みんなのシネマレビュー |
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1961. この子は邪悪 《ネタバレ》 例えば密室殺人ミステリーで、トリックのタネが壁抜け超能力だったら観客は怒りますよね。だから、もし犯人に壁抜け能力を付すのであれば、予め言い訳(説明)を用意するわけです。宇宙人とか、異世界設定とか、未来テクノロジーとか。現代ドラマで予告なしにいきなり超常現象を持ち出すのはNGです。というより、普通は「嘘」と認識されます。本作も同じ。魂云々かんぬんは犯人の戯言でしょう。それならそれで構わないのですが、どうやら本作の場合言い訳無しで「超能力」(というより魔術かな)を実在させたい模様。じゃなきゃタイトルまでホラになってしまいますから。はてさて困りました。せめてあの人に『家族愛。私の好きな言葉です』くらい言わせてくれたら、配給会社の垣根を超えた面白コラボとして甘んじて嘘を受け入れたのに。本作と比べると、2017年製作JP監督の某サスペンスの出来の良さが際立ちます。[インターネット(邦画)] 4点(2022-12-13 19:20:23)(良:1票) 1962. 隙間女 劇場版 《ネタバレ》 ネタバレしています。ご注意ください。 隙間女の生態は妖怪寄りだと思うのですが、その正体は幽霊(悪霊)だそうで。殺された恨みから生まれた存在であることを鑑みると本来なら地縛霊相当という気がしますが、場所に縛られることはなく呪った相手を追いかけて行く能力あり。しかも相手の命を奪うだけでなく、同族の隙間女(男)に変えてしまう力まである模様。もはや幽霊や妖怪を超えた怪物です。ただ出現するには「隙間」という縛りがあるため対策は可能。家具やドアの隙間をガムテで貼るだけで十分有効でした。ワンルーム住まいでミニマリストにでもなればかなり安全。それでもたまには引きずり込まれそうになるでしょうから、助けてもらうためにパートナーが居た方がいいでしょう。かなりのストレスですが、環境にヒトは慣れるもの。問答無用の即死系の呪に比べればだいぶマシだと思います。どうせ取り憑かれるなら愛嬌のある隙間女にお願いしたいところ。案外お友達になれたりして。 B級邦画ホラーとしては恐らく標準的な出来です。程々に怖く、程々に突っ込める。当たりではないものの、ハズレでもありません。[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-23 22:55:42)《改行有》 1963. リアル人狼ゲーム 戦慄のクラッシュ・ルーム 《ネタバレ》 本作は桜庭みなみや土屋多鳳、武田玲奈等人気若手女優が主演したサスペンスドラマ『人狼ゲーム』シリーズ作品ではなく、あの(どの?)知る人ぞ知るZ級ホラー『リアル人狼ゲーム』の続編だそうです。とはいえ前作の後日談でもなければ、共有されるフォーマットも無し。そもそも『人狼ゲーム』ですらないというビックリ作品でした。前作も偽りの看板を掲げていましたが、『手打ち蕎麦の店』が機械打ちだった程度の嘘。本作は蕎麦屋じゃなかったという話。喩えるならガテン系(死語)御用達『ワークマン』がいつの間にかカジュアルウェアやキャンプ用品を売る店になっていたような。違うかな。蕎麦を注文したら焼きそばが出てきました。怒って帰るのもアリですが、料金は支払い済み。失った時間は返りません。ならば食すのみであります。オカルトであり、SFであり、不条理であり。ダチョウ風に言うなら甘からず、辛からず、美味からず。まあハッキリ下手ではあるので(主役不在、行動破綻、唐突な謎解き)あまり満足度は高くないと思われます。ただし、見ようによっては荒木飛呂彦的と言えなくもなく。低確率ながら刺さる人には刺さる(面白がれる)と思われます。「ごとう」のいで立ちはまるで吉良吉影(デッドマンズQ)のようでしたし。そういう意味では売り方を間違えたと考えます。