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コメント数 885
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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  カッレくんの冒険 アストリッド・リンドグレーンの「カッレ」3部作の2・3作目は映像化されています。 少年探偵カッレと友だちアンデスの外見は原作のイラストのイメージとは大きくちがい、彼らと駆けまわる活発な少女エーヴァ・ロッタはそれらしい感じ。 彼らの年令も3才ほど引き下げられているのは、半世紀ほど前に書かれた本の彼らが年令のわりに子供っぽい気がするからか。 ドイツの「エーミールと探偵たち」が大都会ベルリンが舞台なのに対し、緑ゆたかな町で起こる怪事件。 シリーズで一番面白いと思われる2作目の内容はいじらずに、「ピッピ」「やかまし村」よりもミステリー風味のリンドグレーンの世界が展開します。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-31 06:50:09)

2.  シックス・センス 《ネタバレ》 人間の「思いこみ」を最大限に利用した映画なのでは。 自分をふくめて観客の多くはマルコム(ブルース・ウィリス)がバスには乗っていても車は運転していないことに、人と向かい合っていても会話はしていないのに気づかない。(唯一の例外はサイキック少年) 最低限の条件を提示されていて、「何か変」と思いつつ、そちらの方へは思い至らせない誘導がうまいのと、あと俳優の魅力。 ブルース・ウィリスはアクション・スター以外の慎重さを見せ、オリヴィア・ウィリアムズが視点の定まらない美しい妻。(指輪が落ちる場面は奈落へ落ちるような衝撃と哀しさがあります) ハーレイ・ジョエル・オスメント君もよかったし、母親のトニ・コレットがまた上手。 彼女のオスカーノミネートがこれ一つだけなのは少なすぎじゃないか!とは思いますが、トニの涙はアカデミー会員の方々もお気に召したよう。[映画館(字幕)] 8点(2013-10-05 07:00:01)

3.  エバー・アフター シンデレラってペロー童話以外にもあり、エリナー・ファージョンの「ガラスのくつ」のように独自の味つけがされた作品。 ドリューは茶髪にしていてシュワ似?の王子さま、テンポもスローでシンデレラなのに魔法使いは出さず実話としての作りでも、舞踏会のドレスは羽つきで妖精のような灰かぶり姫にフェアリー・テイルらしさが。 アンジェリカ・ヒューストンの意地悪継母ぶりが堂に入っていて、彼女のためにこしらえたのかシンミリする場面もあり、継姉のうち一人はいい子なのもうれしい配慮。 「ロック・ユー!」にチョーサーがいたように、これにはレオナルド・ダ・ヴィンチが登場し、冒頭のダニエルの肖像画は彼の「ほつれ髪の女性」(1508)をアレンジしたもの、時代はこの頃ということでしょうね。 最初と最後ではジャンヌ・モローがグリム兄弟に貫禄を示し、西洋はおとぎ話と地続きなのが感じられます。 少し地味だけど好きな人がいるのがわかる HAPPILY EVER AFTER。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-04 07:00:15)(良:1票)

4.  恋する人魚たち シェールを知ったのは、同じミュージシャンのグレッグ・オールマンと結婚してた頃です。(その頃からイメージ変わんないのはすごいなぁ) 彼女の個性的な美貌はチェロキーの血が流れてるからか。 女優としても個性的で、これはその個性がいかんなく発揮された引越魔ママ、人魚の仮装が似合っていてチャーミングでした。 ウィノナ・ライダーにとっては「シザーハンズ」と同じ年の作品、こちらの方が本来の彼女らしく内向的な妄想女子ぶりを発揮し、まだ子役のクリスティーナ・リッチは可愛い水泳少女、彼女らを包みこむボブ・ホスキンスの温かさも素敵。 お部屋を海の中に変えてしまう幻燈がワンダーなセンス。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-07 07:00:03)

