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タイトル名 |
陽だまりの彼女 |
レビュワー |
あばれて万歳さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2016-08-15 16:55:47 |
変更日時 |
2016-08-15 17:33:29 |
レビュー内容 |
ここ数年の日本の大衆小説界では「きみの膵臓を食べたい」とか「僕は明日昨日の君とデートする」とか、軽いタッチの泣き系恋愛小説(旧来の小説好きからは毛嫌いされる)が流行なんですが、この映画の原作、つまり小説「陽だまりの彼女」はその軽いタッチの泣き系恋愛小説ブームを代表する1作で、映画好き以前に本好きの僕も当然読んでいるわけです。 で、こういう「原作付き」の映画の場合、原作小説を読んでいるかどうかでだいぶその感想は変わってくると思うんですよね。 というか大半の映画は原作付きなわけで、どうしても原作と比較しての評価が避けられないわけです。
なかには「スタッフ、絶対原作読んでないだろ」みたいな映画も多数あるわけですが、しかしこの映画に関してはわりと原作の雰囲気は残せていて、観ていてそれほど違和感はありませんでした。
細かい注文はたくさんありますが、この映画で論評すべきは、原作とは異なるヒロインの解釈と意味深なラストにあると思います。
原作ではヒロインは猫のまま転生して主人公の前に現れます。つまり主人公はこれから猫と添い遂げるわけです。 「それってハッピーエンドなの?」と一部で言われるゆえんですが、しかし「お前ブライアン喰ったろ」というセリフの後「にゃ」だけで終わる原作のラストシーンのキレはなかなか素敵なものがありました。
しかしこの映画版では原作ではそこで終わる「お前ブライアン喰ったろ」から後の尺が長いわけです。小説を読んでから映画を見ている人としては「むむむ」となっちゃうわけですね。ラストは完全に違ってますし。
個人的には原作の方が完成度は高いと感じますし、そういう意味ではこの映画には不満も残るのですが、しかし映画のスタッフが「原作よりもっと普遍的なハッピーエンド」を目指した事はわかりますし、まぁそれもいいのかな、と思います。 なにしろ原作のラストは猫好き以外には「ハッピーエンドじゃないよね!」と言われていたわけですから。 そりゃ新婚の美人妻が猫になってかえってきてこれから一生とりつくわよみたいな空気出してるのをハッピーエンドって言われてもねw |
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