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性別 女性

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  レッド・ツェッペリン/祭典の日(奇跡のライヴ) あと1ヶ月でちょうど5年になるO2アリーナの再結成ライヴは、ツェッペリンのスクリーンにかかるものとしては「永遠の詩(狂熱のライヴ)」(76)以来となる映像作品。 その間LED ZEPPELIN DVD(03)はあったが、4:3の画面はやはり手狭な感じであったので、映画的な視野を得られる1.78:1のアスペクト比はうれしいし、シアターで見ることができた人は(音響設備もよければ)あの日のO2アリーナに行った気分になれたはず。 監督はそのZEP DVDのディック・カラザース。 恩人アーメット・アーティガン追悼を機に、彼らがツェッペリンに「戻る」までは6週間のリハーサルを要し、いかに本人たちといえどゼップを名のるには裏の努力も必要ということであろう。 その成果はあり、セットリストも十分なもので今月発売のソフトを買わなくてもよいほど満足できるものであった。 「永遠の詩」同様、「アキレス・ラスト・スタンド」「シック・アゲイン」が抜けているので完全に満足というわけではないが(なのでネブワースが貴重となる)欲をいえばきりがなく、現役時代の末期には割愛されていた「ホール・ロッタ・ラブ」のテルミンや「幻惑されて」のレーザー・ピラミッドも再現され、いたれりつくせりといってよい。 彼らの最大の魅力である、あらゆる曲想を備えていることが豊潤さにつながり、何より解散後のリユニオンの中では最もゼップらしさがあった。 ペイジとジョンジーがプラントをはさむ格好で、後陣にはボンゾの息子ジェイソンが控え、あのサウンドが生みだされる至福の2時間。 全世界で2日だけの上映という異例のプレミアも功を奏したかもしれない。 ソフトがほしくないわけではないが(5種類もあるのも商売上手すぎてどうかと思う)、あれほどの好条件で視聴することは不可能なのを考えれば、祭典の日はただ1日、祝祭はただ一度でもいいのだ、自分には。[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2012-11-10 06:59:59)(良:1票)

2.  コン・ティキ 映画になった「コンチキ号漂流記」。 自説を証明するため、1500年前と同じ仕様の筏(いかだ)で南米からポリネシアめざして8000kmの旅へ乗り出すトール・ヘイエルダールらは、学究心よりも冒険心にあふれた命知らずの男たち。 船よりも海面に近い筏での旅は危険もまた大きいのですが、本の中でも印象的だった、コン・ティキの下を巨大なジンベイザメがくぐり、夜間に海の生きものたちが燐光を放つのを肌で感じられるのは船ではできない体験、見ている側も太陽神を帆に掲げ、バルサの木で作られたコン・ティキの存在を身近に感じられるのです。 へイエルダールと陸(おか)で待つ妻との絆と葛藤も描かれ、これは本にはなかったプライベートな部分で、大半が航海で占められる映画のアクセントにもなっています。 現在では彼らが証明したかったことが立証されたとは必ずしもいえないようですが、たとえそうであっても彼らの思いは十分むくわれたのでは。 海で撮影することにこだわり、プール撮影でVFXを駆使した「ライフ・オブ・パイ」ほど映像的に洗練されてはいませんが、海と人間の知恵と勇気がスクリーンいっぱいに広がる素朴で力強い作品。[映画館(字幕)] 8点(2013-12-31 07:04:54)