ブランド価値があるとは思えない(失礼)『リアル人狼ゲーム』シリーズではなく、パチモノ『岸辺露伴』の方が話題になったのでは。『岸部ルーローハンは動けない』。主演は高橋一生ではなく坂本一生で。「なにィィィィ。いきなり殺されているだってぇぇぇ」「スマホのライトを点ければいいんじゃあないか」いろんな人に怒られそうですが。[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-22 19:27:00) 1964. 老後の資金がありません! 《ネタバレ》 タイトルを補足するなら、【喜劇】『老後の資金がありません!』【さてどうしたらよいでしょう】。まず本作を語る上での最重要ファクター【喜劇】部分について感想を。正直言って驚くほど笑えませんでした。ずっとムカムカ、イライラしっぱなし。理由は明白です。主人公に共感したから。それだけ篤子さんの境遇は一般的であり、悩みにリアリティがあったということ。マイホームローン残ありとはいえ、子どもを2人仕上げて預金700万とか立派なもんです。だから預金残がみるみる減っていく様が我が身を切られるように辛くて。葬式のような必要経費はまだしも、オレオレ詐欺で大金を失うとか、マジで洒落になりません。3日くらい寝込む金額ですよ。それに夫婦して失職とか、この状況でどう笑えと。結局のところ『男はつらいよ』や『翔んで埼玉』が笑えるのは所詮他人事だからです。身も蓋もない言い方ですけど。多分監督もそれを分かっていたから殊更「これはコメディですよ。笑って大丈夫ですよ」アピールをした気がするのです。じゃなきゃ怒り心頭の篤子さんの顔に赤面&湯気のエフェクトなんて掛けないでしょうよ。大女優に対し演技力が足りないと云わんばかりの失礼な演出ですから。それでも篤子さんが姑さんと打ち解けてからは大分落ち着いて観られた気がします。とくに生前葬での篤子さん(嫁)への謝辞は、お世辞半分だとしてもグッと来ました。姑さんも根が悪い人じゃないわけですし。「我侭した方が勝ちよ」は苦労した人じゃないと言えない台詞ですから。 次に【さてどうしたらよいでしょう】の部分。答えから言うと「見栄なんか捨てて身の丈にあった暮らしをしましょう」でした。言い換えるなら「支出を減らしましょう」です。結局主人公はマイホームを手放し、シェアハウス暮らしとなりました。至極真っ当な意見です。現実的な選択だとも思います。しかしあまりに残酷な答えにへこみました。後藤家の皆さんは姑さんと違って浪費をしていたわけではありません。堅実に日々暮らしてきただけ。なのに終のすみかを手放せなんて酷すぎませんか。シェアハウスが悪いとは言いません。実際、後藤家の皆さんは笑っていました。しかし共同生活に合う人もいれば合わない人もいます。決して万人向けの解決法ではありません。それにこれって要するに「共助のススメ」ですよね。基本は自己責任。ヤバくなったら国民の皆さんで相互に助け合ってね。決して国に頼らないように。そんなメッセージをオブラートに包みまくって言われた気がするのですが。もしかして制作費にお上の資金とか入ってたりしますか?物価の安い外国へ移住なんて結末なら、半分ブラック半分マジのジョークとして成立した気がします。普通の人が普通に暮らして普通の幸せが手に入らないのなら、それは何かが間違っていると思います。[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-09-04 22:49:40)(良:2票) 《改行有》 1965. 王妃の館 《ネタバレ》 メインストリームは、悪徳旅行会社が企画したダブルブッキングツアーに伴うドタバタコメディ。一方サブストリームは、ツアー参加者の一人である作家先生が劇中執筆した時代小説。2つの『物語』が交互に提供される仕立てです。異なる次元の潮流が見事に絡み合って奇跡と感動のエンディングを迎える・・・のかと思いきや、全然そんなことなくて。