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プロフィール
コメント数 3877
性別 男性
年齢 53歳

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1941.  ホステージ 要塞と化した邸宅への立て篭もり。ダクトの中を逃げる少年。襲いかかる紅蓮の炎。と言う訳で、何となくダイハードの小型版、さしずめ、“小ハード”と呼びたくなるのですが、この作品、なかなかの面白さ。人質をとって立て篭もるチンピラ、しかし人質家族のオヤジはちょっと訳アリで、謎の組織がさらに事件に絡んでくる。主人公も否応なく事件に巻き込まれ、展開される三つ巴の戦い。いやそれどころか、主人公、謎の組織、3人のチンピラ、3人の人質、そして警察が、それぞれの思惑で動きだし、収拾不能な展開。この修羅場を、そのまんま修羅場として描いてゆけば、映画はちゃんと面白くなる、ということですかね。快作です。[CS・衛星(吹替)] 8点(2013-03-02 10:23:14)(良:1票)

1942.  発情アニマル 主演のオネエチャンは、バスター・キートンの孫でしたっけか。映画のために体を張る、というDNAは健在。「健全」ではありませんけどね。レイプされた女性の復讐譚、という以下のものではあっても決して以上のものではない作品です。4人の男たちに順番に襲われる場面と、順番に復讐する場面が、段階を追って順序良く続くので、正直100分ほどの映画でも少々長いなあ、と感じてしまう部分はあります。チ○コ切られても気付かないなんてユルミ過ぎやろ、と思っちゃうのですが、映画そのものがユルんでますから。でもそこが魅力だったりもします。題材の凄惨さとはうらはらに、静かな川面の光景、虫の声、鳥の声、ノンビリした雰囲気。この気の抜けた弛緩ぶりは、絶妙です。珍味です。そして野獣と化した男たちの、四人四様の襲い方も、ユーモラスというかマヌケというか(特に2人目のヤツが…あはは…スゴかった)。主演のオネーチャン、前半は汚れ役に徹しているものの、後半の復讐の段になると、悟ったような無表情になるのが、ドロドロし過ぎず良。作品にアクセントをつけており良。感情と感傷だけで突っ走るのが映画ではないのだ、と非常に勉強になりますね、ハイ。映画に全編を通じてしつこく登場する、オトコの裸、オンナの裸。その数々のハダカのシーンが、映画前半から後半への大きな転調によって、全く違う印象となるのが、こういうヘンテコ作品ならではの面白いところ。これも勉強になります、ハイ。そしてクライマックスの、「斧ふりかざしてモーターボート」のこれまた何とカッチョよいこと。あれ、しまった、なぜ自分はこの作品をホメているのだろうか。[DVD(字幕)] 6点(2013-03-02 09:47:03)(良:1票)

1943.  決断の3時10分 おお、これぞ西部劇界の“ハムレット”、生か死かそれが問題だ、とばかりに、悪党の親分のネチネチとした心理戦(暑さの描写、屋外の葬列が、焦燥感に輪をかける)に心が揺らぐ主人公。短い映画の割に、問題の「3時10分」まではエラく時間があったりして「えっ?」と思わんでもないけれど、それでもいずれ、3時10分は迫ってくる、10分前には無情にも時計の鐘が鳴り響く。悩んだ主人公がついに「決断」した時はもう運命の歯車は回り出しており、“ハムレット”よろしく、ある意味手遅れな訳だけれど、しかし大きな違いは、運命に打ち倒されないところ、運命に決然と立ち向かうところ、ですな。悪党という割には悪党顔をしていないスマートな悪党に対し、むしろ主人公の方が野暮ったく見劣りしているのですけれども、その“タダのオヤジ”たる主人公が、“タダのオヤジの意地”を貫く時、そりゃ絵ヅラ的にはイカツいですけど、それでもそこには「美しい」と感じさせるものがあります。だから意表をつくラストにも、納得してしまう。ちょっと似たところのある(でも全然違う)『真昼の決闘』も好きな映画ですが、やっぱりコチラに軍配を上げてしまうなあ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-02-26 22:21:16)

