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自責の念。自責の念深し。
5月頭から始まっていた「溝口映画祭」はそもそも出遅れて気づいた。 仕事にかまけてTime Outに目を通すのを怠っていたのがそもそもの原因で、気づいた時には既に開始されてから2週間ほど経過していた。Film Forum等での集中的な映画祭ならその時点で既にアウトなのであるが、どうやら週末を中心とした上映スケジュールらしく、会期も約一ヶ月と長めであったことが幸いし、多少精神的に余裕のある連休のこの週末に遅ればせながらの参戦となった次第。
会場はお恥ずかしながらいまさら初参戦の地元Queensに存在するMuseum of The Moving Imageという場所。この状況下においてもこの後真面目に鑑賞を続ければ10本以上は観れるようなので早速会員登録した。MoMAと同様会員はほとんどの鑑賞は無料扱いとなるというGood Dealぶりで、長年放置していた自分の怠けぶりを悔やんだのはこのため。さらなる追い打ちは先週末の「他人の顔」上映イベントとして仲代達矢本人が来場していたとのこと…。これを逃したことのダメージが一番強いか…orz…。 とにかく会員登録と同時にその日のうちの上映14、16、19 時の三本の券をゲット(苦笑)これまでの会期中逃したのは既に17本と痛い数字ではあるものの、その内6本は既鑑賞作品ということでそれをもって自分を慰めつつ気合十分で残りの会期に臨む。一本目は「銘刀美女丸」(1945)、続く二本目は「雪夫人絵図」(1950)、締めは「浪華悲歌」(1936)。 残るは10本、出席率の方はさていかに。 Electric Five out of Eightこの度幕を閉じた映画祭、興奮も冷めやらぬうちに少々覚え書きでも。
お題はこんな感じで、場所はJapan Societyにて。 A TRIBUTE TO DONALD RICHIE (1924-2013), PART 2 RICHIE'S ELECTRIC EIGHT: THE BOLD & THE DARING http://www.japansociety.org/page/programs/film/a-tribute-to-donald-richie-part-2 「Part 2」となっているのは昨年後半に月一のペースでも開催していたため。今回は会期3週間で8本をとのことなのでこちらの方が性に合っていると意気込むも、仕事やなんやらで2本を見逃す結果に終わり若干残念感も。 今回のラインナップは以下の通り。 - 1999年の夏休み (1988) - 張り込み (1957) - 選挙 (2007) - 泥の河 (1981) - 神々の深き欲望 (1968) - おかえり (1995) - ゆきゆきて、神軍 (1987) - 儀式 (1971) この中から見逃したのは「泥の河」と「選挙」。「儀式」については過去にFilm ForumとMoMAとで2回も鑑賞する機会に恵まれていたことから意図的に見逃すこととした。結果残りの5本の鑑賞を達成したわけであるが、こうして並べてみるといかにドナルド・リチー氏がジャンルに分け隔てなく日本映画を探求し続け、洋の向こうに(彼の晩年はどっぷり日本在住だったとのこと。)発信し続けていたということがよく分かる。 手元には偶然友人から譲り受けた彼の著作物である"A Hundred Years of Japanese Film"がある。ちょっとたじろぐ厚さゆえに長年放置され続けてきたわけであるが、こうした機会をえる度にせめてもということで鑑賞した作品部分を索引から引いて目を走らせることを何度か繰り返してはきた。かつてそのリチーのことを大絶賛して紹介してくれる人生の先輩に出会っていたのであるが、偶然にもその本人が先週末引越し先のシアトルからこの街に遊びに来ており、いきつけの居酒屋カウンターで再会を喜び合うことができた。この映画祭の話をもちかけ、こちらはこちらで地道に精進を続けていることを伝えてみると、彼は"Japanese Portraits: Pictures of Different People"という彼の別の著作を薦めてくれた。また宿題がひとつ増えたが、楽しみな宿題ではある。映画を通してつながる人と人、知識と知識、喜びと喜び。 ますますあってよいね、そんな生活。 |
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