3.  アイアンマン3 《ネタバレ》 監督がシェーン・ブラックに交代したのは、「2」がちょっとマッタリとしてたからか(あのオットリした感じも悪くなかった)、前監督ジョン・ファブローは製作総指揮にまわり、瀕死のホーガンの俳優として存在感を見せてます。 前半は不気味なエクストリミスの出現やスターク邸の崩壊(「アベンジャーズ」でスターク・ビルが破壊されるのにつづいて?)など今までになくヘヴィーな展開は「時流にのったか?」と思えたのですが、悩めるトニー(ロバート・ダウニーJR)が一時リッチライフから離れて、少年と行動を共にする雌伏をへて復活。 新しいパワードスーツ「マーク42」はパーツが遠隔操作できるのが画期的、それがフルに生かされフィールドが広がり、エアフォース・ワンからこぼれおちた多数の乗客ひろいあつめて救出のシーンも感激、フィナーレはアレが花火に! 格段にスケールアップしたSFアクションムービーは、ペッパー(グウィネス・パルトロウ)のまさかの特撮ヒロインも見られ、満足度高し。(そのノリは、アイディア満載の進化型ハード・ロック的?) ウォー・マシンからアイアン・パトリオットに転身したローディ(ドン・チードル)との連携もよかったんだけど、マヤ(レベッカ・ホール)だけはかわいそうでした。 悪役もガイ・ピアースとベン・キングズレーの二枚看板、ホワイトハウスは大統領ウィリアム・サドラーに副大統領ミゲル・フェラー(「ロボコップ」)となつかしい顔ぶれ。 トニー最後の決断は潔いですが、TONY STARK WILL RETURN(007のまね!)はアチラで?[映画館(字幕)] 8点(2013-05-10 07:05:02)

4.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 今度はオーウェン・ウィルソンにウディ・アレンがのりうつって、パリの真夜中の夢の時間。 題材的にも恋愛だけじゃないので他のアレン作品より間口が広く、本・音楽・美術・写真といった時代を彩った芸術に興味のある方はより楽しめそうで、著名なアーティストたちを数多く登場させ、それを演じる俳優たちもまた楽しそう。(特にサルバドール・ダリのエイドリアン・ブロディ) 「失われた世代」の20年代に加え、終盤ではベル・エポックも垣間見られる贅沢な映画(ポスターの空はゴッホ風)は、一度ではもったいなく再見したくなる。 マリオン・コティヤールがこの時代のエレガントな美女として主人公を魅了し、レイチェル・マクアダムスは性格的にあわなそうな現代のフィアンセ。(主演級の彼女がこの役なのは意外な感じですが、きっとアレンのファンなんでしょうね) ギルが「人は自分の時代ではない時代に憧れる」から一応は脱却しても、「時代」を「人」に入れかえれば、(この作品に限らず)気が多いアレンのキャラクターそのものではないかと思え、最終的にギルがたどりついたのが2人のどちらでもないのにもそれはあらわれているようで、アレンとしては自分の作品は移り気ではなく、真実の相手を探す旅だと思っているのかも。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-05 07:05:00)(良:3票)

5.  星の旅人たち 《ネタバレ》 もう一つの「サン・ジャックへの道」といってもよいのでは。 「監督」エミリオ・エステべスが父親マーティン・シーンに贈った、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅。 父親が自分たちを養うために、二流映画にも出演していたのを知っているエステべスからのプレゼントは、シーンにとって何よりもうれしいものであったはず。 飄々としてコミカルな「サン・ジャック」よりシリアスな作風、それもそのはずシーン演じる眼科医トムは急死した息子ダニエル(エステべス)の遺灰を背負い、息子のかわりに聖地を目指す。 800キロの行程を共にする3人の仲間の存在が、時に彼を元気づけ時に苛立たせもするが、息子を失った彼は経験したことのない旅の実感と新たな家族を得たようなもの。 遺灰が要所要所に撒かれバックパックから減るごとに、トムの重い心を軽くしていくかのよう。 サンティアゴを越え、スペイン最西端の波高い海に最後の灰を撒く彼はふっきれた表情。 遠かった息子を身近に感じ、その心と共に歩んだトムはもう一人ではないのだろう。 トムとダニエルの父子の情と同時に、シーンとエステべスのそれも感じとれる静かな佳品。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-04 07:00:04)(良:1票)

