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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  イヴの総て 《ネタバレ》 これは物凄く見応えのある作品でした、どうせならあと二時間でも三時間でも尺を伸ばしてもっと観ていたかったくらい。タイトル「イヴの総て」、主演ベティ・デイビスと来ればどう考えても主人公のイヴをベティが演じるものかと思っていたら、本当はまさかそれを妬む大女優の役とは…。ベティ・デイビスって毎回こういう嫉妬深い役ばっかりでちょっと可哀想な気もするけど(と言っても他には「何がジェーンに起こったか?」ぐらいしか観ていないけど)、そういう難しい役どころを何なくこなせてしまうところが名女優たる所以かもしれませんね。一方対する相手役のアン・バクスターもとんだ食わせ者、登場シーンから既に役者です。前半と後半とでのまるで違う対照的な性格、あたかも人格までもが入れ替わってしまったような気さえします。しかしこれって決して映画の中だけの話ではなく、実際に現実でも起こり得ることなのでしょうね。そんな芸能界の厳しさ、残酷さをまざまざと見せ付けられたのでした。感服![DVD(字幕)] 9点(2005-09-28 19:14:37)

2.  誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 戦車に追われ、列車を追いかける一人の青年。戦場での英雄という彼の栄誉はたまたま祭り上げられたものですが、故郷に帰る道中見知らぬ人々に対して行った行為はまさしく英雄と呼べるものではないでしょうか。傷を負った復員兵を奥さんの元に引き合わせたり(『幸福の黄色いハンカチ』も顔負け!)、炎上する列車から女子供を助け出したりと。それなのに周りから批難される主人公がこの場面では凄く不憫でした。「ソビエトの体制の中で人間を描くことを許された映画」とのことですが、個人的にはハリウッド作品よりもよっぽどハイクオリティだと思いました。母親に会うという単純なことが、戦争の壁を隔ててこれほどまでに難しいとは!戦時中の青い空が目に見えてくるほど生き生きとし、そして悲しいソビエト映画の傑作です。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-17 18:40:45)(良:1票)

3.  驟雨 《ネタバレ》 原節子が結婚について哲学している…。「晩のおかずは何だい?」「晩は未定です」これが夫婦の会話かい!まるで他人の家庭を除いているような余所余所しさがありますが(実際そうなんですが)、ある意味ではこの上なく平和的で安心感があります。胃袋を切り落とすとかいう話が始まってからは、こちらも胃を締め付けられる思いでしたが。それから「これだから日曜日は嫌いだ」という佐野周二の台詞には思わず納得してしまいます。自分も何故か日曜は切なくて遣る瀬無くて、一週間の内で一番嫌いです。人生は惰性的ですが、そんな中にも転がり込んで来る風船がある…。明日よ明日の風を吹け![CS・衛星(字幕)] 9点(2005-06-04 12:40:49)(良:2票)

4.  地球の静止する日 《ネタバレ》 この映画のビデオを探すのに約2年はかかりました、そしてとうとう見つけました。弥が上にも高まる期待を胸に、もしも面白くなかったらどうしようと杞憂していたのですが、そんな予想を遥かに上回る傑作でした。まず最初の印象は「恐ろしく知的なSF映画」です。表面上はいかにも昔のSF映画という感じで、今時あんなデザインの円盤やロボットは出てこないけど、物語が進んでいくと逆に今の見掛け倒しのSF映画が恥ずかしく思えてきます。物語は冒頭の世界各地の反応を映すシーンから緊張感が張り詰めています。世界中の電力を落とすって、そんなことしたらどう考えても被害莫大だろ!と思っていると病院や飛行機だけはそのままというのが実に巧みです。実際にこんなことは起こり得ないと分かっていても強烈なリアリティがあります。核への警鐘という重いテーマを掲げながらも、いつしか能面のような顔の宇宙人に感情移入し人間を憎むようにさえ仕向けてしまう演出はお見事。また主人公のボディガード的存在のロボット、"ゴート"のキャラクターが秀逸です。『禁断の惑星』のロビーにも負けない魅力を持ち、頭部から発射される怪光線は『宇宙戦争』に出てくる破壊光線を凌ぐ迫力があります。加えて恐怖を煽るテルミンの音楽も素晴らしい!時たまゴートの足の遅さに苛立ちを覚えますが、ほとんど無駄のない完璧な脚本だと思います。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-23 11:52:39)(良:2票)

