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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1961.  甘い生活 《ネタバレ》 近年、フェリーニの評価がだんだん下がってきた様な気がしますが、50年前に撮られた本作を観直して改めてため息が出ました、「あんたやっぱり凄いよ、フェリーニさん」。 ストーリーなぞあってなき様なものですが、ひとつひとつのエピソードが独立して一編の映画に出来そうな濃厚さです。 マストロヤンニを見てると、50年経とうが500年過ぎようが人間の本質は変わらないのだなと思います。 きっと誰もが腐った魚と隣り合わせで生きているけど、なかなかそれに気づかないものなのですよ。[ビデオ(字幕)] 9点(2010-08-04 20:48:12)

1962.  ザ・プレイヤー 《ネタバレ》 今まで観た映画の中で一番豪華なカメオ出演ですね。もう途中から“目が点”状態でした。ハリウッド業界というか、その中に巣くう魑魅魍魎への皮肉がとってもイタくて、自虐ネタもけっこう入っているのでは? 劇中T・ロビンスはオスカー受賞しているという設定になっててオフィスにふたつもオスカー像が置いてあるのですが、これを観てとうとう最期までオスカーに縁がなかったR・アルトマンの本音が見えた様な気がします。 本当はオスカー欲しかったのじゃないかなアルトマン、ハリウッドは嫌いだったけど…[DVD(字幕)] 8点(2010-08-04 01:10:29)

1963.  ロザリー・ゴーズ・ショッピング 《ネタバレ》 えー、一言で言うと、P・アドロン版『お買いもの中毒な私』です。 ロザリーはアメリカの片田舎アーカンソーに住むドイツ出身の主婦で9人の子持ち。旦那は農薬散布の会社に勤めるパイロットで、空軍時代にドイツでロザリーと結婚。映画は「お買いもの中毒」としか言いようのないロザリーがカード詐欺まがいのハチャメチャな生活を繰り広げるのをシニカルに見せてくれます。ロザリーだけじゃなく子供たちも消費生活にどっぷりつかっていて、家族だんらんで観るTV番組は録画されたCMだけというのがとってもヘンです。 P・アドロンという監督は「家族」にこだわる人みたいですが、モノ・消費だけでつながっているこの一家をブラックに見せています。 この映画はそういうプロットは大変興味深いのですが、いかんせん後半ハッピーエンドで締めてしまっては何が言いたいのか判らない怪作になってしまいました。カトリック教徒のロザリーは教会で神父に懺悔すれば罪が消えると思っていて、まめに懺悔しに行くのはとっても面白いのですがね(懺悔を聞かされる神父がJ・ラインホルドで、こいつがまた傑作なキャラです)。 ロザリー役は『バクダッド・カフェ』でお馴染みのM・ゼーゲブレヒトです。[ビデオ(字幕)] 4点(2010-08-03 23:19:17)

1964.  ザ・ヤクザ(1974) 《ネタバレ》 当時のハリウッドで、もっともディープなジャパンおたくだったP・シュレーダーが書いた脚本だけあって、(これでも)今まで製作された中でもっとも違和感が少ない日本が舞台のハリウッド映画でしょう。「義理」なんて今の私たちの意識には大分希薄になってしまった概念ですが、アメリカ人の視点では「借り」と同等のものだという解釈はあまりに合理的過ぎて異論もあるでしょう。邦画の伝統ではヤクザ映画は「義理と人情」がバックボーンなのですが、外人さんは「義理」が何か日本人に特有なもののように感じるみたいですね。本当は「義理」も「人情」も普遍的なものですが、キリスト教文明は異教徒と普遍的な価値観を共有するという文化がないので、どうしても日本の文化の異質性に関心が行ってしまうのでしょうか。 R・ミッチャムと高倉健のコラボレーションは実に見事で、ミッチャムがこんなにいい役者だったとは見直しました。不器用な生き方を選んだ健さんが鮮やかな殺陣を見せ、クールな男ぶりのミッチャムがドタドタと巨体を揺すってぎこちないガンさばきをリアルに演じているのが好対照で面白かったです。 「ヤクザ」と「サムライ」をどうも混同している様なところがみられるのはちょっと考えものですが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-03 00:54:53)