1944.  東京物語 この映画がもてはやされるのに、どこか引っ掛かってました。終盤の「母の死」という事件が、映画の中であまりに大きな転機になっていて、これは通俗性の表れだろう、と思ってました。だから世界中で受け入れられたんだろうと。しかし本当にこの作品が小津作品の真骨頂みたいな扱いで、良いのか、と。……しかし、自分にも子供が出来て、子供の事を「何か頼りないなあ」とか「でもまあ頑張ってるよなあ」とか言う立場になってから、改めて観た時、本作はどうにもタマラン映画なのでした。背中を丸めた年老いた親、その親を邪険にする子供たち。いや別に邪険にしている訳ではなくて、いわば空気のようなアタリマエの存在だからこそ、なのかも知れないけれど、血の繋がらない人たち(原節子とか中村伸郎とか。それこそ東野英治郎とか)の方が余程フレンドリーな描かれ方をすることで、子供たちのよそよそしさが目立つことに。しかし、親としては、子供たちが順調に育ってくれて(当時は「戦死」で息子に先立たれるなどという理不尽もあった訳で)、家庭を持ち「自分たちの世界」を持ってくれれば、それで良いのだな、と。孫より子供の方が可愛い、という、無限の愛情、それが一方的なものとなってしまうのは、やはり必然なのか。医者になった息子に最期を看取ってもらえる、というのが、幸せであり、また幸せの限界でもあるのか。妻の死を目前に静かな表情で「そうか、いけんのか」「そうか、おしまいかのう」とつぶやく笠智衆。感情を露わにしてくれた方が観てるこちらにも救いがあるのに、「どうしてそういう言い方するのよ」と悲しくて仕方がない。まあ、脚本に書いてたとか監督に指示されたとかいうのがその理由なんでしょうが(そう思わなきゃ、やってられませんわ。笑)。この静かな表情からは、「自分たちは役割を終えた」という諦念がにじみ出て、映画を通じて登場する背中を丸めた座り姿とともに、忘れられないものとなりました。しかし彼にはまだ、最後の「役割」が残っている、それは、自分の子供たちだけではなく、すべての子供たちにかける言葉。未来があり、自由があり、しかしそれを行使し切れずにいる、原節子への言葉。やがては子供たちの世代もいずれは孫を持つ世代となり、すべてが繰り返されていく訳で、永遠のテーマですなあ。そしてこれも変わらぬ、尾道・浄土寺。[CS・衛星(邦画)] 10点(2013-02-22 04:12:38)(良:1票)

1945.  丹下左膳(1958) 痛快娯楽時代劇とはまさにコレ。って実に月並みな形容ですが、でも痛快、楽しい楽しい娯楽作品。互いに「バケモノ」だとか「コジキ」だとか呼び合ってる不適切表現オンパレードなところは目をつぶるとして(でもこれも痛快だったりする)、コケ猿の壺をめぐる騒動を、魑魅魍魎のごときキャラクターたちが百鬼夜行よろしくドタバタ暴れ合わって、豪快に描いております(もう正直言って、百万両の行方などどうでもよくなってきちゃう)。美空ひばりに襲いかかる山形勲の、のしかかってくるような背後の影! 宵闇の街をひた走る大友丹下左膳!! 危うし、大川橋蔵!!! って、美空ひばりの役ドコロはメチャメチャ強い女剣士だったハズですが、どうしてこの場面だけヒヨワな乙女になってしまうのでしょうか。いいんです、面白いんだから!!!! 怒涛のクライマックスに、乞うご期待。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-02-18 20:35:17)

