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プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

1.  ざくろの色 まさに芸術の原動力は抑圧と衝動。思想の抑圧は反動の力を生み、精彩に乏しい環境は色彩に対する希求を生む。どのシーンを切り取っても一枚の絵画として鑑賞に堪え得るだけの芸術性を備えているのは凄い。象徴的な一枚画の羅列であり、もはや通常の映画としての評価は出来ない。 ただ、普通の娯楽映画の鑑賞法で見るべき作品ではないのは当然としても、世間的に評価されているように「色彩の洪水」だとか、「視覚芸術の最高峰」などと大絶賛されているほどに超絶的な傑作とは思えなかったのも事実。今まで見た事も無いような凄まじいまでの色彩表現を期待していたので、むしろ抑え気味の表現内容だったのは、期待し過ぎた事を差し引いてもかなり拍子抜けさせられた。少なくとも「色彩の洪水」はオーバー。 「独特な画面構成」と言われているものも、元々この作品のコンセプトとしてカメラワークという概念を必要としていないからであり、一枚画の写真撮影のように登場人物たちがカメラの方を向いてじっとしているというパターンが多いので、はっきり言って見ていて退屈だった。 「宗教的な装飾美」が基本としてあり、背景色は抑え気味にし、象徴的な意味合いを持たせたい対象の色彩や動きを強調するというパターンが多いので印象的な画として残りやすいのだろう。もちろん時代や国柄を考えれば、他にあまり影響を受けるものが無い環境でありながら、これだけの内的世界を鮮烈な映像として構築したというのは間違い無く稀有な感性だとは思うが、色々な意味で腐るほどの多種多様な演出と表現に満ち満ちた日本の漫画やアニメを見慣れた目からすると、やはり視覚的なデザインや画面構成、ストーリー展開の衝撃という点では、どうしても物足りなさを感じるというのが偽らざる感想(私は大真面目に日本の漫画やアニメはあらゆる芸術のエッセンスを取り込んだ「総合芸術」だと思っているので)。 サヤト・ノヴァという詩人の生涯を映像化したといっても、この人の詩を読んだ事も無ければ、どういう人物かも知らないから感情移入もしにくいし、彼の詩的世界をどれだけ的確に映像化しているのかも判断し兼ねる。 まあ、何か表現に携わる人間なら一度は見ておいて損の無い作品である事は間違い無いが、一般人に薦められるような作品とは言い難い。何事も期待し過ぎてはいけないという哲学を込めて、この点数で。[DVD(字幕)] 6点(2007-01-01 02:41:55)《改行有》

2.  新・悪魔の棲む家 《ネタバレ》 まあ時代を考えれば、特撮や演出全般がショボいのは無理もないが、ストーリーもショボいのは如何ともし難い。まあ基本的に「屋敷に悪魔やら悪霊が棲み付いていて、家人が襲われてさあ大変」というだけのホラーで、そこに何のヒネりも意外性も無いから、見ていて退屈。 ラストで思いっきりストレートに悪魔を出すというのは「エンゼル・ハート」みたいで大胆だが、同作もそうだったように安っぽさに拍車が掛かるだけ。「宇宙の至高の力」とか何とかやたら大仰な事を言いながら、単に頭痛を起こさせるだけというのもマヌケだし、そのくせあっさりやられるのもアホ過ぎる。十字架が苦手とか以前に不注意すぎだろw。どの程度のランクの悪魔か知らんけど、たいしたヤツじゃないな。そりゃ人間に封印もされるわw。恥ずかしくて魔界に帰れないだろうから封印されてりゃ良いんじゃない? はっきり言って、ホラーやサスペンスといったジャンルには、今や色々とストーリーや演出面で進化発展した作品がある訳で、全てにおいて古臭いこんな作品をわざわざ見る必然性は皆無。仮にリアルタイムで見ていたとしても3点が限界。[インターネット(字幕)] 1点(2006-09-11 10:55:03)《改行有》

3.  スーパーマン(1978) 《ネタバレ》 ド派手なコスチュームに身を包み、顔は丸出し。スーパーマンとしての特殊能力を活かして彼女を口説いたり、人助けをした後も「もう大丈夫だよ」とわざわざ顔を見せて一言付け加える事が多い。クリプトン星人はかなり自己顕示欲が強いと見た(笑)。 そして、正義のために力を使う自分と、その正義そのものの価値観をまったく疑う事なく絶対化している点など、良くも悪くもアメリカを象徴するヒーローでもある。 それはともかく、スーパーヒーロー映画の元祖的作品という事で見れば、全体的には丁寧な作りで、特撮も手が込んでいて、今でも充分に見られるレベル。今さらリメイクしなくても良いくらい。変に小難しくしたりするよりは、コレくらい単純明快な方が良い。 ただ賛否ある「地球を逆回転させて時間を戻す」っていうのは、さすがにちょっとやり過ぎ。多分、実際やっても時間は戻らず、未曾有の大災害が起こると思う(笑)。 それと個人的には一作目なんだから、少年期や青年期のエピソードがもっと欲しかった。 [地上波(吹替)] 6点(2006-08-21 23:41:50)《改行有》

