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プロフィール
コメント数 363
性別 女性
自己紹介 とにかく毎日忙しい、とか言ってなかなか映画を観ないと、観たい映画リストがどんどん長くなっていく。
このまんまじゃ死ぬまでに間に合わなくなっちゃうから、とにかくどんどん観ようっと。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567
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1.  グラン・トリノ 「まったくひどい」という神父に「それが世の中だ」と答えるイーストウッド。 このセリフに彼のこれまでの作品に内在するテーマが見てとれるのだが、本作ばかりはややテイストが違う。 なんとも微笑ましい前半部、近年のイーストウッド作品ではすっかり影を潜めていた“笑い”がこの作品にはあり、かつてのイーストウッド映画を想起させ、それだけでもなんだか泣けてくる。 ダンディズムの象徴みたいなイーストウッドが、少年タオに男の口のきき方、女の子の誘い方を伝授するシーンの温かさ、演出の巧さには鳥肌が立った。 ストーリー自体は極めてシンプルだが、それでいてラストの懺悔シーンとその後の結末の現わすところの深さは尋常ではない。 さらにさらにそれでいて、後味は信じられないほど穏やか。 彼のこの偉大な作品に込められた遺言は、きっと遠く遠く先の世代にまで届くのだろうと思う。[DVD(字幕)] 10点(2011-08-07 12:58:30)(良:3票) 《改行有》

2.  イングロリアス・バスターズ オープニングのシーン。美しいロケーションの中を走ってくるサイドカー、美しい娘と厭らしいナチの大佐という対比からなる緊迫感。 掴みはオッケーだ。いや、オッケー過ぎるだろう。 息をつめて見つめる会話の中、異常な音量を持って響く雑音。息をのむ銃撃戦の残酷な爽快さ。とびきり美しい構図を持った映像。 いやもう傑作でしょう、これ。 長い長い会話シーン、「こう来ちゃうの?まさか、あんなことになっちゃうの??」と、わなわなしながら焦らされるわたし達観客を、期待通りに驚かせ、あるいは気持ちいいほど痛快に裏切る。 またたとえば、ランダ大佐の人物像については繰り返し饒舌に本人に語らせているのに、ブラピ演じるレイン中尉についてはその背景が語られることはない。 ジャンキーであることと、首に大きな痛々しい傷跡を示すだけに留めている。 そういう駆け引きのひとつひとつが、もう文句なしに上手い。 インチキくさい話であるので「暗殺計画のずさんさ」や「史実は完全に無視かよ!」などの突っ込みどころは、もちろんあるだろう。 でも「それがどうした???」と言い切ってしまえる程の圧倒的な完成度である。 血なまぐさいハナシではあるが、決して気が重くなるような作品ではない。 当然「戦争と平和」について、思いを巡らせるような代物でももちろんない。 ただひたすら映画バカの監督が、映画バカの観客のために撮った、どこを切り取っても映画的であり、映画を観る喜びに浸るための映画なのだ。 暮れも押し迫ったこの時期、今年のベスト映画に出会った。(12月16日.新宿ピカデリー) [映画館(字幕)] 10点(2009-12-19 16:46:46)(良:1票) 《改行有》

3.  50回目のファースト・キス(2004) モテ男のヘンリーが恋におちた相手は「眠ったら記憶が消える」という病を持った女の子、というおバカな設定で作られたラブコメ映画。 間違っても傑作なんかじゃないし、賞をとるような作品ではないけれど、私的には恋愛映画のベストです。 毎日彼女と「知り合う」ために、手を替え品を替えアプローチし続けるヘンリーのひたむきで健気な愛情にやられっぱなし。 こういうみっともないほどまっすぐな男が出てくる映画は、他の要素や問題点を何もかも吹っ飛ばして全部満点です。許してください、性癖なので(笑)。 だって、恥も外聞もなく、自分が傷つくことなんて全く躊躇せず、彼女のハートを射止めることに突進できるなんて、最っ高に潔いじゃないですか。 これ以上の男らしさってあります? …コホン。話がそれました。 まあ、わたしの個人的な恋愛嗜好は別にしても、明るくて屈託のないプレイボーイを演じるアダム・サンドラーと、陽気で素直な女の子にぴったりハマってるドリュー・バリモアの息の合った演技と、愛らしいペンギンやセイウチ、みんなが大好きなハワイの美しい風景、と、ステキなものがいっぱい詰まった楽しい映画です。 暖かくって、優しくって、泣きたくなるようなラストのオチも、言うことなし!なんですが、他の映画のネタバレだけはいただけません。 シックス・センスをまだ観ていない方は、絶対に本作を観る前に鑑賞しておきましょう。[DVD(字幕)] 10点(2009-10-04 09:44:14)《改行有》