5.  結んだハンカチ 壊れた水道を直すために配管工を呼びに行った少年が途中で寄り道してしまい、ポケットから落ちた一枚のハンカチがひとりでに歩き出して何処かへ行ってしまう。一方少年の家では遂に水が溢れ出し他の衣類やタオルたちも騒ぎ出す、という内容。とにかくこの"生きた"ハンカチの仕草が愛らしい!冒頭蛇口から垂れるポタッポタッという水滴の音に頭を悩ませたり、蝶々と戯れている時の可愛らしさと言ったら堪らない。表情も無いのに、況してや人間ですらないのにパントマイムだけで感情表現出来てしまうところが凄い。さすがは監督、物に命を吹き込む人と呼ばれるだけのことはあります。こんな話を観た後ではもうハンカチは粗末に扱えませんぞ。9点(2004-11-28 11:01:10)

6.  昼下りの情事 《ネタバレ》 テーマは不貞だけど、これっぽっちも嫌らしさを感じさせない。それにしても実際この二人の年齢はどれくらい離れているのでしょうかね、ゲイリー・クーパーは役柄上ちょっと歳を取りすぎじゃない?なんて思いつつも、プレイボーイかつ嫉妬に狂う男を好演。ビリー・ワイルダーは相変わらず小道具の使い方の上手さが冴える!あのチェロケースは「デスペラード」の原型でしょうか?(笑)、しっかりとワインボトルをせしめる楽団メンバーにも大笑い。結局この映画には憎めるキャラクターがいないんですよねぇ、探偵の父親は勿論のこと、フラナガンを殺しに来たXおじさんも端役でオードリーに振り回される学生君も良い味出しています。バンバンお仕置きされちゃう子犬はちょっと可哀想だったかな。ラストは優しく「愛してるよ、アリアーヌ」とでも言ってくれるのかと思っていたら、まさかそのまま抱き上げて連れて行っちゃうなんて…。全く先のことを考えていないその場限りのハッピーエンド、こんなにも期待を裏切られたロマンスは「カイロの紫のバラ」以来!それでも個人的には「アパートの鍵貸します」に次いで最も好きなワイルダーのラブストーリーです。9点(2004-09-19 19:34:52)(良:1票)

7.  悪魔のような女(1955) 近年シャロン・ストーン主演でリメイクされましたが、このオリジナルはあんな作品とは比べ物にならないほど素晴らしいです。原作はピエール・ボワローとトーマス・ナルスジャックのミステリー小説で、あのヒッチコックまでもがこの本の映画化権を欲しがっていたというのは有名な話です。監督は「恐怖の報酬」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾー。一応ジャンルはサスペンスですが内容はホラー並みに怖く、ラストのどんでん返しには背筋が凍りつきました。「サイコ」と並ぶスリラー映画の最高峰なので、観ていない方は是非ともレンタルして観てみて下さい。9点(2003-10-15 13:16:41)

8.  ライムライト 以前観た時はまだチャップリンという人物を知らなくてそれほどでもなかったのですが、いや~今回は泣いた泣いた。チャーリーの言葉の一つ一つが心に沁みます、いつまでも噛み締めていたい。映画人にとって彼を失った損失は計り知れないほど大きいでしょう。9点(2003-09-05 18:45:08)

9.  山椒大夫 地獄のようなストーリーだが、天国のように美しい映画。時代劇だけど、どんな国の人が観ても確実に楽しむことが出来るということを確信できる映画。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-02-16 14:15:19)

10.  いとこ同志 《ネタバレ》 うぜ~、何なんだアイツら。散々邪魔しておきながら「何で落ちたの?」とか抜かしやがるし。オマケに信頼していた本屋の店主に「女遊びはやめろ」とか訳の分からない忠告をされたら、そりゃ自殺もしたくなるわな。一方ちっとも勉強しないで遊び呆けていた従兄弟がカンニングして楽々合格するというのもまた皮肉、勉強嫌いの自分にとっては「勉強の無意味さを証明した」という点で妙に嬉しくなってしまいましたが(汗)。そんな訳で主人公のどうしようもない苛立ち、絶望感は見事に表現されていましたが、如何せん物語としてはちっとも面白くないんですよね~(^_^;。こんなの観せられてどうしろと言うのか…。今の受験シーズンにはピッタリな内容ですが、もし落第生に観せたら本当にこの映画の主人公と同じ行動を起こしそうな人が出てきそうで怖い。技術面では撮影のアンリ・ドカエの室内セットを巧みに利用した映像が素晴らしいとのことですが、素人の自分にはよく分かりません。ただ最後のオチはなかなか気に入りました。文字通り陰気な空気に止めを刺しながらも、それが主人公の自殺によってではなく偶発、しかも憎きジャン=クロード・ブリアリに負い目を負わせて終了したのでスカッとしました。「ヌーヴェル・ヴァーグの金字塔」と言われている作品らしいですが、その理由も納得できます。結果、最後のドンデン返しに8点です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-27 17:07:09)(良:1票)