1965.  ジョンとメリー 《ネタバレ》 むかし名画座で良くかかっていた作品ですが、観る機会がなく今回初めて鑑賞です。 自分が本作に持っていたイメージとはだいぶ違ってたなというのが感想。「見知らぬ男女が出会って一夜を共にし、朝になって初めてお互いの名前を告げ合う、僕はジョン、私はメリー」という様なファンタジーっぽいお話しだと勝手に思っていたのですが、ジョン(D・ホフマン)もメリー(M・ファロー)もけっこうリアルで生臭い男女でした。カットバックして挿入される二人の心象風景とモノローグで表現される本音は、大都会NYらしい乾いた人間関係を見せられるようで、メルヘンとはほど遠いものです。 公開当時の観客はどうだったか判りませんが、自分には二人に感情移入や親しみを感じられませんでした。そうですね、しいて言えばウディ・アレンの世界をもっともっとスノッブにした様な印象でしょうか(M・ファローも出てるし)。 ただ、本作のM・ファローは意外なことにとってもキュートで良かったです。[DVD(字幕)] 5点(2010-07-31 23:23:11)

1966.  ガールズ・ルール! 100%おんなのこ主義 《ネタバレ》 自分が今まで観た映画の中で間違いなくワースト3にランクインするほどひどい邦題ですが、作品自体は地味ですが良い出来です。ストーリーは、ガールズ版『アニマルハウス』といったところでしょうか。ネームヴァリューがもちろん違うのでしょうがないですが、K・ダンストじゃなくてG・ホフマンが主演です。 校長役が先日亡くなったL・レッドグレーブで、けっこういい役でした。K・ダンストに退学処分を告げるシーンは、校長のくせに煙草をすすめたりしてまるで『さらば友よ』のラストみたいでちょっとカッコよかったですね。[DVD(字幕)] 7点(2010-07-31 20:03:47)

1967.  ショート・カッツ 《ネタバレ》 群像劇ってあまり好みではないんですが、これは面白い、3時間以上の長さも全く苦になりません。ひとりの作家の短編小説群を組み合わせるとはなかなか良いアイデアですね。これもひとえに全盛期のR・アルトマンのストーリー・テリングが超絶的に上手いからです。 あの地震は、猥雑な登場人物たちの発散させるパワーのメタファーになっていて、脚本には感心させられました。まあ誰かさんみたいに、カエルを天から降らせるのはやり過ぎでしょう(笑)。けっこう出ている女優が脱いでますが(なんとF・マクドーマンドまでも)、J・ムーアの脱ぎっぷりにはちょっとびっくりです。あれはアルトマンらしいところでしょうか。あとH・ルイスも出演していますが、最初は全然気がつきませんでした。[ビデオ(字幕)] 8点(2010-07-29 22:20:50)

1968.  トコリの橋 《ネタバレ》 むかーしTV放映で観た印象はあまり良くなかったけど、今観直してみると結構ていねいに撮られた作品だなと再評価しました。空母からの発艦シーンは結構細かく描かれているし、橋を攻撃する場面はもちろん特撮ですが当時としてはレベルが高い映像です(オスカー視覚効果賞とってます)。米海軍全面協力の割には、軍務や空母内の人間関係がシニカルに描かれているところは意外です。 入港するシーンで、甲板に並べたプロペラ機のエンジンを回して空母の位置を微調整するのですが、こんなこと本当にやっているのかとびっくりしました。そりゃエンジンが痛むと飛行隊長が怒るのは無理ないですよ。 最後に主人公があっさり戦死しちゃうところは、同じM・ロブソンが監督した『脱走特急』のF・シナトラを思い出しましたが、この監督はこういう無常観が好きなんですねえ。朝鮮戦争がテーマの映画ではお馴染みの日本風景ですが、まあこんなもんかなというレベルで収まっています。あの「ショウ・ボート」という米軍専用キャバレーは、いかにも国辱ものという雰囲気ですが、新橋に実在していたそうです。 G・ケリーが出演していますが、さすがクール・ビューティぶりは圧巻です。この映画、戦争映画にしては珍しく衣装がE・ヘッドなんですが、なるほど、G・ケリーが出ているからなんですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-28 21:57:14)

1969.  放射能X 《ネタバレ》 あの傑作『ゴジラ』と同じ1954年公開なんですね。日本の『ゴジラ』は超大作、『X』は低予算では比べるのはちょっと酷ですが、本作も50年代ハリウッド製モンスター映画の傑作ですよ。 怪獣映画の基本は、現実には存在しない怪獣が主人公ですから、その出現する設定や人間たちの対応にいかにリアリティを持たせるかに映画の出来がかかっています。その点本作の脚本は、蟻の生態を良く研究していて説得力あるストーリーですし、低予算を逆手にとって「見せ方」に趣向を凝らしていて、蟻が姿を見せるまでの展開は『ゴジラ』に良く似ていて驚きです。 本作に限らず、ハリウッド製の怪獣モンスターはみんな軍隊の攻撃で倒されるパターンがほとんどなのが面白いですね(そりゃ本作では、しょせんでっかい蟻ですけど)。日本の怪獣映画では、ゴジラを筆頭に自衛隊が退治したやつは一匹もいません、やはりそこは戦争に勝った国と負けた国の違いでしょうか…。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-27 20:19:06)