1946.  96時間 疎遠になろうと父親は父親、旅先で出会ったチャラ男なんぞよりよっぽど信用できる、という映画。実にスバラシイ。さらに、中盤のカーチェイスあたりで嬉しくなってくるのは、このデタラメさ、強引さ。カーチェイスなり銃撃戦なりを盛り込むことが第一優先で、物語の自然さなど二の次になってるのは、これ、まさに木曜洋画劇場テイストで、今となっては懐かしさすら感じさせます。惜しむらくは、アクションシーンが何やってるのやらバラバラでわかりにくいこと。あとリーアム・ニーソンみたいなイカツいオッサンが走るシーン、というと個人的にはワクワクする、はずのシーンなんけど、イマイチ盛り上がらなかったこと(もっとなりふり構わないド迫力の走りを期待しちゃうのです)。[地上波(吹替)] 7点(2013-02-17 09:14:37)

1947.  妖星ゴラス これぞ“センス・オブ・ワンダー(笑)”。この映画をどうにかして褒めようというヒトのために存在してくれているような言葉ですね、これは。まさに、なんでもアリアリ、まるで、企画段階で行ったブレイン・ストーミングのメモをそのまんま映画にしちゃったかのような、闇鍋ワールド。あの「隼号」って、宇宙船じゃなくてどう見ても潜水艦ですね。宇宙飛行士っていうより、兵隊さんですね。そういう要素も入れたかったんですね。怪獣も一匹お願いします。大災害もちょっぴりお願いします。等々等々。気合いの入ったセットに気合いの入った特撮、その割に、何だか底が思いっきり抜けてしまっているような作品です。ちょいと残念なのは……「盛り込み過ぎ」の自覚があるのか、映画を何とか段取り良く進めようとして、その結果、せっかくのハチャメチャな内容の割には意外に整然とした、理屈っぽい印象を受けてしまうところなんですけれども……。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-17 08:34:19)

1948.  ドライヴ(2011) タイトルから想像するほど走りまくる映画では、無いのです。設定といい、夜の雰囲気といい、ウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』を連想させます、が、ここにはイザベル・アジャーニみたいなアヤシイ(妖しい)人はいなくて、もっとピュアな“恋愛”があります。しかしそれ以上にピュアな、“暴力”があります。この映画、場面場面をビシッとキメてきます。画面をキメるため、しばしば登場人物がショットの中で大きな動きを見せません。そこが本作の良いところでもあり、悪いところでもあるのかも知れないけれど。疾走するカーチェイスのシーンですら、主人公は涼しげな表情を我々に見せ続けます(よくある安い映画では必死の表情でハンドルを切りまくるところですね)。そしてそのクールな、しばしば優しさすら溢れる表情の裏には、実は狂気が隠されていたことを思い知らされる後半。狂気の者に、安住は決して許されない、という訳で、実にシビレまくる映画でした。[DVD(字幕)] 9点(2013-02-10 09:15:25)(良:2票)

1949.  マンハッタン無宿 これは『マカロニ王子 ニューヨークへ行く』といった感じの趣向でしょうか。アリゾナからニューヨークにやってきた(前世期から現代にやってきた、と捉えても結構)保安課が、囚人の移送中に取り逃がしてしまう。そこで、右も左もわからぬ大都会を持ち前の厚かましさを武器に(?)囚人の追跡を行う、というオハナシ。実際、妙に説得力のある邦題(意味はワカランが)で、この邦題を考えたヒトはエライと思います。まあ追跡劇として見るとそれなりにお粗末ではありますが(引っ張った割にはアッサリ囚人を発見するしなあ)、そこはそれ、別角度の面白さ。演出の切れ味とか(冒頭のタイトルのバックで繰り広げられる先住民とのやり取り、まさにツカミはOK)、ビリヤード場の対決にバイクチェイスといった体を張ったアクションとか。さらには、サイケ調の大都会の風俗描写、これはもう文明批判と呼ぶ気も起らない、若干の悪意すら感じられもする描き方で、何か知らんが面白ければいいじゃないの、ってな感じ。プログラムピクチャー的な「中身の無さ」が実に素晴らしい、活きの良い映画です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-10 08:45:10)(良:1票)

