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裸の島(1960) - 青観さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 裸の島(1960)
レビュワー 青観さん
点数 8点
投稿日時 2009-08-19 22:52:53
変更日時 2009-08-19 22:52:53
レビュー内容
この映画には台詞らしい台詞がほとんど無い。笑い声や掛け声、子供達の歌声などはあるけれど、会話という会話が無いのである。そして、そんな会話を一切省くことで省略することによって、新藤兼人監督は互いが相手のことを全て受け入れてこそ伝わる人間としての正しい姿、人間が人間であること、人としての有り方、それを認めているからこそ、そんな関係のある者の間には言葉など要らない。言葉など無くても伝わるのである。言葉というものはお互いを確かめ合う上において時には不要であると言っているようである。そうなのだ!信頼しあっている者同士の間には言葉は要らない。相手を受け入れ、相手の気持ちを知る。また自分の気持ちも相手に伝える。人と人との関係、繋がり、この映画が意味するものは何なのか?全く知らない別の世界で生きている者同士なら言葉が無ければ解らないだろうが、この映画の人達の間には相手をよく理解している者同士、同じ島に住む者同士であるから言葉は無くても良いのである。人と人との繋がり、そして、人間って凄い。生きること、生きていることの凄さを映像だけで見せてしまうこの新藤兼人監督という人の凄さ、今の日本映画には無い。欠けている要素、何でも台詞でやってしまう今の日本映画とは正反対な作品である。
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