元アパレル詐欺師とかキーパーソンぽい雰囲気なんですけどねえ。結局旅行会社は悪だくみ発覚後、逆ギレ&内輪揉めしてお客ほったらかし。されど被害者の方は成り行きで大先生の傑作を出版前に読めて大感激。だから詐欺を許しちゃうって何なんですか。そりゃアンラッキーの直後に大ラッキーがあればアンラッキーなんて吹き飛ぶでしょうけど、それをトラブル解決のギミックに使うのは筋悪じゃありませんか。それより何より肝心の旅行会社が謝っていないのが気になります。別に正義感ぶる気はありません。旅行会社を許すのは構わないでしょう。根っからの悪人でなさそうですし、お客もツアー自体は楽しめた訳ですから。でも騙したことは誠心誠意謝らないと先に進めません。ツアー代金を返却すれば済む話ではありません。大切なことをすっ飛ばして、まあみんな大変なんだから許してやろうよと言われても、正直「知らんがな」と思います。やはり浅田次郎氏の原作映画とは肌が合わないようです。 キャスティングは豪華ですし、それ以上に海外ロケのクオリティが非常に高く、大名普請な映画ですが、だから面白いとならないのが映画の面白いところです。[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-18 21:53:24)《改行有》 1966. ブレイブ-群青戦記- 《ネタバレ》 例えばコレが趣味で制作した自主映画であるならば「良く出来てる」「面白いね」と笑顔で言えると思います。しかし大手配給の一般商業映画となると話は別です。感想は180度変わり「何やってんの」「恥ずかしくないの」と思います。『バックトゥザフューチャー』『漂流教室』『戦国自衛隊』を足して割ったとしか言いようがない本作。しかし、オリジナリティの点で本作を否定するつもりはありません。事実同じような体裁の『サマーフィルムにのって』は傑作認定しています。結局何が気に食わないのかというと、面白い映画からエッセンスを頂戴しているのに、オリジナルを遥かに下回る面白さしか得られていない事に不満を覚えるのです。オマージュするならオリジナルを超えてこそ。少なくともそういう意気込みや熱量がなくては、オリジナルに失礼だと思うのです。元ネタ(あえてそう言います)は本当に傑作で(漂流教室は漫画の方)、広くその魅力が周知されています。ファンも沢山います。ハードルは高いのです。生半可にイイトコロどりをしようとするのが一番いけません。[インターネット(邦画)] 4点(2022-07-24 00:58:58) 1967. 真・鮫島事件 劇中の時代設定がコロナ禍の映画を初めて見ました。2年もマスク生活が続けばこれがニューノーマル。登場人物がマスクをしていない新作映画の方に違和感を覚えるようになるのでしょうか。いやな世の中ですな。マスク着用が当たり前になると俳優さんも大変です。例えば本作のヒロイン武田玲奈さんのように大きな瞳で鼻筋の通った女優さんならマスク着用でも画面に映えますが、そうでないと厳しそう。微妙な感情の起伏をマスク越しに伝えるのも大変でしょうし。全体的にオーバーアクトが流行するのかもしれませんね。 タイトルに『真』が付くのは、『真・ゲッターロボ』か『シン・ゴジラ』にあやかっての事でしょうか。どちらにしても無印の『鮫島事件』映画が無いとおかしいワケで、このあたりの事情はかっぱ堰さんが補足していただいています(いつも丁寧な背景考察ありがとうございます)。物語について言及したい点は特にありません。所詮は与太話。コロナ禍でさぞ撮影大変でしたでしょうねと思うくらいです。[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-01-24 18:48:40)(良:2票) 《改行有》 1968. ダウト~嘘つきオトコは誰?~ 《ネタバレ》 エンドクレジットを眺めておりましたら、原作:『恋愛シミュレーションアプリ』なる文言が。なるほど、道理で無茶な演出があるワケです。