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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
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1.  スペースバンパイア 《ネタバレ》 ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい! の一言で終わらせようかと思ったのだけれど、せっかくだからちょっとだけ真面目にレビューしておく。このタイトルに真面目にレビューした時点で負けのような気もしますが。 『エイリアン』の脚本家、原作コリン・ウィルソン、音楽にH・マンシーニと錚々たる面子を揃えながら、なぜにここまで安っぽい代物ができてしまったのか? (まあ問うまでもなく監督のせいかなって思うけど)。科学考証無視のおバカSFなのにおふざけで作っているという雰囲気でもなく、恐ろしく力が入っているのが異様な印象。根本的なアイディアがでたらめなのにすごく真面目に作られていて、ロンドンが壊滅する映像なんて無駄に迫力がある。 百歩譲って設定の緩さを許すとしても、これほど主要登場人物をないがしろにした脚本は珍しい。人間ドラマを描けとはいわないけれど、普通は申し訳程度にでもキャラ付けするなり、人間味を与えようという努力が見られるものだが、一切ない。しかも主要俳優陣が信じられないほど地味な顔ぶれ(マチルダ・メイを別として)。それでいて荒唐無稽な出来事が次々と起こる展開にはスピード感があって、案外退屈はしないのだから不思議なものだ。 加えてこれも独特だなと感じたのは、ユーモア感覚の欠如。普通なら作中でおちゃらけた脇役が「お前SF小説の読みすぎなんじゃねえの?」と突っ込むなりして相対化するのが定石だが、そうした台詞が一切ない。それどころかこの滅茶苦茶な事態を誰一人として疑わず、終始大真面目なテンションで乗り切っている。もちろんコメディにする必要はないのだが、これではかえって作品全体がギャグになってしまう。(唯一精神病院で女を尋問する際の「わたしは見るのが趣味なんだ」、という台詞がユーモアっぽかったが、その前の「この女は究極のマゾヒストだ…!」が意味不明すぎてそれどころでない。) そしてなんといってもマチルダ・メイ。金髪碧眼のplaymate的なステレオタイプだったなら大して印象にも残らなかったろうが、彼女のような容姿はむしろ日本人向けと思う。皆さん冗談半分で言及していらっしゃるが、発表から四半世紀が過ぎたB級映画のヒロインがほぼ満場一致の支持を受けるというのは、それはそれですごいことだ。彼女の魅力がこの映画全体を食ってしまったのだから。ウィキで調べたらコンセルヴァトワールを首席で卒業した方だそうで、なんというか……出演作選べよマジで……。(他の出演作を確認したら『おっぱいとお月さま』だった。気の毒に、この映画でイメージが固定してしまったらしい。) 総じて、稀に見るアンバランスな作品だ。この映画では幼稚さと拙さと、成熟した技術と真剣な情熱、傑出した魅力の女優と地味すぎる出演者たちとが一緒くたになっている。真剣に論じるのは気恥ずかしいが、駄作といって斬り捨てられるのも多少気の毒な、なんとも困った作品。[DVD(字幕)] 7点(2009-08-27 21:32:32)《改行有》