6.  インモータルズ/神々の戦い ターセム・シン作品が続けて見られるのはありがたいこと。 これやザック・スナイダーの「300/スリーハンドレッド」はアートや映像叙事詩として作られていると思うので、安易なドラマを期待しなくてもよいのでは。 「300」よりもさらに濃く塗りこめられた映像はそれだけで異様な迫力があり、スピードまで自在に操る神々とタイタン族の戦いは、今まで目にしたことがないようなちょっとした見もの。 俳優は主人公テセウス以下イギリスやカナダ中心で、神話ゆえあまり手垢のついていない人を使ったのかもしれず、若い頃から映画に出ているヘンリー・カヴィルは大人っぽくなり、来年はスナイダーの「マン・オブ・スティール」(スーパーマン)があります。 2人のゼウスは、ジョン・ハートが地上での姿の老師、「三銃士」のアラミス、ルーク・エヴァンスは今少し重厚さがあれば、という印象。 石岡瑛子のユニークな衣装をまとったアテナたち若き神々はこの世ならぬ姿を見せ、アメリカ代表のミッキー・ロークは不気味なハイペリオン、神秘的な巫女パイドラは監督と同じインドのフリーダ・ピント。 異界をかいくぐってきた気分が味わえ、映像詩人ターセム・シンの面目躍如、彼の作品としても「落下の王国」に並ぶものではと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-10 07:00:05)(良:1票)

7.  127時間 ダニー・ボイルの「イントゥ・ザ・ワイルド」。 ショーン・ペンのそれが外へと向かい開放的だったのに対し、アーロン(ジェームズ・フランコ)の自然との対話は内へと向かう閉塞的なもので、ドキュメンタリーや記録に近く観客にとって経験となりうるであろう映画。 時間が1時間半と短いのは観客がこの状態に長くは耐えられないと想定してかもしれず、フランコがキャスティングされたのも一つには中盤は主人公のアップショット主体となるからかもしれない。 難しい題材を少しでも見やすく、多くの人に見てもらいたいとの配慮が感じられるのだ。 終盤は男性でも見ているのがキツイかもしれないが、彼の生への渇望はふだん何気なく生きている人の背筋を伸ばすようなもので、得るものがあると思う。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-03 07:00:02)

8.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 「オレンジと太陽」を暗部に持つ英国の、フィクションながら巧妙でシステマティックに構築された世界。 亜人間の発想は昔からあったが、現実感のある設定が目新しい。 字幕では意識的にある言葉を使わずにいるが、音声では聞こえるから隠しようもなく、へールシャム時代からあったある疑いが確信に変わるにすぎない。 主演はキャリー・マリガン、ルース役のキーラの「プライドと偏見」では妹の一人にすぎなかった彼女だけれども、こういうこともあるのだ。 子役も雰囲気が似ており青年期への移行も円滑。 タイトル"NEVER LET ME GO"はキャシーがカセットに入れた曲、「わたしを離さないで」というより「わたしを行(逝)かせないで」か。 意味もなく暗い映画は好みではないけれど、カズオ・イシグロらしく諦念に満ちた静謐な世界は嫌いではなく、繊細な映像も美しい。 「ぼくのエリ」よりも同情的になれるのも、彼らが奪う側ではなく奪われる側だから。 逃げようともしないのが異質でそこまで洗脳されているのが哀れであっても、「映画は希望に向かって走らなければならない」との考えもアメリカ映画に洗脳されているかもしれない。 この場合は、折角生を受けながら自分の体が自分のものでなく、自分の人生を生きることもできない人の心に入り込み、その気持ちを知ることができるだけでも十分じゃないかと思う。 嵐が目前に迫ったキャシーの投げかける疑問が、彼女にできるただ一つの抵抗なのだ。 かつてのユダヤ人差別にも思いおよび、校長シャーロット・ランプリングの冷徹な眼差しが効果的。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-08 07:00:03)(良:1票)