1970.  ロミーとミッシェルの場合 《ネタバレ》 それにしてもこのミラ・ソルヴィーノとリサ・クドロー、二人ともでかいですねー、身長が180センチぐらいありそうですねー。 ハイスクール卒業10年後の同窓会というテーマは意外とありそうですが、コメディ映画としては珍しいプロットですね。二人のキャラクターからしてお下品なシチュエーション・コメディかと思ったのですが、大してはじけてなく予想外の大人しさでした。せっかく「ガーリー・ムーヴィーのイーディス・ヘッド」モナ・メイの“バリバリ・ボディコン”ルックをまとってふたりとも頑張ってるのにねえ。まああまり真面目に観ることもない内容ですが、ラストのダンスシーンではヘンなダンスをソルヴィーノとクドローに踊らせていて、なんか思いっきりすべってますよね。ここは本来なら大いに盛り上がるところですが、この監督はこれがうけると思ったみたいなのですが大失敗ではないでしょうか。 ミラ・ソルヴィーノは好きな女優ですが、オスカーとってからろくな映画に出演していないのが残念です。[DVD(字幕)] 5点(2010-07-26 21:35:34)(良:1票)

1971.  恋の手ほどき(1958) MGMミュージカルの掉尾を飾り、伝説のオスカー・パーフェクト受賞を成し遂げた作品です。MGMミュージカルをそんなに沢山観ているわけではないですが、良く言われるようにダンスシーンがないことが本作の欠点です。 レスリー・キャロンの魅力だけで高評価だったのでしょうが、歴史に残るミュージカルということにはなりませんでした。キャロンの可憐さも本作が頂点だったみたいで、60年代にはびっくりさせられるほどおばさんになっちゃったのが悲しいです。[DVD(字幕)] 5点(2010-07-25 19:28:36)

1972.  朝やけ雲 《ネタバレ》 イギリスにもあったんですね、軍部全面協力・御用達映画が。 50年代の空軍士官学校入学した士官候補生と大戦中に候補生の父の部下だった教官との確執がストーリーの中心ですが、しょせん英国空軍(RAF)版『トップガン』ですからそんなものどうでも良いのです。 見どころは50年代のレトロなジェット戦闘機の飛行シーンで、後半では「世界一美しいジェット戦闘機」と称賛されたホーカー・ハンター戦闘機の貴重な飛行シーンがたっぷり拝めます。 しかし、『朝やけ雲』という邦題はどっから思いついたのでしょうかね、これほど内容とかけ離れた邦題はちょっと珍しいです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-07-24 20:29:29)

1973.  暗殺者のメロディ 《ネタバレ》 それにしても「トロツキー暗殺事件」を題材にする映画なんて、後にも先にも本作だけでしょうね(実際、今の大学生でもトロツキーの名を知っているのがどれだけいるやら)。赤狩りでアメリカを追われた「四つの顔を持つ男」ジョセフ・ロージーが原点に立ち返った様なテーマです。 はっきり言って作品のテンポは冗長で最後まで盛り上がりに欠けるのですが、何を考えているのか不気味なアラン・ドロンが演じる暗殺者“ジャクソン”は彼のフィルモグラフィの中でも屈指の名演でしょう。ラストシーン、「お前は誰だ!」と問い詰められて「トロツキーの暗殺者」と答える表情がなんかとっても不気味で良かったです。でもホント、トロツキーって脇が甘いですねえ、あれじゃスターリンに負けちゃったのも無理ないです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-23 20:33:03)

1974.  レーサー 《ネタバレ》 これはもう、実際にカーレーサーとしても活躍したポール・ニューマンの趣味で造った映画ですね。共演も愛妻ジョアン・ウッドワードと気心知れたロバート・ワグナーですから、自身でもレースカーを運転出来てしあわせだったのではないでしょうか。 よっぽど楽しかったみたいで、普段なら脚本にはうるさいニューマンも雑なストーリーも眼中になかったみたいです。なんせ。ウッドワードがワグナーと浮気するわけですが、その過程があまりに唐突でこれじゃあウッドワードがニンフォマニア(色情狂)みたいですよ。クライマックスのインディ500レースは実写フィルムを交えて迫力ある映像で、葉巻型レースカーが懐かしいですね。 たとえフィクションとは言え、インディ500で優勝することができてニューマンは大満足だったでしょうね。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-20 20:47:32)