2.  ゆきゆきて、神軍 これ、私刑ですよね? この奥崎という人の行為は犯罪ですし、暴力を制止せずに撮影するのも普通に罪だと思うのですが……私の感覚がおかしいのでしょうか??  おそらく作り手は撮影対象に手出しをしないドキュメンタリー精神みたいなもので自分達を正当化しているのでしょうが、現実に人間を傷つけるのが許されるほど、表現の自由って尊いものですか? ムーアがこの作品を好きらしいのですが、やはり目的のためなら手段を厭わない人なのでしょう、残念です。ほんとうに危険なのは左翼でもなく右翼でもなく、己の正しさを信じて疑わない傲慢さにあるのだと思います。 奥崎氏に同情する向きもあるようですが、いくら悲惨な戦争体験があったとしても、それで犯罪が正当化されるわけではありません(大量殺人者はたいてい幼児虐待の過去があるがそれで無罪にはならない)。パチンコで天皇を狙うなんてくだらないパフォーマンスでしかないし、この映画の出演後には殺人事件も起こして、出所後はなんとAVに出演している。ある意味ではとても気の毒な方ですが、こんなヤバイ人を美化しないでほしい。 実はこの作品の本質は、狂人の放つ異様なエネルギーが観る者を惹きつけているだけで、戦争映画うんぬんは付け足しに過ぎないんじゃないか、という気すらします。 あと、同じ題材の小説(古処誠二の『アンノウン』)を読んだことがあるのですが、そちらの著者は犯罪を犯していませんが、充分衝撃的で、非常に重い作品でしたよ。それどころか著者は実際の従軍経験者から感謝されていました。わざわざこんなキワモノ映像を撮る必然性はまったくなかったのです。 たとえば『バトルロワイヤル』のようなフィクション内の残虐な殺人は批判されるのに、ノンフィクションの地味な暴力が見逃されるのって、とてつもなくバカげてると思うのですよ。これは現実の暴力。盗撮映像を利用したAVが許されないのと同じ理由でありえません。基本的に0点は付けないことにしているのですが、これに関しては採点放棄の意味で0点です。表現の自由以前の問題でしょう。[ビデオ(邦画)] 0点(2009-07-23 14:30:16)(良:3票) 《改行有》

3.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 とくにドタバタコメディの部分を観ていて感じたのだけれど、この作品は表面的にも本質的にも、ディズニー映画に似たところがあるように思う。善良でコミカルなキャラクター、波乱万丈な展開に、憎み切れない悪役。善人が報われて、人生には必ずハッピーエンドがやってくるという、根本的な安心感。正直、個人的には暗い話の方が好みなのだけれど、大勢の人たちに支持されるのも納得が行く。 SFコメディでありながら根幹は爽やかな青春ドラマであり、薄暗さや過剰な暴力描写もない。混じりっ気なしの、稀有な娯楽作品となっている。ラストは続編なんて考えずにジョークでやったらしいけれど、最高だと思う。俳優もいいし、壮大な音楽や、車型タイムマシンのデザインと轍が燃え上がる演出など、細かな部分も冴えている。バランスのとれた、恵まれた作品。 それにしても、平均点がすごいですね。自分の中では殊更に低くしたつもりはないのですが、この流れだとごめんなさいという感じです……。[DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 14:00:43)《改行有》

4.  となりのトトロ 正直子どもの頃に観てもいまいち、だったけれど、大人になってからは素直に楽しめる。今になると、カンタのいかにも男の子って感じの、ひねくれた可愛さもわかる(ファニング姉妹が声優を務めている英語版をちらっと観たら、カンタがちょっとおしゃべりになっていて興醒めだった)。 あと、階段の上り下りの場面などに観られる子ども特有の動き、細かな描写に改めて感心する。さつきが縁側から上って膝で座敷を歩く動作、そういえば子どもの頃、これを真似してやるようになったのだった。あの妹が教室に来てしまう場面も、わかる(うちの妹がああだった)。泣くときに顔がくしゃっとなる、あのリアリティもすごい。 大人になって初めて、この映画のよさがわかった気がする。子どもの世界に忠実すぎるあまり、ほんとうに子どもだと普通に流して観てしまうのだと思う。 また、世界観がすごい。大体にしてトトロもまっくろくろすけもねこバスも、同じような妖怪・妖精の類が伝承にあるわけでもない(トロルは名前が似てるだけでまったくといっていいほど違う)のに、普通に日本の田園風景に馴染んでしまっている。日本伝統のお化けというならわかるけど、宮崎駿の頭の中からひねり出された新参者の妖精たちが、なんの違和感もなく日本人に受け入れられてしまう。何気に、これは驚異的なことだと思う。田舎に親しみ、自然に同調するまでに豊かな感受性がなければこんなことはできない。 舞台は地名だけは関東地方のものをもじっているものの日本各地の風景を合成したものだそうだし、時代にしても特定の年代を象徴する描写はあえてされていない。日本人の心の底に眠るノスタルジーを汲み取って、結晶化した世界なのだ。宮崎駿のほかに誰がこんなことをできるだろう?[DVD(邦画)] 9点(2008-08-17 18:40:21)《改行有》