9.  イリュージョニスト(2010) ジャック・タチが娘に捧げた遺稿を「ベルヴィル・ランデブー」のシルヴァン・ショメがアニメ化。 「ベルヴィル」の強烈な個性は影を潜め、タチの思いを形にすることに神経が注がれているよう。 台詞少なく、僅かに呟かれる言葉も真っ当な英語や仏語ではなく、おのずと画に集中する。 美しい背景画はソフトを使ってのものだろうけれどペンと水彩の微細なタッチで、CGを加工した乗り物ともども作画と違和感なくなじみ、50年前の失われた時代がレトロに魅せる。 破れた古靴が赤い靴になり白いハイヒールになるように、少女は手品師に磨かれていくのだが、ただ一枚のポスターを懐に巡業する手品師が(しばしばピンハネの憂き目に会いながら)アリスの望みを叶えるのは、父性愛からであると仄めかす一枚の写真。 ホテルに同宿する芸人たちも時代を映す存在、一杯のシチューで救われる命もある。 旅立つに及んでパートナーの白兎を野に放つのは「仕立て屋の恋」を思わせるが、その新たな世界の広がり。 繊細な情緒に彩られながら切なさより安堵を覚え、肩の荷を降ろした手品師のいた世界は見終わると同時に淡く薄れていくのだが、消えることはない。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-09 07:30:00)(良:1票)

10.  英国王のスピーチ 能力があれば誰でも王になれるわけではなく、またなりたくもないのに王にさせられる人もいる。 エリザベス女王の父ジョージ6世は「悲運の代理王」のイメージだったけれども、それを大きく覆す作品。 自分に不相応と思える場を与えられた人誰もが感じるであろう戸惑いと陰の努力を描いて衒いなく、洒脱なユーモアをまぶして踏み外さない。 インディーズでそれほど豪勢に金がかけられていないのも「しょせん王族の話」との冷ややかな見方もされにくいだろう。 父ジョージ5世がいみじくものたまうように王室という場所で仕事をする人の話。 コリン・ファースはどちらかといえば寡黙な役が多かったように思え、それゆえバーティが必死に言葉をつぎしゃべろうとする姿は新鮮に映り、最後のスピーチは感動的で新たな代表作に。 ともすれば自虐に陥りやすい王を友人として理解し導くライオネル(彼も舞台俳優として挫折を味わっている)のジェフリー・ラッシュは見せびらかすことなく巧み、始めは王が平民の自分に歩み寄ることを求め、最後には自ら一歩退くライオネルには引き際を知る人の清しさがある。 クレジットではファースとラッシュの名が横に並び、この二人三脚の映画にふさわしい。 芸暦長いヘレナ・ボナム=カーターは近年のバートン作品とは違う顔を見せ、愛情深く聡明な王妃。 王と療法士が親しく呼び合うのを内心快く思わぬ彼女が最後にライオネルを名前で呼ぶのは、深い感謝の表れ。 「高慢と偏見」でファースの相手役をつとめたジェニファー・イーリーが、ライオネルの妻として姿を見せるのも嬉しい。 映画の中で幼い王女として登場するエリザベス女王も鑑賞され、愛する父がこのように描かれたことに懐かしさと共に誇らしく思されたのではないかと思う。[映画館(字幕)] 8点(2011-03-10 02:01:46)(良:2票)

11.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 「トイ」シリーズはピクサー作品の中でもキャラクターのスター性がズバ抜けています。(特に2人のフロントマン) 同時に友だちみたいに思えるほど親しみやすいのが魅力。 新監督アンクリッチ自身の体験が生かされ、「リトル・ミス・サンシャイン」の気鋭アーントの脚本は緻密、エンターテイメントとしても上々、画もスゴイ、そしてまたちゃんと「トイ・ストーリー」。 今回はアンディの一番の古なじみであるウッディが持ち主との絆の大切さを説くリーダー(マジメ!)に専念する分、ムードメーカーに徹したセニョール・バズの華麗なパフォーマンスにはケラケラ♪(最高!) おなじみキャラ・新キャラが活躍する一方で旧キャラの封印もあり(ボー・ピープは「2」でも影薄かったけど、「3」の女性キャラはよりアクティブなジェシー、バービー、Mrsポテトヘッドが適当と判断されて?)いい作品にするためにはキビしさも必要ってことで~。 大スキな黄緑エイリアンは因縁あるアレを使っていいトコ見せてくれ、俗物ケンはワードローブ命、悪役ロッツォへのおしおきもカワイイなぁ。 ボニーが女の子なのは男の子だとすぐワカッちゃうからですよね。(その分充足感が若干減ってもやむをえないというところでしょうか) 本当はウッディたちは「永遠の時間をとじこめる」映画の中ではずっとアンディの部屋の住人でいてほしい気もするんですが、あえてそれを踏み越え、最後は涙が一筋。 これがホントに最後?でサビシくもあるけど、もう一度みんなに会えてよかった! (3Dですが、2Dでも同じ点)[映画館(吹替)] 8点(2010-10-10 00:00:08)