5.  ハムレット(1990) ゼフィレッリの「ハムレット」。 68年版の「ロミ&ジュリ」を撮った監督には「ハムレット」も、との思いがあったのかもしれません。 長いセリフをこなすメル・ギブソンのハムレットは「憂鬱な王子」そのもの、かなり陰気ではあり見ていると気が滅入ってきそう。 質素な衣装のオフィーリア、ヘレナ・ボナム=カーターはもともと病んでるような感がなくもない目つきなので、狂気に陥った時とのギャップが少なく感じます。 髪に花をさし野の花を配るかわりに、藁束を手に配って歩くのが女占い師のよう。 俳優で一番魅力的なのは王妃ガートルードのグレン・クローズ。 「危険な関係」のメルトゥイユのような悪女が本領かと思いますが、この不貞の王妃もはまっていて、後半の「私のハムレット、私にはもうお前だけ」な溺愛ぶりはいじらしいまでに母の愛情を見せます。 大臣ポローニアスのイアン・ホルムは息子レアティーズへの教訓も駆け足で。 舞台となる蒼ざめたエルシノア城は有機的な曲線を持つ城内が素晴らしく、北欧デンマークの冷たい空気をも伝えてきます。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-06 07:00:03)

6.  アパッチ(1990) 軟派なヘリ映画★ 今でも使用されている米軍ヘリAH-64を投入し、「ブルーサンダー」より「トップガン」に近い感じ。 ニコラス・ケイジとショーン・ヤングの恋もからめてますが、「追いつめられて」後のゴシップでもう下り坂のヤングは、この映画での脱ぎっぷりもフツーでなく。 彼女は「ブレードランナー」ではその美貌で貢献してくれましたが、子供の頃から妖精と呼ばれて育ったことは、彼女にとってはマイナスだったのではと思います。 戦闘シーンより「JFK」で有名になる前のトミー・リー・ジョーンズ教官がよかったかな。[映画館(字幕)] 5点(2013-03-04 07:00:05)

7.  鳩の翼 ヘレナ・ボナム=カーターが再びイタリアへ。 アイヴォリーの「金色の嘘」とよく似ていると思ったら、原作がおなじヘンリー・ジェイムズ。 美しいタイトルとは裏腹のドロドロとした財産絡みの奸計や、アメリカ人の娘といった要素が似ています。 こちらの方がロンドンとともにイタリア・ヴェネチアを舞台としている詩的な世界ではあるので印象はよく、ゴンドラで寄り添う3人も絵画的な美しさ、カーニヴァル(仮面舞踏会)も生かされて、水の都ヴェニスはロマンティックな情緒をたたえ、愛と死の舞台として映画で使われることも多い場所。 ライナス・ローチは優しげで少し優柔不断でもあるマートンにあっていそうですが、ミリー(アリソン・エリオット)は儚げな天使というより彼女の方が小悪魔的なルックスにみえ、ヘレナの暗い眼差しは叔母(シャーロット・ランプリング)から自由を得るため悪女に転じるケイトにあっていても、異国で他の女性と行動を共にするマートンの心身をつなぎとめる女には、彼女の小さな体は少しマイナスのような気がしました。 でも彼女にとってきっと私の代表作と思っているだいじな作品だと思います。 ミリーの「ハメをはずしたいの」の意味を感じとりつつ応じなかったマートンには、悔いもあるのでしょうか。 「鳩の翼があったなら 飛び立っていただろう 永遠の安らぎへ」[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-02 06:59:55)

8.  ミクロキッズ3<TVM> 7→6→5と点数が下がってきちゃうのはしかたないかも、でも「ミクロキッズ」「ジャイアント・ベビー」と見たら、全部おつきあいしたいもの。 前2作とちがいテレビ作品で、正直クォリティはグッと落ちてるんだけど、サリンスキー博士ことリック・モラニスが出てくるだけで「ミクロキッズ」らしくなるのはスゴイ存在感☆ 奥さんのダイアンは名前同じでもちがう女優さん、息子アダムは「ジャイアント・ベビー」が大きくなったって設定。 「ミクロキッズ」っていうより「ミクロアダルト」で、博士たち2組の夫婦が縮小光線を浴びてしまい、子供たちのパーティにまぎれこんでのハラハラドキドキ。 巨大ゴキブリなどのVFXもショボイけれど、スタッフは一生懸命作っていそうであまりケナせないのです。[DVD(字幕)] 5点(2013-02-08 06:59:58)