5.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 《ネタバレ》 題材に見合わない繊細な描写が好き。たとえば冒頭に拳銃で撫でられた女が屈辱に唇を震わせる場面や、出所したヌードルスと抱き合ったあとのペギーが急に静かになって、無理して明るく振る舞っていたことを窺わせる場面。暴力性の強い作品ではあるけれど、その一方で心理描写が女性的といっていいほど丁寧だ。 主役の男達はまともな女性関係をなかなか築けずに、何かというと娼婦を買っている。彼らの男性性の過剰さはほとんど獣性といってもいいほどで、それが彼らを裏世界に追いやったそもそもの原因でもあるのだろう。例のレイプシーンが非常に不愉快だったので思わず観るのをやめようかと思ったけど、ヌードルスの孤独を語るのには必要な描写だったのかもしれない。愛した女と結びつくことは決してなく、力ずくでものにしようとしたって二人が別世界の人間であるという事実は変わらない。むしろあの行動がそれを証明したといってもいいと思う。(にしても、あそこまで残酷な描写はやめてほしかったかな…)。 ラストについて、「夢オチ」という解釈が案外メジャーみたいなので驚いた。別に夢オチじゃないと説明できないような大きな矛盾もないし、その説を補強する論理的な手がかりもなく、大体にしてそんな結末だと興ざめするだけでミステリ的な仕掛けとして失敗だと思うんだけど……。あの笑顔は彼が過去の美しい思い出だけを拠り所に生きていくのを暗示しただけで、それはマックスと再会したときの台詞にも表れているんじゃないかと思う。だからこそ、このタイトルなんじゃないの?[DVD(字幕)] 9点(2008-02-16 17:51:09)《改行有》

6.  恋恋風塵 よっぽど小津安二郎が好きな監督なんだろうなーと思った。でも似ているのは雰囲気だけで、中身は薄い。現実感にこだわりすぎたためかドラマ性がほとんどなく、抑制の度合いを越えて単なる退屈な代物になっている。厚みのある台詞や演技は皆無で、最後まで観ても登場人物の人となりすら伝わらない。映像やシンプルな音楽の使い方が秀逸で、美しいと思える場面もあったけれど、いかんせん人間が描けていない。[ビデオ(字幕)] 5点(2007-12-16 17:52:06)

7.  ペイルライダー 《ネタバレ》 黒沢清監督が奨めていたので観てみた。思ってたよりも単純明快で、あっけなくて、でもなぜか拍子抜けはしない。なんでしょうね、このシンプルなのに重くて、物悲しい感じは。牧師の過去は意味ありげなほのめかしがあるだけで結局明らかにされないのに、中途半端な印象は受けない。回想に踏み込めば多少は込み入り、泥臭くなりかねないところを、あえて短く控えめにまとめることで微かな気品すらまとっている。暗闇のなかで奇妙に光るイーストウッドの瞳、あれは名場面です。敵方一味も、脂っけのない保安官といい、個のない兵隊人形のような六人の助手といい、人ならぬ異様な雰囲気で面白かった(その割りに弱っちいけど)。無駄な色気のまったくない、西部劇の王道。しかし贅肉を清々しいまでに削ぎ落とした結果としてありふれた物語が清浄な空気を獲得し、この作品を非凡なものにしている。[DVD(字幕)] 7点(2007-11-04 02:18:28)

