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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. チャイナ・シンドローム 70年代には、国家や企業に対する個人の戦いが描かれたサスペンス映画が多く存在します。しかし「カサンドラ・クロス」「カプリコン1」などが、娯楽性に突出しすぎてやや荒唐無稽な設定に苦笑させられてしまうのに比べ、本作は違います。原発事故の恐ろしさ、ジャーナリズム論とは何かを描いた社会性、そしてゾクゾクするようなスリルを観客に与える娯楽性、どちらにも長けた決定的名作ではないでしょうか。J・レモンとJ・フォンダの勇姿はもう忘れられません。演技でこれだけ人を感動させることができるのか、と震えました。[DVD(字幕)] 10点(2009-03-06 03:54:46)(良:1票) 2. 激突!<TVM> ビデオが擦り切れるまで観まくった人生の一本。タンクローリーが追いかけてくるというだけの話に、これだけバリエーションに富んだスリルを詰め込める才能というのは一体何なのか。低予算でも何が何でも観客を楽しませてやるという、スピルバーグの並々ならぬ執念に感動せずにはいられない。ラストのラジエーターホースがやられてからの展開の演出は、もう神懸り的。D・ウィーヴァーの取り憑かれたような演技、マルチ撮影を存分に使いこなしたカット割り、B・ハーマンばりの音楽など、全ての要素が融合して生まれた傑作。そして極めつけは、あのタンクローリーをチョイスしたスピルバーグのセンスである。あれほど薄気味悪いタンクローリーが他にあるだろうか。[ビデオ(字幕)] 10点(2009-01-30 03:05:02)(良:1票) 3. ブラック・サンデー ドキュメンタリータッチを貫き、これ以上ないくらいリアリティに根ざしたテロリスト映画なのに、呆れるほどの娯楽性を併せ持った神業的作品。登場人物のボルテージの高鳴りに呼応するように、盛り上がりを見せてゆくストーリーが圧巻。音楽も見せ場も激しくなってゆき、観ているうちにどんどんハードルが上がる。任務遂行のためには、意図も簡単に邪魔者を射殺してゆくテロリストの姿はリアル過ぎて鳥肌物。惜しむらくはそう、最後の最後で...[DVD(字幕)] 9点(2011-12-18 02:25:21) 4. 時計じかけのオレンジ 2時間半にわたる暴力、暴力、暴力…。しかしながら、頭では否定してしまうのに体(?)が肯定してしまうこのパワー。終盤の畳み掛けるような展開、演出、カメラワークには熱狂するのみ。そんなところから、人間の持つ暴力性にゾッとさせられてしまう作品。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-02-02 02:10:04) 5. ミッドナイト・エクスプレス(1978) 「運が悪かった」では片付けられない、あまりにも恐ろしい現実。それを体験していた者の苦悩と絶望が、凄まじいリアリティで迫ってくる。アラン・パーカーの初期監督作ですが、この演出の完成度は何なのでしょう。主人公の顔のクローズアップと、心臓の鼓動音の効果といったらもう…[DVD(字幕)] 9点(2009-01-26 01:10:27) 6. エイリアン 文句のつけようのない映像効果・音響効果・役者演出で観る者を圧倒する一本。下手に小賢しい捻りを加えず、ストレートな話を完璧な演出で伝えることを目指したからこそ、SFホラーの金字塔になりえたのでしょう。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-01-16 20:01:47)(良:1票) 7. 悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 怪物たちの造形と、ドキュメンタリータッチの映像演出の素晴らしさは言うまでもない。しかしそれ以上に、起承転結を徹底的に無視し、次に何が起こるか分からない展開がこの映画に効果をもたらしていると思う。予定調和ではホラー映画は怖くない。まさに唯一無二の歴史的傑作。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-01-16 19:50:58) 8. カサンドラ・クロス 開始たった10分で、これほど完璧に引き込まれてしまった作品はない。列車の中という舞台の疾走感を存分に活かし、ホラーのような印象すら与える、細菌兵器や鉄橋の描き方も相俟ってサスペンスを盛り上げまくる。だが、この映画のMVPはJ・ゴールドスミスの音楽ではないだろうか。ここぞとばかりに鳴らしまくり、もう気合入りまくり。これでもか、と盛り上げまくる終盤のスコアは神懸り的ですらある。恐らく本人も、『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』並みのヒットになることを期待していたのだろうが、結果は……。[ビデオ(字幕)] 9点(2009-01-01 02:55:37) 9. JAWS/ジョーズ 「めっちゃハリボテやん!」などとのたまう友人が多いのが悲しい。この映画のラスト20分ほど興奮できる映画なんて、今だってそうは無いと思うけどなぁ。神懸り的なテンポの良さを誇る編集も相俟って、スピルバーグにはもうこの時点で娯楽作の王者としての風格を感じる。