相手を指さして『ダウト!』とか、失礼にも程があります。私ならそのカワイイお指、へし折っちゃいますよ。なんてね。 占い師に誘われて参加した一泊二日の婚活パーティ。主人公にアプローチをかける男性は10人です。年収1000万円以上の高身長イケメン揃い。このあたり女性向け恋愛シミュレーションゲームの要素が色濃く投影されています。そんな恋人候補のうち、実に9人は嘘つきで、残り1人が運命の人だそう。運命云々は抜きにしても、地雷率の高さは異常であります。謎解きミステリーの側面もあるようですが、主人公は大した推理もせず次々と嘘を看破していきます。本格ミステリーを望む気はありませんが、それにしても大雑把な処理でした。ちなみに各人の嘘とは「マザコン」「既婚者」「アイドル好き」「DV」「婚姻歴」「極道」「借金」「ストーカー」「結婚の意思なし」「結婚詐欺師」でした(あれ?10個ある)。「死んでも無理」「犯罪」案件から「隠さなければよかったのに」までレベルは様々ですが、個人的に見過ごせないのが「アイドル好き」でした。婚活パーティの場で聞かれてもいないのに「アイドル好き」を公言するのは普通に馬鹿。ガチ恋ならいざ知らず、常識的なファン活動なら全然問題ないでしょうよ。と抗議したいところですが、奥さんから「年間3回まで」と釘を刺されているLIVEに年5回も6回も遠征していた私が喚いても何の説得力も無いのですけど。ちなみに「アイドル好き」はその後「拉致監禁犯」に進化したので、主人公が奴を切り捨てた判断は正しかったことになります。 過去の恋愛経験から「嘘。ダメゼッタイ」だった主人公ですが、「相手を思いやる嘘もある」と宗旨替えした模様。今回のケースがそれに該当するかどうかは要審議ですが、どんな嘘も絶対悪とする価値観がしんどいのは確かです。いずれにせよ、年収や職業といった外的条件だけでなく、価値観の擦り合わせは結婚生活では必須条件なので、その方を選んで正解だと思います。お幸せに![インターネット(邦画)] 4点(2021-08-30 19:27:25)《改行有》 1969. ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 《ネタバレ》 観始めて2分で「こりゃ呪怨のリメイクだな」と分かる程度に『呪怨』っぽくはあるのですが、本作に元祖の風味が活かされているとは言い難く。一応、日本から元凶となる呪いをアメリカへ輸入した体裁ですが、共有されているのは『家に取り憑く怨念が元となる呪害』という基礎設定のみ。正直、こんなものは『呪怨』の専売特許でも何でもないので、わざわざお金を払ってまで(?)『呪怨』ブランドに乗っかる必要があったのか疑問です。というか『呪怨』一派を名乗るのであれば、最低限『白塗り親子』は出さないと。ブランドの版権は買ったのに、ロゴを使わないとか、勿体ないったらありゃしない。あるいは、老舗のうなぎ屋からタレを別けてもらったのに、継ぎ足しでケチャップを入れてしまったような台無し感とでも言いましょうか。もっとも、これは元祖『呪怨』にそれなりの価値があればの話。冷静になれば、そんなものはありゃしないので、改変しまくっても何の問題も無い訳ですが。『呪怨』の看板があろうが無かろうが、基本的にセールスポイントが見当たらない普通のオカルトホラーとの印象です。[インターネット(吹替)] 4点(2021-08-05 19:30:00) 1970. デスフォレスト 恐怖の森 《ネタバレ》 顔だけお化けは、なかなかにキャッチーかつチャーミング。ホラーヒロインとしての素質は、貞子や伽椰子に引けを取るとは思えません。ちゃんとキャラに肉付けをしてあげれば人気者になれるのでは。折角の良素材を活かす気のない脚本に閉口します。以下余談。顔だけお化け撃退法について。結構的がでかいので、石でも棒でも簡単に当たりそう。逃げずに戦えばチャンスはありそうです。あと全身に糞尿を塗りたくるとか。食えるものなら食ってみろってね。