4.  それでもボクはやってない 日本の司法の問題点を、ひたすらリアルに正攻法で描いた本作は、周防監督の真摯な問いかけがストレートに伝わってくる。 実はこの映画が公開されるよりずっと前に、知人の弁護士から「痴漢冤罪」について聞かされていた。 微罪だから、という理由でなかなか表面化しなかったこの問題を通して、この国の司法制度は根本から見直さなければならない、という極めて重大な社会問題を、誠実な取材と堅実な演出で見事なエンターテイメントに仕上げた監督の聡明さと手腕を、諸手を挙げて褒め称えたい。 ことに、最後の最後まで、観客であるわたしたちに真実を明かさずに、客観的な事実のみを積み重ね見せていく手法は、実に示唆に富んでいる。 公開当時、深夜2時からのレイトショーで観たのだが、観終わって拍手したくなった作品は久しぶりだった。 お見事というほかない。 [映画館(邦画)] 10点(2009-04-18 15:09:59)(良:1票) 《改行有》

5.  チェンジリング(2008) 実は『ミリオンダラー・ベイビー』を観て、もうこの監督の作品は辛すぎるから観ないことに決めていたのだが、やはり、矢も楯もたまらず、上映最終日のレイトショーを観に行った。 世の不条理を描き続けるイーストウッドの作品は、観ている間中、五感の全てを刺激する。 ひとつひとつのショットは、画面の隅々まで完璧であり、1シ-ン1シーンが見逃すことのできない重要なカットの連続である。 わたしは、ただ無力に、息を凝らして見守るしかない。それは、辛くて、長い長い時間だ。 本作は、巨悪に立ち向かう社会正義や、犯罪の悲惨さなどを訴えてはいない。 ただ、この世に起こり得る不条理を、一秒の無駄もなく、淡々と、しかし静かな怒りを持って、描き切っている。 その徹底した不条理を、アンジェリーナ・ジョリー演じる母親の息子への深い愛が、残酷なまでに際立たせるのだ。 これほどまでに完成された映画を褒め称える言葉を、わたしは持たない。 そしてそれこそが、映画を観る幸福なのだ。(4月3日・新宿バルト9)[映画館(字幕)] 10点(2009-04-12 10:41:03)《改行有》

6.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 この映画はそもそもファンタジーなわけで、主演のトム・クルーズを侍の国に登場させ、その設定が日本史に疎い日本人以外の人々にも受け入れられるためには、史実との相違などは、もとより制作者にとってはたいした問題ではなかったのだろう。 事実、明治初期の世相や歴史にこだわりのない私としては「?」という部分があっても軽く右から左へうけながすことができた。 作品の核となるストーリーのテーマは異文化交流で、「いかに死ぬか」を尊ぶ侍と「いかに生きるか」が問われるアメリカ人が、各々の背景にある揺るぎない信念を越えて尊敬という名の絆で結ばれるという、美しい友情の物語。 ゆえに、勝元は誇りのために滅び行き、オールグレン大尉は誇りを取り戻すために生き続けるという、それぞれの結末が悲しくも清々しい。 大作の名に相応しい戦闘シーンの壮大さや、殺陣の美しさに充分すぎるほど楽しませてもらい、ラストでは久し振りに劇場で大泣きしたので、点数はもちろん「Perfect」です。[映画館(字幕)] 10点(2007-09-30 19:14:08)(良:3票) 《改行有》

7.  A.I. 人間たちはメカを恐れ、憎悪し、破壊する。 その姿は自ら作り上げてきた文明社会に傷めつけられている現代の私たちの姿そのものではないか。 メカであるハーレイ君の一途な愛を乞う無垢な姿を通して、たったひとつの愛ですら貫き通せぬ人間の存在意義を痛烈に問うている。 創造し破壊する繰り返しの中で営まれてきた文明は一体何処へ辿り着こうとしているのか、という壮大で深遠なテーマを美しく詩情豊かに描いた本作を傑作と呼ぶことに、一片の躊躇もない。10点(2003-12-20 13:24:11)(良:1票) 《改行有》

