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タイトル名 |
バビロン(2022) |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2024-11-08 21:27:52 |
変更日時 |
2024-11-08 23:27:02 |
レビュー内容 |
超下品な『ムーランルージュ』みたいな狂いまくったパーティが延々と三十分も続いたあとでやっと出てくるメインタイトル、あわや成人指定になりそうだったのを修正してもこれですから、ここでこの映画を観るのを止めちゃった人も多々いるんだろうな。ハリウッド草創期をモチーフににした映画は何本かあるけど、これほど“光と闇”のうち“闇”をクローズアップした作品はなかったんじゃないかな。荒野の真っ只中で後にメジャースタジオに成長するキノスコープ社は映画製作に励むが、人間扱いされていない俳優やスタッフはまだましな方で、大規模な合戦シーン撮影では死人やけが人が何人も出る始末、まさに“地獄のハリウッド”状態です。ブラピはサイレント期のスターだったジョン・ギルバート、マーゴット・ロビーはあのクララ・ボウをモデルとしているらしいが、その他にもサイレント期に起こった有名な事件をいくつか小ネタとして散りばめてます。この二人とプロデューサーに成りあがるメキシコ人青年(このキャラは完全に創作みたい)を軸にした群像劇みたいな構成なのだけど、イマイチ焦点が絞り切れないストーリーになってしまったのは残念。あとルイ・アームストロングを模した黒人ジャズ・プレイヤーも絡んでいるけど、このキャラがストーリーに必要だったのかは疑問、まあデイミアン・チャゼルのジャズ愛は伝わりますけどね。ブラピが演じるジャック・コンラッドはトーキーになってその声で俳優生命を失うことになるけど、「ブラピの声は悪声の部類だよな」と前々から気になっていたので自分にはなんかセルフパロディの感がありました。ラストの映画館のシーンはあの『ニュー・シネマ・パラダイス』のラストを再現するつもりだったかもしれないが、ちょっとアートに走り過ぎた感があって感動を呼ぶにはほど遠かったな。 順調にキャリアを積んで『ラ・ラ・ランド』ではオスカーもゲットしたデイミアン・チャゼルだけど本作は結果として興行的には惨敗、やっちまいましたな… |
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