9.  ロビンソン・クルーソー(1996) 《ネタバレ》 大胆にアレンジされたロビンソン漂流記。(こんなに変えちゃっていーのー?) ロビンソン・クルーソー(ピアース・ブロスナン)が航海に出る原因からして、恋人メアリ(ポリー・ウォーカー)をめぐる決闘って! でも面白い。 サバイバルも「青い珊瑚礁」程度の描写しかされておらず(リアル・サバイバルなら「キャスト・アウェイ」の方がらしい)、フライデーとの関係に重点を置いており、スキッパーという名がつけられた犬さえも途中でいなくなるのは、彼ら2人だけにするため。 デフォーの原作では年齢差もあり、完全に主従関係だったのを現代風にアダプトし、キリスト教一点張りだったのも変わってフライデーの宗教を尊重。 何よりもロビンソンが主人(MASTER)であることを放棄し、フライデーも奴隷(SLAVE)であることを否定、友となる彼ら。 生贄の儀式をやめさせようと島へ来たミマ族を皆殺しにしようとするのは、文明人の干渉・介入を感じさせる微妙な部分ですが、残酷な描写は極力避けているのが良識的です。 終盤はフライデーの島へも行き、心ならずも彼と決闘(冒頭の決闘と対)することになりますが、その結果もアイロニカル。 28年が6年に短縮され、最後は幸せに間に合うロビンソンはフライデーのことを忘れない。 ブロスナンも007よりよかったけれど、フライデー役のウィリアム・タカクの強い意志を感じさせる眼光が力強く、黒人層にも配慮して新しいロビンソンを作りあげた異色作。[地上波(吹替)] 7点(2013-01-08 07:20:15)

10.  6デイズ/7ナイツ ハリソン・フォードの無人島ムービーは、アドベンチャーというよりもロマンティック・コメディなのでちょっとがっかり、せっかく美しい島が舞台でも十分に生かされてない感じ。 オンボロ飛行機を操る自由な男クインのキャラは、ハン・ソロに少し似てる? ハリソンのぼさぼさの外見は、「エアフォース・ワン」の大統領イメージを一掃するためかな。(飛行機に乗ってるのは同じだけど、ずいぶんちっちゃくなりました~) 住む世界がちがう男女の孤島シチュエーションは「流されて…」(「スウェプト・アウェイ」のオリジナル)という映画も先にあり、その手のフィジカルなのは彼らのお相手カップルにまかせて、華奢でかわいらしいアン・ヘッシュを主人公といがみあう勝気なヒロインにし、品をおとさずメンタル重視のソフトな映画にしてある。 ちょこっとサバイバルしたり海賊に襲われたりとそれなりに楽しくはあるけど、あくまでライトでもうちょっと何かあったらよかったなと。 (海岸に大きな穴がある岩壁があり、「キングコング」(76)や「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」でも見た気がするんだけど、見なれた無人島ってのもね…)[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-07 07:00:07)

11.  ギター弾きの恋 《ネタバレ》 よく「道」と比較されますが、あれよりも抑えめで引き算された映画。 ハティは500ドルと一緒に捨てられて泣いたろうに、そんなところは見せない。 分身であるギターを粉々にして泣きくずれるエメットの顔も見せようとはしない。 映画の弱点はすべてが見え(見せ)すぎることですが、アレンはそれが哀れっぽさの誘因になるとわかっているんですね。 彼や「ジャズ・カントリー」の著者ナット・ヘントフが語る架空の解説も客観性を助長するもので、才能に人格を食われたギタリストを冷静に見つめながらもいとおしむ視線を感じます。 映画に感情移入や共感や感動しか求めていないのであれば、映画の見方はずいぶん狭くなると思うんです。 ポスターは金の月に座し星座を散らしたジャケットをまとい得意気にプレイするエメットなのに、本編ではここまともに弾くシーンはなしっていうのもハズしていて面白い。 来年没後60年となるジャンゴ・ラインハルトが一瞬姿を見せるのも心憎い演出で、彼はとても有名だけれど、エメットのように自分は第二のジャンゴと自負しながら消えていったギタリストも大勢いるんだろうな、とそんなことも思われました。 ショーン・ペンとサマンサ・モートン、黄色くけぶる映像、ロマギターの音色もよかった。[DVD(字幕)] 8点(2012-10-06 06:59:58)(良:1票)