1975.  ウディ・アレンの影と霧 《ネタバレ》 いやはや、ウディ・アレン映画史上、最大に豪華な出演俳優陣ですね。またアレン映画にしては映像に凝りまくっているのが珍しいですね。文字通り「影と霧」を強調したモノクロ映像は、どこか青みがかった様な独特な色合いで良い雰囲気です。今回はいつものアレンコメディにカフカ的な不条理劇をミックスさせた様なプロットで、コメディタッチの不条理劇なんて初めて観た様な気がしますが、このコラボはミスマッチのようです。 不条理劇を見せたいならもっと地味な俳優たちを使うべきで、この豪華な俳優陣ではどうしても観客の関心が吸い寄せられてしまい印象が散漫になってしまいます。まあアレンとしては実験作のつもりだったかもしれませんが、あまり成功した演出とは思えませんね。[DVD(字幕)] 6点(2010-07-19 21:53:39)

1976.  殺人者はライフルを持っている! 《ネタバレ》 B級映画の帝王ロジャー・コーマンは配下の若造に次のような話を持ちかけました。「ボリス・カーロフの契約が二日残っている。カーロフが出演している俺が監督した『古城の亡霊』のフィルムを有効利用して彼が主演の映画を一本撮ってみないか?」 その若造こそ、まだ映画監督したことがなかったピーター・ボクダノヴィッチだったのです。パワハラ上司の無理難題ですが、監督デビューをするには引き受けるしかありません。かくして必死で脚本を書いたボクダノヴィッチは持てる才能を発揮して本作を完成させたのでした。 というのがウソみたいなホントのお話しだそうですが、ヴェラ・ルゴシを使って映画を撮ったエド・ウッドとかぶってしまいます。ボクダノヴィッチはスチュアート・ホイットマンの『テキサスタワー乱射事件』をモチーフにして、カーロフが演じる怪奇映画の老スターが事件の狂言回しになる実に奇抜な脚本を書き上げました。エド・ウッドと違って才能あふれる監督だと、同じような悪条件でもこうも出来が違うのかと感心させられます。 本作の中では20分近く『古城の亡霊』の映像が使われていて、今ではなかなか観ることができない『古城の亡霊』の雰囲気が判ります。ホイットマンの実際の行動を基にしたライフル魔の描写がけっこうドキュメンタリーっぽくなっていて、銃や弾薬を準備する描写など実にハードボイルドなのです。この犯人が、『古城の亡霊』を上映しているドライブイン・シアターに潜入してスクリーンの背後からライフルを乱射するというのがまた素晴らしいアイデアです。ラストでは老カーロフが犯人逮捕に活躍するのがご愛敬です。このカーロフの役柄は、ボクダノヴィッチの大先輩に対するリスペクトが感じられて微笑ましく感じました。日本では未公開、アメリカでもほとんどお蔵入り状態で現在ではカルト映画と化してしまった本作ですが、一度観る価値は十分にあると思いますよ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-18 20:06:32)

1977.  成功の甘き香り 《ネタバレ》 B・ランカスター、T・カーティス、両者ともいい演技してますねー。「静」のランカスターと「動」のカーティスという感じでしょうか。コラムニストという職業のステータスが日本ではイマイチ実感できないところですが、社会性があるプロットではなくランカスターとカーティスの人間関係に絞った脚本がシェイクスピア劇を観てる様な重厚感を与えてくれます。どう考えても、ランカスターと妹は近親相姦の関係にあったとしか思えませんがね。本作の凄いところは名手J・ウォン・ハウの素晴らしいカメラで、ブロードウェイの夜景が鮮やかなモノクロ画面に捉えられています。夜明けから早朝明るくなるまでを一気に撮ったシーンは印象的ですねえ。モノクロ映画は撮影監督の技巧が楽しめるのがいいですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-17 22:11:48)