11.  恋は青空の下 《ネタバレ》 これは隠れた競馬映画の傑作です。監督のフランク・キャプラもこれまで一貫して描いてきた「人生賛美」「絶対正義」等のテーマが希薄なので、肩も凝らずに楽しめます(別にそういうテーマが嫌いな訳じゃないけど…)。最も過去に自作した作品のセルフリメイクらしいのですが。物語はビング・クロスビー演じる馬主とそれを支える令嬢のコリーン・グレイ、黒人の調教師ホワイティと愛馬のビル、そして一羽の鶏が織り成す愉快な喜劇です。ジャンルはスポーツ・コメディですが、コメディ部分は主人公のダンとその友人の教授とレストランで無銭飲食を試みるシーンは爆笑しました。また、資金を調達するために偽のレース情報を流したところ、逆に群集心理で自分で罠に掛かってしまうなどまるでマルクス兄弟のようなコメディが面白いです。主役三人のミュージカルシーンも爽快で、クライマックスの競争シーンも迫力がありました。ギャンブルだけれど思わず競馬に夢を抱いてしまう一本です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-12 19:40:34)

12.  赤い風船 《ネタバレ》 嗚呼、何て素敵な映画なんでしょう!終始無言で時間も短いのに、何故にこうも観る者の胸を打つのか。もう最初にあの大きくて色鮮やかな風船を見た時から、完全にやられてしまいました。まるで子犬のように少年の周りをウロウロと浮遊する赤い風船。道行く人々の傘の中に入れてもらったり、絶妙のタイミングで学校の先生に捕まらなかったりと。街の風景がちょっと薄暗いせいか、より一層風船の美しさが鮮烈な印象を残します。そしてラスト、パリの空いっぱいに溢れ出す大量の風船は壮観でありながら感動的。「星になった少年」ならぬ「風船になった少年」として物語は幕を閉じるのでした、メデタシメデタシ。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-02 15:37:27)

13.  七つの大罪(1952) 《ネタバレ》 これはちょっと隠れてしまっているのが残念なくらい良く出来たオムニバス映画です。題材は今やすっかりお馴染みとなったキリスト教七つの大罪。かと言って決して難解なものではなく、一般の人にも分かるような普遍的な物語をそれぞれ七つの大罪のエピソードに例えて描いていきます。その例が第一話目の「強欲」と「憤怒」をテーマにした作品。金の亡者のアパートの大家が家賃未払いの住人に立ち退きを命令、その住人が大家の財布を拾って届けるも逆に大家からは中身を盗んだなと批難を浴びせる。その後妻の憤怒により夫は罰を受け、住人はたまたま拾った真珠の玉を売って難を逃れる。正直者は救われる。しかしそれよりも面白いのがその次の第二話。怠惰の化身によって世界中がやる気を無くしてしまい、それを見兼ねた神様が地上に天空の使者を送り込むという話。遊ぶことも働くこともしなくなった地上の気だるい世界観は勿論のこと、天上世界の造形や映像効果なども楽しめます。第三話目・第四話目は第一話・第二話のインパクトが強すぎたせいか、ちょっと印象が薄いような気もするけど難しいテーマをサラッと描き上げています。「嫉妬」のエピソードはかの巨匠ロベルト・ロッセリーニ。第五話目はどこかで見たことがあると思っていたら、映画術の中でヒッチコック先生が語っていた小話ですね。まさかこんなところで同じ話を観られるとは!そして最終話の第六話目がこれまた捻りの利いた面白い話。パーティ会場で無くなった宝石を貧乏な主人公が盗んでいたのかと思いきや、実は彼女はバッグの中にパーティーに出されたパンを入れていたというオチ。そして全てのエピソードが終わった後に狂言回しのジェラール・フィリップが語り出す、"第八の大罪"の物語…。これがまた痛快で、同じ七つの大罪を扱った作品ではデビッド・フィンチャーの『セブン』よりも気の利いたオチなんじゃないかと思わせられる程でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-30 15:20:30)

