちょっと厳しいかもしれません。というのも脚本はかなりグダグダだから。おバカノリの作品なのに爽快感はイマイチ。嫌味な参事官の自宅を滅茶苦茶にして鬱憤は晴らせても、本筋とは直接関係ありません。結局医者を脅して臓器提供を受けるくらいなら、ヤマカシたちが盗んできた金の意味が無くなります。[DVD(字幕)] 5点(2008-03-11 19:02:15) 1834. デンジャラス・ビューティー2 本作の価値は、バタ臭い男顔のサンドラ・ブロックにオカマ役をやらせた事に尽きると思います。あとは可もなし不可もなし。なお、テレビ吹替え版で観賞したのですが、やたら流行語を取り入れた日本語訳が耳につきました。スパイス程度ならご愛嬌ですが、連発されると正直鬱陶しいです。[地上波(吹替)] 5点(2008-03-09 19:51:20) 1835. フォーガットン 「母子愛」と「逆バンジー」だけで押し切った印象です。凄い力技。個人的には説明過多よりは足りないくらいの方が好みです。想像する楽しみがあるので。しかし全く無いのも違う気がします。この手法を省略の美学と取るか、単なる手抜きと取るかは、あなた次第です!(スティーブン・セキルバーグ風)[DVD(字幕)] 5点(2008-03-01 19:00:08) 1836. UDON 《ネタバレ》 香川県民のソウルフード「讃岐うどん」賛歌の映画。弱小タウン誌が讃岐うどんブームを巻き起こす前半と、ユースケが家業のうどん屋を再興させる後半との、実質2部構成になっています。まず前半パートについて。うどん屋巡りに多くの時間が費やされます。地元の素人さんの素朴な受答えは微笑ましいものの、そればかりで単調。タウン誌がみんなに受け入れられていく過程を丁寧に描いたほうが良かったかと。うどんをテーマに選ぶことも、どんな体裁の記事にするかも、営業努力も、サラリと流してしまったのはもったいない。一方、後半のうどん屋復興編では、試行錯誤の過程がきちんと描かれていて良かったと思います。ただ、足し算料理のラーメンなどと比べると、どうしても地味に見えてしまうのが難点。シンプルであるが故に、経験と地道な努力がモノを言う。レシピが分かっても、味を再現できない料理。その奥深さを伝え切れていないように感じました。ユースケと小西の恋物語についても、ドラマが無いので物足りないです。ただ、感心した点もあります。それはうどんを食すシーン。みんなもくもくと食べていました。「おいしい」「ウマい」なんて滅多に言わない。でもそれがソウルフード。特別でないことに価値がある。[DVD(邦画)] 5点(2008-02-22 19:03:55) 1837. NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 《ネタバレ》 原作やTVアニメ版との比較はせず、本作単独で感じたことを述べます。まず気になったのが、ハットリくんとケンイチの関係。2人の出会いで一つドラマが欲しいと思いました。ケンイチが主君に相応しい人物と見定めてから主従関係を結んでも遅くない。イジメられっ子だけど心優しい。彼の性格は、後付ではなく最初に押さえておきたい重要ポイントと考えます。次に田中麗奈。キャラ設定、役割、共に粗いと感じます。盲目ゆえハットリくんの姿が見えないという存在価値しか見出せません。(注:触っていない悪党の顔をスケッチしていたことから、実はハットリ君の顔も見えていた?)彼女はキーパーソンと成り得る人物。大切に扱って欲しいと思いました。缶蹴りエピソード。空蝉の術を使ってケンイチは一躍ヒーローになります。チャレンジの重要性を説く感動的なシーン。でも待って欲しい。ブリーフ一丁で走るなんて、ちょっとやり過ぎでは。周りがドン引く可能性も高い。ケレンミのある演出は望むところですが、極端でもいけない。上半身裸くらいで丁度いいと思いました。