1950.  殺人者たち 今日も首尾よく“仕事”を成し遂げた殺し屋二人組。しかし、高額の報酬に対してあまりに簡単過ぎた仕事が、腑に落ちない。で、二人は事の真相を暴こうと、関係者のもとへ。物語はほとんど、その際に語られる過去、回想シーンによって進められ、正直、オハナシ自体がさほど面白い訳では無いことは先にお断りしておく必要がありますが、そしてまたいかにも低予算なチープさがあるのも事実ですが(実写流用っぽいカーレースシーン。あとカートのシーンも、味があると言えば味があるが…)、一方で本作の面白さは、「どう撮るか、どう見せるか」、これで人をワクワクさせるところにあります。低予算でも、必要があれば空撮も辞さないし、まずは発端のシーンの盲学校での二人の傍若無人ぶりの描き方がスゴイ。そこから一転して不安になる主人公の姿、というのが、過去を突き止めようとする物語にうまく繋がっていきます。過去の回想シーンと現在のシーンを織り交ぜることで、「過去」の物語の中に、部外者である「現在」の二人組が、闖入していくような奇妙な感覚があり、これはまさに語り口のうまさ。現金強奪シーンの見せ場もさることながら、この映画の「どう撮るか、どう見せるか」を象徴するのが、ラスト近くにおいて倒れたリー・マーヴィンが手前に向けて構えるサイレンサー銃でしょう。3D映像もビックリ、こちらに迫るような銃身の映像にドキリといたします。鮮烈さを残すラストシーンもお見事。あと、レーガン大統領がどれだけ演技ができない誠実なヒトだったかもこの映画で確認できます(?)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-04 01:37:47)

1951.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 被占領国ならではの戦争映画、ともいうべきシニカルさ。舞台は、ドイツ軍に追われた連合軍が撤退しようとしているダンケルク。戦争映画らしいスペクタクルな要素は、破壊された街、立ち上る黒煙、打ち捨てられた無数の車両、背景に常にうごめく無数の兵士の行進、などに表れていて、いかにも大作らしい風格があるのですが、だからと言って英雄的で派手な戦闘シーンが繰り広げられるようなタイプの作品ではありません。どこからともなく飛んでくる砲弾や、間歇的に襲ってくる戦闘機の銃弾や爆撃の下、兵士たちはただひたすら身をかがめ地面に伏して攻撃がやむのを待つのみ。中には機関銃で撃ち返すヤツもいるけれど、この映画では、戦火を交えるという意味での戦闘は描かれません。攻撃がやめば、兵士たちの目は日常を見る目に戻ります。何しろ被占領国、戦場と民間人の日常が同居している訳ですから。主人公も、大量の味方兵士の死の直後にはもうオネーチャンのところにシケこんだり。日常と死が紙一重。不発弾を悪戯っぽくしかし命がけで処理してみせたり。発見した敵兵士と撃ちあいになることもあれば、味方兵士と殺しあう場面もあったり(ベルモンド自身による階段落ち!)。ユーモアもあり、皮肉にも満ちた、少々ヒネクレた戦争映画なんですが、ここに描かれた非英雄的で等身大の兵士の姿こそ、ホントウの人間の姿であるように感じられ、その対照として戦争のもつ非人間性が浮き彫りになります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-02 18:17:14)(良:1票)