8.  王と鳥 《ネタバレ》 寓話系ってあまり好きじゃないけれど、これは別だった。 まず、作画が素晴らしい。けっして昨今のCGのような迫力を持っているわけではないけれど、一枚一枚の絵が単純なようで工夫が凝らされていて、何度も目を見張らされた。城の造型はもちろん、巨大な機械兵の手の形など、諸処に独創的なセンスが表れている。キャラクターのちょこまかした動作はとてもナチュラルで、しかも愛嬌いっぱい。とくに王様の愛犬! あの可愛さはやばい。 宮崎駿作品との類似点の多さはちょっとびっくりするほどで、無条件に宮崎駿の才能を信じていたものとしてはショックだった。魔法と科学を融合したような不思議な世界観はジブリだけのものだと信じていたのに……。もっとも、似ているのは表層的な部分に留まっているし、ジブリはジブリで独自の境地に達しているから構わないと思うけれども。 この映画でいちばんコミカルなのが臣下たちが盲目的に王様を崇める下りで、次々とまぬけな銅像が製造されるシーンでは笑ってしまった。でもそこが同時にいちばん嫌なエピソードでもあって、笑う一方で薄ら寒い思いがした。実際、独裁者ってのは傍からみると明らかにバカでしかなかったりする。こんなにも滑稽な世界がある意味では「現実的」であるということに気づかされて、心底嫌な気分になった。 そしてこの結末は……尾を引く。普通なら煙突掃除と羊飼い娘が結びついて予定調和のハッピーエンドを迎えるところを、瓦礫の山を築いて放り出してしまう。機械兵が何かを考え込むかのようにたたずむ寂しげなラストシーンと、あの素朴だけどとても美しいピアノの音楽。愚かな独裁者を倒す正義もまた浅はかなものでしかなく、跡に残るのは廃墟に過ぎない。なんともまあシビアで、辛すぎる結末だ。 よくできた寓話だと思う。遠い時代の遠い世界の物語でありながら、まぎれもなく現代の、現実の物語でもある。[DVD(字幕)] 8点(2007-08-05 00:48:54)(良:1票) 《改行有》

9.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 新作公開とはいえ、またTV放映かよ(笑)とバカにしつつ最後まで観てしまって、なんだか悔しい。初めての出会いがたぶん小学生に上るか上らないかという歳だったので、懐かしさすら感じた。 昔はそんなに意識してなかったけど、改めて観ると敵役のハンス、すごいキャラクターだ。凶悪さと上品な物腰という組み合わせだけなら他のアクション映画にも大勢いる。しかしこのハンス、なんと中盤でドジを踏んでマクレーンに捕われてしまう。こんな隙だらけのボス役なんて他にいるか?  しかもそこでとっさに機転を効かせて人質を演じ、情けない命乞いまでして危機を切り抜ける。すぐにマクレーンの罠に引っ掛かって尻尾を出すものの、結果的に窮地を脱し、おまけに新たなガラスの作戦を考案してマクレーンを苦しめる。肉体派のマクレーンに対し、精神力、知力で対抗するハンス。このコントラストは上手い。 そしてハンスがビルから転落する場面、久々に再見して、強烈に記憶に焼きついていることに気がついた。何がすごいってこいつ、自分が死にかけてるのをわかっていて銃を向けてくるのだ。死への恐怖よりも道連れにしてやるという悪意が勝る。アクションなら主役が落ちかけてピンチってときに手を踏みつけるのが悪役の定石だけど、こいつはある意味さらに怖い。情けないようでいて、とことん邪悪。 ある漫画家が魅力的なキャラクターを作るコツを訊かれて、「まず最初に欠点を考える」と答えていたのを思い出した。普通なら長所ばっかり考えてしまうところを、短所を加えることで人間味がぐっと増すのだそうだ。この映画の製作者達はそこのところをよくわきまえている。主役はもちろん、悪役も。弱さを見せることで、弱さを乗り越える強さもまた引き立つ。そういう強さは、とても人間臭い。 『ダイ・ハード』の面白さはそこにあると思う。派手なドンパチである以上に、人間と人間との対決なのだ。銃撃戦も大爆発も装飾でしかなく、核にあるのは人間同士が肉体と精神を限界まで振り絞ってぶつかり合うドラマだ。これで面白くないはずがない。[地上波(吹替)] 8点(2007-06-25 01:41:43)(良:2票) 《改行有》

10.  スカーフェイス 面白いには面白いんだけど、どうしてもB級臭さが抜けないのがいかにもデ・パルマらしい。テーマは重いのにどことなく軽い印象。とくに音楽のセンスが……[DVD(字幕)] 7点(2007-01-26 10:19:21)