[インターネット(邦画)] 4点(2021-06-16 23:19:57) 1971. ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 人気サブキャラクターを主演に据えるスピンオフ企画は映画界ではよくある手法。今回はDCコミック映画『スーサイド・スクワット』からハーレイ・クインの登場です。かの作品の中でのハーレイの存在感は格別ですので、スピンオフの流れは当然と考えます。作品世界の番付を壊さないため、また有名俳優のギャラ削減の観点からも、本体作品のメインキャラを重用しないのがスピンオフの流儀ではありますが、それにしてもハーレイ以外のキャラが誰も登場しないのは意外でした。それだけ徹底してコストカットされているとも言えますし、顔見せに程よいお馴染みキャラが不在なのかもしれません。キャラクター造形が命のコミック原作にも関わらず、この『駒不足感』はシリーズの弱点かもしれません。 さて、悪役が戦う敵は正義のヒーローではなく、別グループの悪党でした。ポイントは、奴らの方が主人公チームより罪の程度が重いこと。そりゃ、万引き・傷害・強盗より、殺人の方が憎むべき犯罪でしょう。善悪の概念は、絶対的なものから、相対的なものへと移行しました。とかく倫理に煩い映画において、本作を娯楽作品として難なく楽しめるのは、このような『倫理基準の調整』が施されているためです。なかなか巧妙ですね。 ハーレイちゃんの小悪魔な魅力は存分に味わえますし、アクションも見応えあり。ただし内容は無いため、余程ハーレイ・クインというキャラクターに価値を感じていないと、ツマラナイかもしれません。かくいう私はそうでした。[CS・衛星(吹替)] 4点(2020-12-30 19:23:56)《改行有》 1972. ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 《ネタバレ》 実在する超有名『お化け屋敷』をモチーフに、史実の中に噂話や俗説を織り交ぜて創作したオカルトホラー。とはいえ完全オカルト仕様ではなく、精神疾患や薬物中毒による“妄想説”は排除していません。このあたり『解釈の余地を残した』のか、実在する建物ゆえ『関係者に配慮した』のか。いずれにせよ『実話』要素が足枷となり、自由な発想を阻害しているような気がしてなりません。『歴史もの』や『ヒューマンドラマ』ならいざ知らず、ホラーやサスペンスの『実話』ってホント嫌いです。幽霊が出る訳も、増築し続ける理由も、なるほど納得できるもの。でも、だからこそ意外性がなく、予想を裏切らず淡々と進む物語に退屈しました。映画の出来としては、たぶん『普通』レベル。一般的には『普通』なら『可』でしょうが、こと『ホラー』映画においては『不可』と考えます。あまりにも退屈したので、屋敷が崩れ落ちるシーンでは『8時だよ全員集合』の例の音楽を脳内再生して勝手に楽しんでしまいました。(以下余談)この素材をオカルトで仕立てるのは前述したとおり『普通』なので、別の切り口も考えてみては。たとえば莫大な金が動いている部分に焦点をあて、裏社会の資金洗浄だったり相続税対策だったり、現実的で生々しい解釈を創作してみるのも面白いのではないかと。映画化向きの極上素材なのは間違いないので『普通のホラー』では勿体ない気がします。[インターネット(吹替)] 4点(2020-09-15 18:54:03)(笑:1票) 1973. 映画 としまえん 《ネタバレ》 『としまえんの呪い』なる都市伝説は、本作製作にあたりこしらえた架空の設定かと思いきや、そもそも“ありもの”なのですね。本来なら迷惑極まりない与太話を、本元の『としまえん』が了承してホラー映画をつくるあたり、なかなか懐が深い話だと思います。ただ、折角の都市伝説が活かされているとは言い難いのが残念。もはや『としまえんの呪い』というよりクラスメイトちゃんの恨みの様相。