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タイトル名 |
アララトの聖母 |
レビュワー |
R&Aさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2006-10-05 15:36:10 |
変更日時 |
2006-10-05 15:36:10 |
レビュー内容 |
たしかにアルメニア人大虐殺を史実だと訴える側面を持ってはいるものの、あくまで側面である。メインは愛する者の死に何らかの意味を見出そうとする男女の物語であってアトム・エゴヤンの一貫したテーマを追求している作品である。暗殺者として死んだ父の死を自分の中で消化させるためにビデオカメラを持って旅に出る。父の自殺を受け入れられない娘は受け入れられないがゆえに母を憎む。そこに時代を遡り画家ゴーキーの、母の絵を通した母の死の受け入れ方が示され、さらに虐殺された人々の死を生き残った者の子孫がどう受け止めるべきなのかという同じテーマを持ち合わせたサイドストーリーにリンクさせる。愛すべきものの死、、忘れることも無視することも無かったことにすることも、受け入れたことにはならない。十八番の過去の挿入のうまさはここでも健在。残念なのはアルメニア人大虐殺がクローズアップされても仕方のないほどのインパクトを持ってしまっている点。
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