11.  普通の人々 《ネタバレ》 母親にはもちろん腹が立ったけど、たぶん父親のほうも同じくらい悪い。諍いを避けて肝心の問題から逃げ続けているうちに、小さなすれ違いの積み重ねがやがて致命的な深度にまで達してしまった。この家族は口論はしていたけれど、結局互いに理解しようとしていない。二人がもっと早く本音でぶつかりあっていたなら、ここまで決定的な破局には至らなかったんじゃないだろうか。冒頭ではありふれた幸せな家族に見えたのが、実はとっくの昔に空虚な関係に成り下がっていたんだろう。 兄の死があったからこの家族はその事実に向き合うはめになったわけだけど、実のところ、こういった見せかけだけの空っぽな家族ってそんなに珍しくもないと思う。人間同士がほんとに理解し合って、手を取り合って生きていくっていうのは、たとえ血が繋がっていても大変なことだから。 ちゃんとした関係を築くためにはきちんとした努力が必要なんだよな、と自分の経験も顧みて反省してしまった。そういう意味ではやっぱり、これは他人事ではない、どこにでもいる普通の人たちの物語なんだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2007-01-23 20:40:33)《改行有》

12.  赤ちゃん泥棒 《ネタバレ》 意外と評判良くないみたいですね、これ。個人的には今まで観たコーエン作品のなかではダントツに良かった。昔のほうが面白かったんじゃん、コーエン兄弟。 笑えるだけじゃなく、洒落ている。刑務所入りする犯罪者と入所管理の警官が恋に落ちる冒頭から、夢のなかで平和な未来を垣間見るラストまで、ロマンティックで優しいユーモアがある。コーエン兄弟が登場キャラクターのひとりひとりを愛情をもって描いているのも心地良い。とんでもないやつばかりなのに誰一人憎みきれず、悪役までかわいらしい。 映画全体に明るくポジティヴなエネルギーが満ちていて、幸せな気持ちで鑑賞を終えられた。久々に、もう一度観たいと思わせられた作品。[DVD(字幕)] 8点(2006-10-26 19:47:48)(良:1票) 《改行有》

13.  隣の女 《ネタバレ》 シンプルかつ、インパクトの強い構成。まず決定的な結末があって、そこに向かって全体のエピソードが無駄なく積み上げられているという感じ。そのため、ラストのショックが凄まじい。非常に洗練された、隙のない脚本だと思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-10-26 19:29:55)

14.  ロジャー・ラビット 懐かしさに惹かれて鑑賞。子供が観る分にはそれなりに楽しめた記憶があるが、さすがに今ではそんなでもない。というか、ロジャー・ラビットは活躍していないような…。当時の技術では大変だったのかもしれないが、せっかくマンガと現実が同居しているというぶっとんだ設定があるのだから、もっといろいろ遊ぶ余地があったのではないかと思う。ミッキーもドナルドもダンボも、全員ちょい役で全然活躍しないのももったいない。敵役のトゥーンというキャラクターに関してはなかなかインパクトがあったけれど。変にミステリ仕立てにしないで整合性なんて無視した弾けたストーリーにしてもよかったんじゃないかなあ。奇抜なアイディアの割には小ぢんまりした、大人しい出来栄えだと思う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-08-03 14:04:30)

15.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 昔何度も観たので比較的冷静に鑑賞したんだけど、やっぱりどきどきしてしまった。上手いんだもん、演出が。たとえばクライマックスには「一度は倒したはずの敵が再び襲ってくる」という今となってはありふれたシーンがあるのだが、ここを観るだけでも凡作との違いが明らか。アンドロイドのビショップが足元に落ちた数滴の酸に気づき、それが意味を悟るか悟らないかの次の瞬間、ビショップが口から体液を吐き出しながら絶叫する。背後からマザーエイリアンに串刺しにされているわけだが、観客の冷静な目から観てもその瞬間何が起きているのか状況がつかめず、パニックに陥ってしまう。第一作の常に張り詰めた緊張感とはまた違う、スリルとショックの絶妙な緩急。アトラクション的という言葉が悪口になるとしても、これほどに優れたジェットコースターは賞賛するしかない。製作からすでに二十年が過ぎているのに古さを感じさせないという意味では、娯楽作のプロトタイプとしての凄みを感じさせた(っていうか、この映画ができたとき俺はまだ三歳だったのか?! もっと新しいものとばかり思ってた……)。[DVD(字幕)] 8点(2006-04-13 14:08:32)