4.  マラソン マン 《ネタバレ》 これも世間の評価とは違い、個人的に良さが分からない作品。 とにかく無駄に説明不足。脚本構成の詰めが甘いので、結局「ナチの残党がダイヤを密輸か何かしてるw」と言う程度の単純な話の割りに無駄に分かりにくくなっている。 また、序盤であれだけ大々的に扱っている「マラソン」という設定にほとんど意味がないと言うのもお粗末。結局、逃げ出すにしても、最後はタクシー使ってるしw。別にマラソンやってなくても、自分の命に危険が迫ってれば、誰だってあれくらい必死に逃げるでしょ。それに、いちいちアベベのカットを入れるのは何か意味あるの?「アベベよ、オレを守ってくれ」みたいな事だろうけど、主人公の背景描写が無く、何故そこまでアベベを信奉しているのかという部分が語られていないので、まったく効果を上げていない。 話題の拷問シーンも拍子抜け。「ウィ~ン」「ガリガリ」「ギャ~~~!」みたいに、音と悲鳴だけで直接的には見せないというもので、映画や漫画において古来より普遍的に使われてきた非常によくある表現パターン。なんでここまで話題になるのかさっぱり分からない。他のホラーやサスペンスにしても、ほとんどがこういうパターンじゃん(見せなくていい分、演出としてラクだから)。 最後の方も意味不明な展開が多すぎ。主人公と彼女はあの隠れ家(?)に何しに行ったの?なんでそこにあの三人が都合良く来るの?三人もいるのに、なんでひとりも銃を構えずにノコノコ家に近づく?なんで主人公はあんなに復讐に燃えていたのに兄貴の仇を殺さない? また、あのオッサンはいつダイヤの在り処を知ったんだ?誰かから教えられるようなシーンなんてあったか?ダイヤの場所を知らなかったから、あんなに拷問をしてまで聞き出そうとしてたんじゃないの? さらに、顔を見られちゃいけないユダヤ人街に取りに行くのに、どうして念入りに変装をしない? と言うか、結局、貸し金庫のダイヤが兄貴の隠してたというダイヤなの?序盤のチョコの入れ物に入ってたのもダイヤ?あれはどうした?ワケ分からん。 ラストも結局、主人公は何も手を汚さずに終わるという、ご都合主義的なオチ。 これだけ単純な話をここまで無駄に分かりにくく撮るというのも、ある意味すごい。展開が分かりにくい事に何か演出上の意味があるなら良いが、これは単に脚本がお粗末なだけでしょ。[ビデオ(字幕)] 2点(2005-04-01 03:51:51)(良:4票) 《改行有》

5.  砂の器 個人的にミステリーに関しては、島田荘司由来の新本格嗜好なので、松本清張に代表されるような所謂「社会派」はあまり好きになれない。 「差別問題」や「偏見」に対する異議申し立てとしての意味合いは大きいものの、あまりにもテーマが重々し過ぎて、ミステリーやサスペンスとしてのカタルシスや娯楽要素はまったくない。そう言う意味で、あえてこのテーマを「推理もの」というジャンルで扱わなくてはならない必然性が分からない。ここまで主張性を含めたいならドキュメンタリーでやった方が早い。むしろ、こういう形でハンセン氏病を扱う事に疑問が残る。 入手した情報による点と線の結び方も強引で、論理的な推理部分はほとんど無い。それ以外は旅先の風景の叙情性でもっているようなもの。時間が長いのも辛い。4点(2005-03-23 23:30:52)(良:2票) 《改行有》

