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影踏み - TANTOさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 影踏み
レビュワー TANTOさん
点数 7点
投稿日時 2022-08-30 01:52:33
変更日時 2022-08-30 01:52:33
レビュー内容
かつて空き巣=「ノビ師」として有名だった真壁はある議員宅に「仕事」に行った際にかつての旧友でもある刑事の吉川に捕まってしまう。その後刑務所で刑に服し、出所したところから話は始まる。

真壁が捕まった日に本当は何があったのかを探るミステリーと、双子の関係性について描いた作品。私は双子ではありませんが、やはり同じ人を好きになったりする確率は高いんでしょうかね。
「同じ顔をしている」というところが彼らとしては大事なところなんだろうか。それ以外は別に双子でなくてもよくある話のような気がする。自分の持ってないものを持っていたり、欲しかったものを取られたり、そんなのは双子でなくても兄弟がいれば日常茶飯事だとも思う。いや、何なら兄弟じゃなくても、友人や知人など、誰かと生活してればそんなのはよくあることだろう。となるとやはり双子で、同じ顔を持つ者にそれをされるのが堪え難かったということ。「同じ顔をしてるのに何であいつだけ」「俺とあいつの何が違うんだ」という感情は芽生えるのかもしれない。けれど、どんなに同じ顔でも同じDNAを持っていたとしても、人が二人いる以上彼らはそれぞれ別の人格で別の人生を持っている。本体と影では本質が全く異なるように、彼らも「自分は自分」という意志を持って生きてほしかった。

そういった生き方を出来ずにただひたすら自分の影を踏み続けた彼ら。影が嫌になった時、その影から離れるか、影を消しにかかるのか、、、自分ならどうするだろうか。
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