12.  長ぐつをはいたネコ(2011) CUTE![映画館(吹替)] 7点(2013-12-31 06:47:25)

13.  ル・アーヴルの靴みがき ル・アーヴルは南のマルセイユとは反対側の北の港町。 当地在住の歌手リトル・ボブを使いたくてここにしたという「初めに歌手ありき」の土地選びとか。 初老の靴みがきマルセルが少年イドリッサを救おうとするのが、情が移ったというより使命感だけで動いているように見え、その方が立派かもしれないですがイドリッサとの間にもう少し何か見たかった気はし、そこがメインではないのだろうけど。 不治の病の妻アルレッティが口紅を頬紅がわりに夫に血色よく見せようとする気遣いや、近所のお店の人たちがマルセルの心意気に賛同して商品を気前よくふるまうもよし。 主演のアンドレ・ウィルムは「仕立て屋の恋」では刑事役でしたが、ここでの刑事はジャン=ピエール・ダルッサン。 黒づくめでマフィアのよう、できるだけコワモテに見せてるので最初はちがう人かと。 アル中の失業者とか国鉄あがりの庭師などとはずいぶんちがうので「この役どうなの?」でしたが、なるほど。 黄色いバラにそそぐ涙かと思いきや、白い桜は善行への報いの象徴でもあるのでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-07 07:00:00)

14.  塔の上のラプンツェル 童話のラプンツェルというと、金色のゆたかな長ーい髪を塔からたらすイメージ。 「メリダとおそろしの森」もそうですが、最近のCGアニメの髪のテクスチャーは精緻をきわめ、キューティクルまで見えそう。 このアニメでは彼女のふだんの生活ではそのヘアがお荷物でしかないように見せていて、だから最後の大胆なアレンジがあざやか! おなじみの童話でもアイディア次第で斬新な作品になることを証明。(ひとふさ切れたのが×色なのがヒントでしたね) 王子さまともイロイロあって、出会ってすぐにメデタシメデタシなのは遠い昔。 夜の湖が光のページェントとなる場面が幻想的な美しさで、作品のハイライト。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-03 07:00:03)

15.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 4年ぶりのSTは、熱血暴力感動SF。 カーク(クリス・パイン)がメインコアに行った時点で「もしかして…」と思ったのだけど、「スター・トレック2/カーンの逆襲」(82)の名シーンを再現。 テレビで見た時に泣けたというスリコミがあるせいか、条件反射のように涙が落ちてしまい「あ、泣いてる?」 ガラスをへだててふれあう彼らの手!(っていまどき陳腐かもしんないけどイイんだ…) 「新スター・トレック」(ネクスト・ゼネレーション)が好きでも、このファースト・ゼネレーションの強みは彼らの関係が実質フィフティフィフティだからなのを再認識。 TNGのピカードとデータの関わりはあくまで上官と部下のそれなので。 カークとの対立で一時クルーを離れる機関主任スコッティは、サイモン・ペッグがフルに活躍できるシチュエーションだったし、「ロボコップ」のピーター・ウェラーがマーカス提督として久々にSF映画に登場、そしてなんといっても話題性もある「SHERLOCK/シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチによる、ハリソンことカーンのブラックホールのような存在感。(知力だけでなく腕力もあり暴力的なので、シャーロックよりコワイ) 私欲というよりあるものに執着する点では「マン・オブ・スティール」のゾッドにも通じるキャラクター、スポック(ザカリー・クイント)とのファイトは両者アクマ系のルックスなのもあって異様な迫力。 スター・フリートの軍隊色やILMの洗練されたVFXが内部のチープさにマッチしないなど気になる部分はあっても、カークの足蹴りやスポックの鉄拳が「テクノロジーよりマンパワー」を強調してそな、近頃なさそなホットムービー☆[映画館(字幕)] 7点(2013-09-10 07:00:05)(良:1票)