1952.  ランボー3/怒りのアフガン ずいぶん以前に観て、あまり憶えていないという訳ではないのだけどそもそも憶えるべき内容が無い作品で、2度と観ることも無いだろうと思ってたのですが、1作目を観て大いに喜んだウチの子供たちが2作目3作目も見たがったもので……。ほら言わんこっちゃない、どっちも1作目ほど面白くはないんだよ。でもこの3作目、画期的だと思います。何しろ、今となっちゃ、汚点と言う以外に言いようの無い、この驚異のデタラメさ。“グリーンベレーの精鋭”という設定はどこへやら、マンガのような無謀さを連発し、ソバットを繰り出すランボーのカッチョ良さは、まさにプロレスラーのそれ。スタローン自身も、ただただ、体張ってます的なデスマッチ系スタントアクションを披露することのみに全エネルギーを注いでおり、その挙句にもはやストーリーもまるでまともに繋がっちゃいない、パッチワークのような思いつきの構成。クライマックスで戦車部隊を前にしたランボーとトラウトマン、新たな危機に「呆然とする」というより、どこか「手持無沙汰」に見えてしまう、繋がりの悪さと緊迫感の無さ。これだけアクション第一に徹して、中身を削ぎ落し、面白さすらも削ぎ落し、ある意味恥も外聞も投げ捨てたのは、これはこれで立派じゃないでしょうか、普通はマネできません。ただ、ここまでやってもラジー賞の受賞は容易ではない、のですね。厳しい世界ですね。主演男優賞だけはカタいですけれど。[CS・衛星(吹替)] 2点(2013-01-28 22:27:41)

1953.  四十七人の刺客 どの忠臣蔵映画がどんな“売り”だったものやら、映画が沢山あり過ぎて、とりあえず一本ずつ観ていくしか区別のしようがない。本作、冒頭に出演者もスタッフもクレジットされないのでさらに予備知識が無く、観ていると、わ、こんな俳優が、わ、こんな役で出てる、と豪華出演陣に目が白黒、それなりに楽しかったりもする。しかし。監督が市川崑ということまで事前に知らずに観るのは、正直つらい(笑)。事前に知っていたら、変な映画であろうことをそれなりに覚悟して観るのだけど…。実際、この映画、変です。そりゃま、同じ忠臣蔵映画が何本も存在してもしょうがないので、ヘンテコでもいいのですが、では一体、何が“売り”なのか。忠臣蔵と言えば普通描かれるようなエピソードは省略され、普通描かないようなエピソードが付け加えられる。実録風の解説が加えられる(でも何だかウソ臭い)。意味ありげにシーンを引っ張る割に、大して人間を描く訳でもない(どの人物も、印象が薄い)。大規模なセットを組んだ割に、意外に盛り上がらない討ち入りシーン。カタルシスの乏しいこと。裏に封印される「真相」(何のために作品に「真相」を持ち込み何のために封印したのやら???)。という、従来とは違ったユニークな忠臣蔵なのですが、やっぱりこういう変な忠臣蔵映画作るんだったら、そもそもオールスターキャストって全くそぐわないですよね~。もっとハメ外してテロリスト映画にして欲しいですよね~。というような期待すらも徹底的にはずしてくれるのが、この「市川崑映画」というものの“売り”なんですかねえ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-01-28 21:24:01)(良:1票)

1954.  悪名波止場 歌ありアクションありの人情活劇。一応は任侠シリーズで一応は死人も出ますが、コメディですね、これは。前作のラストシーンからそのまま物語は始まり、要するに、藤田まこと演じるニセ清次(その2)にまつまる騒動なのですが、ニセ清次は早々に退場。彼の妹のために一肌脱ぐ朝吉親分、このあたりはどっちかというと寅さん映画のノリですが、寅さんと違ってさすがは朝吉親分、金の工面のためマジメに肉体労働に励んでおります(任侠シリーズなのに?)。という、寅さんよりさらにカタギになっちゃってる朝吉親分ですが、やはり本分は悪への鉄槌、ラストでは悪党一味にトホホな制裁を加える“ハングマン”と化します(水攻めにあう吉田義夫さんの引きつった顔)。……やっぱりコメディですね、これは。おんな舟のアマゾネス軍団の凶暴さには朝吉&清次もタジタジ。という、時代のバイタリティが感じられる楽しい作品でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-27 08:29:24)