6.  クレイマー、クレイマー 話自体は、いつの時代、どこの国でも普遍的に起こりうる、ごく平凡な離婚話。その離婚というトラブルを通して「家族のあり方」や「人生の生き方」についての自問自答を促す。その脚本構成はよくあるものだが、登場人物の超一流の演技のおかげで、何気ないドラマの中に、見事なまでの「家族像」が作り出されている。 しかし、作中で真に成長したと言えるのは父親と息子であり、母親の精神的成長がほとんど描かれていないという点が興味深い。そこに、女性の解放とは専業主婦の「家事・育児放棄」という形で始まった、フェミニズムを生んだアメリカの女性解放運動に対する批判や皮肉が根底にあるのではないだろうか。今作はその時代的風潮にも符合する。 少しばかりの「義務と責任」を放棄した先に幸せがあるはずがないのは当然の事。主婦として、社会を構成する最小単位である「家族」を内側から支える事は、すなわち「社会」を支える事でもあり、単なる自分探し的な動機による職業従事より、よほど大切な事である。 そのフェミニズムの持つ欺瞞に対して、この作品は家族における「母親」と「父親」の役割分担の大切さを、離婚によって齎される役割の逆転から訴えかけているように思われる。家族を持ち、まして子供を作った以上、考えるべきはまず家族を存続させる事。その基本を理解できない、もしくは考えた事も無い人間は、結婚したり、子供を作るべきではない。 話自体は単純で、何のヒネリも無いが、家族としてのあり方を考える上で、一度は見ておくべき作品。 7点(2005-03-07 18:59:04)《改行有》

7.  病院坂の首縊りの家 《ネタバレ》 古き良き時代の探偵推理もの。 とは言え、この大時代的なシチュエーションやドロドロとした人間関係、当時の垢抜けない世界観などは、さすがに今見るにはちょっと辛いものがある。 単に人間関係が複雑なだけで、本格推理としての謎解き要素がほとんど無いのも物足りない。「そっくりな人間が二人いる」というのも、ミステリーのギミックとしては反則気味だし、エレガントじゃないね。 桜田淳子の演技も気合が入ってるのは分かるけど、あまりにもオーバーアクション過ぎて、見ていて引く。[映画館(字幕)] 3点(2005-01-25 04:04:50)《改行有》

8.  カプリコン・1 《ネタバレ》 最初はてっきり「アポロ計画」のドキュメンタリー風のサスペンスかと思い込んでいたので、架空のストーリーと知って、ちょっとガックリ。内容自体は、まさに「アポロ計画偽装説」そのもの(「発生源」として、どちらが先なのかは知りませんが)。 ただ架空の話とは言え、その偽装計画は中途半端だし、後半も単なる宇宙飛行士の逃亡劇。新聞記者の暗殺劇もお約束すぎる。もっと「偽装計画を暴く」という「謎解き」に特化してもらいたかった。時間も無駄に長いし、ラストもあんな終わり方でいいの?あの後が知りたいんだけど。 これを見るなら、以前、テレビでやっていた、「アポロ計画」の噂を検証するドキュメンタリー番組の方が、謎や疑問に対する徹底検証をしていたという点で、はるかに説得力もあり面白かった。まあ作品に求めるものが違ったと言うことで…。 PS.このページを見るまで、あの黒人がO.Jシンプソンとは気付きませんでした。てっきり「ゾンビ」のピーター役の人かと…。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-01-23 20:06:15)《改行有》

9.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 「殺人鬼ホラー」としての元祖的存在でありながら、既にこの地点で完成されてしまっている。時々、映画でも何でも、「緻密な計算」と「偶然」の相乗効果によって生まれた奇跡的な傑作があるが、この作品もそのひとつと言える。当時の撮影環境のおかげもあるが、この独特な「不気味さ」「薄汚さ」は狙って撮れるものじゃない。 あっと言う間も無く、ハンマーで頭を潰され、薄汚れた鉄扉の向こうへ引きずり込まれるというシーンに始まり、常識や道徳のまったく通じない家族の異常ぶりにただ翻弄される恐怖を味わい、そして夕闇のような不吉な色に染められた朝日のなかでレザーフェイスがチェーンソーを高々と振りかざすという、爽快感すら感じる狂気のラストシーンに至るまで、すべてが問答無用の衝撃に満ちている。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-01-22 00:05:40)(良:1票) 《改行有》

10.  悪魔の赤ちゃん 《ネタバレ》 なるほど、一見、B級ホラーではあるものの、見ようによっては、家族としての絆とか、子供に対する愛情、さらには奇形を生む「薬害問題」なんて重々しいテーマが根底にあるのが分かる。 ただ、さすがに今見ると全体の作りがB級テイスト過ぎるね。ホラーにとっての「古き良き時代」の香りはあるものの、着ぐるみの赤ちゃんを始め、ストーリー展開もやたらダラダラとしてるし、今まともに見るには全体的にレベルが低く過ぎる。[ビデオ(字幕)] 3点(2005-01-18 16:59:46)《改行有》

