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モンパルナスの灯 - にじばぶさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 モンパルナスの灯
レビュワー にじばぶさん
点数 8点
投稿日時 2007-09-02 11:12:01
変更日時 2021-05-31 15:43:45
レビュー内容
やっと観れたジャック・ベッケル監督の代表作。
画家“モジリアニ”の人生をドラマティックに描いた伝記映画である。

やっぱり何度観ても1950年代末から60年代初頭にかけてのモノクロ映像は鮮烈で鋭利で素晴らしい!
カラーでは絶対に感じることのできない映像的魅力を強く感じる。

36歳で夭折したフランスの美形俳優ジェラール・フィリップに、私の大好きな女優であるアヌーク・エーメが共演した本作。

このキャスティングだけでも十分に鑑賞に値する。


上に書いた様に若き日のアヌーク・エーメが出演しているのだが、これが参ってしまうほどに美しい。

劇中のモジリアニが惚れこんでしまうのも納得の、心を奪われる様な美しさを存分に発揮している。

エーメを抱き寄せ腕を執拗なまでに撫で撫でしているフィリップに、観ているこっちは羨ましくて仕方ない。


そしてジェラール・フィリップ。
彼の出演作を初めて観たのだが、これがまた魅力的。

本作ではとにかくモテる。
彼の周りには美しい女性ばかり。

そしてその女性のほとんどが彼に好意を持っている。
またしても羨ましい。

魅力ある男に美しすぎる女。
観ていてひたすら羨ましくなる映画だ。

だけど嫌味は感じない。
憧れの対象として目を奪われるばかりだ。

ストーリー的にも申し分なく、最後まで気持ちよく魅せてくれる。


そして本作における三人目のキーマン、リノ・ヴァンチュラ。

彼が演じるのは、モジリアニの死を何ら手を差し伸べることなく待ち続け、彼の死後、彼の作品を非情にも買い漁っていく画商の役。

モジアリニの才能を生前、誰よりも買っていたのは彼であったような気がする。

その彼が誰よりも彼の死を待ち望む。
皮肉で味のある話だ。
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