12.  娼婦ベロニカ 「恋におちたシェイクスピア」の姉妹篇なのだとか、こちらはフィクションではなく史実に基いているそう。 16世紀後半のヴェネチア、後ろ盾がなく母と同じ高級娼婦(コーティザン)に転身する娘ベロニカ。 青年貴族と結婚する道を絶たれた彼女が美しく教養あるコーティザンになったとたん、身分の高い男たちが群がるのは皮肉でもあります。 ヴェネチアをトルコの侵略から守るため、フランス国王アンリ3世とも同衾するベロニカに降りかかる運命は辛いものですが、結果的に彼女を救うのは彼女のしてきたこと? ジウリアの涙は一人の娼婦と夫を奪われた妻たちの和解を意味するものでしょうか。 キャサリン・マコーミックは美女だけど少し華がないようで、ルーファス・シーウェルが形だけの妻を娶りながらベロニカを忘れられないマルコ。 ジウリアのナオミ・ワッツはノーメイク風で気ずかず、母親パオラ役のジャクリーン・ビセットはお年を召してもさすがの美しさ。(「お前より私の方がキレイ」っていうのはアレだけど~) 「恋におちた…」より内容はいいと思うのですが、アメリカ製ヨーロッパらしくライトでキンキラなとこはあってまずまず。[DVD(字幕)] 6点(2012-08-08 07:00:04)(良:1票)

13.  恋の闇 愛の光 原題のレストレーションは英国の「王政復古」の意味でもありますが、堕落したメリヴェル(ロバート・ダウニー・Jr)の「復活」の意味も兼ねたダブルミーニングなのかもしれず。 優秀な医者でも女遊び好きな彼がチャールズ2世(サム・ニール)の寵愛を受ける前半「恋の闇」、真の医師として目覚める後半「愛の光」。 それぞれヒロインがおかれ、シリア(ポリー・ウォーカー)は赤い花、キャサリン(メグ・ライアン)は青い花。 親友ピアース(デヴィッド・シューリス)との友情もあり、小道具も巧く使われ、脇役にいたるまでいい役者(ヒュー・グラントやイアン・マッケラン、イアン・マクダーミドも)を揃えた歴史大作ではあろうけれど、以前見たのに忘れてたというのは印象が薄かったのかな? アカデミー賞ノミネートの美術や衣装は豪華でも、映像や演出には重みがなかったかも…[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-07 07:00:07)(良:1票)

14.  フィッシャー・キング この映画のDJは、ロビン・ウィリアムズではなくてジェフ・ブリッジスの方。 リンチに「ストレイト・ストーリー」が、バートンに「ビッグ・フィッシュ」が、スコットに「プロヴァンスの贈りもの」があるように、ギリアムにはこれがある。 らしくないヒューマンもの。 その中にまかれたギリアム印は、バリーのオタク小屋だったり、ステーション・ダンスだったり、輝く騎士だったりだが、タランティーノが「イングロリアス・バスターズ」に置いてまわる自分の印より心地よいものだ。 風向きが変わった途端に世話になった女を捨てにかかる俗物ジャックと、聖人を絵にかいたようなバリーは対照的な人物に見えながらも、夜の公園で素っ裸で寝ころがると違いはぼやけていく、そんなに変わらないんじゃないかと。 ジャックに尽くすアンは、みじめったらしくなりそうな役なのに生きた女になっててうまいな~と思ったら、オスカーもらってるんだね。 彼女もよかった。 ギリアムって名前は聞くけどなんかコワそう、と思ってる人はこれから見たらいいのかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-08 06:59:57)

15.  エンパイア・レコード 《ネタバレ》 レコード屋さんが舞台の映画もたまにある。 90年代半ばの映画だけど何となく80年代を引きずってないかな? イカレたキャラばかりで若い俳優さんたちはヘヴィだったんじゃないかと思う。 自分で丸刈りにする自殺願望の子や、万引きしそこなったあげく銃を持ち出す子、親友の憧れの歌手をひっかけてしまう子など問題児ばかり。 看板娘のリブ・タイラーはすごくキレイで色っぽいんだけど演技がうまくない気がして、彼女ほど目立ってないレネー・ゼルヴィガーの方が女優として売れたのがおもしろいトコ。 ゴタついてあぶなっかしい青春ムービーながら、一日の終わりには不思議とイイ映画を見た感覚におちいる。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-03 06:59:58)