8.  第9地区 まったく予備知識ナシで観賞し、もうすっかり参った状態。 なんと独創的で示唆に富んだ作品でしょう。 まず、エイリアンが難民で、それがヨハネスブルグでかつてのアパルトヘイト政策のように隔離されているという状況が斬新。 これまで観たどんなSFとも違う、まったく新しいエイリアンものにグイグイ引き込まれた。 宇宙人像はどこかで見たような、甲殻類そっくりの醜悪なルックスなのだけれど、そのエイリアンに対して人間が行う所業はさらに醜悪、ゲスの極み。 途中から完全にエイリアンに感情移入させてしまうのだからスゴイ。 ものすごくなさそうでありそうな話しではないだろうか。 娯楽映画として十分楽しみながらも、自分だったらこの招かざる客に対してどのような態度で接することができるだろうか?とか、自分がもしエイリアンの立場になったら…、いや、それよりクリストファーは戻ってこられるのかしら?、などと、様々に思いを巡らせてしまった。 文句なしに楽しめて、想像や思考を存分に広げることができる、近年のSF映画では群を抜いて素晴らしい作品。[映画館(字幕)] 9点(2011-10-14 01:21:15)(良:1票) 《改行有》

9.  96時間 《ネタバレ》 基本的に痛そうな映画はちょっと苦手なわたくし。 なんなら時代劇の殺陣でさえ斬られ役が可哀想になっちゃったりするくらい。 でも、なぜか本作のアクションシーンはまったく別物。 最もキライな拷問シーンでさえ「もっとやれ~~!」状態(←結果、もっとやる) なんの罪もない友だちの奥さんだって必要とあらば撃っちゃう(←マジ!?でも全然OK!) 娘の命を盾に取り引きを持ちかける最終ボスも秒殺でズドン(←最高!) 余計な苦悩や葛藤でもたつくシーンがまったくない、爽快で痛快なアクションがハマりにハマって悶絶状態。 この火事場の馬鹿力は全部、幸福な家庭を維持できなかった主人公の娘への償いであり愛なのだ。 本題に入る以前のシークエンスも、短い尺で、元妻や娘との微妙な関係を端的に表しているし、余計なことを描かないスタンスが徹底していて、テンポ良く物語が進むのが気持ち良い。 それでいて、ほんのワンセンテンスだけの少ない出番の出演者はみんな印象的である(←大抵すぐ死ぬけど) 演出の腕が冴えわたって、ラストでは気持ちよ~く感動できる。 しかもたったの93分でこのクオリティ!ホントに素晴らしい。 難しいこと抜きにスカッとしたい人には、ぜひ。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-12 11:25:10)《改行有》

10.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 ストーリーは前作と大きく変わらない予定調和であるが、大ヒットの続編として、様々な制約のあったなかでよくもここまで完成度の高い作品を作ってくれたと思う。 昭和30年代というのは、今と比べてそんなに良い時代だったのか?といえば全然そんなことはないハズだ。 今よりずっと不自由で、差別的で、貧しさゆえの犯罪だってずっと多かったに違いないのだ。 だから私は安易に昭和を「良き時代」にしてしまうことには非常に抵抗がある。 しかしそんな時代に、未来への希望を持って生きた人々と幸福の本質を描くことで、本作もまた普遍的な感動作になっている。 これでもかというくらいに詰め込まれたベタなストーリーの数々は、役者たちが生き生きと演じることで、決して白々しいものになっていないし、前作同様、小物からセットまで見事に再現された三丁目の風景は、もう会えないと思っていた大好きな人に再会できたような感動を与えてくれた。 今の時代はあのころに比べてずいぶん豊かだが、未来に希望が持ちにくくなっているのは事実だと思う。 それでも「今日の夕日はなんでこんなに綺麗なんだろう」と言える幸福はきっと身近なちいさなモノの中にあるんだろうと、素直にそう思えた。[映画館(邦画)] 9点(2011-09-10 19:56:48)(良:2票) 《改行有》

11.  人生万歳! ウディ・アレン節炸裂、抱腹絶倒のパワフルコメディ。 この映画をべた褒めしたら、ちょっと色んな意味でひかれるかもしれないけれど、とにかくわたしは大好き。 変化を恐れず、苦難を笑い飛ばし、強引にハッピーを手に入れる登場人物達の清々しさに、おおいに励まされた。 75歳の巨匠はまだまだ健在である[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-05 12:41:21)《改行有》

12.  息もできない うんざりするほど繰り返される暴力シーンと汚い言葉から、ボロボロに傷ついた魂の叫びが聞こえてくる。 それは、慟哭であり、渇望である。 そんな主人公と出会う少女は「幸福な家庭」と嘘をつきながらも、実は彼と同じ痛みを抱えている。 魂が呼応し合うように惹かれあう彼らは、決してそれぞれの境遇を語り合ったりなどしない。 ただ、意味もなく共に過ごすことで同じ痛みを分かち合う。 漢江の畔で彼は少女の膝枕で涙を流し、彼女は声を殺して優しく泣くシーンでは、そんな二人のむき出しの哀しみに胸を打たれた。 全編に張り詰める緊張感と漲るパッションはとにかく圧倒的で凄みのある映画だった。 そして、これ以上ないくらい純真で優しい物語だった。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-03 00:22:42)《改行有》