ホラーですからバッドエンドでも構わないですが、もう一ひねりも二ひねりも欲しいところ。『としまえん』が豊島区ではなく練馬区にあるということは勉強になりました。なお、遊園地『としまえん』は本日2020年8月31日をもって94年の歴史に幕を閉じたそうです。お疲れ様でした。[インターネット(邦画)] 4点(2020-08-31 23:59:59) 1974. 奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語 《ネタバレ》 それでは収録順に感想を。①『カーテンの向こう』主人公は常時介護が必要な身体障碍者。体の自由が利きません。それゆえ、わずか50センチ先カーテンの向こう側が伺い知れぬという設定は上手いです。ホラーらしい『見切れ』の演出も上々。オチはもう一工夫欲しいところです。②『真夜中の来客』初期設定から展開が無いのがツライです。オチはショウモナイですが、嫌いじゃありません。③『東京の友達』怖さでいえばコレが一番。見せない演出、見せる演出、メリハリが効いています。ロケーションも良。そして2話続けての『一言セリフ』オチにニヤリ。背景を考える楽しみもあります。④『古本の倉庫』これは平凡。もっといろいろ考えられるはずです。⑤『女ともだち』サプライズがあるようで、実は大してありません。狂気の表現もイマイチでした。⑥『彼氏の部屋』彼氏の人間性に戦慄する話。とはいえ、笑わせに来ているのは明白なので最早『ホラー』ではありませんが。こういうの結構好きです。⑦『釣り人』哀愁系オカルト。一応一ひねりあるものの、そんなに意味があるとは思えません。無駄な会話が多く時間の使い方が勿体ないです。⑧『ホームレス入門』既視感あり。今更感あり。全体を通じて言えるのは、役者の技量に難があること。これは有名とか無名以前の問題です。商業作品として最低限の品質は担保する必要があると考えます。お話のテイストはバラエティに富んでおり、オムニバスとしてバランス良さを感じました。しかし、それぞれの脚本は出来不出来の差が激しく困りものです。私の判断では、③⑥…〇、①②⑤…△、④⑦⑧…×。夏休み最終日に手を付けた読書感想文のようなヤッツケ感のある脚本が多い気がしました。もっと頑張れるはず。②③のように『一言セリフ』オチ縛りで、統一感を出すのもアリかと思います。各話を繋ぐブリッジ「こんな悪夢を見た」は、『奇談百景』の「こんな手紙が届いた」のパクリ、失礼丸パクリでしょうか。数多存在する『邦画トホホラー』の中にあっては、僅かに光るものがある気がしないでもありませんが、それが宝石なのかガラス片なのか、吟味する気にはなりません。[インターネット(邦画)] 4点(2020-07-30 20:22:05) 1975. サークル(2017) 《ネタバレ》 ネタバレしれます。未見の方はご注意ください。 ざっくりと『サスペンス』の認識で観始めたため、『無人島サバイバル』か『殺人鬼もの』か、はたまた『怪物・クリーチャー系』か、どの方向に話が進むのかと興味津々でしたが、まさか『〇オチ』とは。流石にガッカリ。『〇オチ』映画に何を言っても虚しいだけですが、一応気になった点を書き留めておきます。 主人公は何時船長を確認したのでしょう?時系列的には、“出発前”に知っていなければ辻褄が合いません。教授曰くWEBで船を予約したそうなので、HP掲載の顔写真でも見たのでしょうか。でも、それなら『予約した船が見つからない』事態は起きないはずで・・・。そこで、現地で初めて主人公が船長を確認したと仮定すると、単なる『〇オチ』回避の可能性が出てきます。サークルには不思議な力があり、過去の分岐点まで遡ることが出来たと。いわば『タイムスリップ機能付き全自動サークル』(なんて心地よい響き)。死という結末(運命)だけは変えられないので、戻った分岐点では主人公以外全員死亡。叫び女のクラシカルな服装から察するに、そもそも島に着いた時点で『時を遡っていた』可能性も考えられます。