14.  王様の耳はロバの耳 《ネタバレ》 カレル・ゼマンの傑作人形アニメ。ほとんど、と言うか完全にサイレント。ロバの耳を持つ一国の王様が自分の散髪をさせた床屋にその秘密を知られてしまい、何とか秘密を守る約束をしたものの、床屋は誰かに言いたくて堪らず遂に秘密は人々に知れ渡ってしまう…という話。サイレント映画の原則通り、映像で全てを語らなければならないので劇映画並の演出力が必要になります。王様の家来から手渡されたハサミに手斧を連想させ、その斧から処刑シーンを喚起させるまでの流れのスムーズなこと!また季節の移り変わりや犠牲になった床屋の数で年月の経過を表したりと、ゼマンさんはその辺のこともしっかりと心得ていたようではっきり言ってそこらの劇映画よりも良く出来ています。人形の造形は極めてシンプルで良く動く。同監督の人形アニメ「鳥の島の財宝」と同様、ちょっぴりシニカルで風刺の効いた良質な作品です。ただ直接的な描写は無いまでも、処刑シーンがちょっと生々しいので子供に見せるには覚悟が必要。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-25 19:53:10)

15.  チェコの古代伝説 一言で言えば壮大な物語です。まず冒頭のダイナミックなカットの数々からやられてしまいます。イジー・トルンカのアニメは人形の頭をすり替える所謂「パペトゥーン方式」ではないので、顔に表情が無く感情を表すことは難しいのですが、それでも人形たちの生き生きとした動き、心情は十分に伝わってきます。「古代伝説」というタイトルの指し示す通り、本作は本当に昔の人々の話なので些か退屈気味ではありますが、叙情性に富んだ映像は素晴らしいの一言に尽きます。特にクライマックスの『ブレイブハート』顔負けの大合戦シーン、チェコの民謡が鳴り響く中で戦い続ける人形の姿には多大なるロマンチシズムを感じさせました。8点![ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-07 18:15:43)(良:1票)

16.  お茶漬の味 夫婦二人が仲睦まじく延々とお茶漬けを作るシーンがこの映画のハイライトでしょうが、これを観た外国の人はさぞやお茶漬けが食べたくなっただろうなあ。あぁ~、お茶漬けが食べられる国に生まれて良かった![CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-10 00:08:46)

17.  裸で御免なさい 「ブリジット・バルドーは悪い子だなぁ」というイメージの一本。しかし悪い子で何が悪い!と意味不明な開き直りをしたくなるほど愉快な映画です。こういう軽妙なフレンチ・コメディは観た後に元気が湧いてきますね。後半は目の保養にもなるし、もはや何語か分からないハチャメチャな日本語にも寛容な気分になれます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-07-20 16:06:19)(良:1票)

18.  お早よう 《ネタバレ》 最近テレビでやっている騒音女のことじゃないですけど、やっぱり挨拶って必要ですね。ちょっとした誤解が騒動の発展にも成りかねない。テレビや洗濯機、インターネットとあらゆる物が当たり前のように備わっている現代の我々の生活を、果たして幸福と取るか恵まれすぎていると取るかは難しいところです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-29 17:19:14)

19.  あらくれ(1957) 《ネタバレ》 う~ん、あらくれていますねぇ…。徹底的に虐げられ続ける高峰秀子、美しくも逞しい。女の生き様というか、しぶとさをまざまざと見せ付けられて圧倒されてしまいました。ラストは土砂降りの雨にも関わらず、何故にこうも晴々としているか。スカーレット・オハラ顔負けの性格に、自分が男であることが情けなくも思えてきます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-10 18:38:08)(良:1票)

20.   《ネタバレ》 はっきり言って主人公はかなりの悪人です。無知な貧乏人から金を騙し取ったり、偽の抗生物質を売り付けて病人を死に至らしめたりと。ある意味では『自転車泥棒』で自転車を盗んだ奴等と同類です。金持ちからふんだくれば良いものを…、最後に仲間から言われる「自業自得だ」という言葉もまた然り。ただこれはそういうモラルを問う映画ではないし、そもそもあれで主人公に感情移入するなと言う方が無理というものです。彼を慕う若者の詐欺師に「この仕事では家族は邪魔になるだけだ」と言いながら、実は彼にも娘がいて、しかも事情で定期的にしか会えない。傑作『青春群像』にも似た登場人物の後悔と未練の気持ちがビシバシと伝わってきます。ラスト、どん底に突き落とされ蟻地獄から這い上がるかのようにもがく主人公の姿に、今からではもう人生をやり直すことができないという崖っぷちの心情が重なってようやくタイトルの意味が理解できました。自分はもう無理だからこそ、まだ希望のある若者に願いを託したかったのかもしれませんね。[地上波(字幕)] 8点(2005-06-03 18:42:14)(良:2票)

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