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タイトル名 |
荒野のストレンジャー |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2018-05-07 22:26:37 |
変更日時 |
2018-05-07 22:26:37 |
レビュー内容 |
摩訶不思議なウェスタンといえば、もうこれしかないでしょう。まあどう考えてもイーストウッド演じる“ストレンジャー”はこの世の存在ではないわけですが、いきなり女を手籠めにしたりする生臭い奴なので“こいつは何者”感が濃厚になり、ここがこの脚本の上手いところです。広大な湖のほとりにまるで住宅展示場みたいなこぢんまりとした町(というか集落)があるというのも、普通のウェスタンではあまり見かけたことがない景色でした。一見善良そうな住民たちが私欲のために保安官殺しを黙認するという展開は、ジョン・ウェインが激高しそうなストーリーです。保安官に町の住人が非協力的な『真昼の決闘』が反米的だと激怒した人ですけど、もう製作当時は人生の終わりも近かったので丸くなってたのかな。駆け出し監督のころですからイーストウッドの作品はまだB級色が強かったので、大して注目されていなかったのかもしれません。 こうやって観ると、イーストウッドはハリウッドでもウェスタンを危篤状態となってから撮りだしたようなものなので、いろいろと捻った観点の作品がウェスタンでは多いですね。そこは50年代からどっぷりウェスタンで生きてきたペキンパーの様なこのジャンルへの哀悼は感じられませんが、彼の死後にはイーストウッドがウェスタンに施した心臓マッサージが効いて『許されざる者』という傑作が生まれたんじゃないでしょうか。 |
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