13.  リンダ リンダ リンダ こんなに自分の(遠い昔の)高校時代を思い出したのは久しぶり。 些細な諍い、ものぐさな物言い、好きな男の子からの切りがたい電話、果たせなかった告白、間抜けな「OK?」。 どこを切り取っても普通の、キラキラなんかしていないごく普通の日常だ。 だからこそ、画面から甘酸っぱい汗の匂いさえ漂ってきそうなリアリティがある。 深い意味なんかない出来事を、余計な演出もなく、ただ見えるがままに時間だけを紡いでいく。 そしてその時間を楽しみ、愛おしむ、そんな映画だと思う。 観終わって自然と笑顔になっている自分がいた。[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-08-08 14:36:49)(良:3票) 《改行有》

14.  ALWAYS 三丁目の夕日 見えない指輪をはめた手をかざして「綺麗」とつぶやく小雪。 このシーンだけでもう感涙、感動、感激、胸一杯。 甘いと言われようが、クサイと言われようが、こういう純愛には目がないんです。 一歩間違えたら、陳腐な泣かせ映画になりかねなかったこの作品には、50年後の今にも通じる普遍的なメッセージが込められており、それが昭和の空気感にぴったり治まったのが多くの人の感動を与えた所以だろう。 それにしても蓮っ葉な役をやっても、ひたすら清らかに美しい小雪って、スゴイわ。 CGと懐古趣味が売りの泣かせ映画でしょ、などと、公開当時に劇場で観なかった自分をみっちり叱ってやりたい。 そして、こういう映画を観て、まだまだ感動できる自分を褒めてやりたい。[DVD(邦画)] 9点(2011-08-02 13:41:27)(良:2票) 《改行有》

15.  フラガール 《ネタバレ》 独創性や目新しさはなんにもない、型通りの直球映画。 「揉め事や悲劇なんかが色々あって最後にダンス見せるんでしょ?」はい、その通り。 「ブラス!」とか「リトルダンサー」とか、ああ、裸で踊るって言ったら「フルモンティ」とか、「ウォーターボーイズ」とか、似たような映画いっぱい観たし、と、あんまり気乗りせず観賞したんだけど、中盤の夕張へと旅立つ早苗の「一生で一番楽しかった」あたりから、泣けてしょうがない。 ここまでベタな内容なのに多くの人の心を打ったのは、まずやっぱり役者陣の演技の質の高さがあるように思う。 人生にちょっと疲れたダンサー役の松雪泰子はただ立っているだけで佇まいを感じさせるし、早くも大女優のオーラを漂わせる蒼井優がダンスだけでなくきっちりいい演技を見せてくれる。 トヨエツの不器用な男や、富司純子の凛とした母も素晴らしいし、しずちゃんもなかなかの存在感。 無駄なセリフの少ない脚本も、時代感あふれる映像も、どこをとっても真面目さがにじみ出ている。 奇をてらったりしなくっても作り手がここまで大真面目に良い仕事をすると、こんなに上質な娯楽映画が完成するわけですね。 そう言えば子どもの頃家族で行ったな、常磐ハワイアンセンター…という私のノスタルジーも点数にプラスしときましょう。[DVD(邦画)] 9点(2011-05-26 10:04:56)(良:1票) 《改行有》

16.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 単なるおバカ映画のつもりで観たら、これがどうして、非常に上質。 とにかくこんな内容のクセにやたらと緻密な脚本がいいし、あらゆるシーンがアイデアにあふれていて、1分たりとも退屈させない。 物語はコミカルに始まり、ミステリーな中盤のあと、痛快なアクションに帰着する。 特に、衝撃的な「バカバカしすぎる真相」には、思わず声をあげて笑いたくなるほどの突き抜け感がある。 何より、それぞれのステージをものすごいスピードで移動しながらもじんわり響くエンジェルとダニーの友情が心地いい。 それにしても、もしかして冒頭に出てきた元恋人役がケイト・ブランシェット?? だとしたら、ああ、もったいない![DVD(字幕)] 9点(2009-06-20 08:31:59)《改行有》