1955.  熱いトタン屋根の猫 とりあえず、誰が一番かわいそうって、お兄さんですよね。何しろ、この奥さんにこの子供たち、ですから(とりあえず本作のキャスティングは超絶的にスバラシイと思います)。何にせよ、家族の間の葛藤が描かれ、でも観てると何だかみんな良い人たち(一部を除き?)で、案の定、仲直りして大団円。展開が、ものすごーく八百長クサイのですが、これでいいのでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-01-22 22:43:21)

1956.  猛吹雪の死闘 監督・脚本:石井輝男、ではありますが、これは健全な内容の山岳アクション映画です。いや、むしろ過剰な健全さが何ともアヤシゲな怪作と言えるかも。宇津井健演じる主人公が、まさに山男の中の山男、健全過ぎるというか、空気が読めないというか、要するに、「これぞヒーロー」なのですね。かつて雪崩事故により恋人を失った主人公(この人、雪山で大声ばかり出しているので、雪崩もそのせいで起きたんじゃなかろうか、と思っちゃうのだけど、それはともかく)。故なくして宝石強盗の人質となってしまい、彼らの逃亡のため、決死の雪山超えに挑む、というオハナシですが。ただ、この主人公、非常に律義。たとえ強盗たちであっても、雪山ではとにかく人命第一。彼らを見捨てるなんてことは断じてしない。吹雪に遭難しそうになったら早速ビバークし、皆を眠らせず元気を出させるためには「さぁ、歌でもうたおぅかぁ」。とても人質の発言とは思えませぬ。いや、要するに、雪山の吹雪ってのは、強盗以上の難敵なんですな。雪山ロケが厳しい雰囲気をよく伝えます。そして、雪山での容赦ない格闘シーンの撮影。映画撮影はすなわち死闘。昔の映画って、みんな本当に頑張ってますよねえ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-22 22:30:50)

1957.  十七人の忍者 「十七人」とはちと多く無いですか? 100分の映画なら一人あたり6分しか持ち分が無いですやんか。いえいえ、この数字は、捨て駒として露と消えてゆく忍びの者のはかない命を表しているのです。これがおサムライさんだったら、一人ひとりの存在感も高く、『三匹の侍』あるいは悲壮感が増してくると『七人の侍』『十一人の侍』『十三人の刺客』と人数も増えてくる。忍者はそれ以上に“消耗品”扱いなんですな。「カシラが死ねと言えばいつでも死ぬ、それが掟」。なお、さらに人数が増えると「101匹わんちゃん」とか「2000人の狂人」とかになる訳で、“忍者”の置かれているポジションが数字によく表れていますね。さて本作、いやこれは面白いですよ。密命により、城にある連判状を盗み出す決死の作戦に挑む伊賀忍者隊。片やこれを待ち受ける城の防衛を指揮するのは、根来忍者・才賀。彼の鋭い読み、鉄壁の守りに対し、伊賀忍者たちは仲間の命を犠牲にしながら隙を窺うが……はたして、連判状奪取作戦の行方は、いかに。十七人もいた仲間が次々と命を投げ出していく大胆な消耗戦、ある意味大味な展開の一方で、城への侵入の模様などの“忍術”をディテール豊かに描いて見せる、その対比が面白くてワクワクします。伊賀忍法と根来忍法、勝つのはどちらか。敵の忍者・才賀がえらくキャラ立ちしていて、忍術使いというより妖術使いに見えちゃうのですが、“忍術”とは言っても最後にモノを言うのは、腹の探り合いであり、自分の命すらかえりみないヤセガマンであり。またそれこそ最後に勝敗を左右するのは、人望とか仲間内の結束力とかであったりする訳で、ビジネス指南映画としても最適でしょう…?。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-01-20 08:24:04)(良:1票)