真相は『日光を嫌う怪物が棲む時空が歪んだ島』。う~ん、『〇オチ』より幾分マシな気もしますが、潔く『〇オチ』を受け入れた方がスッキリしそう。全ての矛盾が無効化されますから。だから『〇オチ』って嫌いなんですけど。そういう意味では『〇オチ』を採用していながら高い評価を得ている作品って(タイトルは書かないですけど)本当に凄いですね。[インターネット(字幕)] 4点(2020-07-05 19:24:16)《改行有》 1976. 私はヒーローそれともヴィラン?よみがえれ勝連城 《ネタバレ》 成果が全てのビジネスの世界に、過程を重視するボランティア精神を取り入れてステップアップ。一人の力はたかが知れてる。共働することで大きな力になる。なるほどメッセージは素晴らしいです。でも本当に主人公がそれを学んだかどうかは謎(正直そうは見えません)。意味のあるシーンや説得力のある描写をすっ飛ばして、結果だけで説明しようとしている気がしました。勝連城は良さそうな所だと思ったので、ご当地映画としての役目は果たしているのでしょうが、正直それ以上でもそれ以下でもないとのジャッジです。それより気になるのはタイトル。本気で作品を売る気があるのかと小一時間問い詰めたいくらい。これはナイです。ついでに言うならビジュアルイメージも。生首が青空に浮いているのは気持ち悪くないですか。もっとも本作最大の問題点は、主人公を演じた女優さんの好感度の低さという気がします。[インターネット(邦画)] 4点(2020-03-10 21:22:43) 1977. 復讐したい 《ネタバレ》 原作は、『リアル鬼ごっこ』『×ゲーム』等でお馴染みの山田悠介氏。『リアル鬼ごっこ』で懲りた私は原作未読ですが、本サイトでも映画化作品が多数登録されている人気の作家さんです。ただしどの映画も、採点は芳しくありません。個人的には「さもありなん」と考えますが、その点お含みおき頂ければと思います。 ≪≪以下ネタバレしてます。ご注意を≫≫ 復讐法なる法律が施行された日本。遺族には、加害者へ復讐する権利が与えられます。小さな離島を特別区に指定して行われる復讐は、複数組同時進行、返り討ちOK、加害者が生き延びれば身分を変えて無罪放免だそう。要するに、お上で時間と場所だけ提供するので、あとは当事者間で決着をつけてねという合コンのようなルールです。如何にも男子中学生が思いつきそうな詰めの甘い(失礼)、ロマンと刺激溢れる設定ですが、これが山田氏の流儀と考えます。さて、所謂『復讐もの』ではありますが、復讐の是非を問うヒューマンドラマは無いに等しく、主人公妻の意外な死の真相へ迫るミステリーと銃主体のバトルアクションがメインとして提供されます。エンタメ志向と言えば聞こえは良いものの、テロリストがこっそり核爆弾を島に持ち込む“トンデモ要素”(まあ全部そうですけど)があったり、妻の死の真相を主人公があっさり看破したりと、とりあえず美味しそうなもの詰め込みました的な(失礼)節操のない(失礼)、バラエティに富んだ印象を受けます。簡単に本作を説明するなら、『フリージア』×『バトル・ロワイアル』×『パージ』÷3。ちなみに、それぞれの主演俳優をこの数式に当てはめても成立するのは、ミラクルとしか言いようがありません(すなわち『玉山鉄二』×『藤原竜也』×『イーサン・ホーク』÷3=本作の主役。彼の素性は【くるきまき】さんのレビューを参照くださいね)。[インターネット(邦画)] 4点(2019-10-20 21:27:43)(良:1票) 1978. 呪われた都市伝説 紫鏡<OV> 《ネタバレ》 初っ端から女性が、台詞で状況を説明し始めた時は「あちゃー」と思いました。役者の演技・演出の品質も右に倣へ。低予算映画に過度な期待をしてはいませんが、それにしても“ダメ映画あるある”が目につきます。しかし見進めていくうちに「そう悪くもないぞ」と思い始めました。 ≪≪以下ネタバレしてます。ご注意を。