16.  ウォレスとグルミット、危機一髪! 「ウォレスとグルミット」は、一番有名なシーン(オモチャの列車)と最高傑作がちがう作品なのが粒ぞろいの作品群のレベルの高さを物語りますが、完成度でいえばやっぱり「危機一髪」。 すべてにおいて充実し、「ペンギン」と2本そろう90年代はシリーズの黄金期。 ウォレスが恋する毛糸屋さんのウェンドレン(愛称はウェンディだね! ウォレスと同じ顔じゃん)には人にいえない秘密が。 ウォレスが国際救助隊のバージル気分で出動のシーンは音楽もバリー・グレイ風の凝りよう(庭のノームが「GO!」)、本性を現したターミネーター犬プレストンが牙をむくのもマジ怖く、極めて英国的な世界の中に自国の「サンダーバード」と米国的な「ジェームズ・キャメロン」が混在するおもしろさ。 グルミットの赤い飛行機(ニック・パークはジブリ好きだから「紅の豚」のオマージュ?)には合成も使い、窓ふきの泡みたいな形のないものもアニメートしちゃうのもすごいワザ、ひつじのショーンはスピンオフもできたかわいい人気者。 このシリーズが長く愛されるのは、ハンドメイドの素朴な温かみや、チーズを愛する発明家ウォレスと忠実でかしこい執事犬グルミットのペットをこえた絆、大人の中の子供を呼びさます遊び心と魅力がいっぱいだから。[CS・衛星(吹替)] 8点(2012-04-08 07:00:01)(良:1票)

17.  エイリアン3 《ネタバレ》 ミュージック・ビデオで評判をとっていた20代のデヴィッド・フィンチャーが映画監督としてデビューを飾るのに、「エイリアン」のような人気シリーズでは荷が重すぎたと思う。 映像感覚は優れていても長編映画をまとめ上げる力量にはまだだろうし、脚本の改稿に次ぐ改稿。 それでも流刑惑星や女人禁制宗教のストイックな空気は、アクションよりも精神性重視なのがわかる。 冒頭で「2」のキャラクターをいきなり消してしまうのも(作品ごとに監督の違うシリーズらしい不整合とはいえ)リプリーを孤独にするため。 犬の口からエイリアンが飛び出すアイディアは「遊星からの物体X」を思わせ、「2」ではなくなっていた半透明なヘッドカバーが復活してエイリアン本来の姿に戻されており、斬新なエイリアンズ・ビューは作品最大のウリ。 リプリーと心を通わせる医者クレメンスは英国のチャールズ・ダンスが演じる。 前の年の「ターミネーター2」とラストが偶然にも酷似してしまうという不運にも見舞われ、緊迫した状況での位置関係がわかりにくいなどの弱点はあるが、落ち着いた渋い作品。 続編の監督たちは皆「1」が好きでやっていてその上で自分のカラーを出していたけれども、シリーズ中一番影が薄い作品ではあるかもしれない。 「1」「2」ではリプリーにとってエイリアンは倒すべき敵でしかないが、「3」以後は微妙に違ってくる。 何というか親密度が増してくるのだ。 リプリーが幼体を孕んでいても「1」のケインほどの異様さは感じず、それは彼女が女性であることにも関係している。[映画館(字幕)] 6点(2012-03-08 06:59:59)(良:1票)

18.  エイリアン4 《ネタバレ》 前作から200年というのがふるっている。 作品間の距離は広がるばかり、未知の異生物と関わったばかりに死ぬこともままならず、再び命を得たリプリーは彼女であって彼女でない別の人格に。 体内にエイリアンを宿したままクローン再生というのも、別の個体でありながら記憶まで保持というのも実に嘘っぽいが、SFの枠の中では何でもありなのだ。 かつて地球で母であり宇宙でも代理母となったリプリーが、一番畏れていたはずのものをも子として愛しむのも宿命といえ、蠢くエイリアンの群れに沈む彼女の表情は陶酔そのもの。 もう一人の「女」コール(ウィノナ・ライダー)にも秘密があり、もう一方の系譜。 監督ジャン=ピエール・ジュネがフランスから招かれたのは、ユニークなヴィジュアリストとして注目されていたから。 パールマンやピノンら馴染みの俳優を起用し、相棒キャロは正式には参加していないが現場を訪れ衣装デザインでサポート、1作目のスコット同様アメリカでは異邦人(エイリアン)であるジュネには心強かったはず。 シガーニー・ウィーバーをして「1作目が持っていた知的でエレガントな部分を蘇らせた」と言わしめたレザレクション(復活・原題)は、CGエイリアンが水中に身を躍らせる流麗さを持つと同時に最もグロテスクな世界でもある。 累々と並ぶ失敗作、宇宙の塵となるニューボーン。 宇宙空間を漂う揺り籠のような宇宙船をおもな舞台としていた物語が、母なる地球を目前にして役目を終えるのは当然であるかもしれず、ともに人でない女たちの瞳に反射光が照り映える。[映画館(字幕)] 7点(2012-03-07 06:46:42)(良:1票)