11.  恐怖の報酬(1977) 《ネタバレ》 旧作を知らないので比較は出来ないけど、他の方のレビューと合わせて考えると、リメイクの仕方としては失敗してしまった典型のように思う。原作に対する理解がある分、逆に作品の本質を見誤っている印象を受ける。 まず、ニトロを運ばせる動機や背景に拘りすぎていて、全体的にテンポが悪くなっているのが致命的。そんな事はヒッチコックの言葉を借りるまでも無く、「マクガフィン」というもの。要するに観客にとっては、ニトロを運ぶ動機なんて「どうでもいいこと」。そんな事よりも、ニトロを運ぶ「緊張感」や「工夫」を見たいわけで。少なくとも私はそれを期待していた。 恐らく旧作は、「ニトロを運ばせる事」をメインに据えていると思うけど、残念ながら、このリメイク版は、サスペンスやミステリーにおける、その辺の主従関係を見誤っているように思う。 また、肝心の運搬シーンも、個人的には、それほど特筆するような部分は見当たらなかった。映画や小説の根源的な弱点をモロに露呈してしまうタイプの作品。つまり「運んでいる途中で、どれだけ際どいシーンがあっても、映画の途中で爆発するはずがない」という大前提があるから(笑)。 今作はトラックを「二台」用意する事で、その辺りをカバーしているようだけど、それはそれで「どちらかは途中で爆発するな」と読めてしまう。そしてそのシーンも「一端、危機を脱して、ほっとした直後」という予想通りのものだった。また途中でも「木の吊り橋を渡る」とか、「ガケをギリギリで通る」といった程度のハラハラ感では物足りない。 期待ハズレ、というのが偽らざる感想。[ビデオ(字幕)] 4点(2004-11-30 22:33:12)《改行有》

12.  ドン・ファン(1970) 「ファウスト」の前身である「ドン・ファン」。あの操り人形たちは完全に命を持っちゃってます。確実です。本物の人間に見つめられるよりも視線に力を感じます。まさにシュヴァンクマイエルマジック。8点(2004-10-11 01:45:23)

13.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 「ここから飛び出して何かをしたいんだ」。 このトラビスの言葉こそが、現代人に共通している、豊かでありながら何かを渇望している心の叫びを集約したものだろう。作品内で描かれる、早くも70年代において経済大国アメリカが陥った「心の空洞化」という病に冒された姿は、まさに彼の大国に追随して経済発展を遂げた現在の日本の姿でもある。 トラビスの周りには誰もいない。家族も登場せず、友達も恋人もいない。タクシーの中だけが、彼の世界のすべてである。その孤独感は自己の立脚点を見失わせるに十分なものだ。トラビスも、オウム真理教の信者がそうであるように、社会の自分に対する不当な評価を何とかごまかそうと、社会問題などと繋がる事で辛うじてアイデンティティやプライドを保とうとする。自分すら救えない人間が、他人を救うことを「目的化」することで、自分の存在価値を得ようとする虚しさにも気付かないまま。 しかし、「何かを変えたい」とか、「役に立つ人間でありたい」とする気持ちは誰の中にもあるだろう。それを実現できている人や、平凡でいることを受け入れていられる人はいい。だが、自分の存在意義を確立できない人の代替行為を否定することは、その人間の存在をも否定することに繋がってしまう。誰でも漠然とした心の空虚感から逃れることは難しい。トラビスを犯罪者であると安易に断罪することは、社会の病理だけでなく、自らの心の闇から目を逸らす行為でもあるだろう。 ただラストはちょっと疑問。動機はどうあれ、さすがに三人も殺しておいて、数ヵ月後にあっさりと職場復帰しているのは無理があるだろう。自らの罪と共に心の空白にも向き会うという描写が欲しい。8点(2004-10-07 22:49:06)(良:1票) 《改行有》

14.  ロッキー・ホラー・ショー すみません。内容以前に、やはり個人的にどうしてもミュージカルが肌に合わないです。どこでも絶賛されているカルト作品だけに期待したのですが、自分から見ると、この倒錯した不条理な世界観も、そこまで驚かされるようなものとは思いませんでした。公開当時は、このインモラルでバイセクシャルなキャラクターが衝撃的だったのでしょうが、現代人として磨耗してしまった価値相対的感性(?)からすれば、別に驚愕に値するようなものでもありませんしね。恐らく、この現場(劇場)でのノリは、「安全な日常の中で非日常を味わう」という、学園祭やコミケ(のコスプレ)と同質のものだと思います。いや、それはそれで良いんですけど、この手のノリは自分もノレないと、ひたすら疎外感や違和感を味わうハメになるので、そこら辺ですかね(何が?)。3点(2004-07-20 03:14:14)