16.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 クリストファー・ノーランの作風があまり得意でないのは、自分にとって気持ちのいい暗さではないから。 期待に応えるべく周到に準備されたと思しきバットマン最終作も「闇フェチ?」と思ったり。 ただ、ジョーカーにオンブしていた前作とは異なり大変凝った力作だとは感じ、ノーランなりに人間らしくなってきているのかと。 廃人同様のブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)と彼の元を去るアルフレッド(マイケル・ケイン)になりかわり、警察官ブレイク(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)とフォックス社長(モーガン・フリーマン)が暗躍し、二大美人女優(前作のマギー・ギレンホールが不美人といわれたせいか…彼女よかったと思いますけどネ)によるキャットウーマンことセリーナ(アン・ハサウェイ、彼女がもどってくるのがよかった)と謎の美女ミランダ(マリオン・コティヤール、「インセプション」につづいての出演)、後半失速する不気味なべインはマスクをつけて、ブルースの再起はイタそうで。 バットサインに感化される副本部長がマシュー・モディーン(「バーディ」)なのはうれしかった。 終盤レヴィットの比重が大きい理由が判明し、「なーるほど!」 「お膳立て」しときながらその後の彼らが見られないのはチョイ不満ですが。(ベールとレヴィットの共通点っていったら、ともに子役出身ってこと) 最後アルフレッドが、公私ともに立ち直ったブルースを見守っていた慈愛のまなざしがしみじみうれしく、命より大切な「ぼっちゃま」から離れるわけナイと思っていたけど。(コレがあるからホッとできる) これで三部作終了でも、バットマンは2年後スーパーマンと共演予定らしく、ノーランがDCアメコミ・ヒーローを着々と仕切るのはイイのか悪いのか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-08 07:00:01)(良:1票)

17.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 7年ぶりのスーパーマン。 監督は「300」のザック・スナイダーですが、プロデューサーはクリストファー・ノーラン、「バットマン」のようにダークでシリアス傾向の新版は、旧作へのオマージュが顕著だったシンガーの「リターンズ」(6点)を帳消しにし、ストーリー・設定にオリジナリティがあるのがいいところ。 「トリスタンとイゾルデ」のメロートがスーパーマンになるとは意外だったけれど、英国のヘンリー・カヴィルも30才になり、クラークことカル=エル。 「インモータルズ」のように神話的な主人公を演じ、ダークカラーのスーツで俊敏に飛び、最後ちょっとだけメガネのクラークにもなってくれる。 クリプトン関連のデザインは「デューン/砂の惑星」のように有機的で暗黒系、ジョー=エル(ラッセル・クロウ)とゾッド将軍(マイケル・シャノン)の確執をひきたて、共に信念をもつ彼ら。 ローレンス・フィッシュバーンが初の黒人のペリー・ホワイト編集長のデイリー・プラネットの扱いが小さいのは、新聞がもうメディアの主役ではないからかもしれず、先月ワシントン・ポストが売却されたりもしてますが、ココはなくなってほしくないもの。 エイミー・アダムスは自分には4人目のロイス、「リターンズ」のケイト・ボスワースよりらしいキャラに思え、髪がブルネットでないのは全体のトーンが暗い中で明るくするため?(彼女にニコンを持たせることで、カメラマンのジミー・オルセンは登場しないのを示唆) 終盤のメトロポリス崩壊は「9.11は遠くなりにけり」の象徴ともとれ。 クリプトン、メトロポリス同様スモールヴィルも重要な場所なのは変わらず、養父ジョナサン(ケヴィン・コスナー)が戒めに身をもって殉じる死に様は切なく、老けメイクのダイアン・レインはやさしき母。 全編を覆う殺伐とした空気には「もっとファンタスティックなら」と思いつつ、時間を感じさせない映画。 30年前は旧シリーズの映画を見ていて、20年前はテレビの「ロイス&クラーク」、そして今また彼らの新たな物語が始まったのはうれしく思います。[映画館(字幕)] 7点(2013-09-01 07:00:02)

