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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 中学生のころ、モーツァルトが好きだった親父が、ビートルズのことを「ブレスリー、ローリング・ストーンズ、ビートルズじゃなくて、バッハ、モーツァルト、ビートルズだ」って説明してた。中学では、クラスに四人のメンバー毎に派閥があって、誰が一番か真剣に放課後議論した。高校生のとき、ヘイ・ジュードをギターで練習してコードFが押さえられずに挫折した。レノンが殺されたことを深夜ラジオで聴いて、その後ずっと夜通し流れるビートルズを聞いた。社会人になって再びヘイ・ジュードに挑戦してとうとうFが押さえられるようになった。結婚してティーンエイジャーの子供が二人。家族で車で移動するとき流す音楽で誰からも異論がないのはビートルズ。思い起こせばビートルズはやっぱり特別だ。 長男に面白いと紹介されて観に行ったのがこの映画。特に大きな期待をしていたわけではない。ビートルズをパクって有名になるけど、それがバレて大変な目に合うって感じかなと思ってた。涙腺が大崩壊したのは3箇所。エド・シーランが彼はモーツァルト。僕はサリエリだとつぶやくシーン。作り手と100%気持ちがシンクロする。そうだよね〜エド・シーランの好感度1万パーセントアップだ。ビートルズだからこそ現役ミュージシャンもこの脚本に納得したんだろう。主人公の嘘を暴くキャラかなと思ってた2人が、ビートルズを残してくれてありがとうと感謝するシーン。ここから話が暗転するとの予想を覆す。視点が優しい。そうだよね〜やっかむより嬉しい気持ちが優先しちゃうよね〜そんなゲスな自分の予想を反省する暇もなくあの人に会うシーン。もはや映画であることを忘れ、本当に良かった〜と心からの涙が止めどなく流れる。映画が終わった後でどこに感動したか次男に話してる最中に嗚咽が漏れそうになるレベルで心を打たれた。あー恥ずかしい。客観的にみれば、ビートルズをそんなに知らない人や、あま〜い話が好きではない人にはどうでもいい話かなとも思う。だけどビートルズとともに人生を歩んできたあなたにとっては、至高のひとときを過ごせる映画であることは間違いない。長いこと映画レビューを書き込むことなんか忘れてたけど、余りに心を動かされので書かざるを得ませんでした。長文失礼しました〜[映画館(字幕)] 10点(2019-11-03 21:36:37)(良:6票) 《改行有》 2. ダイ・ハード/ラスト・デイ 《ネタバレ》 当時ほぼ無名の中年親父ブルースウィリス主演の第一作は、彼をこの歳まで引っ張る無敵の推進力があった。B級アクション映画を観るつもりで初日に映画館に並んだ自分は、次の日友人達に声を大にして吹聴したものだ。「映画の歴史が塗り替えられた!!!」と。今作は、当時第一作を見る前の想定であったB級アクション映画に成り下がってしまったと言わざるを得ない。一般市民を何人か巻き添えにするリスクを躊躇なく冒すやり過ぎのカーチェイス。「こいつらウジ虫だ。皆殺しにしてやる。」という違和感のある台詞(日本語訳)。ウジ虫呼ばわりするタイミングが早すぎ。結果としてはいつも皆殺しにしてしまうんだけど(笑)、仕方なく巻き込まれて欲しいのだ。結局娘の目の前で悪役の父親を惨殺するという有様。第一作へのオマージュ挿入を優先するあまり、ジョンマクレーンのキャラクターをただの殺人大好き親父まで貶める脚本の無能ぶりは目を覆うばかり。ブルースウィリスの出演料とアクション経費だけで力尽きたか。残念[映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 03:16:09) 3. 桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 何とも痛快なのは、この映画が「ハリウッドよこれが日本映画だ」というキャッチフレーズを掲げていることだ。「日本よ、これが映画だ」というキャッチフレーズは日本の代理店のボンクラが、よりによってアベンジャーズのキャッチフレーズとして考えたものだ。夏休み大作がいくつもある中、何故よりによってアベンジャーズなのか?ダークナイトだったらまだ見過ごせたんだが、いちばんのスカスカ映画にこのキャッチフレーズはまさに日本の映画業界のプライド喪失を表している。アベンジャーズを観てからというもの、外国人とすれ違う度に穴があったら入りたい気持ちになる。「ほら、あそこに日本人がいるぞ。アベンジャーズ程度の映画を、これが映画だ、と崇め奉る民度の低い人種だよ。かわいそうに」という囁き声が聞こえるのだ。 この映画は出演者の出演料を全部まとめたとしても、たぶんロバート・ダウニー・Jrの一万分の一にも満たないだろう。アベンジャーズが何千万ドルを費やして表現した神の世界は、どうひいき目にみても神というよりは宇宙猿人ゴリだ。それに対し、この映画では桐島=0円で見事に神がカリカチュアされているのだ。さらに高校生の自主制作映画みたいな箱庭世界で繰り広げられる人間模様は、単なる内輪もめを描いたアベンジャーズの貧しい人間模様と比較して、未来に向かって5億倍も広がりを持っている。なんと痛快なことか!一流の洒落で切り返してくれたコピーライターに感謝。これで枕を高くして眠れるというものだ。[映画館(邦画)] 8点(2012-08-28 22:04:41)《改行有》 4. 告白(2010) 一言で言って爽快エンターテイメントホラーである。当分三菱東京UFJ銀行のコマーシャルに木村佳乃が出てくる度に背筋を凍らせることになりそうだ。 「観客が喜ぶことを第一に考えた」と称してテレビ局が制作する素人観光映像はもちろん百万光年引き離している。それどころか、世界の北野を軽く抜き去り、クリントイーストウッドをも脅かす出来だ。同じ松たか子出演の映画HEROが、松たか子の素材の味を貶め、映画の筋にすら関係のない韓国観光映像を挿入することをエンターテイメントと称して観客をコケにしているのと比較すると、この映画は松たか子の素材を120%生かし、とにかく観客を画面に釘付けにすることに徹し、見事に成功している。私がこれほど映画に没頭したのは、大げさに言えばエイリアン以来のことだ。イーストウッドのチェンジリングのエンターテイメント性も極上だが、この映画はエンターテイメント性において一枚上をいってる。北野たけしの「座頭市」も「エンターテイメントに徹した」と監督がコメントしていたが、率直にいってこの映画の敵ではない。実に爽快ではないか。映画なんてマーケティングだ、とほざいて鑑賞に耐えない稚拙な映像を垂れ流す人たちは、この映画を観てエンターテイメントを正しく再認識し、顔を赤らめ、謙虚に前進することになるに違いない。日本映画復活の狼煙はあがったのだ。 なーんてね。[映画館(邦画)] 10点(2010-07-11 20:58:26)(良:2票) 《改行有》
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