16.  カメレオンマン 大いに笑った。ウディ・アレンはそれなりに重いテーマを扱うにしても、観客を楽しませることを第一においている。たくさん苦悩を抱えた人だからこそ、楽しむことの大切さを知っているのだろうと思う。吹替しか見つからなかったのだが、かなり力の入った吹替だったので不満は感じなかった。フィッツジェラルドや新聞王ハーストといった実在の人物が登場するのも楽しい。[ビデオ(吹替)] 8点(2006-03-17 20:08:29)

17.  ハンナとその姉妹 ずいぶんとモノローグが多い脚本で、普通は映像で物語を展開させるであろうところをモノローグで語ってしまうのが面白い。台詞に独特のユーモアがあるのはもちろん、やたらと噛んだり被ったりが多く、かなり癖のある脚本であることが伺われた。残念なのは字幕では英語のウィットに富んだ台詞を表現し切れていないことで、その落差は全然英語が不得意な自分ですらはっきりとわかるくらいだった。これほど台詞が重要な作品もないのだから、翻訳家にはもっと気合を入れて仕事をして欲しかった。たぶん英語力があれば断然面白さが違うんじゃないだろうか。しかしなんといっても印象に残ったのは、ちょい役のロックスターが着ていた「女」Tシャツ。どうでもいいことなのにものすごいインパクト。しっかりと記憶に焼きついてしまった。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-09 02:42:52)

18.  グレムリン こういうちっこくて怖いんだか可愛いんだかよくわからないモンスター、最近は見ませんね。強力なモンスターや不死身の殺人鬼も怖いけど、一匹一匹はたいしたことないやつらが集団で襲ってくるとそれはそれでやばい。下手に恐ろしげな怪物を作るくらいなら、グレムリンみたいな個性的で愛嬌のあるキャラクターを創造すべきでしょう。アイディア賞ということで+1点おまけ[ビデオ(吹替)] 8点(2006-03-07 17:12:26)

19.  アトミック・カフェ 怒りを通り越して、あきれた。あきれるのを通り越して、軽い絶望感すら覚えた。もはや、言葉もない。[DVD(字幕)] 6点(2006-03-02 14:10:54)

20.  ポゼッション(1981) これはすごい。ガラスを金属で擦るときの嫌な音を聴かされているような、背筋がざわざわする不快感がほぼ全編に渡って持続する。おぞましい狂気をそのまま具現化したような映画だ。  主要登場人物はことごとく狂っているし、何気ない映像も陰鬱でどこか不穏な空気を孕んでいる。湿った空を思わせる青白い映像は、とくに奇をてらっているわけではないのに肝心なところでどこかずれていたり、意味もなく揺れたりする。かと思うといきなりぐるぐる回りだしたりで、かなーり気持ち悪い。作った人は本当に頭がおかしいんじゃないかと疑ってしまった。  真っ黒な精神世界をグロテスクな映像に置き換えるという点では、クローネンバーグやデヴィッド・リンチに引けを取っていない。とくにクローネンバーグの『ザ・ブルード』や『戦慄の絆』に非常に近いものを感じたので、そういうのが好きな人にはお奨めしたい(つまり、一般受けはない)。  イザベル・アジャーニという女優魂のある人を迎えたことも作品としてとても幸運なことだったと思う。ものすごいわ、この人。すごすぎて途中ちょっと笑っちゃったもん。しかも一人二役を演じていることに途中まで全然気がつかなかった(なぜか裸を見て気づいた。そこら辺の観察力には自信がある)。今まで全然注目していなかったけど、超がつくほどの実力派だったんですね。脱帽。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-27 08:54:15)(笑:2票) 《改行有》

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