19.  スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 今月3Dで再公開されるエピソード1。 新シリーズは期待されていましたが、それに応えられたのかどうか。 「スター・ウォーズ」はジョージ・ルーカスが様々なものを参考にして形作ったサーガでしたが、この前段はハーバートの「デューン/砂の惑星」のようにポリティカルで重苦しく宿命的なものに。 アナキン少年(ジェイク・ロイド)は父なくして母シミから生まれた不可思議でキリスト的な出生、「ジェダイ」で銀河皇帝を演じた俳優の登場も先を思わせて暗い影を落としているよう。 キャラクターはCGクリーチャーも含め増殖しましたがさほど効果的とも思えず、デザインワークも好みではなかったけれど、すべて刷新された中でC-3POやヨーダらが旧シリーズとのブリッジの役目を果たしていました。 それでも「スター・ウォーズ」らしいハイライトは用意されており、ポッド・レースはカーレースに近いものですが、ダブル・ライトセイバーを操るシスの暗黒卿ダース・モールとの殺陣はレイ・パークの身体能力が高いこともあって、シリーズ随一の華麗さがありました。 コスチュームにも力を入れ、クイーン・アミダラ(ナタリー・ポートマン)の衣装は10数着あったと思いますが(一部は影武者サーべ(キーラ・ナイトレイ)が着用)、非常に凝ったもので旧作の衣装に不満だったルーカスはご満悦でしたが、アカデミー賞の衣装デザイン部門にノミネートされなかったのは、華美で趣味がよくなかったからでしょうか。 新3部作のポスターは旧作の「特別篇」と同じく「BTTF」「インディ・ジョーンズ」を手がけたドリュー・ストルーザンによるもので、こちらは円熟の出来映えだと思います。[映画館(字幕)] 6点(2012-03-01 06:59:59)

20.  シザーハンズ 《ネタバレ》 アメリカの住宅地のそばにヨーロッパ風の古城を頂く山が隣接する不思議。 人造人間エドワードが住む館、彼はジョニー・デップの名演技であると同時に、子供の頃から他人とうまくコミュニケーションがとれないと意識していた若きティム・バートン自身でもあるらしく。 やさしい老発明家(ヴィンセント・プライス、バートンの怪奇映画へのオマージュ)に野菜刻みロボットからハートを持つ擬似人間に作り変えられていった彼は不完全なまま城に残され、ペグ(ダイアン・ウィースト)に連れ出されるまでは孤独。 カラフルに塗られたサバービア(郊外住宅地)の中で、唯一モノクロな存在のエドワードが際立つ。 スタン・ウィンストン特製のハサミの手をつけたデップは子供のように無垢で頼りなげですが、あの手が生かされるあたりは楽しく、ここや城の回想シーンはアートな感覚をちりばめ、バートンの極上のセンスが光ります。 それだけに後半の切り返しは残酷だけれど、それでも失われない彼の純粋さに救われる。 ペグや夫のビル(アラン・アーキン)のようにオットリな人ばかりではない住人たち、エドワードに拒絶され逆恨みするジョイス(キャシー・ベイカー)が彼の町での浮き沈みを導く役を担い、彼女が後ろ髪を引かれつつ立ち去る姿に移ろいやすい人の心の弱さが見えて。 トム・ジョーンズが歌い上げる"WITH THESE HANDS"は皮肉味をおびて聴こえ、ダニー・エルフマンの音楽が哀切を奏でる。 キム(ウィノナ・ライダー)の愛情に限界があるのが哀しくもあるけれど、エドワードはそれを理解し満足している、自分にはこれで十分と。 キムと過ごした短い時間が永遠となり、変わらぬ愛となって降りそそぐ。 新たな雪のイメージを生み出した、おかしくも切なく美しいお伽話。[映画館(字幕)] 10点(2011-12-10 07:00:01)(良:2票)

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