1958.  ジョン・カーター 実在しないCGのキャラクターにリアルな動きをさせる一方で、人間が演じる主人公に不自然極まりない大跳躍を繰り返させる、というのが素晴らしいではないですか。しかもこの主人公、何やら暗い過去を持つ訳アリらしいのに、やってることと言ったらアタマ悪すぎる大ジャンプばっかしですからねえ。何考えてるんですかねえ。素晴らしいです。本作、ちょっと尺が長過ぎ(中盤少しダレる)だったり、ラストのまとめ方がチャッカリし過ぎてたり、という面はあるのですが、バカバカしくもカッチョよい作品で、子供と一緒に楽しませていただきました。ただし、かなりトリップしまくってるヘンテコ作品なので、観終わって子供が「面白かった」と言った時には、少しホッとしたのも事実ですけどね。このハチャメチャな自由さこそを、楽しむべし(今、楽しんでおかないと、ディズニーが闇に葬りいずれ忘れ去られる映画となること間違いなし、ですから。えーと、一般にはこういうのを“失敗作”と呼ぶんでしたっけ)。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2013-01-15 22:28:23)(良:1票)

1959.  若親分千両肌 池広一夫監督の眠狂四郎最終作も何だか陰気でしたが、若親分最後を飾る本作も、映像的にはちと陰気なところがあります。でも内容は楽しくまとまっておりまして。雷蔵の若親分が、もはや若旦那か若番頭にしか見えないのは、これはもうとやかく言わないことにして、本作の楽しさはやっぱり、長門勇演ずる座長さん、というか、アヤシゲなカラテの達人ですね。そして物語も、任侠モノの枠に収まらず、これはもはや、エスピオナージュと言っちゃってもいいんじゃないですかね。盗まれた軍の機密書類。陰謀劇。そして炸裂する若親分の怒りと、長門カンフー(↑さっきカラテと書いたっけ)。まさにこれぞ、スパイアクション映画。で、何でタイトルが「千両肌」なんだろうね。私は「若親分は二度死ぬ」でよいと思います。そして、ショーン・コネリーとは違い、雷蔵若親分はもう帰ってこない。ラストの「た~~け~し~~」という謎のテーマソング(?)を耳に残して。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-14 13:15:09)

1960.  マッケンナの黄金 今となっては何となく怪しい記憶なのだけど、子供の頃、テレビで水野晴郎さんがこの映画をとっても嬉しそうに紹介していた(まあテレビではいつも嬉しそうでしたが)、その紹介の仕方が「この映画はレイダースの原点です」(まあこれはOKでしょう)、「ルーカスもスピルバーグも子供時代この映画をワクワクして観てたんです」(これは年代が合いませんね。“学生時代”の聞き間違いですかね)、「(有名なクライマックスの崖崩壊シーンについて)どう見ても国立公園ですよね。こんな撮影しちゃっていいんですかね」(どう見てもミニチュアなので、撮影しちゃっていいんじゃないでしょうか)。そんな感じで大絶賛されていたので、当時、私もテレビの深夜放送でたまたまやってた本作を見たハズなのですが、どうも記憶が薄い。で、今回あらためて観てみて、あーこんなトンデモ作品だったんだね、と、感心したり、あの“水野節”に納得したり。昔観た記憶が薄かったのは、明らかに行きあたりばったりなストーリーのためでしょう。この自由気ままテキトーな展開こそ、本作を冒険活劇たらしめているもの。西部劇よりもむしろSFに近いかも知れません。演出も自由奔放。吊り橋シーンで画面が歪んだり、激流シーンで妙な早送りがあったり。クライマックスの特撮の数々なんて、多少変でも押し切っちゃう大胆さがあってこそ、この大迫力。“ケレン味たっぷり”という言葉がふさわしい作品です。登場人物も癖があり、敵役だけど憎めないオマー・シャリフ、途中参戦ながら存在感を示すテリー・サバラス(このヒト、基本的に妖怪みたいですよね)。そんなハチャメチャな中で主役のグレゴリー・ペックがキリっと大まじめにヒーローの保安官を演じているのが、もう最高ですよね、あはははは……。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-14 11:34:15)(笑:1票)

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