友情物語として真摯に取り組んでいる姿勢が見えるだけに、ツメの甘さが惜しまれます。[DVD(邦画)] 5点(2008-02-13 20:08:26) 1838. さくらん 《ネタバレ》 さすが写真家監督。原色使いが美しく、一枚一枚の画が実に鮮やかでした。ただ「艶やか」とまでは行かなかったのが残念。本作の狙いが其処に無かったとしても、もう少し生々しさやエロが欲しかったと思います。でないと、主人公をはじめとする遊女たちの心情が伝わり難い。彼女らが抱く切なさや苦しみ、痛みは、心の底に在る想い。同じく生の基礎に位置する性と相まってこそ、強く観客の心に届けることが出来たと思います。オッパイはいっぱいでも全然エロくない。ドロドロに描く必要はありませんが、キレイ過ぎても物足りないです。ビードロの中で泳ぐ金魚は遊女の象徴。囲いの中でしか生きられない。意味は伝わってきますが、画を差し込む頻度が多くて煩わしい。このような表現は、少なく効果的に使ったほうがイキだと思います。ラストは恋する男と逃避行する主人公。お花畑の中を駆ける2人は美しい。でも着の身着のままでは、この先が危ぶまれます。所詮廓を出ては生きていけない身。自暴自棄なのか?いやそうではないはず。本作のメッセージはあくまで前向きだと思う。世俗に捕らわれずに“生きる”ことを選んだのだと感じます。それを印象付けるためには、旅支度くらいさせても良かったと思いました。金魚ではなく鮒。桜ではなく野に咲く花。どちらも美しい。表層の美しさと共に、内面の美しさも描いて欲しかったと思います。[DVD(邦画)] 5点(2008-02-12 19:01:57) 1839. 実録!?ドキュメント その時… 上島が動いた 上島竜兵は、その存在自体が「芸」なのだと思います。計算では生み出せない、神の与え賜うた“間”を持つ男。笑わせる技術を持った芸人はゴマンといます。でも、笑われる才能を持った芸人はほとんどいません。そういう意味で、上島は間違いなく天才だと思います。そんな上島竜兵の全てが本作には詰まっていました。イチイチ会話に入るテロップ。ただ言いたいだけの「暴走田んぼ」に「38ダッチ」。体を張っているようで、実は全く張っていないのも上島スタイルでしょう。予想を裏切らないグダグダぶりを存分に味わいました。好きな人にはたまらない、そうでない人には1銭の価値もない「上島竜兵の真髄」を見せつけられました。スタッフクレジットは上島竜兵の文字ばかり。まさしく竜ちゃんの、竜ちゃんによる、竜ちゃんのためのロングコント。暇を持て余している上島竜兵ファンなら必見!そうでない方は完全スルーで問題ありません。4点満点で4点。これ、結構マジにホメてます。 竜ちゃん、またね![DVD(邦画)] 5点(2008-02-11 18:56:49)(良:2票) 《改行有》 1840. 悪夢探偵 《ネタバレ》 女刑事が殺人鬼(正確には自殺幇助者)へ電話を掛けたのは、捜査協力を依頼した悪夢探偵とリスクを分かち合うため。私も命を賭けるから、あなたも命を賭けてという理屈です。最初から悪夢探偵の助けを期待しているから無茶が出来た。その心の余裕が、彼女から悲壮感を奪っていると感じました。本当に切羽詰っているなら、もっと様々な対策を講じたはず。何も無い部屋へ監禁してもらうとか、仲間に付き添ってもらうとか。限界まで眠らずに居ようと粘ったはず。仮にそれが無意味なことだったとしても、そうせずにはいられないのが人情。彼女の追い込まれ方が不十分だから、夢と現実の区別が容易につく。惑わされずに済みました。「悪夢」を扱った映画にしては物足りない。もっとも本作の致命傷は、女刑事の配役にあると思います。シリアス一辺倒は流石にキツイ。意外とあのそっけない感じは、コメディでイケるかも。[DVD(邦画)] 5点(2008-02-05 18:54:15)
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