15.  スティング 《ネタバレ》 詐欺師たちが仲間のために一致団結して、ギャングのボスに一泡吹かせるという、まさに悪人が悪人を騙すという、勧善懲悪ならぬ勧悪懲悪のような痛快な内容。コメディ寄りのため、どうしてもご都合主義的な部分も目立つが、そんなことをあまり気にさせないテンポの良い脚本構成がウマい。とにかくボスを騙すことを最優先させているので、余計な寄り道が無くてイイ。8点(2004-07-20 02:47:50)

16.  未知との遭遇 いまいち何が言いたいのか分からん作品。文字通り「未知なるもの」を映像化するスピルバーグのセンスは確かに素晴らしいが、相変わらず、この頃から見られる、「万人受けを狙った無難なヒューマニズム」でまとめようとする感覚はどうしても受け付けない。 音楽や手話であっさり宇宙人とコミュニケーションが取れたり、素直に誘拐した人間を帰したり、研究のための人間にやたら協力的だったりと、まるで「愛さえあれば世界はハッピー、ラブ&ピース」と言わんばかりの能天気な内容。 まあ宇宙人に限らず、人間でも見知らぬ者同士の意思疎通では、相手を敵と見なして警戒するも信用するも、色々な偏見を含めた第一印象の良し悪しに左右される点では同じだけど、そんなことは分かりきってるワケで、やはり基本的に作品としての問題提起が弱いと言わざるを得ない。 そうかと言って、エンターティメント性が高い訳でもなく、全体的にダラダラしている割に、登場人物にこれといった活躍も無いし、ラストの終わり方もえらく唐突であっけない。途中に出てきた牛や羊の死体がキャトってあったら笑えたんだけど。どうもこの作品も自分の感覚からすると、少し神格化され過ぎているように思えてなりません。 PS.関係ありませんが、個人的には「宇宙人はいても宇宙船を建造して地球にまでやって来ることはないだろう」派です。4点(2004-06-28 11:31:44)(良:1票) 《改行有》

17.  サスペリアPART2 ミステリーとしてはありがちだけど、監督特有の演出センスが随所に光る佳作。特にカーテンの裏から突如現われるカラクリ人形の不気味さとインパクトは最高。マジで気味悪い。何で犯人がいちいちあんな人形を持ってきたのかは不明だけど、怖いからまあいいや(笑)。にしても、主人公のピアニストとは思えない、怖いもの知らずな行動力が凄すぎ。6点(2004-06-01 16:31:58)

18.  JAWS/ジョーズ 小学生の頃はやっぱりドキドキしながら見てました。さすがに今見ると普通ですが、それでも、最後まで飽きずに見れる作りのウマさはさすが。鮫も最後以外ほとんど姿を見せないのに(見せないからこそ?)、これだけ緊張感を持続させることがすごい。演出の妙味。7点(2004-05-14 10:21:06)

19.  オーメン(1976) クリスマス以外、あまりキリスト教とは縁の無い日本人にとっても、このあらゆる場面に不吉な予兆を孕んだような世界の不気味さはひしひしと伝わる。子供の頃に見た、あの冒頭の首吊りに始まり、串刺しや首が飛ぶシーンの衝撃は今も健在(トラウマ?)。 ただ、リメイク版もそうだが、基本的にキリスト教の宗教観ありきのホラーであって、それに則った演出以上の工夫や意外性は無いため、「傑作」という程の作品ではない。 ダミアン君の薄気味悪い演技の上手さに+1点献上。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-04-05 11:31:06)《改行有》

20.  サタデー・ナイト・フィーバー 厭世観からくる若者特有の暴走や無気力など、当時の世相を反映している今作も、現代から見ると、「普通の常識や価値観の範囲で人生を楽しみ、時に悩みながらも立派に生きている若者」と思えてしまう。きちんと毎日仕事に行き、家族を愛し、家族と共に食事を取り、自分の稼ぎの範囲で遊び、ディスコのダンス大会での優勝を目指して猛練習。うーん、立派立派(w。ただ、ドラマとしては人種、時代を問わず誰でも経験し得る普遍的な青春時代の出来事を描いているだけで(それゆえ共感を呼びやすいのでしょうが)、エンターティメント作品として見るとイマイチ退屈な内容。また、あの手の踊りは自分の美的感覚からすると、あまりカッコいいとは思えないです、ハイ。5点(2004-03-28 01:36:04)

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