≫≫ 本作は都市伝説「紫鏡」をモチーフにした映画とのこと。私はこの都市伝説を承知していませんが、劇中の説明によると「『紫鏡』なる言葉を20歳になるまで覚えていると死ぬ」のだそう。昨今話題のあおり運転よろしく、回避困難かつ不条理極まりない話です。また、様々なディテールが完備されている有名都市伝説と違い“お題”がざっくりしている分、脚本の発想力が試されると言えましょう。それでは状況整理から。①登場人物はみな呪いの言葉を二十歳の誕生日当日まで覚えていた者たち。②呪いの力により肉体から精神のみが切り離され、異空間に連れて来られてしまった。③誕生時間ピッタリに苦しみながら絶命する仕組み。 極限状況下においても推理を重ね、真相を探り当て、生き残る為に試行錯誤する若者たちの“足掻き”が見どころです。そんな彼らが導き出した生還計画とは“一時的に気を失う”というもの。これは以下の仮説を拠り所とします。①異空間と違い、現世の時間は止まっていると推測。②異空間内での“絶命基準タイム”に『紫鏡』を忘れていられれば助かるはず。でも同時に、精神を肉体に戻す方策も必要。③気を失えば精神は肉体に戻ると仮定。それなら異空間内の基準タイムギリギリまで待とう。そしてジャストタイミングで蘇生を目指せ。④現世で蘇生が叶わなければ精神は異空間に捕らわれたまま。それでは意味が無い!誰か私を起こしておくれ!!⑤気絶させるつもりで精神を殺してしまってもアウトだ。匙加減は激ムズだ。 なるほど、なるほど、なるほど。よく考えました。僅かなチャンスに賭けるチャレンジ精神も立派です。タイムリミットや生還要件の付則は、サスペンスホラーの質を上げますな。ただし基本となるアイデアは良くても、作品の良し悪しは総合力で決します。ですから冒頭に述べた理由により採点は低めとなってしまうのです。気分的には努力賞を差し上げたいですし、密かに続編を作ってくれないかなあと思ったりもします。このお題、まだまだ工夫の余地はありますから。[インターネット(邦画)] 4点(2019-09-30 20:23:13) 1979. ザ・タンク 《ネタバレ》 極限状態で人々の理性が失われていく系のソリッドシチュエーションスリラーといえば『生きてこそ』、『ハンガー』(2009)、それに『esエス』あたりがすぐに思いつきます。前者が厄災系無期限隔離状態とするならば、後者は積極的限定隔離状態と言えます。当然ながらキツイのは前者の方。希望が持てないのですから狂うのも仕方なしと思えます。それに対し後者の方は、一定時間経過すれば常態に戻ることが約束されています。ですから我慢出来るのです。普通は。にも関わらず狂ってしまうのですから、設定に一工夫必要なんですね。『es』については各自ご確認頂きたいのですが、成る程それなら狂うかも?な仕掛けが施されています。本作も後者に類しますが、全くもって説得力に欠けます。孤独が故に狂ったって?そんなアホな。それならトラウマを抱えていたリーダーの方が余程危ういでしょうに。何だかよくわからない内に暴走して挙げ句自滅する男。「何だこりゃ」としか言いようがありません。それより室内の空気残量の心配をしなきゃならないと思うのですが(そのための伏線エピソードありましたよね)、結局焦点にすらならず仕舞い。彼らにとって一番の恐怖って何なのでしょう。さっぱり分かりません。何を見させられているのやら。基本設定が秀逸でも脚本が仕事をしないと凡作になってしまう一例です。[DVD(吹替)] 4点(2019-05-15 19:52:54) 1980. トーナメント 《ネタバレ》 米映画批評サイトで満足度92%ってマジですか?!DVDパッケージのデザインって、他の作品と間違ってません??そもそも邦題が無茶苦茶ですよ!!いろいろ解せません。世の中って不思議。[DVD(吹替)] 4点(2019-02-20 20:53:51)
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