17.  スラムドッグ$ミリオネア 世の中におよそ悲惨でない不幸や貧困はありえないのだが、満たされた生活をしていても死んだようにただ生きている人間もいれば、地獄の中でもキラキラしてる者もいるという、あったり前のコトがストレートに描かれているのが、この映画に感じる爽快感ではないか。 取調室、スラム街、クイズの舞台、これらのシーンをつなぐスピーディなカット割りで、息もつかせず物語は進んでいく。 もちろん、クイズの問題に「答えられた理由」を通して、主人公の波乱の生い立ちが明らかにされていくという構成そのものが当然の如く面白いのだが、ひとつひとつのエピソードの細かい演出も非常に意図的で、いわば夢物語であるストーリーに、とことん力強さを与えている。 音作りも非常に凝っていて、一度もテンションを落とすことなく最後まできっちり突っ走り抜いた後に感じるのは、大げさでなく「生きる活力」。 命の躍動感に満ちた快作である。(5月22日・バルト9) [映画館(字幕)] 9点(2009-05-24 09:18:39)(良:1票) 《改行有》

18.  パッチギ! 《ネタバレ》 この映画、間違いなく娯楽作品ですよね。 社会性はあったとしても政治的主張なんて、私はまったく感じられませんでした。 主人公はただ純粋にヒロイン(沢尻エリカが実に可憐)に恋をして、自分の思いを伝えたくて、彼女の国の言葉と歌を覚えただけ。例えばそれがタガログ語であっても、またスワヒリ語であったとしても一生懸命覚えたんでしょう、彼は。 そんな切ない純愛に影を落とす、日朝の間にも流れる「イムジン河」。 そんな川なんか、ずぶ濡れになっても乗り越えて行こうよ、と。メッセージがあるとすればそれだけじゃないかと。どっちがいいとか、実はこうだとか、一言も言っていなくて。 ゆえに、それぞれの青春にどっしり横たわる問題は、何一つ解決されていないまま、新しい命に一縷の希望が託されるという放り投げっぱなしみたいな結末(唯一キチンと解決したのはモトキの仮性包茎だけか?)も当然のことなわけで、だからこそ、ラストのクロスカッティングは、ほんとにベタだなぁ~と思いつつも胸が熱くなる。 それにしても陰惨ではなく、むしろ爽快な暴力シーンはなかなかの迫力。ビー玉を口に入れるあのシーン、私がかつて聞いたハナシでは折った割り箸やつまようじが使われたとか…イタタタタ。 [DVD(邦画)] 9点(2007-09-16 15:09:54)《改行有》

19.  ロード・トゥ・パーディション この映画の光と影、色、音の使い方には感激した。 寒々とした暗い画面なのにどこか漂う柔らかく、ウェットな印象、完璧な画作り。 なんと美しいギャング映画か。  そして、サム・メンデス監督の映像の実に雄弁なこと。  時代を、設定を、背景を、心情を、説明や会話でなく、視覚を通して瞬時に感じ取る喜びを堪能した。  ストーリー自体にひねりはない。しかしそれでも、ルーニーの不肖の息子に対する絶ち切れぬ愛情、ひたすら父の愛を求めた故のコナーの破滅、わが子に同じ轍を踏ませたくないサリヴァンの情念、「彼は僕の父だった」と回顧するマイケルの父への慕情。  それぞれのシンプルだが、普遍的な思いが、じわりと心深く伝わってきて、涙を禁じえなかった。 トム・ハンクスはいつもながらうまく、ポール・ニューマンはもはや全てを超越した存在感で魅せてくれる。 ビッグの名シーンを連想させるピアノの連弾のシーンでは、胸がいっぱいになった。  ジュード・ロウは熱演だが、少しつくり込み過ぎの感があり、残念だ。  トータルで見て、非常に完成度の高い、重厚な作品。9点(2004-04-28 17:15:16)(笑:1票) 《改行有》

20.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 軽快でコミカルな中にも、犯罪に走る主人公の心理・状況を繊細に描いており、笑いとサスペンスと感動が見事なバランスで成立している。 これぞ娯楽映画だ、と言わんばかりの快作。 トム・ハンクスは、平凡になりすぎず、かといってでしゃばりすぎない絶妙の巧さで観客を引き付ければ、ディカプリオは成長著しい少年役を、数年間にわたり、違和感なくさらりとやってのける。 この二人の役者の力量には、まったく脱帽させられた。 それにしても、こういう題材をここまでの完成度で楽しませるとは、さすがスピルバーグ。 その演出力とセンスに、ある種神がかり的なものを感じずにはいられない。9点(2003-12-24 14:15:52)《改行有》

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