[ビデオ(字幕)] 9点(2008-12-11 01:47:27)(良:1票) 10. ブラジルから来た少年 名優老人対決、というコンセプトをしっかりとやり通してくれた傑作サスペンス映画。魅力的な謎を解いてゆくなかで、G・ペックもR・オリヴィエも演技の見せ場だらけ。それでいて最後はアクションまでやってくれるんだから言う事なし。しかし、フランクリン・J・シャフナー監督は疲れていたのか、切れ味鋭い演出があったと思いきや、全くやる気のない部分までが共存している。それがまたスリリング。[DVD(字幕)] 8点(2012-09-24 21:25:14) 11. マラソン マン これは素晴らしい映画。ストーリーが多少破綻しようがどこ吹く風、サスペンスサスペンスした雰囲気作りとキャラ設定、奇異な音楽だけで一気に魅せてくれるという稀有な作品である。ダスティン・ホフマンの(スリラーの主人公として完璧な)小市民っぷり、対するローレンス・オリビエの元ナチ歯医者という肩書き、鬼気迫る演技に加えての“必殺技”。これだけでハラハラする要素に事足りるというに、そこに夜の郊外でのマラソンチェイス、ユダヤ人街での宝石奪還戦、中華系殺し屋、爆弾人形なんて盛り込まれた日にゃスリラーファンは憤死するわ。[DVD(字幕)] 8点(2012-07-22 02:21:00) 12. イレイザーヘッド D・リンチの変体趣味が爆発。徹底的に気分を害す伝説のカルト映画。しかし、ノイローゼとカタルシスの絶妙な狭間に落とし込まれたかのような意味不明な後味が残る。ぜぇぜぇ。未だに落ち着いて評価できません。[DVD(字幕)] 8点(2010-08-17 22:07:45) 13. ベニスに死す 《ネタバレ》 自らの醜態を晒しても、美を追い求め続ける主人公。それだけで130分の映画として完成されている。他に類を見ないほど贅沢で、豪華で、哀しい物語だった。マーラーの楽曲の力が壮絶に凄い…。[DVD(字幕)] 8点(2009-02-11 21:58:04) 14. バリー・リンドン 主人公が経験することは非凡そのものなのに、この淡々とした語り口は何なのか。大掛かり過ぎるセットと大勢のエキストラが全て無駄に思えてしまうほど。しかし、そう思わせることこそがキューブリックの狙いだったに違いない。戦争中に呆気なく死んで行ったイギリス人にも、主人公にも大した差はないということか。映画の持つ虚構性を逆手に取った凄い作品。[DVD(字幕)] 8点(2009-02-02 01:31:18) 15. ファントム・オブ・パラダイス 《ネタバレ》 常軌を逸したまでのテンポの速さは必見(特に前半)。個人的にデパルマでベストな二分割画面も登場します。ビーフやらハーパーの歌やら色々ツボなんだけど、終盤の悪魔の契りが~のくだりで訳がわからなくなってしまったのは俺だけ? まさかSFまで詰め込んでくるとは…[DVD(字幕)] 8点(2009-01-16 20:17:03) 16. 合衆国最後の日 《ネタバレ》 政治とは何か、国家とは何かを考えさせられる作品。テロリストやC・ダーニングの熱演、ふてぶてしいJ・コットンも何気によい。逆上したB・ランカスターがカウントダウンを開始するシーンは凄い迫力だった。凄まじい轟音と共に姿を現す核弾頭…これこそマルチ画面の正しい使用法。みんな24で興奮している場合じゃないって[地上波(字幕)] 8点(2009-01-01 03:27:21) 17. ファール・プレイ 《ネタバレ》 テンポよく、笑いどころも随所にしっかりとある。ただし、終盤は今の感覚では...(苦笑)。特にカーチェイスからオペラへのカオスなくだり、ちょっと日本的なモノが気になりすぎて笑えませんでした。そんな中、本当に素晴らしいのが老人&老女の必殺カンフー対決!! 「共通の趣味が見つかった瞬間のよろこび」がアクセントになってるこのシーンには、わかるわかると全身で共感してしまった。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-26 02:32:10) 18. オーメン(1976) 《ネタバレ》 オカルトホラーの名作。ここまでやるかという殺人方法に煽りまくる演出は、「サスペリア2」と双璧を成すデキ。しかしながら、暗いトーンで一貫しすぎるあまり相当に疲弊させられる作品ではある。J・ゴールドスミスの音楽は素晴らしすぎる。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-21 21:11:27) 19. 狼たちの午後 社会派サスペンスを撮らせたら天下一品のS・ルメット、またしても素晴らしい仕事をしている。うだるような白昼の雰囲気、キャラクターのだるさを、持ち前の都会的な感覚を活かしてしっかりと描写。犯人と人質が結託してゆく映画の元祖的存在だが、現在ではやや使い古されたネタという印象も強い。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-21 21:08:00) 20. 犬神家の一族(1976) 殺人シーン、名探偵の造詣など、現在のサスペンスドラマのプロトタイプばかりで驚かされる。テンポはややきついものがあるが、それでもバッサリ切りまくったカットが所々に見られて心地よい。[DVD(字幕)] 7点(2010-08-17 22:03:54)
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