1978.  血とバラ 《ネタバレ》 ロジェ・ヴァディムと言えば『血とバラ』、『血とバラ』と言えばロジェ・ヴァディムと語られるほど有名ですが、現在なかなか観る機会がない作品です。原作はレ・ファニュの小説『吸血鬼カーミラ』ですが、ヴァディムは舞台を現代に置き換えてお得意の官能的で耽美な映像を見せてくれます。 「ご先祖さまは吸血鬼だった」という貴族のメル・ファーラーとその従妹アネット・ヴァディム、ファーラーのフィアンセであるエルザ・マルティネリ、彼らの三角関係に甦った吸血鬼ミラーカの霊が割り込んでくるというのが大まかなストーリーです。ヴァディムの役名が「カーミラ」で、ご先祖の女吸血鬼が「ミラーカ」というのがちょっとややこしいところですが。 まあ前半はとても60年代の一流監督が撮ったとは思えない冗長な展開でがっかりさせられます。ところがですね、突然映像がモノクロに変わる幻想的なラスト15分間は、なるほど本作が語り継がれているわけだと納得させられる素晴らしさです。カーミラのドレスに沁み込んだ血だけが赤く輝きを発するところなど、『天国と地獄』の有名な煙突の煙に匹敵するインパクトがあります。この映画では、ミラーカが甦るところや吸血するところなど直接的なシーンがなく、すべての出来事がアネット・ヴァディムのメル・ファーラーへの恋心からくる妄想ともとれる撮り方をしているのも特徴です。アネット・ヴァディムは当時のロジェ・ヴァディムの奥さんですが、演技は大根ですしルックスもレベッカ・デモーネイを田舎くさくした感じですが、エルザ・マルティネリとのレズっぽいシーンなどはハッとさせられます。そう言えば、私が観たバージョンはアメリカ公開版で、レズシーンなど官能シーンを15分近くカットしたものらしいです。完全版を一度観てみたいものです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-14 21:44:55)

1979.  世にも怪奇な物語 《ネタバレ》 「お勧めのオムニバスは?」と人に尋ねられたら、迷わず本作をプッシュします。ポオを題材にしてはいますが、はっきり言って三者三様で出来にもムラがあります。しかし、有名なフェリーニの『悪魔の首飾り』は超絶と言って良いほどのハイレベルな傑作で、これだけは観て絶対損はしません。ヴァディム、マルとは作風が全然違うし、時代を現代に映しているのでポオが原作とは気づかないぐらいフェリーニらしさに満ち溢れています。もうあの空港シーンからして行っちゃってますし、テレンス・スタンプの演技には画面にくぎ付けにされちゃいます(この人の生涯最高の演技でしょう)。そしてあの少女が…。 フェリーニが撮った唯一のホラーを堪能すべし![CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-13 22:31:04)

1980.  何かいいことないか子猫チャン 《ネタバレ》 若き日のウディ・アレンが脚本を書いて世に出るきっかけとなった迷作。かなりくどいユダヤチックなドタバタコメディですが、今回鑑賞してふたつのことに気づきました。 まず本作は実はフェリーニの『81/2』のパロディなのです。まあ主人公は女がほっとかないモテ男であるという設定だけパクった様なものですが、セラーズの奥さん役に『81/2』の狂女サラギナを演じて強烈な印象を残すエドラ・ゲイルを持ってきたところはなかなかのセンスです。本作でも唯一の「非美女」として文字通り暴れまくっています。あと、ハレムで女たちにムチをふるうマストロヤンニの夢のシーンをそのまんま使っちゃてますし(かぶっている帽子まで同じ)。 そしてもうひとつは、これまた迷作であるあの『カジノロワイヤル』に多大な影響を与えていることです。アレン、セラーズ、アンドレス、そしてカメオ出演ですがオトゥールとキャストはかぶっていますし、スタッフはバカラックはもちろん、プロデューサーも一緒です。そういやアレンはノン・クレジットですが『カジノロワイヤル』の脚本にも参加していますね。 『カジノロワイヤル』にオトゥールが出てくるのは1シーンだけでセラーズに向かって「あんた、リチャード・バートン?」と聞くのですが、このシーンの意味がずーと判りませんでしたが本作を観てなぞが解けました。本作にはやはり1シーンだけバートンがカメオ出演していて、逆にオトゥールに「どこかでお会いしませんでした?」と尋ねるセリフがあるのですよ。要はこのシーンのお返しをオトゥールはしてたんですね、それにしても芸が細かいですな。 とは言え、本作はアレンの脚本がいじられ過ぎたのか監督の能力不足か、あの『カジノロワイヤル』にすら遠く及ばないのは残念です。全盛期のロミー・シュナイダーをはじめ、豪華な女優陣で目の保養をするのがベストかな。[ビデオ(字幕)] 5点(2010-07-13 00:39:51)

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