18.  TIME/タイム 《ネタバレ》 「TIME IS MONEY」で映画を1本作ってしまった、タイムSFとして目新しいのは確か。 監督アンドリュー・ニコルの傑作「ガタカ」のように美意識で貫かれており、人もモノもみな美しく、それだけに脆弱ではある世界。(夜の海で泳ぐシーンがあの映画を思わせます) 後半迷走してる気はしなくもないけど、ユニークな設定だけでも評価したいです。(蛍光ペンで腕に数字書きたくなる) 茶髪のウィッグをつけたアマンダ・セイフライドが新鮮、「トロン:レガシー」のオリヴィア・ワイルドは見た目25才のママ、彼女があと一歩で間に合わなかった時は悲しかった。 タイムキーパーのキリアン・マーフィは意外とおマヌケ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-05 07:00:00)(良:1票)

19.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 SFオタクのロードムービーは「ファンボーイズ」もあったね。 「未知との遭遇」はじめパロディ満載でおくる、宇宙人ポールとの友情をはぐくむ旅。 サイモン・ペッグとニック・フロストが一緒にいるとうれしくなるし、脚本も彼らの手によるもの。 監督は「アドベンチャーランドへようこそ」のグレッグ・モットーラ、この人はノスタルジー路線なのかな。 イギリス人の男2人組だとゲイにまちがえられるのは「SHERLOCK/シャーロック」と似てて、アメリカを訪れる彼ら自身もエイリアン。(SF映画の影響で「外国人」の表記はフォリナーの方が使われるようになりました) 肝心のポール君は見た目あーですが地球生活が長いからキャラはすっかりフランクなアメリカ人。 「外見はどうあれ中身は俺たちとかわらない」のがテーマなのと同時に、アメリカナイズへの揶揄も少しは入ってるのかと。 「僕らのミライに逆回転」につづいて悪役のシガーニー・ウィーバーは、エイリアン・クイーンへの「GET AWAY FROM HER,YOU BITCH!」を自分が言われるのってどんな気分かな~? (「E.T.」じゃなくて)「「マック」でSFにハマった」っていうのが、いかにもな感じです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-02-03 07:00:07)(良:1票)

20.  源氏物語 千年の謎 《ネタバレ》 10年ぶりの源氏映画。 光源氏のいる物語世界と紫式部が生きる現実世界が交錯するのは「千年の恋」と同じですが、あちらより見応えがありました。 よくばらず物語の初期のみ描くことでそれぞれが充実し、夕顔の花をのせた扇(「心あてにそれかとぞ見る」)などは映像にしても風雅。 一条天皇に入内した娘彰子の女房となった式部(中谷美紀)と情を交わす藤原道長は、20代にテレビで源氏と息子の夕霧を演じた東山紀之。(「フッフッフ」と不敵に笑うヒガシ、驕りの象徴「望月の欠けたることもなしと思へば」の歌も詠まれます) 道長が式部に懸想したかのような逸話が紫式部日記にもあり、彼らの関係は全くのフィクションとも思えません。 生田斗真は青海波を舞う場面では絵になり、美貌の公達として映えながらも若き源氏には陰影が少なく感じ、源氏と中宮藤壺(真木よう子・二役)の不義を見透かしていた哀しきコキュ、桐壺帝が榎木孝明なのは趣きありよき配役。 面白いのは、道長にも重用された陰陽師・安倍清明(窪塚洋介・式神つれてます)が登場し、現実世界から物語世界に入り込むアレンジ。 葵の上(多部未華子・どよ~んとした葵ちゃん)や夕顔(芦名星・命はかなく)にとりつく六条御息所(田中麗奈・怨霊時は人形美)の怨霊を鎮めるのが清明になっているのが遊び心が感じられます。 最後は式部自身が橋の上(物語と現実をつなぐ場所?)で源氏とすれ違いざま言葉をかけ、これから先の修羅の道をほのめかして、源氏物語の一部しか取りあげていない映画の構造を補っていました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-01 07:00:02)

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